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第3章 クルデ村
Ⅱ
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今、笑ったんだろうか?
シンジは一瞬、彼女が笑った様に見えたのだが、今一度見ると、厳しい眼差しで僕を睨みつけていたので、見間違いだったとようだ。
「まあ、さっきも話したようにちょっと天然のところもあるけど、悪い奴じゃ無いから安心して欲しいんだが、どうだろう?」
エレノアールが彼女に尋ねるも、無言のままの女の子だった。
暫くの間、沈黙が流れるが、その静けさを破ったのは、他でもないその少女だった。
「魔導士様、貴女はあの稀大の魔女、エルフ族のエレノアール様で宜しいのでしょうか?」
「ええ、間違いないわよ。まあ、稀大のかどうかは知らないけどね」
パタパタと顔の前で手をばたつかせて、照れ隠しに言い放つエレノアール。
「いえ!エレノアール様は、すべての種族の中で見ても、肩を並べる者無しとまで言われた大魔法使い様と伺っております!」
力説すると、まだ体力が戻らず戦闘での過剰な負荷を負った覚束ない状態のまま、ベットの上で正座をし頭をベットに擦りつける程に土下座をし始めた。
「ベットの上でお願い申し上げること誠に申し訳ありません。人類最強の魔法使いエレノアール様に、どうか、私にお力添えしていただけますようお願い申し上げます!」
その真剣な態度と丁寧な言葉使いにエレノアールは普通の子供では無いと判断していた。
下手をしたら、このクルデ村に厄介事を持ち込む可能性もある事をエレノアールは感じていた。
「その願いとは、私が聞いたとして断れるものなのかい? 聞いてしまっただけで、私たちの意思とは関係なく騒動に巻き込まれる様なものじゃないだろうね?」
「それは・・・・・・」
エレノアールの質問に女の子は返答する事が出来なかった。
つまり、聞いただけでもそれなりに騒動に巻き込まれてしまう可能性が有ることを言っているようなものだ。
それから彼女が口を開く事無く、ただ俯き自分の拳を見つめるだけだった。
そんな彼女に、エレノアールは優しく肩に手を置いた。
「!」
「あんた、正直だね。それでもし相談に乗るとして、その見返りはちゃんと考えてるんだろうね?」
「え? あ!」
一度顔を上げた女の子だったが、見返りの事を言われまた俯いてしまった。
「やれやれ、さてどうしたもんかね?」
エレノアールは肩をすぼめて見せながら、シンジの方を見る。
「そんなの決まってるよ! 助けてあげよう!」
目を大きく見開き、真剣に訴えてくる息子をみて、ため息をつき真剣な顔になるエレノアールだった。
「シンジ、人の頼み事を軽く考えるのはおよし。どんな裏があって、自分にどんな見返りがあるかちゃんと判断出来ないうちは簡単に受けるべきじゃないんだよ」
「それは、解ってるつもりだよ。僕一人の判断じゃなく、村のみんなにも相談しなきゃいけない事も。村全体に迷惑がかかる様な事は避けなきゃいけないからね」
エレノアールはシンジの言葉を聞いて、うんうんと頷く。
ちゃんと解った上で話ししてる息子を見て、ちゃんと成長していると実感出来た事が嬉しかったようだ。
「僕は戦いの中、彼女の心に触れて色々と背負っているものを感じてしまって、それを少しでも取り除いてあげたいと思ってしまったんだ。」
シンジの言葉を聞き、それが真剣なものだと確信できた。
こうなってしまったらシンジは梃でも動かない事を母は知っていた。
「と、言う事だ。見返りの件はおいおい考えるとして、取り合えず話しだけは聞いてあげましょう」
エレノアールの言葉を聞いて彼女は顔をあげ、そしてもう一度額をベットに擦り付ける程に頭を下げた。
「あ!有り難うございます!!」
彼女の感謝の言葉は嘘偽りのないものだった。
だから余計に相談の内容が相当に重い物だとエレノアールは確信していた。
そんな彼女の思いを知ってか知らずか、シンジは良かった良かったと喜んでいた。
「これは確認なんだけどいいかね?」
「は、はい」
「私は純粋なエルフだけど、この子は人族とのハーフだよ? それにこの村には多種多様な種族が一緒に暮らしているけど、人族もいるわ。あんたは、人族を相当恨んでるはずだけど、気持ちの整理は出来るんだろうね?」
シンジもそれは気になっていた。
あれ程の人族への怨念を持つほどの恨みを彼女は抱えているんだ。
全員ではないがこの村にも人族はいのだ。
「はっきり言えば判りません。今でも、人族を見ると吐き気がしますし、これからそれが直るとも思えません。でも。この村の方は私を助けだしてくれましたので、殺すような事まではしないと誓います」
「殺すねえ。まあ良いか。それじゃあ、慣れる事も考えてシンジ、あんたがこの子の看病をしてあげなさい」
