21 / 66
第20話 嫌われ者
しおりを挟む
ランクの十三……キングである彼は、一時期その名の通り『王様』という役の期間があったらしい。しかし、ジョーカーの「今は違う」という言葉がどこか引っかかっていた。
そして、女王様の吐露した時計屋さんへの恨み言。「ルール違反の卑怯者」「私は最後までクイーンを演じられる」……あれらがもし「キングではない別の“何か”に変わった」という意味を指しているのだとしたら?
(チェシャ猫は、言ってた……)
今この『ジョーカー探し』というゲームが行われている最中はみんな嘘つきで、何にでもなれる本物のジョーカーは常に誰かのふりをしていると。
(誰かの……何かの、ふりを)
そして、黒ウサギが初めに教えてくれた「ジョーカーだけがアリスを助けてくれるよ」という話。私は今まで、何度この人に危機を救われただろう?
つまり……私が探している本物のジョーカーは今、『時計屋』のふりをして過ごしているのではないだろうか?
「時計屋さんが……貴方が、本物のジョーカーなんでしょう?」
唾をごくりと飲み込んでまっすぐに顔を見据えると、彼はどこか悲しげに緑の隻眼を細めて肩をすくめた。
「……残念。ハズレ」
「……え?」
時計屋さんは顔を背けて自嘲するように小さく笑い拳銃を懐中時計に戻すと、少しのあいだ手の中でチャリチャリとチェーンをもてあそぶ。
それから、顔を上げてやっと私の顔を見たかと思えば、何の合図もなく懐中時計をこちらに向かってぽんと投げてきため、慌てて差し出した手のひらの器でキャッチした。
「……アリスを殺せるのは、『偽物ジョーカー』になったランク持ちだけ……ただし、“アリスのことが嫌いな”ランク持ちだけだ」
(時計屋さん……泣いてる、の……?)
先程から、どうしてこの人は……私の顔を見ないようにしているのだろうか?
表情を伺えないせいで何を考えているのか分からず、彼の声がわずかに震えている事を気のせいだと思い込もうとした。
「……」
さきほど渡された懐中時計の蓋を開けて中を見れば、それはエースが常に首から下げている物と同じように、秒針や長針・短針が一本も存在しない文字盤だけの奇妙な構造をしている。
(お守り、みたいな物なのかしら……?)
蓋をパチリと閉めた時、心の中で渦巻く違和感に気がついた。
(……おかしい)
懐中時計の話ではなくて……時計屋さんの語った『偽物ジョーカーが私を殺せる条件』が。
時計屋さんは「アリスなんて大嫌いだ」と言った直後に私を撃った。それなら、私はすでに死んでいなければおかしいのだ。
「時計屋さんは、私のこと……大嫌い、なんでしょう……?」
彼がこぼした言葉を自分の口で反復しながら、胸が苦しくなり涙で視界が歪む。
「……『アリスなんて大嫌いだ』……そう口に出せば、一瞬でも……アリスのことを、嫌いになれるかと思った」
やっとこちらを見た時計屋さんは、
(また……なんで、そんな顔……)
ひどく悲しげな表情で、今すぐに泣き出してしまうのではないだろうかと錯覚した。それでも、時計屋さんはすぐにぎこちない微笑みを浮かべて見せる。
「……自分の心に嘘をついて、アリスを傷つけてでも……それでも、どうにかして救ってあげたかった。それでアリスが幸せになれるなら、俺は……」
ああ、まただわ。
思い返すと、ランク持ちのみんなは私の命を狙う時……いつも、同じ言葉を口にする。
救ってあげる。幸せにする。
それは、
(どういう意味なの……?)
ただ、私が覚えていないだけ?
それとも、エースが決めた何かしらの『ルール』を意味しているの?
