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思いがけない出会い 3
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「あのう、僕の事でしょうか?」
「他に誰が居るってんだ?」
少し語尾を強めた感じで僕の方を指差して来たのは、集団の真ん中にドカッと腰を下ろしている、立派なメタル防具を身に付けている騎士様だった。
先程の騎士様よりはかなり若い方だけど、何故か僕の顔を見てニヤニヤしているのが気になる。
「おい少年、名前は何て言うんだ?」
「名前ですか? えっと・・・・リデルと言います」
「リデルね・・・・お前一人か?」
「はいそうです」
「そうか・・・見たところまだ駆け出しの冒険者と言ったところだな?」
「は、はい。分かりますか? 一応4級には先月なったのですが、薬草採取ばかりしてますので」
「4級ね。まだまだだな」
「はい、害獣や魔獣の討伐とか出来ればもっと上がるんでしょうけど、僕の実力では難しいですから」
「・・・・・」
騎士様が顎に手をやり何か考え事をしている。
「・・・・・ちょうど良い奴だな」
「え? 今、何か言われました?」
考え事をしながら何か小声で言っていた様な? よく聞こえなかった。
「別に、気にするな。それよりどうだ? 俺達のパーティーに入らねぇか?」
突然の申し出だった。
予想もしていなかった言葉に僕は直ぐには理解できず、一瞬固まってしまった。
「おい、少年! 聞いてるのか?」
「え? は、はい! えっと・・・・・・」
「もう一回言うぞ。俺達のパーティーに入らないか?」
え? え? ええ??
「ぼ、僕を騎士様のパーティーに、ですか!?」
「そうだと言ってるだろう?」
騎士様の口調が少し荒くなった。
僕が、とんちんかんな返答をしているせいだろうか?
「す、すみません!! で、でもどうして僕なんかを?」
「お前みたいな若手の育成の為だ」
「育成ですか?」
「そうだ。経験の浅い冒険者や騎士の若造の支援だ。聞いた事があるだろ?」
そういえば、冒険者のなる時の説明にあった。
熟練の冒険者や騎士様が、若手を自分達のパーティーとして契約する事でそのパーティーで得た経験値や戦闘技術を分配出来る契約術式があるって言ってた。
早くにランク上げしたい人や、戦闘経験を沢山詰みたい人にとって、単独で行動するよりは安全に修練できるって聞いた事がある。
「聞いた事あります! でもそれって有望な若手の子を育てる為の支援制度ですよね? 僕何て魔法もろくに使えませんし、戦闘技術も習った事ないですよ? しいて言えば薬草に少し詳しいくらいなんですが?」
「別に良いじゃねぇか。俺が見込みが有りそうだと判断したんだ。何かもんくが有るっていうのか?」
「い、いえ! そんな事はありません!!」
「ま、最初は荷物持ちや後方の支援程度だが、直ぐに役にたつだろうよ? どうだ契約しないか?」
若い騎士様が僕に向けて手を差し出してきた。
これって物凄く光栄な話しだよね?
この騎士様のパーティーに入れば、今まで出来なかった経験が出来るし、それにランクアップに必要な経験値が安全に手に入るんだ。
普通なら飛び付く話しなんだろうけど・・・・
「あ、あのうもし契約したら、騎士様のパーティーと共に行動するという事ですよね?」
「それは当然だな」
「つまり、今拠点にしている街から出なきゃいけないという事ですか?」
「当たり前だろ? 俺達は傭兵を生業としているからな。必要な場所があればどこへでも行く。つまり拠点は必要ない」
やっぱりそうか。
それなら・・・・
「申し訳ありません。僕、母さんと妹を残して一人だけ街を出る訳にはいきませんので・・・本当にごめんなさい! 今回はお断りいたします!」
僕は、大きく頭を膝に付きそうになるくらい下げて断った。
「他に誰が居るってんだ?」
少し語尾を強めた感じで僕の方を指差して来たのは、集団の真ん中にドカッと腰を下ろしている、立派なメタル防具を身に付けている騎士様だった。
先程の騎士様よりはかなり若い方だけど、何故か僕の顔を見てニヤニヤしているのが気になる。
「おい少年、名前は何て言うんだ?」
「名前ですか? えっと・・・・リデルと言います」
「リデルね・・・・お前一人か?」
「はいそうです」
「そうか・・・見たところまだ駆け出しの冒険者と言ったところだな?」
「は、はい。分かりますか? 一応4級には先月なったのですが、薬草採取ばかりしてますので」
「4級ね。まだまだだな」
「はい、害獣や魔獣の討伐とか出来ればもっと上がるんでしょうけど、僕の実力では難しいですから」
「・・・・・」
騎士様が顎に手をやり何か考え事をしている。
「・・・・・ちょうど良い奴だな」
「え? 今、何か言われました?」
考え事をしながら何か小声で言っていた様な? よく聞こえなかった。
「別に、気にするな。それよりどうだ? 俺達のパーティーに入らねぇか?」
突然の申し出だった。
予想もしていなかった言葉に僕は直ぐには理解できず、一瞬固まってしまった。
「おい、少年! 聞いてるのか?」
「え? は、はい! えっと・・・・・・」
「もう一回言うぞ。俺達のパーティーに入らないか?」
え? え? ええ??
「ぼ、僕を騎士様のパーティーに、ですか!?」
「そうだと言ってるだろう?」
騎士様の口調が少し荒くなった。
僕が、とんちんかんな返答をしているせいだろうか?
「す、すみません!! で、でもどうして僕なんかを?」
「お前みたいな若手の育成の為だ」
「育成ですか?」
「そうだ。経験の浅い冒険者や騎士の若造の支援だ。聞いた事があるだろ?」
そういえば、冒険者のなる時の説明にあった。
熟練の冒険者や騎士様が、若手を自分達のパーティーとして契約する事でそのパーティーで得た経験値や戦闘技術を分配出来る契約術式があるって言ってた。
早くにランク上げしたい人や、戦闘経験を沢山詰みたい人にとって、単独で行動するよりは安全に修練できるって聞いた事がある。
「聞いた事あります! でもそれって有望な若手の子を育てる為の支援制度ですよね? 僕何て魔法もろくに使えませんし、戦闘技術も習った事ないですよ? しいて言えば薬草に少し詳しいくらいなんですが?」
「別に良いじゃねぇか。俺が見込みが有りそうだと判断したんだ。何かもんくが有るっていうのか?」
「い、いえ! そんな事はありません!!」
「ま、最初は荷物持ちや後方の支援程度だが、直ぐに役にたつだろうよ? どうだ契約しないか?」
若い騎士様が僕に向けて手を差し出してきた。
これって物凄く光栄な話しだよね?
この騎士様のパーティーに入れば、今まで出来なかった経験が出来るし、それにランクアップに必要な経験値が安全に手に入るんだ。
普通なら飛び付く話しなんだろうけど・・・・
「あ、あのうもし契約したら、騎士様のパーティーと共に行動するという事ですよね?」
「それは当然だな」
「つまり、今拠点にしている街から出なきゃいけないという事ですか?」
「当たり前だろ? 俺達は傭兵を生業としているからな。必要な場所があればどこへでも行く。つまり拠点は必要ない」
やっぱりそうか。
それなら・・・・
「申し訳ありません。僕、母さんと妹を残して一人だけ街を出る訳にはいきませんので・・・本当にごめんなさい! 今回はお断りいたします!」
僕は、大きく頭を膝に付きそうになるくらい下げて断った。
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