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第3章 クルデ村
Ⅵ
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気絶したシンジを隣の部屋の中にあった長椅子に寝かせたエレノアールは、用意してあった着替えをルエルに渡した。
「ごめんなさいね。同年代の女の子なんて今まで身近に居なかったからね。」
「いえ、こちらこそすみません。」
渡された服をベットに置き、お風呂で貰った浴衣の様な着物を脱ぎながらルエルはエレノアールに謝る。
「シンジが悪い子じゃないのは今までの会話でも解ります。でも、まだ・・。」
申し訳なさそうにはしていたが、まだ瞳には嫌悪感の様なものを映し出していた。
「まあ、ゆっくりでいいからシンジの事見てやってくれる? 貴女にとって役にたってくれるはずだから。」
ルエルは小さく頷く。
同時に着ていた着物が床に落ち、ルエルの肌がほぼ全部見える状態になった。
「! さっきもお風呂でみたけど、女の子の体をなんだと思ってるんだろうね。」
エレノアールはルエルに付けられた幾つもの傷痕に怒りを感じていた。
これを見ただけでもどれだけ酷い仕打ちをされて来たのか想像出来た。
ただ、ルエル以外の人が想像出来てもその苦痛、屈辱は当の本人にしか解らないだろう。
エレノアールは、裸のままのルエルをそっと抱きしめていた。
「あ、・・・・。」
不意に抱きしめられ戸惑うルエルだったが、もの凄く久しぶりに人の優しい温もりを感じた気がしていた。
「あれ?なんで泣いて・るん・だ・・・うっ、くっ、う、うわああああああああああ!」
ルエルは泣いた。
今までどんな酷い仕打ちをされても、男共にどんな辱めを受けても泣かなず、いつか来る日を夢見ながら耐え続けて来たルエルにとって、今がその日になったと思った瞬間、溜めていたものが一気に流れ出してしまったように泣き続けた。
「もう大丈夫だからね。私も、シンジもそしてこの村にいる全ての者があんたの味方だよ。ルエル・ダイアファレス姫。」
「!!!」
胸に顔を埋めていたルエルが勢いよく顔を離し、エレノアールの顔を驚きながら見つめた。
「さっきシンジに名前を教えていただろう? シンジにも口止めするが、ダイアファレスの名は今後明かさないようにしてちょうだい。今後、何か行動するにしても、ダイアファレスの姫君がいると判ると色々面倒な事になるからね。」
「解りました。でも、私が盗賊のあなた達に捕らえられた事は、あの商人から国へ報告が有るんじゃないですか?」
「まあ多分大丈夫だと思うよ。ルエルはあいつらに、ダイアファレスの名を知られていたのかい?」
「いえ、私は国を出た後、帝国の雇われた者達によって捕まったのですが、母だけが帝国に引き渡され、私達は奴隷として売られたんです。」
ルエルが当時の事を話しだすと、表情が段々と険しくなって行くのがエレノアールには判った。
「もういいよ。辛いこと思い出させてしまったね。」
そう言って、もう一度優しくルエルの頭を抱きしめる。
「多分、ルエルは死んだ事になってると思うの。帝国も姫君を奴隷とはいえ生かしておくことはないはず。その雇われた男が上には死んだ事にして、実際は奴隷として売ったんだと思うの。そうすれば、金は全て自分の物になるからね。」
ルエルは話しを聞きながら何か思うところがあるのか、黙ったままエレノアールの胸に顔を埋めていた。
「辛いだろうけど、我慢してくれる?」
エレノアールの問い掛けに、無言で頷く。
「とにかく、シンジがあんたを助けたい、て言うからね。できる限り、ルエルの力にはなってあげるから。」
その言葉を聞いて、ルエルはエレノアールを抱きしめる力を強くした。
「ばーーん! 母様!ルエル!戻ってきてる!?」
ルエル達がいる部屋の扉が勢いよく開き、シンジが部屋の中へと入って来た。
「あ!いるじゃ・・・・!!」
シンジは母様に抱かれる、素っ裸のルエルが視界に入ると、彫刻のように固まってしまった。
三人は暫く時が止まった様に動かず見つめ合っていたが、シンジの額からは冷たい汗が流れ出ていた。
「ドアを開けるときはノックしな!!! シンジのばあかああああー!!!」
二人は無意識に息を合わせ叫ぶと同時に、拳をシンジ目掛けて突き出していた。
「!!!!!!どっがーーーーー!!!」
今日、三度目のノックダウンで気絶するシンジだった。
「ごめんなさいね。同年代の女の子なんて今まで身近に居なかったからね。」
「いえ、こちらこそすみません。」
渡された服をベットに置き、お風呂で貰った浴衣の様な着物を脱ぎながらルエルはエレノアールに謝る。
「シンジが悪い子じゃないのは今までの会話でも解ります。でも、まだ・・。」
申し訳なさそうにはしていたが、まだ瞳には嫌悪感の様なものを映し出していた。
「まあ、ゆっくりでいいからシンジの事見てやってくれる? 貴女にとって役にたってくれるはずだから。」
ルエルは小さく頷く。
同時に着ていた着物が床に落ち、ルエルの肌がほぼ全部見える状態になった。
「! さっきもお風呂でみたけど、女の子の体をなんだと思ってるんだろうね。」
エレノアールはルエルに付けられた幾つもの傷痕に怒りを感じていた。
これを見ただけでもどれだけ酷い仕打ちをされて来たのか想像出来た。
ただ、ルエル以外の人が想像出来てもその苦痛、屈辱は当の本人にしか解らないだろう。
エレノアールは、裸のままのルエルをそっと抱きしめていた。
「あ、・・・・。」
不意に抱きしめられ戸惑うルエルだったが、もの凄く久しぶりに人の優しい温もりを感じた気がしていた。
「あれ?なんで泣いて・るん・だ・・・うっ、くっ、う、うわああああああああああ!」
ルエルは泣いた。
今までどんな酷い仕打ちをされても、男共にどんな辱めを受けても泣かなず、いつか来る日を夢見ながら耐え続けて来たルエルにとって、今がその日になったと思った瞬間、溜めていたものが一気に流れ出してしまったように泣き続けた。
「もう大丈夫だからね。私も、シンジもそしてこの村にいる全ての者があんたの味方だよ。ルエル・ダイアファレス姫。」
「!!!」
胸に顔を埋めていたルエルが勢いよく顔を離し、エレノアールの顔を驚きながら見つめた。
「さっきシンジに名前を教えていただろう? シンジにも口止めするが、ダイアファレスの名は今後明かさないようにしてちょうだい。今後、何か行動するにしても、ダイアファレスの姫君がいると判ると色々面倒な事になるからね。」
「解りました。でも、私が盗賊のあなた達に捕らえられた事は、あの商人から国へ報告が有るんじゃないですか?」
「まあ多分大丈夫だと思うよ。ルエルはあいつらに、ダイアファレスの名を知られていたのかい?」
「いえ、私は国を出た後、帝国の雇われた者達によって捕まったのですが、母だけが帝国に引き渡され、私達は奴隷として売られたんです。」
ルエルが当時の事を話しだすと、表情が段々と険しくなって行くのがエレノアールには判った。
「もういいよ。辛いこと思い出させてしまったね。」
そう言って、もう一度優しくルエルの頭を抱きしめる。
「多分、ルエルは死んだ事になってると思うの。帝国も姫君を奴隷とはいえ生かしておくことはないはず。その雇われた男が上には死んだ事にして、実際は奴隷として売ったんだと思うの。そうすれば、金は全て自分の物になるからね。」
ルエルは話しを聞きながら何か思うところがあるのか、黙ったままエレノアールの胸に顔を埋めていた。
「辛いだろうけど、我慢してくれる?」
エレノアールの問い掛けに、無言で頷く。
「とにかく、シンジがあんたを助けたい、て言うからね。できる限り、ルエルの力にはなってあげるから。」
その言葉を聞いて、ルエルはエレノアールを抱きしめる力を強くした。
「ばーーん! 母様!ルエル!戻ってきてる!?」
ルエル達がいる部屋の扉が勢いよく開き、シンジが部屋の中へと入って来た。
「あ!いるじゃ・・・・!!」
シンジは母様に抱かれる、素っ裸のルエルが視界に入ると、彫刻のように固まってしまった。
三人は暫く時が止まった様に動かず見つめ合っていたが、シンジの額からは冷たい汗が流れ出ていた。
「ドアを開けるときはノックしな!!! シンジのばあかああああー!!!」
二人は無意識に息を合わせ叫ぶと同時に、拳をシンジ目掛けて突き出していた。
「!!!!!!どっがーーーーー!!!」
今日、三度目のノックダウンで気絶するシンジだった。
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