こいつ弟の彼女だから【R18】

まきします

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天童寺姉妹編

今夜、これで終わりにしましょう

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 茜ちゃんに囚われた。
 物騒だけど多分それは言い過ぎな表現じゃないと思う。
 後ろ手に彼女が戸を閉じてゆき、最後はお尻で押すとパタンという音が響く。そして楽しげな笑みを浮かべつつ、そっと近づいてきた。

 ふと窓辺を見ると、ちょうど白い車が庭先に入ってくるところだった。ざりりと砂利をタイヤが踏み、停車する様子をどこか呆然と眺める。
 頻繁にご挨拶している以上、ちゃんとご挨拶したかったが今日ばかりは諦めたほうがいいだろう。
 こうして俺は外に一歩も出れなくなり、彼女の部屋に囚われた。隣を見るとちょうど茜ちゃんも見上げてくるところで、大変な状況だというのにどこか他人事のような緊張感の乏しい顔をしている。茜ちゃんも、この俺も。

「強情ですね、お兄さん。千夏が何をしているのか話したらすぐに許してあげましたのに」
「言わないと約束をしているからな。茜ちゃんもお姉さんなんだから、優しく見守ってあげたらどう?」

 そう返事をすると、むっと不機嫌そうな顔をする。でもそれは一瞬で、すぐにしっかりしたお姉さんの顔つきに戻る。
 てっきり文句を言われると思ったのに、彼女は急に黙り込む。それを不思議に思っているとき、階下から物音がした。
 なるほど、ここから先は決して部屋にいることを気づかれてはいけないらしい。彼女のためにも俺のためにも。
 しぃっと人差し指を唇に当てられるまでもない。


 ベッドに腰掛けながら、彼女はメモ帳に何かを記していく。それを終えると床であぐらをかく俺に、耳元に手を置きながらこしょりと話しかけてくる。

(これ、うちの無線通信です。こっちがパスワード。充電器はそっちのを使ってください)

 大きな瞳でメモ帳を覗き込みながら、言っていた箇所を指でなぞっていく。うんうん頷きながら入力してみると無事に無線回線とつながり、やりましたねと彼女は笑う。

 釣られて俺も笑みを浮かべたが、この「内緒のお泊まり会」という雰囲気はなんだろう。ついさっき階下でエッチなことをしたのに、まるで友達相手みたいに楽しんでいる雰囲気がある。
 耳元に唇を近づけて、こしょこしょ囁いてくるそれも友達相手の仕草に近しい。

(退屈なときは本棚にあるものを自由に読んでください。男の子が読むような漫画は少ないですけど。こんなことなら千夏に借りておけば良かったですね)

 いやいや、千夏ちゃんにこそ知られたらマズいよ。
 小説家になる第一歩を手助けしている最中だし、もしもお姉さんに寝返り、エロ小説を書いているなんて秘密をバラしたら一生口を聞いてくれない気がするし。

 そう思っていると階下から母親と思わしき声が聞こえてきて「はーーい」と茜ちゃんは大きな声で返事をする。そしてくるんと振り返ってくる。

(ご飯を食べたらすぐに戻ります。お兄さんにはお夜食を用意するので許してください)

 大丈夫、任せて。そう親指を立てると彼女もグッと親指を立ててくる。
 こうして親から見つかったら破滅、見つからなくても茜ちゃんからの尋問、という夜が始まったわけだ。



 そわそわしながら周囲を見回す。
 茜ちゃんの部屋には一度だけ訪れたことがあって、そのときは彼女が失恋したときでワンワン泣いてて大変だった。あまりゆっくりしていられなかったし、正直いまもまったく落ち着けない。

 女の子らしいというよりは、きちんと整理されている部屋だ。窓辺には観葉植物が並んでいるし、細かいものを管理するのが好きな子なのかもしれない。
 近くに置いてある霧吹きを眺めていると、階下から「ただいまー!」という聞き慣れた声がした。千夏ちゃんだ。
 あいかわらず元気な声を微笑ましく感じつつ、見つかったらマズい状況に下腹部がきゅっと締めつけられる。うーん心細い。

 たたたと階段を駆け上がり、すぐ前の廊下を通り過ぎ、隣の自室に入っていく。そして千夏ちゃんの部屋はシンと静まりかえる。たぶんノートパソコンを開いて執筆を再開したのかな。
 奔放で元気な子にも関わらず、こうして静かにしているのが逆に気になる。きっとお姉さんも気になって仕方なく、そわそわしながら探っていたのだろう。

