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第1章 安住の地を求めて
第27話 雪フクロウと忌み子
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「ホー ホー」
「ホー ホー」
朝、洞窟の前からフクロウの声がするので閉じている入り口を開く。そこにいたのは2羽の白いフクロウだ。全長1メートルほどで真ん丸なフォルムだ。コイツらは雪の中でも活発に行動しているため雪フクロウと呼んでいた。
この2羽は夫婦なようで常に一緒に行動している。僕らがこの拠点に来た後、しばらく経ってから周辺の樹のうろに棲みついた。うろの中ではずっと密着してじっとしている。そのため最初に見た時は4つ目の魔物がこちらを見ているのかと驚いたものだ。
毎日テンを抱っこしてこの辺を散歩してるとテンに興味を持ったのか近づいて来たのが最初の交流の始まりだ。テンも尻尾の部分が白いからな。もしかしたら仲間かと思ったのかもしれない。テンを撫でているとこちらに頭を差し出して来たから撫でてやると、気持ちよかったのかそれ以降もずっとねだってくるのだ。
いつも僕らが散歩してる時に近づいてくるのに今日はどうしたのだろうか?と思ったら雪フクロウの後ろに大きめなカゴが。一体中には何が…
なっ!?赤ん坊が2人カゴの中に入っていた。命の光は今にも消えそうなほど弱々しくなっている。それはそうだろう。この寒さだ。一体どれだけ外に放置されていたのだろうか。赤ん坊は眠っているのか気を失っているのか動かない。急いで洞窟内にカゴごと持っていく。気になるのか雪フクロウも付いてくる。
周囲が暑いと感じるほどの熱を魔法で調整する。まずはすぐにでも温めないといけないだろう。
「おい、起きろ。」
「メエ~?」
「今までただ飯食らいだったんだ。その分は働いてもらう。まずは乳を出してもらうぞ」
「メエ」
まったく、しょうがないなあ。といったような顔でされるがままに乳を搾られる。こいつ…こっちは追い出してやってもいいんだからな?
搾った乳を少し温め、浄化をして赤子の元へと飲ませに行く。飲ませるのに適した道具は無いから、適当に暇な時間で作っていた木のスプーンで飲ませる。
頭を抱えて口元にスプーンを持っていく。意識が無いから飲まなかったらどうしよう、と思っていたが口の中に入れたミルクを無意識下でも飲み込んでいく。ゆっくりと時間をかけてミルクを飲ませていくと命の光が強さを取り戻してきた。ようやく一安心だ。
森にこんな幼子を捨てるとはな。ふざけた親がいたものだ。尊い命をどうして、と思う。しかし親がこの子らを捨てた理由についても見当がついていた。
おそらくは忌み子と忌み嫌われたのだろう。髪の色は対照的な白と黒。耳は僕らヒト族と違い三角になっている。鼻の形や目の形、全体的に似ているこの2人は髪の色は違えど双子なのだろう。
双子は忌み子としてヒト族の中では忌み嫌われていた。きっとこの子らの種族もそうなのだろう。ヒト族の間では、前世で共に心中した2人が双子として生まれ変わるとされている。その2人は人生を最後まで全う出来なかった、かつ1人で死ぬことを恐れた者たちだ。という解釈で嫌われている。
本当に下らない。そんなの正当に処分する為の後付けだろう。貴族では長男がその家を相続する。だからどちらが兄なのか微妙な双子は家督相続の争い事になるから嫌われたのだろう。貧しい農民では1人余分に負担が増えるからだろう。きっとこの子らの種族でも同じ理由なのだろう。
子は親を選べない。それなのに親の都合で捨てられる。そんな事が許される世の中は腐っている。僕はすでにヒトの世の外で生きている。それでもこの処遇は見過ごせない。
僕にはそんな世を正す事ができるほどの力を持っているわけではない。それでも、この子達を育てる力はある。子育ての経験なんてあるわけがないから不安はある。それでもこの子達が幸せだと胸を張れるように愛情を持って育てると誓おう。
「「ホー」」
「そうだな。僕1人じゃない。雪フクロウ達もいるもんな。」
