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とある王命により、不自由な生活を強いられている令嬢の独白
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「大変だったね。」
美しく微笑みながら優しく頭を撫でてくださるのは、私の敬愛するお兄様ですわ。
あれから5日程、毎日のように王宮へと呼び出されまして、事情聴取と会議に参加させられ、果ては謁見まで受けさせられましたわ。
私と共に多忙な日々を過ごしていた筈ですのに、疲れなど感じさせないお姿に驚くばかりです。
「えぇ、大変でしたわね。」
「フェルミェール神による天罰を下していただいたから、もう大丈夫だろう。」
「それならば良いのですけれど、これからが大変でしょうね。」
「自分達の身から出た錆なのだから、彼らがなんとかするさ。」
お父様も同じように何度も王宮へと通わされましたから、とてもお疲れのご様子ですけれど、表情はとても晴れやかですわね。
あの日、我が国の国王陛下と王妃様と王女様へと、フェルミェール神により天罰を下していただくことが出来ましたの。
あの理不尽な婚約も、無事に白紙撤回していただきましたわ。
あの方には追い縋られましたけれど、国同士の思惑による婚約という面倒なお立場を理解していなかったご自分の不始末ですわ。
あの方は、先代国王陛下の庶子が起こした公爵家お生まれになられた5男でして、政略の駒となれる女の子を望む公爵と公爵夫人にとっては邪魔な存在だったのだそうです。
一応王族の末席にあたるので、それなりの婚約者を見付けなければならないが、継がせる爵位ももう持っていないために困ってしまっていたらしいのですわ。
困り果てて、異母兄弟となる国王陛下にご相談なさったところ、あちらの国王陛下は、そろそろ隣国との同盟強化をしたいと思っていたからと、こちらの国の王女と婚約をさせようと思い至ったのだそうですわ。
国王陛下が、あちらの要請通りに王女様を嫁に出せば良かったのですけれど、ご自分の心のみで悪足掻きをなさいましたので、揉めなくても良いことで揉めてしまいましたわね。
「慰謝料、取らなくて良かったの?」
「出来れば関わりたくなどありませんし、フェルミェール神により天罰を下していただきましたから、大丈夫ですわ。」
「そっか、納得しているのなら良いよ。」
「はい、お兄様。」
フェルミェール神により下された天罰は、とても小気味良いものでしたわ。
我が国の国王陛下は、額に愚か者の烙印を押されてしまいましたの。
普段は見えないのですけれど、愚かな発言をすると隠していても光りながら浮かび上がりまふのよ。
王妃様は、額と胸元に愚か者の烙印を押されておりましたわね。
国王陛下と違うのは、普段から見えていることかしら。
そして、愚かな発言をしようとすると声が出せなくなってしまわれますの。
分かりやすくてありがたいですわ。
王女様は、愚かな両親の被害者でもありますので少し軽くて安心いたしましたわ。
愚かな発言や行動をすると、手の平に愚か者の烙印が浮かび上がるようになってしまわれてますの。
私よりも年下ですし、更生なさることを期待いたしますわ。
「これから、どうしたい?」
「暫くは、領地でのんびりしたいですわ。
お兄様とお父様は領地経営がありますので難しいでしょうけれど、領地にいればいつでも会えますでしょ?
お母様やお姉様との、ピクニックに行く約束も叶えたいですわ!
ずっと叶えられずにいましたもの。」
「あぁ、そうしよう。」
お母様が少し体調を崩してしまわれましたので、お姉様にはお母様のそばにいてほしいとお願いして領地に向かってもらいましたけれど、お姉様を連れてこなくて正解でしたわ。
お姉様なら、我慢出来ずに魔力暴走を起こしてしまわれていたと思いますもの。
『私の天使を愚弄し過ぎではございませんこと?』
と、魔力による爆発を起こしながらも可愛らしく微笑む姿が思い浮かびますわ。
領地へと帰りましたら、お約束していたお母様とお父様の思い出の湖やムームーウサギの放牧地にも行きたいですし、領民との約束の星祭りも巡りたいですわ。
そうそう、お姉様の魔力暴走によって生まれてしまったというドラゴンにも会いたいわ!
たしか、我が家の家宝であった卵の化石を隣の領地の馬鹿なご子息に奪われそうになって、怒ってしまったお姉様の魔力暴走による爆発を吸収してお生まれになられたのよね?
何故かお母様に懐いていて、ガルディアと名付けられたとお聞きしておりますわ。
私、やりたいことが沢山ありますの!
