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24.人徳じゃなくて悪事の才能がないだけなんです。
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夕方、『高い城』を巡回していたら。
兵隊さん達から、いつもより頻繁に声を掛けられた。
「若親分安心してください! あいつらにスキなんざ見せません!」
「いざというときには、閣下をお守りしやすぜ!」
「やつらが買収して歌わせようとしてきたら、逆にそれで弱みを握ってやりますよ!」
「みな若おやびんの味方ですから! 大船に乗った気でいてくださいな!」
そのたびに、オレはあいまいな笑いを浮かべて。
「皆のことを頼りにしてるよ」
くらいしか答えようがない。
オレはいつものように随行してくれているバルガスに訊いた。
「なんでみんなこんなに気に掛けてくれるんだろう……?」
バルガスはニヤリと笑い。
「査察官が急にやって来たら、誰でもああ思いますぜ。あいつらはありもしない罪でも嗅ぎまわるネズミどもだ。見つからなきゃ作っちまってもいいと思ってる手合いですぜ」
それはそうなんだけど……。
「若親分の人徳がなかったらこうはいきませんでしたぜ」
「人徳っ!? 誰のっ!?」
「こんなこたぁ珍しいんですぜ。貴族あがりのパッと出の親分をゴロツキどもが揃って守ってやんなきゃなんて気になるのは」
人徳? ははは、御冗談でしょう。
オレは仕事をしていただけで、特別なことはしていないんだけどなぁ……。
「人徳……オレの、どこに?」
「飯がうまくて、仕事もきっちり休みがあって体を壊さねぇで済む。給料をきちっと払ってくれる。規定外の仕事をすりゃ、ちゃんと手当が出る。しかも、よく出来りゃ褒め、できなくっても、くささねぇ。こんな出来たカタは、滅多にいねぇもんですぜ」
「そんなもんかね……」
おかしい。世の中おかしい。
職場の環境を整えるのも、給料を払うのも、当然のことだろ。
規定外や時間外の仕事には、特別手当を払うのも当然だ。
よく出来れば褒めるのだって、当たり前のことだ。
上前をはねたり横領したら、それは不正だし。
確かに、そういうのをうまくやっている奴らがたくさんいるのは知っている。
『高い城』の前任者達は、そういうのばっかりだったぽいしね。
だが、オレに言わせれば、そういうことをするのにも、また才能や権力がいる。
中途半端にそっち方面を真似したらどうなることやら。
そっちの才能もないオレは、後ろから刺されるか、お縄になるかという未来しか見えない。
非才の身なんで、やるべきことをやるくらいしか出来ないってだけなんだが……。
「くっくっく。わからねぇところが、また若親分らしいや!」
夕食が終わり、もう少しで『高い城』の風呂タイムという頃合いで。
デブが司令官室へ押しかけて来た。
「アレの部屋の鍵を渡してこちらへもらおう」
「アレとは何でしょうか?」
前回と同じく、後ろに並んでいる1号・2号・3号は、オレの後ろにいるバルガスにびびっている。
「アレはアレだ! あのブスだ!」
マリーは美人よりの凡庸だ。少なくともブスではない。
いや、そうじゃない。
2年前よりもきれいになっていた。
「ブスとは誰のことでしょうか? 一応オレは300人以上の人間の上に立つ立場なので、名前を言っていただかないと……」
丁寧に訊き返すと、デブは、唸って、少しだけ考えてから、
「ええと、それは、アレだ、だから、あのブスだ! 名前は、アレ、リでもルでもない、ラだ! ララララ、そうだライト子爵家! ライト子爵家のブスだ!」
マリールーという名前が出てこないのか。
彼女どう扱われているのかが判るというものだ。
「なぜです?」
「我は査察団の団長だ。その団員を把握するのは当然ではないか! そもそもアレを一人だけ別室にするとはどういうつもりだ! 我の秘書は、我の部屋にいるべきであろうがっ!」
「……子爵令嬢は室長殿の奥方か何かで?」
「そんなわけないだろう! あんな子爵家の娘ふぜいが! しかも今は単なる卑しい平民だ!」
えっ!? 子爵家から除籍されたのか? どうして?