 日常のちょっとした姉妹の感情が見え隠れして面白い。状況的にはまったく落ち着けないけど、天童寺姉妹だけの空間に招いてもらえた気分だ。

 ま、時間もあることだし真面目にお手伝いをしますかね。そう思い、スマホを取り出すとネット小説の市場分析を再開した。



 だんだん耳が静寂に慣れてくる。
 かたた、かたた、と隣室からかすかに響くキータッチを聞き、頑張っているなと笑いかけながら黙々と人気作を漁る。
 当初、俺は戸惑っていた。有象無象の作品が並んでおり、その膨大さにどこまで調べないといけないのか呆然とした。
 しかしいくつかの傾向が分かってくると、推理小説のヒントを得たみたいに楽しく感じ始めている自分に気づく。

 人気作となる傾向の分析調査。
 それを静かな思考で淡々とこなしていたとき、かちゃりと戸が開いた。
 現れたのは頭からバスタオルをかけた茜ちゃんで、しぃと人差し指を立てながら後ろ手に戸を閉じる。
 湯上りでほこほこと湯気をまとう彼女は、大きな瞳で俺がスマホをしまうのを眺め、そして隣のベッドに腰掛けてきた。

 そっと顔を寄せてきたので耳を差し出すと、こしょこしょ話しかけてくる。

(退屈でした?)

 ううん、ぜんぜんと首を横に振る。
 お風呂あがり近くで見れることが嬉しくて、つい笑うと彼女も笑い返してくれる。
 この時間はちょっとだけ特別だ。こっそりお嬢さんの部屋に忍びこんでいるし見つかったら怒られる。もしもさっきみたいなことをしているのがバレたら……怒られるだけでは済まされない。

 まずい。すぐ隣部屋には妹さんがいるのに。
 分かってはいる。分かってはいるのだが場をつなぐ会話さえできず、すぐ隣からシャンプーの良い香りが漂うと、自然と彼女を想ってしまう。

 ふうと一緒に息を吐き、そして互いに意識していることに気づいて、ちょっとね、笑っちゃった。
 先ほどの行為からだいぶ時間が経っている。身体の熱はすっかりと冷め、理性や知性も元どおりだ。
 だから彼女は恥ずかしそうにうつむいて、でも期待はしているから顔を近づけると見あげてくる。

(困りました。話せないなんて、これでは千夏のことを聞き出せません)

 困ったようにそう囁かれるが、策士策に溺れる、という表情にはあまり見えない。
 今夜、俺はずっと彼女のそばにいる。もしかしたら茜ちゃんも今夜は特別だと思ってくれたかもしれない。秘密のお泊まり会を楽しみにし、ドキドキしながらシャワーを浴びたかもしれない。
 そうだったらいいなと願いながら顔を近づけていく。

 星を瞬かせるような瞳が近い。
 彼女の呼吸が触れてきて、それだけで胸が熱くなる。だから決して言えない言葉、好きだという感情を触れ合う唇から告げた。

 最初に会ったときは優等生で活発な子だと思った。でも今はもっと彼女を知っている。わがままで、甘えたがりで、そしていけないと分かっているのに身体を許してしまう意思の弱い女の子。
 はあっ、と触れ合った唇からわずかに彼女は息を漏らす。たくさんの好きという感情が伝わればいい。言葉にしなければ誰からも怒られないのだから。

 いままで生きてきて俺には何もなかった。
 好きなものも嫌いなものもあんまり無くて、仕事をして寝るだけの日々が続いて、世界は少しだけ灰色だった。
 それで困らなかったし、ずっとそういうものだと思っていた。

「今夜、きちんと別れよう」

 でも俺の口から出た言葉は、初めて見つけた宝物を手放すものだった。
 落ち着いた声で安心したよ。未練がましい声が出なくて良かった。胸の奥のドロドロを一度も見せずに済んで、彼女から幻滅されずに済んでホッとしてる。

 唐突に、ぎゅっと抱きすくめられた。
 彼女の胸に抱かれて、お風呂あがりの体温に包まれる。少しだけ辛そうに眉尻を下げ、慰めるように俺の後ろ髪を撫でてくる。

「お兄さん。私たち、お付き合いもしていませんよ?」

 そう、彼女の言うとおり笑い話だ。告白する勇気もないのに、当の俺が別れ話を切り出しているなんて。
 でも茜ちゃんは涙声だった。見おろしてくる瞳には幾粒もの涙を浮かばせていて、ちっとも笑ってくれない。
 それに驚く間もなく、彼女の唇に包まれた。柔らかくてしっとりしていて、俺の背中を撫でてくれる。ちう、ちう、と繰り返されるたびに好きだと言われている気がして、ジンと胸の奥が熱くなる。