「……ごめんね、アリス。俺はやっぱり、昔も今も駄目な奴だ。見ている事しかできなくて、アリスを助けてあげられない……これじゃあ、あの時と同じだ……俺は相変わらず、」
「……っ、違う! 貴方は役立たずの王様なんかじゃないわ!!」
「……!?」
「……あれ? 私、なに言って……」
なぜか咄嗟に口が動き、気付けば言葉が溢れ出ていた。
けれど、なぜあんなことを言ってしまったのか自分でも理解できずに首を傾げると、時計屋さんはとても驚いた様子で目を丸めて私を見る。
「……アリス……思い出したの?」
「……? 何を?」
「……いや、違うならいい。何でもない……謝ればいい話じゃないけど、痛い思いさせてごめんね」
時計屋さんはさっきから謝ってばかりだ。
彼が悪意を持って私を撃ったわけではないこと、『嫌い』というのは本心で放った言葉ではなかったこと。それだけで十分だというのに、どうしてそんなに、
「……時計屋さん」
背伸びをして両腕を伸ばし、彼の頭を自分の胸元に抱き寄せると「なに!? ちょっ、アリス……!?」と裏返った声を出すけれど、暴れたり突き放そうとはしないのが彼の優しいところだ。
頭を撫でながら「時計屋さん、ありがとう」と呟けば彼の体から力が抜け、小さく頷いて私の背に腕を回し躊躇いがちに抱き着いてくる。
「……俺は、どうあがいても……本物のジョーカーにはなれない」
「ならなくていいわよ。時計屋さんは、時計屋さんのままでいてほしいわ」
「……『時計屋』じゃあ、駄目なんだよ……アリスを救うためには、俺なんか……恩を返すのも、まだ……全然、足りてない……俺は、」
ゆっくりと顔を上げた時計屋さんは、輪郭をたどるようにして目線を移動させ私をまっすぐに見据えた。
普段は隠されている――私から見て、左側の瞳。長い前髪の隙間から一瞬だけちらりと覗いた銀色のビー玉には、時計の文字盤と針が刻まれているように見えた。
「……ルール違反を犯した『時計屋』は、みんなに嫌われてる。ジャックだって、本当に俺を好きで仲良くしてくれているわけじゃない。それがあいつの役割だからだ。本当なら、俺みたいな奴は……アリスのそばに、居るべきじゃないんだ」
なんだろう。この、胸の痛みは。まるで、先の尖った物で何度も刺されているかのような。
「……」
俯く時計屋さんは、泣いているように見えた。
大人の男性なのに、まるで……幼い子供みたい。
(泣かないで、時計屋さん)
もう一度、力いっぱい彼を抱き締めてから何度も優しく頭を撫でる。
「あ、あの……アリス……?」
「そんなこと言わないで。私は、時計屋さんに何度も助けてもらった。それだけじゃない……私なんかに、住む場所も貸してくれて……本当に、いつもたくさん感謝しているのよ。私の側にいてくれて、ありがとう。時計屋さん」
「アリス……」
「それに、ジャックはただの『役割』で時計屋さんと仲良くしているわけじゃないって、見ればわかるわ。大丈夫、彼の想いは本物よ」
その場しのぎで適当な言葉を並べているわけでも、同情して慰めるために言っているわけでもない。本当に、心からそう感じている事だ。
ジャックもきっと、同じ気持ちだろう。
「……ありがとう、アリス」
蕾が花開くかのように柔らかく笑う時計屋さん。つられて笑うと、彼は安心した様子で私に体を預けてくる。
その大きな体を抱きしめたまま、ふわふわとした手触りの髪を優しく撫でた。
暖かくて、心地よくて……懐かしい、匂いがする。
……ああ、
「時計屋さん、私……時計屋さんのこと、」
その先に何の言葉を紡げばいいのか……今はまだ、思い出せないけれど。
そして、女王様の吐露した時計屋さんへの恨み言。「ルール違反の卑怯者」「私は最後までクイーンを演じられる」……あれらがもし「キングではない別の“何か”に変わった」という意味を指しているのだとしたら?
(チェシャ猫は、言ってた……)
今この『ジョーカー探し』というゲームが行われている最中はみんな嘘つきで、何にでもなれる本物のジョーカーは常に誰かのふりをしていると。
(誰かの……何かの、ふりを)
そして、黒ウサギが初めに教えてくれた「ジョーカーだけがアリスを助けてくれるよ」という話。私は今まで、何度この人に危機を救われただろう?
つまり……私が探している本物のジョーカーは今、『時計屋』のふりをして過ごしているのではないだろうか?
「時計屋さんが……貴方が、本物のジョーカーなんでしょう?」
唾をごくりと飲み込んでまっすぐに顔を見据えると、彼はどこか悲しげに緑の隻眼を細めて肩をすくめた。
「……残念。ハズレ」
「……え?」
時計屋さんは顔を背けて自嘲するように小さく笑い拳銃を懐中時計に戻すと、少しのあいだ手の中でチャリチャリとチェーンをもてあそぶ。
それから、顔を上げてやっと私の顔を見たかと思えば、何の合図もなく懐中時計をこちらに向かってぽんと投げてきため、慌てて差し出した手のひらの器でキャッチした。
「……アリスを殺せるのは、『偽物ジョーカー』になったランク持ちだけ……ただし、“アリスのことが嫌いな”ランク持ちだけだ」
(時計屋さん……泣いてる、の……?)
