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その7
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途端、ハッと鼻で笑い飛ばす佐伯くん。
呆気にとられていると、ベンチに置いていた本を持ってどすりと腰かけました。
「答えは、ノー。違います」
「……でも、」
「思い上がるなよ」
ふんぞり返るように背もたれに寄りかかり、優雅な動きで長い足を組む。
見下すような眼差しを私に向け放ったのは、
「奴隷宣告、だ」
「ど、れい……?」
佐伯くんの言葉に、本気で耳を疑いました。
聞き間違いですよね。そうですよね。うん、きっと聞き間違いだ!
仮にも王子様と呼ばれているお方が、いたいけな女子高生を捕まえて「奴隷だ」なんて言うわけが、
「そ、奴隷です」
にこやかに繰り返され、思考回路がショート。
モクモクと煙をあげます。
奴隷とは、人間でありながら所有の客体即ち所有物とされる者を言う。
人間としての名誉、権利・自由を認められず、他人の所有物として取り扱われる人。
所有者の全的支配に服し、労働を強制され、譲渡・売買の対象とされた(Wikipediaより)
「……ちょ、ちょっと待ってください!」
ようやく動き出した頭で反論を口にする。
そんな私など知らん顔で、佐伯くんは本のページを開いた。
「奴隷なんて嫌です!」
「そうですか」
目線もこちらにくれず、冷たい声で淡々と佐伯くんは話します。
「では、明日から近寄らないでくださいね。僕はそれ以外の名目で君をそばに置く気はありませんので」
開いた口がふさがらない。
奴隷になる気がないならそばに寄るな、と……?
奴隷になるか、三行半を受け入れるか。
その二択しかないだなんて……。
「ど、奴隷にはなりません!」
「では、」
「でも! そばにはいたいです!」
拳を握りしめて訴えれば、佐伯くんはちらとこちらを見やる。
そして、大きなため息を一つ。
「なぜそんなに粘るんですか」
「……だ、だって、」
好き、だから。
言いかけた言葉を唾と一緒に飲み込んだ。
呆気にとられていると、ベンチに置いていた本を持ってどすりと腰かけました。
「答えは、ノー。違います」
「……でも、」
「思い上がるなよ」
ふんぞり返るように背もたれに寄りかかり、優雅な動きで長い足を組む。
見下すような眼差しを私に向け放ったのは、
「奴隷宣告、だ」
「ど、れい……?」
佐伯くんの言葉に、本気で耳を疑いました。
聞き間違いですよね。そうですよね。うん、きっと聞き間違いだ!
仮にも王子様と呼ばれているお方が、いたいけな女子高生を捕まえて「奴隷だ」なんて言うわけが、
「そ、奴隷です」
にこやかに繰り返され、思考回路がショート。
モクモクと煙をあげます。
奴隷とは、人間でありながら所有の客体即ち所有物とされる者を言う。
人間としての名誉、権利・自由を認められず、他人の所有物として取り扱われる人。
所有者の全的支配に服し、労働を強制され、譲渡・売買の対象とされた(Wikipediaより)
「……ちょ、ちょっと待ってください!」
ようやく動き出した頭で反論を口にする。
そんな私など知らん顔で、佐伯くんは本のページを開いた。
「奴隷なんて嫌です!」
「そうですか」
目線もこちらにくれず、冷たい声で淡々と佐伯くんは話します。
「では、明日から近寄らないでくださいね。僕はそれ以外の名目で君をそばに置く気はありませんので」
開いた口がふさがらない。
奴隷になる気がないならそばに寄るな、と……?
奴隷になるか、三行半を受け入れるか。
その二択しかないだなんて……。
「ど、奴隷にはなりません!」
「では、」
「でも! そばにはいたいです!」
拳を握りしめて訴えれば、佐伯くんはちらとこちらを見やる。
そして、大きなため息を一つ。
「なぜそんなに粘るんですか」
「……だ、だって、」
好き、だから。
言いかけた言葉を唾と一緒に飲み込んだ。
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