理不尽な王命により、とても不自由で辛く寂しい人生でしたけれど、これからの人生がとても楽しみですわ。
*
~完~
美しく微笑みながら優しく頭を撫でてくださるのは、私の敬愛するお兄様ですわ。
あれから5日程、毎日のように王宮へと呼び出されまして、事情聴取と会議に参加させられ、果ては謁見まで受けさせられましたわ。
私と共に多忙な日々を過ごしていた筈ですのに、疲れなど感じさせないお姿に驚くばかりです。
「えぇ、大変でしたわね。」
「フェルミェール神による天罰を下していただいたから、もう大丈夫だろう。」
「それならば良いのですけれど、これからが大変でしょうね。」
「自分達の身から出た錆なのだから、彼らがなんとかするさ。」
お父様も同じように何度も王宮へと通わされましたから、とてもお疲れのご様子ですけれど、表情はとても晴れやかですわね。
あの日、我が国の国王陛下と王妃様と王女様へと、フェルミェール神により天罰を下していただくことが出来ましたの。
あの理不尽な婚約も、無事に白紙撤回していただきましたわ。
あの方には追い縋られましたけれど、国同士の思惑による婚約という面倒なお立場を理解していなかったご自分の不始末ですわ。
あの方は、先代国王陛下の庶子が起こした公爵家お生まれになられた5男でして、政略の駒となれる女の子を望む公爵と公爵夫人にとっては邪魔な存在だったのだそうです。
一応王族の末席にあたるので、それなりの婚約者を見付けなければならないが、継がせる爵位ももう持っていないために困ってしまっていたらしいのですわ。
困り果てて、異母兄弟となる国王陛下にご相談なさったところ、あちらの国王陛下は、そろそろ隣国との同盟強化をしたいと思っていたからと、こちらの国の王女と婚約をさせようと思い至ったのだそうですわ。
国王陛下が、あちらの要請通りに王女様を嫁に出せば良かったのですけれど、ご自分の心のみで悪足掻きをなさいましたので、揉めなくても良いことで揉めてしまいましたわね。
「慰謝料、取らなくて良かったの?」
「出来れば関わりたくなどありませんし、フェルミェール神により天罰を下していただきましたから、大丈夫ですわ。」
「そっか、納得しているのなら良いよ。」
「はい、お兄様。」
フェルミェール神により下された天罰は、とても小気味良いものでしたわ。
我が国の国王陛下は、額に愚か者の烙印を押されてしまいましたの。
普段は見えないのですけれど、愚かな発言をすると隠していても光りながら浮かび上がりまふのよ。
王妃様は、額と胸元に愚か者の烙印を押されておりましたわね。
国王陛下と違うのは、普段から見えていることかしら。
そして、愚かな発言をしようとすると声が出せなくなってしまわれますの。
分かりやすくてありがたいですわ。
王女様は、愚かな両親の被害者でもありますので少し軽くて安心いたしましたわ。
愚かな発言や行動をすると、手の平に愚か者の烙印が浮かび上がるようになってしまわれてますの。
私よりも年下ですし、更生なさることを期待いたしますわ。
「これから、どうしたい?」
「暫くは、領地でのんびりしたいですわ。
お兄様とお父様は領地経営がありますので難しいでしょうけれど、領地にいればいつでも会えますでしょ?
お母様やお姉様との、ピクニックに行く約束も叶えたいですわ!
ずっと叶えられずにいましたもの。」
「あぁ、そうしよう。」
お母様が少し体調を崩してしまわれましたので、お姉様にはお母様のそばにいてほしいとお願いして領地に向かってもらいましたけれど、お姉様を連れてこなくて正解でしたわ。
お姉様なら、我慢出来ずに魔力暴走を起こしてしまわれていたと思いますもの。
『私の天使を愚弄し過ぎではございませんこと?』
と、魔力による爆発を起こしながらも可愛らしく微笑む姿が思い浮かびますわ。
領地へと帰りましたら、お約束していたお母様とお父様の思い出の湖やムームーウサギの放牧地にも行きたいですし、領民との約束の星祭りも巡りたいですわ。
そうそう、お姉様の魔力暴走によって生まれてしまったというドラゴンにも会いたいわ!
たしか、我が家の家宝であった卵の化石を隣の領地の馬鹿なご子息に奪われそうになって、怒ってしまったお姉様の魔力暴走による爆発を吸収してお生まれになられたのよね?
何故かお母様に懐いていて、ガルディアと名付けられたとお聞きしておりますわ。
私、やりたいことが沢山ありますの!
理不尽な王命により、とても不自由で辛く寂しい人生でしたけれど、これからの人生がとても楽しみですわ。
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