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本編
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オホホホ!あの日は、朝起きてからもずっと不愉快でしたけれど、あの時だけは愉快でしたわ!
後日、お父上は全身打撲との診断で自宅にての絶対安静を言い渡され、ご子息は全身打撲とあばら骨の骨折で入院なさったと、28枚もの長い長ーいお手紙にて報告されましたわね。
でも、竜騎士との顔合わせで竜に拒否されてしまったのですから、その程度の怪我は仕方ありませんわよね?
竜の中には、死ぬまで執拗に追い回し攻撃する個体もおりますのよ?
竜に拒否されて攻撃をされたとしても、殺されなかっただけ儲け物ですわ!
「俺は、あばらが折れてたんだぞ?!」
「シリウスに拒否されたのですもの、その程度の怪我は仕方ありませんわ。
後遺症が残らず、お命があるだけマシというものですわ。」
「入院までしたのに...あり得ないだろ?!」
「竜という種族には、あり得ることなのですわ。
私は既に婚約済みでしたし、シリウスの慣らしも終えておりましたわ。
けれど、貴方のお父上様が竜騎士である私を貴方の嫁にしたいと望まれて、国王陛下へと捧げ物をして横槍をお入れにならなければ、貴方が怪我をすることはありませんでしたのよ?
文句なら、お父上様に仰ってくださいませ。」
「ハァー、フェビー、当たり前のことを何故知らないんだ?
竜との顔合わせが危険だということは、常識だろう?」
「知らねぇよ!
そんなの、竜騎士達の常識だろ?
一般人には必要ない!」
「いいや、一般的な常識だ。」
あらまぁ、息子大好きなお父上にも呆れられているわ。
竜についてのアレコレは、学園や学校のみならず家庭教師や使用人、親や兄弟姉妹などから習う筈ですわよね?
我が国では、貴族に限らず平民の子供にも教えられていることですのよ?
この領地にも野生の竜がおりますし、竜との関わり方を知らなければ殺される可能性もありますわ。
それなのに、こんな常識的なことを教えられていないなんてことはあり得ません。
「学園で何を学ばれましたの?
まさか、きちんと卒業なさっておられますわよね?」
「なんなんだ?失礼な!
きちんと卒業している!」
「では、何故知らないんだ?」
「竜についてなんて、竜騎士達が知っていれば良いことだろ?
竜騎士になんてならないのに、そんなのを覚えてる方がおかしいだろ!
試験が終わったら、必要ない知識はとっとと忘れる方が効率的なんだよ!」
「必要ないと、ご自分で判断されましたのね?
愚かですこと...竜の知識は、ご自分の命にも関わることですのよ?
それを、試験が終われば必要のない知識であると自分勝手に判断するなんて、考え無しにも程がありますわ!」
「んなぁっ!!」
「貴方は、世間一般の常識を、自分は知らなかったからと自分勝手に文句を付けておられますが、世間一般の常識を知らないという非常識な方なのですから、文句を言える立場にはありませんわ。」
宰相閣下のお願いを無碍にしてしまいますけれど、このお馬鹿さんとはとっとと離縁いたしましょう。
まぁ、離縁は簡単には成立いたしませんし、半年は猶予を見なければならないでしょうね...マリエンヌさんとやらのことも気になりますし、半年は我慢いたしましょう。
孵ったばかりの子竜達のこともございますし、丁度良いかもしれませんわね。
*
後日、お父上は全身打撲との診断で自宅にての絶対安静を言い渡され、ご子息は全身打撲とあばら骨の骨折で入院なさったと、28枚もの長い長ーいお手紙にて報告されましたわね。
でも、竜騎士との顔合わせで竜に拒否されてしまったのですから、その程度の怪我は仕方ありませんわよね?
竜の中には、死ぬまで執拗に追い回し攻撃する個体もおりますのよ?
竜に拒否されて攻撃をされたとしても、殺されなかっただけ儲け物ですわ!
「俺は、あばらが折れてたんだぞ?!」
「シリウスに拒否されたのですもの、その程度の怪我は仕方ありませんわ。
後遺症が残らず、お命があるだけマシというものですわ。」
「入院までしたのに...あり得ないだろ?!」
「竜という種族には、あり得ることなのですわ。
私は既に婚約済みでしたし、シリウスの慣らしも終えておりましたわ。
けれど、貴方のお父上様が竜騎士である私を貴方の嫁にしたいと望まれて、国王陛下へと捧げ物をして横槍をお入れにならなければ、貴方が怪我をすることはありませんでしたのよ?
文句なら、お父上様に仰ってくださいませ。」
「ハァー、フェビー、当たり前のことを何故知らないんだ?
竜との顔合わせが危険だということは、常識だろう?」
「知らねぇよ!
そんなの、竜騎士達の常識だろ?
一般人には必要ない!」
「いいや、一般的な常識だ。」
あらまぁ、息子大好きなお父上にも呆れられているわ。
竜についてのアレコレは、学園や学校のみならず家庭教師や使用人、親や兄弟姉妹などから習う筈ですわよね?
我が国では、貴族に限らず平民の子供にも教えられていることですのよ?
この領地にも野生の竜がおりますし、竜との関わり方を知らなければ殺される可能性もありますわ。
それなのに、こんな常識的なことを教えられていないなんてことはあり得ません。
「学園で何を学ばれましたの?
まさか、きちんと卒業なさっておられますわよね?」
「なんなんだ?失礼な!
きちんと卒業している!」
「では、何故知らないんだ?」
「竜についてなんて、竜騎士達が知っていれば良いことだろ?
竜騎士になんてならないのに、そんなのを覚えてる方がおかしいだろ!
試験が終わったら、必要ない知識はとっとと忘れる方が効率的なんだよ!」
「必要ないと、ご自分で判断されましたのね?
愚かですこと...竜の知識は、ご自分の命にも関わることですのよ?
それを、試験が終われば必要のない知識であると自分勝手に判断するなんて、考え無しにも程がありますわ!」
「んなぁっ!!」
「貴方は、世間一般の常識を、自分は知らなかったからと自分勝手に文句を付けておられますが、世間一般の常識を知らないという非常識な方なのですから、文句を言える立場にはありませんわ。」
宰相閣下のお願いを無碍にしてしまいますけれど、このお馬鹿さんとはとっとと離縁いたしましょう。
まぁ、離縁は簡単には成立いたしませんし、半年は猶予を見なければならないでしょうね...マリエンヌさんとやらのことも気になりますし、半年は我慢いたしましょう。
孵ったばかりの子竜達のこともございますし、丁度良いかもしれませんわね。
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