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本編
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「教育が終わっていない?...俺の?」
「えぇ、署名する前にお父上様からそう説明されましたわ。」
次期領主としての教育が終えていないと説明されたこともお忘れなの?
まさか、もう終えているとでも思っておられるのかしら?
自分勝手に婚約を破棄したことと言い、本当に頭の軽いお方ですこと。
「ハァー、理解していないのか...お前の教育については、後でまた説明する。
続けるぞ?
『6、白い結婚である為、夫婦での関係性は無いものとし、妻(夫)の行動が公序良俗に反していない場合には制限してはならない。』」
「ん?」
「相手が不貞や犯罪行為などを犯した場合には口出ししても構わないが、それ以外では口出しできんということだ。」
キョトンとしておられたけれど、公序良俗が分からなかったのかしら?
本当に、学園で学ばれたことをお忘れになっておられるのね...嘆かわしいわ。
貴族であるというのに、公序良俗という言葉が自分に必要ないと思っておられたということに、驚くしかありませんわね。
「えぇ、私は、貴方が遊び呆けてお父上様から次期伯爵としての知識を学ばず、貴方の教育が遅々として進まなかったとしても口出しいたしませんわ。
不貞や犯罪行為に関しましては口出しいたしますけれど、犯罪などを犯さなければよろしいのですもの簡単でしょう?」
「あぁ、そういうことなら賛成だ。」
オホホホホ!
そういうことなら賛成だですって?
賛成したから署名したのではないの?
あぁ...もう!呆れるしかないのだけれど、この方に言っても時間をとられるだけよね...今は黙っておきましょう。
あ、子竜達のことを告げるのならば、今かしら?
「そうでしたわ!
[契約6項]に関することでご報告があるのですが、よろしいでしょうか?」
「なにかな?」
「シリウスのストレス解消にと領地内を飛ばせていただいていた際に、竜舎が建つまでの当面のシリウスの寝床を探しておりましたのよ。
ようやく見付けた洞窟で、親竜を亡くした子竜達を保護いたしましたの。
親竜は丁重に弔い、まだ仄かに温かい卵だったのでシリウスが温めたところ2頭とも孵りまして、子竜達はまだ卵から孵ったばかりで心配ですので、暫くは私の部屋にてお世話をいたしますわ。
構いませんわよね?」
「あ、あぁ、親竜を亡くした子竜の保護は我々の義務であるし、そうするが良い。
必要なものがあれば、ジャスペルに言えば用意出来るだろう。」
「ありがとうございます。
ある程度大きくなったらシリウスと過ごさせますから、それまでに竜舎が建つことを願いますわ。
子竜達が飛べるようになったら、騎竜としての教育を受けられるように竜騎士団へ連れて行きますので、ご安心くださいませ。
あ、一応お伝えしておきますけれど、私の部屋には一切立ち入らないでくださいませね?
子竜達は大丈夫かもしれませんけれど、シリウスが暴れてしまうかもしれませんから。」
「あぁ、メイドや侍女達にも、用事が無い限りはなるべく立ち入らないようにと伝えておこう。
子竜達とメイドや侍女達の顔合わせをして、もしも拒否される者がいれば教えてくれ。
君のお付きを変えよう。」
「ありがとうございます。
では、明日にでも連れて参りますわ。」
フェバリシス様は目を見開いて固まりましたけれど、余計な口を挟まないでいただけて良かったですわ。
お父上は、一応竜に関しての理解がありますからお許しいただけると思っておりましたけれど、フェバリシス様は色々とお忘れですものね...?
さて、大方の説明は終えましたので私はもう必要ありませんわよね?
後は、お父上が詳細にかみ砕いて説明なさればよろしいと思いますわ。
さ、あの子達に早く果物を届けなくてはいけませんわ!
子竜達は、私の選んだ果物を喜んでくれるかしら!
*
「えぇ、署名する前にお父上様からそう説明されましたわ。」
次期領主としての教育が終えていないと説明されたこともお忘れなの?
まさか、もう終えているとでも思っておられるのかしら?
自分勝手に婚約を破棄したことと言い、本当に頭の軽いお方ですこと。
「ハァー、理解していないのか...お前の教育については、後でまた説明する。
続けるぞ?
『6、白い結婚である為、夫婦での関係性は無いものとし、妻(夫)の行動が公序良俗に反していない場合には制限してはならない。』」
「ん?」
「相手が不貞や犯罪行為などを犯した場合には口出ししても構わないが、それ以外では口出しできんということだ。」
キョトンとしておられたけれど、公序良俗が分からなかったのかしら?
本当に、学園で学ばれたことをお忘れになっておられるのね...嘆かわしいわ。
貴族であるというのに、公序良俗という言葉が自分に必要ないと思っておられたということに、驚くしかありませんわね。
「えぇ、私は、貴方が遊び呆けてお父上様から次期伯爵としての知識を学ばず、貴方の教育が遅々として進まなかったとしても口出しいたしませんわ。
不貞や犯罪行為に関しましては口出しいたしますけれど、犯罪などを犯さなければよろしいのですもの簡単でしょう?」
「あぁ、そういうことなら賛成だ。」
オホホホホ!
そういうことなら賛成だですって?
賛成したから署名したのではないの?
あぁ...もう!呆れるしかないのだけれど、この方に言っても時間をとられるだけよね...今は黙っておきましょう。
あ、子竜達のことを告げるのならば、今かしら?
「そうでしたわ!
[契約6項]に関することでご報告があるのですが、よろしいでしょうか?」
「なにかな?」
「シリウスのストレス解消にと領地内を飛ばせていただいていた際に、竜舎が建つまでの当面のシリウスの寝床を探しておりましたのよ。
ようやく見付けた洞窟で、親竜を亡くした子竜達を保護いたしましたの。
親竜は丁重に弔い、まだ仄かに温かい卵だったのでシリウスが温めたところ2頭とも孵りまして、子竜達はまだ卵から孵ったばかりで心配ですので、暫くは私の部屋にてお世話をいたしますわ。
構いませんわよね?」
「あ、あぁ、親竜を亡くした子竜の保護は我々の義務であるし、そうするが良い。
必要なものがあれば、ジャスペルに言えば用意出来るだろう。」
「ありがとうございます。
ある程度大きくなったらシリウスと過ごさせますから、それまでに竜舎が建つことを願いますわ。
子竜達が飛べるようになったら、騎竜としての教育を受けられるように竜騎士団へ連れて行きますので、ご安心くださいませ。
あ、一応お伝えしておきますけれど、私の部屋には一切立ち入らないでくださいませね?
子竜達は大丈夫かもしれませんけれど、シリウスが暴れてしまうかもしれませんから。」
「あぁ、メイドや侍女達にも、用事が無い限りはなるべく立ち入らないようにと伝えておこう。
子竜達とメイドや侍女達の顔合わせをして、もしも拒否される者がいれば教えてくれ。
君のお付きを変えよう。」
「ありがとうございます。
では、明日にでも連れて参りますわ。」
フェバリシス様は目を見開いて固まりましたけれど、余計な口を挟まないでいただけて良かったですわ。
お父上は、一応竜に関しての理解がありますからお許しいただけると思っておりましたけれど、フェバリシス様は色々とお忘れですものね...?
さて、大方の説明は終えましたので私はもう必要ありませんわよね?
後は、お父上が詳細にかみ砕いて説明なさればよろしいと思いますわ。
さ、あの子達に早く果物を届けなくてはいけませんわ!
子竜達は、私の選んだ果物を喜んでくれるかしら!
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