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思いがけない出会い 7
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「あ、見つけた。この薬草・・炎症に効くイチヤクソウだ」
街道から少し離れた林の中で薬草を探しているのだけど、案外珍しい薬草が幾つか見つけたいた。
「数は少ないけど、結構買取の値段が良い物があった良かった」
今回は、一攫千金とまではいかないまでも、それなりの収入を期待して向かったけど、ちょっとしたトラブルに見舞われそうだったから断念して戻ったけど、これなら準備にかかった費用の元以上は取れそうだ。
「もう少し探したら、村に向かおうかな」
薬草を探しながら帰っているせいで、来た時に比べてかなりの時間が経ってしまっていたので、今日中にシアゴの街予定にに戻り事は難しそうだったので、街の少し手前にある村で一泊する予定にしていた。
それから小一時間程林の中を探し回って、まずまずの薬草を採取できた。
「これで十分かな。一旦街道に戻ろう・・」
「おい」
「え?!」
突然、僕の背後で声が聞こえた。
誰も居ないと思っていたから体が勝手に飛び跳ねてしまった。
「だ、誰です!?」
僕は、恐る恐る後ろを振り返る。
「あ、あなたは!」
「俺の顔をもう忘れてしまったのか?」
「ブルカ様」
思いもしない人が今僕の目の前に居た。
何故?
僕を追って来たのか?
どうして?
「どうして、ブルカ様がここに居られるのですか?」
「そんなに俺がここに居るのはおかしいか?」
「いえ、そういうわけではないですが」
ライゼン様の話だと魔獣対策の傭兵団を募っていてそれに騎士様や強い冒険者の方々があの野営地に集まっていたはず。
当然ブルカ様もそうだと思っていたのだけど。
「いや何、どうしても諦めきれなくてな。君みたいな優秀な人材をどうしても俺のパーティーに入れたいと思って追いかけて来たんだ」
追いかけて来た!?
まさかずっと監視されてたの?
もしかしたらこういう事が有るかもしれないからと、ライゼン様がわざわざ朝も明けきらない時間に出発させてくれたのに・・・夕べから僕に注意していないと分からないはず。
「こ、光栄ですけど、お断りしたはずです。僕には家族を守らなければいけませんから、簡単に街を離れる訳にはいかないのです」
最初に言った断わりの理由をもう一度話した。
「そんな事はどうとでもなるさ」
「どう言う事です?」
僕の心の中に不信感が急激に溢れ出してきた。
何?
ブルカ様の雰囲気が変わったせい?
「何、簡単な事さ。俺がリデルの家族の面倒も見てやるっていうことだ」
「・・・意味が分かりませんが?」
「ふん、所詮平民の子供か。そんな事も分からないのか?」
さらにブルカ様の雰囲気が変わっていった。
最初に出会った時の様な穏やかな表情は無くなり、標的に定めた狩人の様な目を僕に向けて来ている。
「今から、リデルお前を俺の奴隷にしてやる。そうすればお前の口から家族にも話をさせて俺との呪縛契約を成立させてやるって言ってるんだ。そうすれば家族一緒に奴隷として俺の下で働けるだろ?」
ライゼン様の言っていたことが本当になった。
このブルカという人最初っから僕を奴隷にする為に近づいてきたのか。
僕はブルカから目を離さない様にしながら少しづつ後ろへと動く。
「おっと、逃げようとしても無駄だ」
その言葉に合わせて僕の左右と後方の茂みの中から人影が飛び出して来るのが分った。
「周りは囲んだぜ。これで逃げ場は無くなった。あとはこの呪縛契約の術式が刻まれた羊皮紙にリデルの真名を自らの血で書いてもらえば完了だ」
ブルカ様の顔が今まで見たことない様な嫌な笑いを浮かべているのが見えた。
街道から少し離れた林の中で薬草を探しているのだけど、案外珍しい薬草が幾つか見つけたいた。
「数は少ないけど、結構買取の値段が良い物があった良かった」
今回は、一攫千金とまではいかないまでも、それなりの収入を期待して向かったけど、ちょっとしたトラブルに見舞われそうだったから断念して戻ったけど、これなら準備にかかった費用の元以上は取れそうだ。
「もう少し探したら、村に向かおうかな」
薬草を探しながら帰っているせいで、来た時に比べてかなりの時間が経ってしまっていたので、今日中にシアゴの街予定にに戻り事は難しそうだったので、街の少し手前にある村で一泊する予定にしていた。
それから小一時間程林の中を探し回って、まずまずの薬草を採取できた。
「これで十分かな。一旦街道に戻ろう・・」
「おい」
「え?!」
突然、僕の背後で声が聞こえた。
誰も居ないと思っていたから体が勝手に飛び跳ねてしまった。
「だ、誰です!?」
僕は、恐る恐る後ろを振り返る。
「あ、あなたは!」
「俺の顔をもう忘れてしまったのか?」
「ブルカ様」
思いもしない人が今僕の目の前に居た。
何故?
僕を追って来たのか?
どうして?
「どうして、ブルカ様がここに居られるのですか?」
「そんなに俺がここに居るのはおかしいか?」
「いえ、そういうわけではないですが」
ライゼン様の話だと魔獣対策の傭兵団を募っていてそれに騎士様や強い冒険者の方々があの野営地に集まっていたはず。
当然ブルカ様もそうだと思っていたのだけど。
「いや何、どうしても諦めきれなくてな。君みたいな優秀な人材をどうしても俺のパーティーに入れたいと思って追いかけて来たんだ」
追いかけて来た!?
まさかずっと監視されてたの?
もしかしたらこういう事が有るかもしれないからと、ライゼン様がわざわざ朝も明けきらない時間に出発させてくれたのに・・・夕べから僕に注意していないと分からないはず。
「こ、光栄ですけど、お断りしたはずです。僕には家族を守らなければいけませんから、簡単に街を離れる訳にはいかないのです」
最初に言った断わりの理由をもう一度話した。
「そんな事はどうとでもなるさ」
「どう言う事です?」
僕の心の中に不信感が急激に溢れ出してきた。
何?
ブルカ様の雰囲気が変わったせい?
「何、簡単な事さ。俺がリデルの家族の面倒も見てやるっていうことだ」
「・・・意味が分かりませんが?」
「ふん、所詮平民の子供か。そんな事も分からないのか?」
さらにブルカ様の雰囲気が変わっていった。
最初に出会った時の様な穏やかな表情は無くなり、標的に定めた狩人の様な目を僕に向けて来ている。
「今から、リデルお前を俺の奴隷にしてやる。そうすればお前の口から家族にも話をさせて俺との呪縛契約を成立させてやるって言ってるんだ。そうすれば家族一緒に奴隷として俺の下で働けるだろ?」
ライゼン様の言っていたことが本当になった。
このブルカという人最初っから僕を奴隷にする為に近づいてきたのか。
僕はブルカから目を離さない様にしながら少しづつ後ろへと動く。
「おっと、逃げようとしても無駄だ」
その言葉に合わせて僕の左右と後方の茂みの中から人影が飛び出して来るのが分った。
「周りは囲んだぜ。これで逃げ場は無くなった。あとはこの呪縛契約の術式が刻まれた羊皮紙にリデルの真名を自らの血で書いてもらえば完了だ」
ブルカ様の顔が今まで見たことない様な嫌な笑いを浮かべているのが見えた。
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