「「え?えーーーーー!」」
二人は同時に叫んでいた。
シンジは一瞬、彼女が笑った様に見えたのだが、今一度見ると、厳しい眼差しで僕を睨みつけていたので、見間違いだったとようだ。
「まあ、さっきも話したようにちょっと天然のところもあるけど、悪い奴じゃ無いから安心して欲しいんだが、どうだろう?」
エレノアールが彼女に尋ねるも、無言のままの女の子だった。
暫くの間、沈黙が流れるが、その静けさを破ったのは、他でもないその少女だった。
「魔導士様、貴女はあの稀大の魔女、エルフ族のエレノアール様で宜しいのでしょうか?」
「ええ、間違いないわよ。まあ、稀大のかどうかは知らないけどね」
パタパタと顔の前で手をばたつかせて、照れ隠しに言い放つエレノアール。
「いえ!エレノアール様は、すべての種族の中で見ても、肩を並べる者無しとまで言われた大魔法使い様と伺っております!」
力説すると、まだ体力が戻らず戦闘での過剰な負荷を負った覚束ない状態のまま、ベットの上で正座をし頭をベットに擦りつける程に土下座をし始めた。
「ベットの上でお願い申し上げること誠に申し訳ありません。人類最強の魔法使いエレノアール様に、どうか、私にお力添えしていただけますようお願い申し上げます!」
その真剣な態度と丁寧な言葉使いにエレノアールは普通の子供では無いと判断していた。
下手をしたら、このクルデ村に厄介事を持ち込む可能性もある事をエレノアールは感じていた。
「その願いとは、私が聞いたとして断れるものなのかい? 聞いてしまっただけで、私たちの意思とは関係なく騒動に巻き込まれる様なものじゃないだろうね?」
「それは・・・・・・」
エレノアールの質問に女の子は返答する事が出来なかった。
つまり、聞いただけでもそれなりに騒動に巻き込まれてしまう可能性が有ることを言っているようなものだ。
それから彼女が口を開く事無く、ただ俯き自分の拳を見つめるだけだった。
そんな彼女に、エレノアールは優しく肩に手を置いた。
「!」
「あんた、正直だね。それでもし相談に乗るとして、その見返りはちゃんと考えてるんだろうね?」
「え? あ!」
一度顔を上げた女の子だったが、見返りの事を言われまた俯いてしまった。
「やれやれ、さてどうしたもんかね?」
エレノアールは肩をすぼめて見せながら、シンジの方を見る。
「そんなの決まってるよ! 助けてあげよう!」
目を大きく見開き、真剣に訴えてくる息子をみて、ため息をつき真剣な顔になるエレノアールだった。
「シンジ、人の頼み事を軽く考えるのはおよし。どんな裏があって、自分にどんな見返りがあるかちゃんと判断出来ないうちは簡単に受けるべきじゃないんだよ」
「それは、解ってるつもりだよ。僕一人の判断じゃなく、村のみんなにも相談しなきゃいけない事も。村全体に迷惑がかかる様な事は避けなきゃいけないからね」
エレノアールはシンジの言葉を聞いて、うんうんと頷く。
ちゃんと解った上で話ししてる息子を見て、ちゃんと成長していると実感出来た事が嬉しかったようだ。
「僕は戦いの中、彼女の心に触れて色々と背負っているものを感じてしまって、それを少しでも取り除いてあげたいと思ってしまったんだ。」
シンジの言葉を聞き、それが真剣なものだと確信できた。
こうなってしまったらシンジは梃でも動かない事を母は知っていた。
「と、言う事だ。見返りの件はおいおい考えるとして、取り合えず話しだけは聞いてあげましょう」
エレノアールの言葉を聞いて彼女は顔をあげ、そしてもう一度額をベットに擦り付ける程に頭を下げた。
「あ!有り難うございます!!」
彼女の感謝の言葉は嘘偽りのないものだった。
だから余計に相談の内容が相当に重い物だとエレノアールは確信していた。
そんな彼女の思いを知ってか知らずか、シンジは良かった良かったと喜んでいた。
「これは確認なんだけどいいかね?」
「は、はい」
「私は純粋なエルフだけど、この子は人族とのハーフだよ? それにこの村には多種多様な種族が一緒に暮らしているけど、人族もいるわ。あんたは、人族を相当恨んでるはずだけど、気持ちの整理は出来るんだろうね?」
シンジもそれは気になっていた。
あれ程の人族への怨念を持つほどの恨みを彼女は抱えているんだ。
全員ではないがこの村にも人族はいのだ。
「はっきり言えば判りません。今でも、人族を見ると吐き気がしますし、これからそれが直るとも思えません。でも。この村の方は私を助けだしてくれましたので、殺すような事まではしないと誓います」
「殺すねえ。まあ良いか。それじゃあ、慣れる事も考えてシンジ、あんたがこの子の看病をしてあげなさい」
「「え?えーーーーー!」」
二人は同時に叫んでいた。
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