「今夜、これで終わりにしましょう」

 今すぐにでも泣き出してしまいそうな顔で、だけど唇に笑みを浮かべてそう囁かれる。
 ああ、とすぐに頷いた。
 いつか別れが訪れるのは分かっていた。このまま関係を続けていれば、いつか身を引き裂かれて壊れかねないとも。
 それが俺だけなら良かった。
 でも今のキスはもう普通のキスじゃない。
 重ねられた唇には特別な感情がこもっていて、俺をすごく幸せにしてくれる。だけどこれからたくさん相手を苦しめてしまう感情だ。きっと大好きな子を泣かせてしまう。
 だからホッとした。中途半端な距離ならば、いっそ断ち切ってくれたほうが楽になれる。決して言えないと思っていた別れの言葉は、あっさりと互いの口から告げることができた。

 俺を抱きしめたまま彼女は後ろに倒れていく。一切の抵抗はできず、とさっと自然にベッドへ押し倒す格好になった。
 まだ乾ききっていない髪の毛がシーツに広がり、そして「今夜はお静かに」と唇に人差し指を当てて、ほんの少しだけ俺を幸せにしてくれる。
 くすりと互いに笑った。

 いつもと違う、ふわふわした気持ちだ。
 性欲に突き動かされるというよりは、大好きな子を撫で続けるような愛撫だと思う。

 鎖骨をなぞるようにキスをすると、茜ちゃんはくすぐったさをこらえる。
 パジャマをはだけさせているから、ときおり彼女の敏感で硬く膨らんだ乳頭に触れる。ふううと彼女は疼きをこらえようと息を吐く。
 その唇が開かれると、かぽりと音を立てて密着した。

 すべすべで光沢がある唇は大のお気に入りだ。彼女がそっと肩を掴んでくれるから、嬉しさがさらに増す。
 肝心なところには触れない、じっくりとした愛撫に長い長い時間をかけてゆく。最後の夜だから、一生ぶん感じたかったし、生涯忘れずにいたいと思う。
 その甲斐あって、ひくひく震える裸体は息を吹きかけるだけで声を出してしまうだろう。
 ぱつっと乳房は張っており、間接照明の薄暗いなかで抱きしめると柔らかさを伝え、いけないことをしている背徳感に彼女は唇をわななかせる。

 彼女から肩を掴まれ、ごく弱い力で引かれると、あてがってもいないのにゆっくりと膣のなかに挿(はい)っていく。
 熱い。どろどろに溶けるように愛液が滴っていて、少し挿入しただけで内側の熱を感じ取る。ぬるんとした感触に呻き、俺の背をなでなでしながら彼女は「がんばって」と囁いてきた。

 ぐぶぶ。
 もう少し入ると、ぎゅうっと輪っかが締まる。ぎゅ、ぎゅ、と尚も続き、落ち着いたのか茜ちゃんの手がお尻に触れてきて「平気」と囁いてくる。
 ぽたりと裸体に汗を落とし、彼女の様子を見る。時おり起こる痙攣が乳房を波打たせ、それでも汗に濡れた前髪を指先ですくい、じっと見つめ返してくる瞳。

 今夜、彼女と別れる。
 そう思うと同時に、いつもと異なる性行為だと感じている。今夜の俺はいつも茜ちゃんを心配して、そのたびに彼女は大丈夫と笑みを浮かべるんだ。
 もしかしたら彼女と交わせられなかった初夜がこんな姿だったかもしれない。ふとそんなことを思い、切なさが胸を締めつけた。

 ぐぐと内側でそそり立つ。
 敏感な彼女はそれを感じ、んっと唇を噛む。ドキドキする胸を露わにしたまま彼女の太ももが左右から挟んできた。
 そして肩を引かれると、長い時間をかけて粘液の溜まりきった膣にみっちりと肉棒が入り込む。

「うふーー……ッ!」

 ゆさっと乳房を震わせながら、彼女は熱い息を吐く。
 太ももに汗を浮かし、もう少しだけガニ股にして俺をさらに迎え入れてくれる。
 ちょんと唇が触れてきた。今夜はデザートをつまむ気分で、気軽にキスをしましょう。にんまり笑みを浮かべる彼女から、そう提案された気がした。

