待ち合わせの公園

こいちゃん

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僕?

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 肌を刺すような鋭い風がと通り過ぎる
「っ、さむ」
 ポケットの中でホッカイロを揉みながら電車を待つ、数分後到着した電車に乗り込み、座り心地のわるい席へと腰を下ろした。
暖房が効いてるとはいえ、作られたような気持ちの悪い温度は、あまり好きではなかった。
「よ。」
前の席に座った女子高生が手を擦り合わせてかじかんだ手を温もらせる
「(早く着かないかな)」
「君、小学生?」
「え?」
ハトが豆鉄砲を食らったような顔にクスクスと女子高生は笑い、再び目を合わせる。
「小学生なのに電車偉いね」
「そう?かな?」
「最寄り、一緒だね」
気づかなかったが、その女子高生はいつも朝同じ電車に乗っている人だった。薄い化粧に少し短くしたスカート、マフラーに埋もれた顔から送られる目線はとても優しかった。
「そうなんですか、気づかなかった、、」
「どこまで?」
「鏡石です」
「あ、じゃあ私の方が先に降りちゃうね」
電車が止まり、ゆっくりと立ち上がった女子高生は、またね、とそれだけを言って降りていった。
「(びっくりした、、)」

 「っていうことが電車であったんだ」
「いい人なんじゃない?」
 朝起こったことを美幸と真弘に話しながら休み時間を潰す。
「優しそうな、人、」
「うーーん、まぁ、少ししか話してないからまだどんな人かはまだわかんないや」
窓の外は雪玉を投げ合う小学生で溢れている、たまに聞こえる聞いたことの無い叫び声に3人で笑う。
「(帰りも会うかな、、)」
「ちょっとトイレ」
「ん、いってら」
真弘は小走りで教室を出ていく。
「...」
「...」
「はは、見てあいつ、ズボンびちゃびちゃ」
「ふふ、風邪ひきそう」
窓は曇がかかり、所々に指でなぞった落書きがあった。
見つめる外の景色には薄く写った美幸の顔が見え、目が合わないようにそっと目をそらす。
「おい」
「え?」
そこには前髪を綺麗に整え、後ろでポニーテイルのように結んだ頭の女の子が立っていた
「みーを困らせてないだろうな」
「イブちゃん!」
どうやら友達同士のようで、あだ名で呼びあってるとこから、仲はいいらしい。
「えっと、」
「紹介するね、隣のクラスのイブちゃん。」
「どうも。」
「どーも」
細い目で見てくるその子は、明らかに尻尾を太くして威嚇をしているようだった。
「もしかして、大誠?」
「そうだけど」
「あ、なーんだ!」
美幸から話をきいているのだろう、僕の名前は知っていて、相手が僕だと気づくと、目がぱっちり開き大きな黒目が綺麗だった。
「あ、え?」
「大誠ならいいよ、美幸から話聞いてるし」
「そうなの?」
「う、うん、」
「みゆきのこと宜しくねー」
美幸は耳を赤くして下を向いて、動物なら、恥ずかしがっているリスだろうか。
「うん、イブさんも、宜しく」
「よろしくー」
「なんか人増えてっし」
戻ってきた真弘は同じくイブさんに威嚇されるのであった。
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