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本編
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「愚かすぎて呆れますけれど、説明を続けましょう。」
「あ、あぁ、そうだな。
『4、いかなる場合でも、妻とその騎竜を傷つけた場合には妻から離縁を言い渡しても構わない。』」
「妻を傷付ける?」
「えぇ、こちらは竜騎士団団長からの条件ですわ。
私、今のところは、竜騎士団の竜達全てに騎乗出来るという貴重で、王妃様達女性王族の護衛をすることの出来る唯一の女竜騎士ですので、団長がそのような条件を出されましたのよ。
過保護な竜騎士団の先輩に持たされた魔道具によって、貴方やお父上様、使用人の方々が私に敵意を持って触れることは出来ませんわ。
そのことは団長に進言いたしましたけれど、『シリウスにあれほど拒否されていて、竜の居住区である竜舎も建てたことがなく、人への慣らしも地域への慣らしも終えていないのだから、この条件は最低条件だ。』
と、頑なに仰られてしまいましたの。
オホホホホ!私を傷付けなければよろしいのですよ?
そのくらいのことは簡単でしょう?」
「............ま、まぁ、そう..だな?
分かった、了承しよう。」
了承しようですって?!
既に終えている筈の説明をしてもらっている立場のくせに、何故そんなにも上から目線なのかしら?
腹が立つわね...シリウスの所で面倒を見ようかと思っていたけれど、屋敷へと子竜達を持ち込んでやろうかしら?
竜のことを自分には関係ないことなのだと勘違いしているアホだもの、好奇心旺盛な地元生まれの子竜達からの洗礼でも浴びて、痛い目にあえば良いのよ!
「婚姻前に署名なさっておられるのですから、貴方は既に了承しておりますのよ?」
「んぐっ!
うるさい!俺はお前の旦那様だぞ?
上から目線で物を言うな!!」
「あら、私達は白い結婚ですのよ?
通常の夫婦の枠には収まりませんわ。」
「フェビー、馬鹿な発言しかしないんだから、お前は口を挟むな!
説明のみを聞いていろ!!
『5、竜騎士としての職務を優先し、夫人としての仕事は行わないものとする。』」
「はぁ?!」
あら、白い結婚なのですから当然のことでしょう?
何もなければ、3年後には円満に離縁するのですよ?
家の仕事などを教えてしまえば、離縁した後が面倒になるでしょう?
オホホホ!3年も待てませんから、半年後には離縁して差し上げますけれどね。
「竜騎士としての職務を優先することは、あの顔合わせの際に決まったことだ。
我々は竜によって拒否されたのだから、仕方ないだろう?」
「か弱いマリエンヌには、夫人の仕事など出来ないのに...どうしたら良いんだ?」
「あら、どうぞご安心なさって?
夫人の仕事に関しましては、これまで通りお父上様のご愛人様であるザザリス夫人が行うこととなっておりますわ。
お忘れですの?お父上様から貴方へと爵位譲渡をなさっておりませんのよ?
貴方は伯爵子息で、私は伯爵子息夫人ですわ。」
「婚姻したのに爵位譲渡していない?」
「えぇ、しておりませんわ。」
「何故?」
「貴方の次期伯爵としての教育が終えていないからですわ。」
幼少期に婚約を結び、次期伯爵並びに次期伯爵夫人の教育を終えてから、2人の婚姻と同時に爵位譲渡をする家が殆どですわ。
けれど、様々な要因により幼少期に婚約を結べていない場合は、婚姻した後に教育を行う家もありますのよ。
フェバリシス様の場合は、幼少期に婚約していたご令嬢との婚約をフェバリシス様の有責にて破棄なさったと、竜騎士団にて噂としてお聞きしておりますわ。
*
「あ、あぁ、そうだな。
『4、いかなる場合でも、妻とその騎竜を傷つけた場合には妻から離縁を言い渡しても構わない。』」
「妻を傷付ける?」
「えぇ、こちらは竜騎士団団長からの条件ですわ。
私、今のところは、竜騎士団の竜達全てに騎乗出来るという貴重で、王妃様達女性王族の護衛をすることの出来る唯一の女竜騎士ですので、団長がそのような条件を出されましたのよ。
過保護な竜騎士団の先輩に持たされた魔道具によって、貴方やお父上様、使用人の方々が私に敵意を持って触れることは出来ませんわ。
そのことは団長に進言いたしましたけれど、『シリウスにあれほど拒否されていて、竜の居住区である竜舎も建てたことがなく、人への慣らしも地域への慣らしも終えていないのだから、この条件は最低条件だ。』
と、頑なに仰られてしまいましたの。
オホホホホ!私を傷付けなければよろしいのですよ?
そのくらいのことは簡単でしょう?」
「............ま、まぁ、そう..だな?
分かった、了承しよう。」
了承しようですって?!
既に終えている筈の説明をしてもらっている立場のくせに、何故そんなにも上から目線なのかしら?
腹が立つわね...シリウスの所で面倒を見ようかと思っていたけれど、屋敷へと子竜達を持ち込んでやろうかしら?
竜のことを自分には関係ないことなのだと勘違いしているアホだもの、好奇心旺盛な地元生まれの子竜達からの洗礼でも浴びて、痛い目にあえば良いのよ!
「婚姻前に署名なさっておられるのですから、貴方は既に了承しておりますのよ?」
「んぐっ!
うるさい!俺はお前の旦那様だぞ?
上から目線で物を言うな!!」
「あら、私達は白い結婚ですのよ?
通常の夫婦の枠には収まりませんわ。」
「フェビー、馬鹿な発言しかしないんだから、お前は口を挟むな!
説明のみを聞いていろ!!
『5、竜騎士としての職務を優先し、夫人としての仕事は行わないものとする。』」
「はぁ?!」
あら、白い結婚なのですから当然のことでしょう?
何もなければ、3年後には円満に離縁するのですよ?
家の仕事などを教えてしまえば、離縁した後が面倒になるでしょう?
オホホホ!3年も待てませんから、半年後には離縁して差し上げますけれどね。
「竜騎士としての職務を優先することは、あの顔合わせの際に決まったことだ。
我々は竜によって拒否されたのだから、仕方ないだろう?」
「か弱いマリエンヌには、夫人の仕事など出来ないのに...どうしたら良いんだ?」
「あら、どうぞご安心なさって?
夫人の仕事に関しましては、これまで通りお父上様のご愛人様であるザザリス夫人が行うこととなっておりますわ。
お忘れですの?お父上様から貴方へと爵位譲渡をなさっておりませんのよ?
貴方は伯爵子息で、私は伯爵子息夫人ですわ。」
「婚姻したのに爵位譲渡していない?」
「えぇ、しておりませんわ。」
「何故?」
「貴方の次期伯爵としての教育が終えていないからですわ。」
幼少期に婚約を結び、次期伯爵並びに次期伯爵夫人の教育を終えてから、2人の婚姻と同時に爵位譲渡をする家が殆どですわ。
けれど、様々な要因により幼少期に婚約を結べていない場合は、婚姻した後に教育を行う家もありますのよ。
フェバリシス様の場合は、幼少期に婚約していたご令嬢との婚約をフェバリシス様の有責にて破棄なさったと、竜騎士団にて噂としてお聞きしておりますわ。
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