 今日はこんな感じで。
 分かったわ、静かにね。

 こつんと額を触れ合わせ、ふふっと笑いあうくらいの可愛いセックスが始まった。

 じんわりとした刺激は相変わらずで、気持ちよくて身体がふわふわしているから時計の針だけ早回しをしているみたいだった。

 音を立てず声を出さず、ただ粘液まみれの膣を薄暗いなかで想う。段差があって、そこをカリで引っかけると気持ち良いんだなとか、天井のところはやっぱり弱点なんだねとか普段よりずっと細部を感じ取る。

 ゆっくりした挿入だ。
 入って戻るまで10秒位かけているかもしれない。
 そのなかで、こりっと硬いものを感じる。それは一番奥の子宮口らしく、今までは苦しがっていた場所であり、腰をクネらせてかわす動きをされていた。
 痛いのかというとそういうわけではなく、ジンと下腹部が痺れるような感じらしい。

 ぬっ、ぬっ、とそこを優しく優しく押し続ける。
 なにかがあるような気がしたし、今夜だけは彼女も知りたがっているように見える。
 例えるなら精通を初めて迎えた日が近しい。なにか起きる予感がして、頭をボーッとさせながら性器をいじっていたころを思い返す。

 ぱくっと下唇を食まれた。
 それは「試しに続けてみて」と俺を認めるキスだった。

 じっと見つめあい、互いの肩を抱きあいながら、ごくごく地味に刺激し続ける。乳房もわずかにしか揺れない程度のゆっくりさなのに、気づくと茜ちゃんの腕に鳥肌が立っていた。

 さわさわと風がそよぐような刺激。
 だけど彼女の感度は高まり続けて、どろぉっと愛液がベッドに滴っていくのが分かった。それでも淡々と刺激をし続けているうち……彼女に変化が起きた。

 それは深夜に差し掛かるときだった。
 は、は、は、と急に彼女の息が急に荒げてきて、見おろすと瞳がかなり危ういと気づく。ぼうっとしていて何も見えていないのではとさえ思うほどだ。
 心配して頬に手を置くと、それだけでぶるっと首筋を震わせる。

「あ、お……ッ! 身体、おかし、い……っ!」

 どうしたんだ、これは。
 ごく弱い刺激しか与えていないのに、オーガズムが近いように唇をわななかせている。そこをどろっと唾液が垂れていき、口を閉じるのはだいぶ遅れていた。

 抱き支えようと背に触れただけで、ゾゾっと裸体を震わせる。はちきれそうな乳房も先端を限界まで膨らせていて、そこをピククと小刻みに震わせていた。

 どうしたんだろうと再び思う。
 頬を真っ赤に染めており、朦朧と見つめてくる瞳。呼吸が苦しいのか舌を覗かせていて、ハッハッと犬のような呼吸をしているのは普段とまるで異なる。
 長い時間をかけ執拗に子宮口ポルチオを攻め続けるだけで、そこには全身性感帯の茜ちゃんが仕上がっていた。



 最初の絶頂はすごかった。
 ぎゅううと正面から抱きつかれたまま、ビクビク身体が痙攣し続けたんだ。

「イッ、でる……ッ! いま、イッ……て、る!」

 長い長い愛撫をしたせいか、痙攣もまた長いこと止まらない。持ちあがった脚が腰に乗ってくるとまた子宮口に亀頭がぶちゅっと触れて「オンンッ!」と耳元で彼女は鳴いた。

 彼女は嗚咽のような呼吸をしており、ぐりんと一番奥を撫でると「いぐっ!」とまたたわいもなく絶頂する。
 まずい。まずいのは分かっている。遅い時間とはいえ、いまは階下でご両親が寝ている。もしも起こしたら大変なことになる。
 しかしこらえきれない。俺を全身で感じている彼女をもっと見たくてたまらない。大丈夫だ。みんなきっともう寝ている。ご両親も千夏ちゃんも。きっと絶対に目を覚まさない。

 ああ、とうめき声をあげながら脱力をしていき、震える裸体が仰け反っていく。湯気だつような熱した呼吸を繰り返し、とめどなく汗が滴り落ちる。
 そこを……ずにゅにゅと挿入する。ねっとりした愛液が絡みつき、すぐに裸体が激しく震える。

「だめだめっ! アッ、いっ、ぐっ……ッ!」

 ぞわりと鳥肌を立たせて、彼女は連続してイキ続ける。びぐびぐお尻を震わせ、それでも長い脚ですがりつく。つま先まで真っ直ぐに伸ばし、快楽の凄さを表すようにそれがゆらゆらと大きく揺れていた。