「……では、室長殿に同行していらっしゃる査察官3名のうちの誰かの奥方か婚約者なのでしょうか?」
「はっ。そんなわけないだろう! あんな卑しい女とでは家格がつりあわん!」
「では、どなたかの恋人であると?」
「何を言う、あんな体以外とりえのない女は、せいぜいおもちゃにしかならん!」
「つまりそれは、貴方方の誰かと又は誰とも肉体関係があるということで?」
「けしからんことを言うな! 室長である我を差し置いて、こいつらがモノにしてるわけがなかろう!」
あ、そうなんだ。
オレは、ひどくホッとしていた。
デブ達は、室長の権力を笠に着てマリーをさんざん弄んでいるが、最後の一線は踏みにじれていないんだ。
マリーは心身ともに追い詰められているが、まだ屈してはいないんだ。
こいつが、わざわざマリーを連れてきたのは、必死に抗う彼女を屈服させるためだったのか。
査察の随員として同道し。
逃げ場のないここで。
立場の弱いオレに黙認(あるいは協力)させて、力づくで辱めるつもりだったのだろう。
しかも、筋肉3名の力まで使ってとはね。
卑劣で外道な奴らだ……。
「ならば結婚もしていない男女を、同室させるわけにはいきませんね」
うん。私的な感情を抜きにしても、理屈として間違っていないよなオレ。
『高い城』は、『連れ込み宿』じゃあないんで。
「貴様! 我はアブレイン侯爵家の者だぞ! 貴様のような木っ端男爵家の人間に、とやかく言われる筋合いはないのだ!」
侯爵家の者か。うん。微妙な言い方だ。
センセイに訊いたところでは、デブは後継者ではないらしい。三男。
つまり、侯爵家令息に過ぎないのだ。
「ここの責任者はオレです。なので、兵たちの誤解を招くようなことはできないのです。室長殿と女を同室にしたら、女に飢えた兵らがどんな想像をするか、判りますよね?」
「いやしい兵隊どもが何を考えるかなど、我にはどうでもいいのだ!」
「オレは責任者なので、そういうわけにはいかないのですよ。女に飢えた兵どもが刺激的な想像で頭をいっぱいにした余り、彼女へ狼藉に及んだりしたら、オレの責任になってしまいますし」
一瞬。デブが、「あ」という顔をした。
その手があった、とか思ったろう!
「そうか! 貴様、我のかよわい部下をひとりにして、こっそり手籠めにでもするつもりであろう! それは好都――おほん、なんと悪辣な!」
判りやすいなぁこの人。
こんなに単純で、物事を隠す才能がないのに、不正とかに手を染めてて大丈夫なのか?
もっと悪くて賢い奴らに、サクッと切り捨てられるタイプだぞ。
「……ですから。夫婦でもない男女を同室にしたら、後からオレが管理責任を問われるのですよ。今、まさに査察を受けているオレが、そんなことを認められるわけがないでしょう」
「我は貴様と違って、そんな不埒なことは考えておらん! 鍵を預かるだけだ!」
「先程の理由で、彼女を貴方方と同室にさせるわけにはいかないのです。となれば個室しかないというわけです。判ってください」
オレの言ってることは、ここを管理する者として、どこも間違っていない。
さっきちゃんと確認したから、この4人のうちの誰かの奥方あるいは婚約者、恋人とは言えないだろう。
今夜あたり無理やり襲って愛人にするつもりだ! とかも言えないですよねー。
さて、どう出るかな?
「ぐっ……そうだ! そういうことかっ! あの女に固執など与えたら男を引っ張り込むぞ! かえって風紀が乱れてしまうぞ! だからこそ我らが管理してやらねばならんのだ! うん、名案」
うわ。今、思いついた、とバレバレのウソを!