先程から、どうしてこの人は……私の顔を見ないようにしているのだろうか?
表情を伺えないせいで何を考えているのか分からず、彼の声がわずかに震えている事を気のせいだと思い込もうとした。
「……」
さきほど渡された懐中時計の蓋を開けて中を見れば、それはエースが常に首から下げている物と同じように、秒針や長針・短針が一本も存在しない文字盤だけの奇妙な構造をしている。
(お守り、みたいな物なのかしら……?)
蓋をパチリと閉めた時、心の中で渦巻く違和感に気がついた。
(……おかしい)
懐中時計の話ではなくて……時計屋さんの語った『偽物ジョーカーが私を殺せる条件』が。
時計屋さんは「アリスなんて大嫌いだ」と言った直後に私を撃った。それなら、私はすでに死んでいなければおかしいのだ。
「時計屋さんは、私のこと……大嫌い、なんでしょう……?」
彼がこぼした言葉を自分の口で反復しながら、胸が苦しくなり涙で視界が歪む。
「……『アリスなんて大嫌いだ』……そう口に出せば、一瞬でも……アリスのことを、嫌いになれるかと思った」
やっとこちらを見た時計屋さんは、
(また……なんで、そんな顔……)
ひどく悲しげな表情で、今すぐに泣き出してしまうのではないだろうかと錯覚した。それでも、時計屋さんはすぐにぎこちない微笑みを浮かべて見せる。
「……自分の心に嘘をついて、アリスを傷つけてでも……それでも、どうにかして救ってあげたかった。それでアリスが幸せになれるなら、俺は……」
ああ、まただわ。
思い返すと、ランク持ちのみんなは私の命を狙う時……いつも、同じ言葉を口にする。
救ってあげる。幸せにする。
それは、
(どういう意味なの……?)
ただ、私が覚えていないだけ?
それとも、エースが決めた何かしらの『ルール』を意味しているの?
「……ごめんね、アリス。俺はやっぱり、昔も今も駄目な奴だ。見ている事しかできなくて、アリスを助けてあげられない……これじゃあ、あの時と同じだ……俺は相変わらず、」
「……っ、違う! 貴方は役立たずの王様なんかじゃないわ!!」
「……!?」
「……あれ? 私、なに言って……」
なぜか咄嗟に口が動き、気付けば言葉が溢れ出ていた。
けれど、なぜあんなことを言ってしまったのか自分でも理解できずに首を傾げると、時計屋さんはとても驚いた様子で目を丸めて私を見る。
「……アリス……思い出したの?」
「……? 何を?」
「……いや、違うならいい。何でもない……謝ればいい話じゃないけど、痛い思いさせてごめんね」
時計屋さんはさっきから謝ってばかりだ。
彼が悪意を持って私を撃ったわけではないこと、『嫌い』というのは本心で放った言葉ではなかったこと。それだけで十分だというのに、どうしてそんなに、
「……時計屋さん」
背伸びをして両腕を伸ばし、彼の頭を自分の胸元に抱き寄せると「なに!? ちょっ、アリス……!?」と裏返った声を出すけれど、暴れたり突き放そうとはしないのが彼の優しいところだ。
頭を撫でながら「時計屋さん、ありがとう」と呟けば彼の体から力が抜け、小さく頷いて私の背に腕を回し躊躇いがちに抱き着いてくる。
「……俺は、どうあがいても……本物のジョーカーにはなれない」
「ならなくていいわよ。時計屋さんは、時計屋さんのままでいてほしいわ」
「……『時計屋』じゃあ、駄目なんだよ……アリスを救うためには、俺なんか……恩を返すのも、まだ……全然、足りてない……俺は、」
ゆっくりと顔を上げた時計屋さんは、輪郭をたどるようにして目線を移動させ私をまっすぐに見据えた。
普段は隠されている――私から見て、左側の瞳。長い前髪の隙間から一瞬だけちらりと覗いた銀色のビー玉には、時計の文字盤と針が刻まれているように見えた。
「……ルール違反を犯した『時計屋』は、みんなに嫌われてる。ジャックだって、本当に俺を好きで仲良くしてくれているわけじゃない。それがあいつの役割だからだ。本当なら、俺みたいな奴は……アリスのそばに、居るべきじゃないんだ」
なんだろう。この、胸の痛みは。まるで、先の尖った物で何度も刺されているかのような。
「……」
俯く時計屋さんは、泣いているように見えた。
大人の男性なのに、まるで……幼い子供みたい。
(泣かないで、時計屋さん)