 ハーー、と長い息を吐く。
 視線の怪しい茜ちゃんは顔を真っ赤にしていて、ひくひく身体中を震わせている。女子高生らしからぬ迫力ある乳房も汗にまみれており、ぬらぬらと光沢をまとっている。
 視線をゆっくりと下に向ける。
 おへそのくぼみは汗の水たまりができていた。子宮口の真上であり、そこは絶えず上下に蠢いて見える。

 だんだん分かってきた。
 とん、とん、とキスするくらい優しく触れるだけでいい。それだけで「あぁぁーー……」と彼女は呻き、だらしなく唇を開いて、どろりと唾液を零させる。
 試しに唇を重ねてみるとキスにさえ気づかないほどぼうっとしていて、唾液がそのまま口内に流れてくる。生温かく甘い匂いのするそれをゴクッゴクッと飲んでいたとき、彼女の舌は本能的に動き始める。

 だらしないキスと言うべきか、乳房にポタポタ唾液を垂らしながら、ただ舌先だけが絡みあう。汗も唾液も谷間に吸い込まれていき、ずっと下、おへそから暗がりまで伝い落ちていく。

 だいぶ身体の力が抜けてきた。緊張が解けると子宮口(ポルチオ)も柔らかくなって、それまでにあった苦しさがどんどん消えていく。
 これならもっと行けるか。そう思い、汗だくのお尻を掴むと彼女を持ち上げる。肩の上にあごを置かせ、なでなでしているうちに彼女は抱きついてきた。
 そのまま立ち上がると、さらに一番奥への刺激は強くなる。

 一瞬、彼女はびっくりした顔をした。両肩を跳ねあげて、瞳を真ん丸にした。
 亀頭の先端に触れてくるのはより深いキスであり、半開きの唇からまたどろりと唾液が垂れていく。それが俺の鎖骨を伝い落ちていたときに、両のつま先がビックビックと揺れ始める。

「ウッ、ウッ、こっ、れっ、ヤッバ、いっ……!」

 だらしない唇と重ねると、あううと涙をぽろぽろ流しながら俺を舐め返してくれる。
 長い長い子宮口責めによって思考は溶け、イキっぱなしの状態になった。全身が性感帯となって、視線をふらふらさ迷わせながらただしがみつくようになった。

 ここまで変わるのかと思う。
 女子校生のあまりの身体の変化にゾクっと背筋に走るものを感じながら、俺は耳元にささやきかける。

「これ、気持ちいい、茜ちゃん?」
「ウふぅッ、う゛っ、う゛っ……はいっ、すごい、ですっ、こんなの、知らない、です……っ」

 ハーハー荒げた息を吐きながら、しがみつく彼女はそう答える。大して考えず、思っていることをそのまま口から出している風だった。
 ごくっと喉を鳴らしてから、俺はボソボソと耳穴に囁きかける。脳に直接響くような声で。

「克樹のちんぽと、どっちがいい?」
「おにっ、お兄さんのっ、ちんぽっ、ちんぽです。すごいんですぅ……っ。こ、こっちです、こっちがいいんです……っ」

 今だけは、今夜だけは身体が芯から溶けている。思考も溶け、普段であれば決して口にしないこともやすやすと俺に教えてくれる。
 ぞく、ぞく、と背筋を走るものを感じながら、どちゅっと奥まで挿入する。両膝を抱えて宙に浮いていた彼女はたまらなそうに真っ白な背筋をわななかせた。痙攣は腰から上に駆け抜けて、ぶるんッ乳房を揺らしてから「オウンッ!」と鳴く。
 幾度目かのオーガズム、真上を向いて息を吐く彼女はそれをたっぷり堪能していた。もちろん俺も彼女を征服した手ごたえに打ち震えている。

 ああ、窓の外はもう真っ暗だ。
 二階からは街灯も星も見えなくて、ただ暗い夜空だけが見える。
 そのベランダにつながる窓がほんのすこしだけ気になった。太ももまで伝うほどの愛液に包まれて我を忘れており、やっと気づいたと言うべきか。


 そこにおさげを解いた千夏ちゃんがいた。


 物影から身体を覗かせて、たくさんの汗を肌に浮かせながら俺たちのセックスを見ていた。
 口に手を当て、驚いた顔をしながらも視線は下のほう、お姉さんのお尻をじっと見ていた。そこにはアレがある。ぬるぬるの愛液で光沢を帯びた俺のペニスが。

