電気羊は少女のユメを見るか?

チタン

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【第7話】電気羊は相棒のカコを知った

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 『そうと決まりゃあここに留まってる時間はねぇ』

 フープティはそう言いながら倒れた警備ロボットのボディを物色し始めた。

『お前さんは走る準備でもしといてくれ。こっからは時間との勝負になる。っと、あったあった、ここか』

フープティは手慣れた手つきで警備ロボットのボディを外すと、自分の端子を警備ロボットに接続した。

『何をしているんです?』

『コイツを再起動してハッキングするんだ。今、この警備ロボットは感電して動作が強制終了した直後だ。それを利用する』

『というとつまり?』

『この手のロボットは故障した時に中枢と記憶領域を優先的に守る。後からエンジニアが故障の原因を探るためにな。だからこっちから働きかけてやりゃ、そこにアクセスすることも可能ってわけだ』

『では、彼の記憶領域に残ったデータを脱出に利用するんですね』

『いや、それだけじゃねぇ』

 フープティはウールの言葉に答えながらも、手元の作業を進めた。

『?』

『大体コイツらはインターネット越しのセキュリティは強固だが、直に情報を抜き取られる可能性への対処は疎かなんだ。せいぜいパスワードでのロックくらいで』

『あなたはどこでそんな知識を得たんです?』

 ウールの問いにフープティは少し答えに詰まった。

『……昔の持ち主がな、ロボット技師だったんだ。俺はその元助手ってわけさ』

 フープティは少し寂しげな口調で言った。

『この型番の初期パスワードは確か、……よし! ここの管理者のセキュリティ意識が低くて助かったぜ。マップデータは手に入った。あとは、っと』

 フープティの声とともに廃棄ルームの扉が開き始め、ついには全開になった。

『よし、走るぞ、ウール! 今、警備ロボットのアクセス権限を使って廃棄エリアのゲートを開けられるだけ開けた。異常に気づかれる前にここを出るんだ!』

『なるほど。ちょうどワタシも準備万端です』

 ウールはジェット・シークエンスを起動させながら言った。

『お前さん、ソイツは……』

『ワタシの上に乗って下さい、フープティ。道を指示してくれれば最短で出口まで飛んでいけます』

 ウールはフープティが戸惑っているのもお構いなしに、自分の上に乗るよう促した。

『ハハッ、イカした羊もいたもんだぜ。今お前さんにもマップデータを送る』

 ウールはフープティから送られてきたマップデータから、廃棄エリアを出るための最短ルートを割り出した。
 フープティがしっかり掴まったのを確認すると、ウールはジェットエンジンをかけ、2体は宙に浮き上がった。

『しっかり掴まってて下さい。行きます』

『おう!』

 ウールは凄まじい猛スピードで廊下を突っ切っていった。
 彼らの通り道にはエンジンから噴き出した白い煙だけが残った。


  ♢♢





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