もう一度、力いっぱい彼を抱き締めてから何度も優しく頭を撫でる。
「あ、あの……アリス……?」
「そんなこと言わないで。私は、時計屋さんに何度も助けてもらった。それだけじゃない……私なんかに、住む場所も貸してくれて……本当に、いつもたくさん感謝しているのよ。私の側にいてくれて、ありがとう。時計屋さん」
「アリス……」
「それに、ジャックはただの『役割』で時計屋さんと仲良くしているわけじゃないって、見ればわかるわ。大丈夫、彼の想いは本物よ」
その場しのぎで適当な言葉を並べているわけでも、同情して慰めるために言っているわけでもない。本当に、心からそう感じている事だ。
ジャックもきっと、同じ気持ちだろう。
「……ありがとう、アリス」
蕾が花開くかのように柔らかく笑う時計屋さん。つられて笑うと、彼は安心した様子で私に体を預けてくる。
その大きな体を抱きしめたまま、ふわふわとした手触りの髪を優しく撫でた。
暖かくて、心地よくて……懐かしい、匂いがする。
……ああ、
「時計屋さん、私……時計屋さんのこと、」
その先に何の言葉を紡げばいいのか……今はまだ、思い出せないけれど。
0
あなたにおすすめの小説
偽夫婦お家騒動始末記
紫紺
歴史・時代
【第10回歴史時代大賞、奨励賞受賞しました!】
故郷を捨て、江戸で寺子屋の先生を生業として暮らす篠宮隼(しのみやはやて)は、ある夜、茶屋から足抜けしてきた陰間と出会う。
紫音(しおん)という若い男との奇妙な共同生活が始まるのだが。
隼には胸に秘めた決意があり、紫音との生活はそれを遂げるための策の一つだ。だが、紫音の方にも実は裏があって……。
江戸を舞台に様々な陰謀が駆け巡る。敢えて裏街道を走る隼に、念願を叶える日はくるのだろうか。
そして、拾った陰間、紫音の正体は。
活劇と謎解き、そして恋心の長編エンタメ時代小説です。
アガルタ・クライシス ―接点―
来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。
九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。
同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。
不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。
古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
さくら長屋の回覧ノート
ミラ
ライト文芸
三連続で彼氏にフラれ
おひとり様として生涯過ごすことを決めた32歳の百花。
効率よく最速で老後費用の
貯蓄2000万円を目指す【超タイパ女子】だ。
究極の固定費である家賃を下げるために、築50年のさくら長屋への入居を決める。
さくら長屋の入居条件は
【「回覧ノート」を続けることができる人】
回覧ノートとは長屋の住人が、順々に
その日にあった良かったことと
心にひっかかったことを一言だけ綴る簡単なもの。
個性豊かで、ちょっとお節介な長屋の住人たちと
回覧ノートを続けて交流するうちに、
百花はタイパの、本当の意味に気づいていく。
おひとり様で生きていくと決めたけれど、
<<少しだけ人と繋がっていたい>>
──そんな暮らしの物語。
白苑後宮の薬膳女官
絹乃
キャラ文芸
白苑(はくえん)後宮には、先代の薬膳女官が侍女に毒を盛ったという疑惑が今も残っていた。先代は瑞雪(ルイシュエ)の叔母である。叔母の濡れ衣を晴らすため、瑞雪は偽名を使い新たな薬膳女官として働いていた。
ある日、幼帝は瑞雪に勅命を下した。「病弱な皇后候補の少女を薬膳で救え」と。瑞雪の相棒となるのは、幼帝の護衛である寡黙な武官、星宇(シンユィ)。だが、元気を取り戻しはじめた少女が毒に倒れる。再び薬膳女官への疑いが向けられる中、瑞雪は星宇の揺るぎない信頼を支えに、後宮に渦巻く陰謀へ踏み込んでいく。
薬膳と毒が導く真相、叔母にかけられた冤罪の影。
静かに心を近づける薬膳女官と武官が紡ぐ、後宮ミステリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる