【完結】きずな小学校七ふしぎ探偵団

佐倉穂波

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第2話 新しい仲間

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 きずな小学校の七不思議——その二。
 夜、誰もいないはずの女子トイレの奥から、“たすけて”という声が聞こえる。
 その声に返事をすると、二度と出てこられなくなる——。

 

「それって、ぜっったい、作り話よね」

 そう言ったのは、柚月ゆずきちゃん。
 黒いストレートの長い髪を首の後ろにきっちり結んで、メガネをかけてる女の子。
 真面目なタイプの女の子で、クラス委員長なの。
 思ったことをズバって言ってくるから、ちょっと近づきにくいタイプかもしれない。
 怒ってるわけじゃないみたいだけど、何だか怒られてるみたいで、少し怖くて、あたしから声をかけるのは、ちょっとためらっちゃう。
 だから転校してきて数日たったけど、まだきちんと話したことがなかった。
 

 放課後、図書室で玲央くんと七ふしぎ探偵団の活動で、昔の学校新聞を見ていたら、柚月ちゃんが話しかけてきたの。
 それが、さっきの「作り話よね」って言葉。

 なんだか、あたしたちの調べてることを否定された気持ちで、モヤモヤしちゃった。だって、誰もいない音楽室でピアノは鳴ったし、なかったはずのノートが突然置かれてたんだよ。七ふしぎは絶対にあるんだって、あたしは思ってる。
 あたしは柚月ちゃんにちょっとムッとしたんだけど、玲央くんは「え~、柚月ちゃんロマンがない」と気にしたかんじはなく笑っていた。

「『南側のトイレにて、女の子の泣き声』……って、そんなの風の音でしょ」

「……でも、ピアノは鳴ったよ?」

 あたしが、おずおずとそう言うと、柚月ちゃんはふっと鼻で笑った。

「それ、まさか『幽霊』だって言いたいの? 現実にそんなのいるわけ——」

 その瞬間、『ピチャンッ……ピチャン……』と、誰もいない図書室の奥から音がした。
 蛇口から水が落ちるような音。
 でも、図書室に水道はないし、水が落ちるような音がするはずはないの。
 外は晴れてるし、雨でもない。

「ねぇ……今の、聞こえた?」
「柚月ちゃんが『幽霊』を否定したから、怒って合図してきたんじゃない?」

 玲央くんが、柚月ちゃんをおどかすように、少し声をひそめて言った。
 柚月ちゃんは少しだけ顔をこわばらせた。でもすぐに背筋を伸ばして言った。

「どこかの水音が反響しただけじゃない。じゃあ、そのトイレの声っていうのを確認しに行きましょ。科学的な理由がきっとあるはずだわ!」

 科学的な理由だなんて、柚月ちゃんは難しい言葉をしってるんだなぁ……さすが委員長だなぁって、あたしは変に感心しちゃった。


「よしっ! じゃあ、今夜決行しよう! 七ふしぎ探偵団へようこそ、柚月ちゃん」
 玲央くんが、キラキラとした顔で柚月ちゃんに笑いかけた。
「ちょっと、そんなものに入るだなんて言ってないわよ」
「まあまあ、いいじゃん。」

 こうして、思いがけず三人目の探偵団メンバーができた(柚月ちゃんは認めてないけど)。
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