やかない猫。

もちうさぎ

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ぼくと新しいひと。

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どうしてもご主人様の事を思い出してしまうんだ。今でも会いたいと思ってしまう。こんなことが悪いなんて言わないけど、すこし寂しいな。会いたいな。

――でも、会える方法を知ったんだ!

僕が目を閉じると、そこには優しいご主人様がいて。「あめ」って優しい声で話してくれるんだ。僕は一人じゃなかったって気づいたよ。目を閉じるとね、いつでも会えるんだ。
あの時のまま、いつもどうり朝起きて、あたたかい朝ご飯を食べて。こんな毎日がまぶたの裏で変わらない。あのときのまま、ぼくのなかに残ってるんだ。
でも、はっと目をさますと、そこにはご主人様はいない。優しい女の人が僕を膝にのせて、頭をなでなでしてくれてる。今はそれで幸せなんだ。ご主人様が居なくても、僕は幸せ...。

今はそれでいいんだよね、いつか迎えに来てくれるんだよね、ご主人様...。



気が付くと僕はまた深い眠りに落ちていた。優しい女の人が声をかけてくれた。

「あっ、目が覚めた?ご飯だからもうちょっと待っててね」

「にゃぁ」
初めての人のご飯。どんな味がするんだろう...!ちょっぴり楽しみで、でも少しご主人様のご飯が恋しくなって。
僕は深い眠りの間、ゆめを見ていた。それは、ご主人様とお散歩をするゆめだった。ご主人様が手をだして『ほら、手をつないで。僕とゆっくり歩こう。』と言ってずっと長い道を歩いていた。なんだかすごく心地が良くて、楽しかったなぁ。顔を見るたび、ご主人様がにこっと笑ってくれたんだ。
こんな毎日が続いたら、きっと幸せなんだろうな...優しい女の人にはごめんなさいだけど、そう思ってしまったんだ。ないしょだけど。

「さぁ、あめーご飯だよー」

「にゃー」
ホカホカのご飯。とってもいい匂いがしてる。僕はそのご飯を口に入れたとたんに、すぐわかったんだ。

――これ、ご主人様のご飯だ。

なんでだろう。凄く知ってる味がしたんだ。やわらかくて、ホカホカでおいしいあの味。

「おいしい?あめ」

「にゃ!」

「よかったぁ♪」
ご機嫌そうだ。僕はそんな優しい女の人を見つめながら思ったことがあるんだ。
ひとつはご主人様にちょっぴり似ている事。行動とかじゃなくて、優しさとか。ふたつめは僕を愛してくれている事。ご主人様と変わらない愛をそそいでくれている。そんな気がしたんだ。みっつめは、僕も優しい女の人が大好きになったという事。まだ会って間もなくて、でも、優しいところとか、ぜんぶ大好きだって云えるんだ。なんでだろうね。

いつのまにか、僕は優しい女の人をご主人様と照らし合わせているようになった。こういうところがにてるな、こういう事も出来るんだ。なんだか懐かしい感じがするな。懐かしい匂いがするな。僕の勘違いだとしても、優しい女の人はご主人様と似ていた。

そんなにてる優しい女の人を、僕はちゃんと大好きだって云えるんだ。

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