 頬を真っ赤に染めて、あまりの光景に動けない風だった。しかしそれだけではなく、苦しそうに内股に手で挟んで、そこを幾筋もの液体が伝い落ちている。

 あてられているのか?
 ぐねぐね腰を揺する姉の色気に、そして少女漫画では決して見ないリアルな性行為にあてられている?
 ごく身近なお姉さんを通じて、まるで自分がペニスを飲み込んでいるような顔つきをしているのは気のせいか。

 このとき、ひとつ疑問が解けた。
 不思議だったんだ。どうして一度も経験のない彼女が、あんなにリアルな官能小説を書けたのか。
 あれは肌が触れあい、互いの息づかいを感じる経験がなければ決して書けないものだった。
 もしかして以前にも見られていたのでは?
 茜ちゃんがグネグネ身体を揺すって、気持ちよさそうにする姿をとても近くから見ていたのでは?

『徹、お姉ちゃんのこと、好きなの?』

 あの日、彼女からの問いかけが鮮明に脳裏に響く。なぜ姉のことを気にするのかとかすかな疑問を浮かべたが、あれは全てを知った問いかけだった?
 浮気している姉のことも、茜ちゃんから離れられない俺も分かっており、そう問いかけてきた?

 たくさんの疑問を浮かべる俺は、汗だくの裸体を抱いたまま、ゆっくり窓辺に近づく。やはりそこにいる少女は一歩も下がらず、はっはっと荒い息を繰り返しながらも見あげてくる。
 きゅっと手を握り、日やけした喉をごくっと鳴らし、そしておさげを解いた彼女が普段よりもずっと女性的な顔つきをしているのだと気づく。

 茜ちゃんのすぐ背後、ガラスで仕切った向こう側に少女がいる。そして太ももを伝う液体は先程よりさらに増している。
 そのぐっしょりと濡れたスパッツを見つめ、そして俺は話しかける。

「脱いで……」

 少女がどうなっているのか知りたい。
 ガラスに遮られて声は届かないはずだ。しかし少女はゆっくりと手を動かして……ぬるっと粘液の糸をスパッツに垂らしている陰部を見せてくれた。

 胴体だけは真っ白な身体は中央におへそがあり、その下にかすかな陰毛があって愛液でべったり濡れている。
 暗くてもべとべとにしていたことを教わって、ぐぐとそそり立つものを感じる。
 ふと射精したくなる。
 とろとろに溶けた茜ちゃんは裸体も内側も熱くって、この女子高生をきちんと征服したくなる。身体の関係だけじゃなくって、もっとそばで、手を繋いでショッピングに行ける日を夢見て……ズブズブ肉棒を埋める。

 びくくっと震えたのは姉妹とも同時だった。
 性に目覚めた千夏ちゃんはおまんこを指先で撫でて、愛液をさらに滴らせながら、はああと小刻みな息を吐く。
 ぼうっとした瞳で見つめているのは、俺と茜ちゃんの結合している場所だ。一番気持ちよくてたまらない場所をじっと見て、卑猥な指づかいでチャッチャッと水音を鳴らす。

 三人の湿度でガラスがだんだん曇っていくなか、俺の頭もだんだん痺れてくる。
 桃のような肉厚のお尻をべたんっとガラスに押し当てるとすぐに周囲がもあっと曇る。そして痺れが腰全体を包んだとき、熱いものが溢れてくる。

 ドビビッとほとばしったそれは、茜ちゃんの子宮口にたっぷりと注がれる。ンンンーーッと彼女は鳴いて、少し遅れてびぐんびぐんと腰全体を痙攣させながら大量の精子を飲む。
 真夜中に、ビュッビューッという音だけが響く。溜めっぱなしだった精子は大量で、その長い射精感が俺を喘がせる。声を出していた気はするがきちんと思い出せない。ただ腰が砕けるほど気持ちよくて、膝がかくかく震えていた。

 出しきった。
 ゼッゼッと荒い息をしながら、ぬぼっと抜ける感触を覚える。支えを失った姉は前かがみになり、精子で濡れたお尻を窓ガラスに押しつける格好になった。

 そこを精子がどくどく溢れてくる。窓ガラスを伝い、真っ白なザーメンが流れるのを千夏は間近に見ているだろう。
 湯気で曇ったガラスには、淫猥に痙攣する姉のアレが映っている。
 何が起きたか分からない風だった千夏ちゃんは、しかし身体を硬直させて一歩も動けず、俺と同じ熱い熱い息を吐いていた。
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