兵隊さん達から、いつもより頻繁に声を掛けられた。
「若親分安心してください! あいつらにスキなんざ見せません!」
「いざというときには、閣下をお守りしやすぜ!」
「やつらが買収して歌わせようとしてきたら、逆にそれで弱みを握ってやりますよ!」
「みな若おやびんの味方ですから! 大船に乗った気でいてくださいな!」
そのたびに、オレはあいまいな笑いを浮かべて。
「皆のことを頼りにしてるよ」
くらいしか答えようがない。
オレはいつものように随行してくれているバルガスに訊いた。
「なんでみんなこんなに気に掛けてくれるんだろう……?」
バルガスはニヤリと笑い。
「査察官が急にやって来たら、誰でもああ思いますぜ。あいつらはありもしない罪でも嗅ぎまわるネズミどもだ。見つからなきゃ作っちまってもいいと思ってる手合いですぜ」
それはそうなんだけど……。
「若親分の人徳がなかったらこうはいきませんでしたぜ」
「人徳っ!? 誰のっ!?」
「こんなこたぁ珍しいんですぜ。貴族あがりのパッと出の親分をゴロツキどもが揃って守ってやんなきゃなんて気になるのは」
人徳? ははは、御冗談でしょう。
オレは仕事をしていただけで、特別なことはしていないんだけどなぁ……。
「人徳……オレの、どこに?」
「飯がうまくて、仕事もきっちり休みがあって体を壊さねぇで済む。給料をきちっと払ってくれる。規定外の仕事をすりゃ、ちゃんと手当が出る。しかも、よく出来りゃ褒め、できなくっても、くささねぇ。こんな出来たカタは、滅多にいねぇもんですぜ」
「そんなもんかね……」
おかしい。世の中おかしい。
職場の環境を整えるのも、給料を払うのも、当然のことだろ。
規定外や時間外の仕事には、特別手当を払うのも当然だ。
よく出来れば褒めるのだって、当たり前のことだ。
上前をはねたり横領したら、それは不正だし。
確かに、そういうのをうまくやっている奴らがたくさんいるのは知っている。
『高い城』の前任者達は、そういうのばっかりだったぽいしね。
だが、オレに言わせれば、そういうことをするのにも、また才能や権力がいる。
中途半端にそっち方面を真似したらどうなることやら。
そっちの才能もないオレは、後ろから刺されるか、お縄になるかという未来しか見えない。
非才の身なんで、やるべきことをやるくらいしか出来ないってだけなんだが……。
「くっくっく。わからねぇところが、また若親分らしいや!」
夕食が終わり、もう少しで『高い城』の風呂タイムという頃合いで。
デブが司令官室へ押しかけて来た。
「アレの部屋の鍵を渡してこちらへもらおう」
「アレとは何でしょうか?」
前回と同じく、後ろに並んでいる1号・2号・3号は、オレの後ろにいるバルガスにびびっている。
「アレはアレだ! あのブスだ!」
マリーは美人よりの凡庸だ。少なくともブスではない。
いや、そうじゃない。
2年前よりもきれいになっていた。
「ブスとは誰のことでしょうか? 一応オレは300人以上の人間の上に立つ立場なので、名前を言っていただかないと……」
丁寧に訊き返すと、デブは、唸って、少しだけ考えてから、
「ええと、それは、アレだ、だから、あのブスだ! 名前は、アレ、リでもルでもない、ラだ! ララララ、そうだライト子爵家! ライト子爵家のブスだ!」
マリールーという名前が出てこないのか。
彼女どう扱われているのかが判るというものだ。
「なぜです?」
「我は査察団の団長だ。その団員を把握するのは当然ではないか! そもそもアレを一人だけ別室にするとはどういうつもりだ! 我の秘書は、我の部屋にいるべきであろうがっ!」
「……子爵令嬢は室長殿の奥方か何かで?」
「そんなわけないだろう! あんな子爵家の娘ふぜいが! しかも今は単なる卑しい平民だ!」
えっ!? 子爵家から除籍されたのか? どうして?