「……」
「もちろんお前にも手伝ってもらうからな。」
「メエ~」
「ホー ホー」
朝、洞窟の前からフクロウの声がするので閉じている入り口を開く。そこにいたのは2羽の白いフクロウだ。全長1メートルほどで真ん丸なフォルムだ。コイツらは雪の中でも活発に行動しているため雪フクロウと呼んでいた。
この2羽は夫婦なようで常に一緒に行動している。僕らがこの拠点に来た後、しばらく経ってから周辺の樹のうろに棲みついた。うろの中ではずっと密着してじっとしている。そのため最初に見た時は4つ目の魔物がこちらを見ているのかと驚いたものだ。
毎日テンを抱っこしてこの辺を散歩してるとテンに興味を持ったのか近づいて来たのが最初の交流の始まりだ。テンも尻尾の部分が白いからな。もしかしたら仲間かと思ったのかもしれない。テンを撫でているとこちらに頭を差し出して来たから撫でてやると、気持ちよかったのかそれ以降もずっとねだってくるのだ。
いつも僕らが散歩してる時に近づいてくるのに今日はどうしたのだろうか?と思ったら雪フクロウの後ろに大きめなカゴが。一体中には何が…
なっ!?赤ん坊が2人カゴの中に入っていた。命の光は今にも消えそうなほど弱々しくなっている。それはそうだろう。この寒さだ。一体どれだけ外に放置されていたのだろうか。赤ん坊は眠っているのか気を失っているのか動かない。急いで洞窟内にカゴごと持っていく。気になるのか雪フクロウも付いてくる。
周囲が暑いと感じるほどの熱を魔法で調整する。まずはすぐにでも温めないといけないだろう。
「おい、起きろ。」
「メエ~?」
「今までただ飯食らいだったんだ。その分は働いてもらう。まずは乳を出してもらうぞ」
「メエ」
まったく、しょうがないなあ。といったような顔でされるがままに乳を搾られる。こいつ…こっちは追い出してやってもいいんだからな?
搾った乳を少し温め、浄化をして赤子の元へと飲ませに行く。飲ませるのに適した道具は無いから、適当に暇な時間で作っていた木のスプーンで飲ませる。
頭を抱えて口元にスプーンを持っていく。意識が無いから飲まなかったらどうしよう、と思っていたが口の中に入れたミルクを無意識下でも飲み込んでいく。ゆっくりと時間をかけてミルクを飲ませていくと命の光が強さを取り戻してきた。ようやく一安心だ。
森にこんな幼子を捨てるとはな。ふざけた親がいたものだ。尊い命をどうして、と思う。しかし親がこの子らを捨てた理由についても見当がついていた。
おそらくは忌み子と忌み嫌われたのだろう。髪の色は対照的な白と黒。耳は僕らヒト族と違い三角になっている。鼻の形や目の形、全体的に似ているこの2人は髪の色は違えど双子なのだろう。
双子は忌み子としてヒト族の中では忌み嫌われていた。きっとこの子らの種族もそうなのだろう。ヒト族の間では、前世で共に心中した2人が双子として生まれ変わるとされている。その2人は人生を最後まで全う出来なかった、かつ1人で死ぬことを恐れた者たちだ。という解釈で嫌われている。
本当に下らない。そんなの正当に処分する為の後付けだろう。貴族では長男がその家を相続する。だからどちらが兄なのか微妙な双子は家督相続の争い事になるから嫌われたのだろう。貧しい農民では1人余分に負担が増えるからだろう。きっとこの子らの種族でも同じ理由なのだろう。
子は親を選べない。それなのに親の都合で捨てられる。そんな事が許される世の中は腐っている。僕はすでにヒトの世の外で生きている。それでもこの処遇は見過ごせない。
僕にはそんな世を正す事ができるほどの力を持っているわけではない。それでも、この子達を育てる力はある。子育ての経験なんてあるわけがないから不安はある。それでもこの子達が幸せだと胸を張れるように愛情を持って育てると誓おう。
「「ホー」」
「そうだな。僕1人じゃない。雪フクロウ達もいるもんな。」
「……」
「もちろんお前にも手伝ってもらうからな。」
「メエ~」
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