「……では、室長殿に同行していらっしゃる査察官3名のうちの誰かの奥方か婚約者なのでしょうか?」
「はっ。そんなわけないだろう! あんな卑しい女とでは家格がつりあわん!」
「では、どなたかの恋人であると?」
「何を言う、あんな体以外とりえのない女は、せいぜいおもちゃにしかならん!」
「つまりそれは、貴方方の誰かと又は誰とも肉体関係があるということで?」
「けしからんことを言うな! 室長である我を差し置いて、こいつらがモノにしてるわけがなかろう!」
あ、そうなんだ。
オレは、ひどくホッとしていた。
デブ達は、室長の権力を笠に着てマリーをさんざん弄んでいるが、最後の一線は踏みにじれていないんだ。
マリーは心身ともに追い詰められているが、まだ屈してはいないんだ。
こいつが、わざわざマリーを連れてきたのは、必死に抗う彼女を屈服させるためだったのか。
査察の随員として同道し。
逃げ場のないここで。
立場の弱いオレに黙認(あるいは協力)させて、力づくで辱めるつもりだったのだろう。
しかも、筋肉3名の力まで使ってとはね。
卑劣で外道な奴らだ……。
「ならば結婚もしていない男女を、同室させるわけにはいきませんね」
うん。私的な感情を抜きにしても、理屈として間違っていないよなオレ。
『高い城』は、『連れ込み宿』じゃあないんで。
「貴様! 我はアブレイン侯爵家の者だぞ! 貴様のような木っ端男爵家の人間に、とやかく言われる筋合いはないのだ!」
侯爵家の者か。うん。微妙な言い方だ。
センセイに訊いたところでは、デブは後継者ではないらしい。三男。
つまり、侯爵家令息に過ぎないのだ。
「ここの責任者はオレです。なので、兵たちの誤解を招くようなことはできないのです。室長殿と女を同室にしたら、女に飢えた兵らがどんな想像をするか、判りますよね?」
「いやしい兵隊どもが何を考えるかなど、我にはどうでもいいのだ!」
「オレは責任者なので、そういうわけにはいかないのですよ。女に飢えた兵どもが刺激的な想像で頭をいっぱいにした余り、彼女へ狼藉に及んだりしたら、オレの責任になってしまいますし」
一瞬。デブが、「あ」という顔をした。
その手があった、とか思ったろう!
「そうか! 貴様、我のかよわい部下をひとりにして、こっそり手籠めにでもするつもりであろう! それは好都――おほん、なんと悪辣な!」
判りやすいなぁこの人。
こんなに単純で、物事を隠す才能がないのに、不正とかに手を染めてて大丈夫なのか?
もっと悪くて賢い奴らに、サクッと切り捨てられるタイプだぞ。
「……ですから。夫婦でもない男女を同室にしたら、後からオレが管理責任を問われるのですよ。今、まさに査察を受けているオレが、そんなことを認められるわけがないでしょう」
「我は貴様と違って、そんな不埒なことは考えておらん! 鍵を預かるだけだ!」
「先程の理由で、彼女を貴方方と同室にさせるわけにはいかないのです。となれば個室しかないというわけです。判ってください」
オレの言ってることは、ここを管理する者として、どこも間違っていない。
さっきちゃんと確認したから、この4人のうちの誰かの奥方あるいは婚約者、恋人とは言えないだろう。
今夜あたり無理やり襲って愛人にするつもりだ! とかも言えないですよねー。
さて、どう出るかな?
「ぐっ……そうだ! そういうことかっ! あの女に固執など与えたら男を引っ張り込むぞ! かえって風紀が乱れてしまうぞ! だからこそ我らが管理してやらねばならんのだ! うん、名案」
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