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本編
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あのまま特に何も無く朝になり、シリウスに乗せてもらって子竜達と帰って参りましたけれど、シリウスを見た庭師の方が慌てていたわね。
彼等には申し訳ないけれど、竜舎が建つまでの辛抱ですわ。
シリウスの大きさでは邸の中には入れませんから、私の部屋の近くにある庭園に残して、子竜達を抱いて邸の中に入りましょうか。
慌てつつも出迎えてくださった使用人の方々が青ざめておられるけれど、大丈夫かしら?
なんて、一応心配してみたのだけれど、ウフフ、シリウスがグルグルと威嚇しているのね...使用人の中にも嫌な人がいるみたいだわ。
子竜達もギュルギュルと威嚇しているみたいだし、本当に竜って難しいのよね。
昨日は使用しなかった私の部屋に入り、用意していただいた侍女とメイドが揃うのを待ちますわ。
これから子竜達との顔合わせをすると伝えてはもらったのだけれど、やはり皆様緊張されているわね。
私の膝に座らせた子竜達に困惑もしているけれど、窓から覗くシリウスに気圧されているのでしょう。
さて、シリウスはもう顔合わせを終えているけれど、子竜達はどうかしらね?
「オホホホホ...無理ですわ。
笑う声すら起こせませんわね。
ハァー、10人もおりましたのに、ユミア1人しか残らないとは思いませんでしたわ。」
「す...すみません?」
「あぁ、貴女や彼女達が一方的に悪い訳ではないのよ?
竜達が拒否したというだけですもの。
あぁ、安心して欲しいわ。
この部屋に入らなければ、この邸での勤務は可能ですのよ?」
シリウスは彼女達を威嚇しなかったけれど、子竜達はギュルギュルと威嚇したのよね...体が小さいからか、なんだか可愛らしいわ。
残ったのは、ユミアという名の緑色の瞳で朱いお下げ髪の可愛らしいメイドが1人だけ。
しばらくは補充も出来ないでしょうし、この子には負担をかけてしまいますわね。
「えっと...その小さい竜さんは......?」
「昨日保護した、親を失った子竜達よ。
ユミアはこの子達にもシリウスにも拒否されていないから、私付きのメイドとして勤めていただくことになるわね。
子竜達に関しては、気に入られているようですからユミアが触れることも可能でしょう。
そうね...1度触れてみてくださるかしら?」
「え?!
い、良いのでしょうか?」
「えぇ、アゴ下が喜びますわ。」
「子竜さんは猫ちゃんと同じ所がお好きなんですね。」
子竜達を見たときには物凄く緊張していたけれど、仄かに微笑むことが出来る程度には解れたかしら?
子竜達のまだ柔らかいアゴ下を撫でていると癒されるのよね。
成竜となるとどこも硬くなってしまうから、今だけ感じられる柔らかさなのよ!
「子竜さん達のお名前をお聞きしても?」
「子竜達の名前はまだ付けられないのよ。」
「え、そうなんですか?」
「えぇ、生後半年までは呼び名であっても付けてはいけないの。
詳しくはまだ解明されていないのだけれど、産まれて直ぐに名を付けてしまうと成長が著しく阻害されてしまうそうなの。
それで、成竜となっても体が小さいままであったり、翼が未発達なままで飛べなくなってしまったりするのよ。
だから、竜騎士団では子竜さんや子竜ちゃん、そのままで子竜と呼んでいたわね。」
「では、2頭いる場合はどうするんですか?」
「あぁ、2頭いても変わらないわよ?
ちゃんとその子を見て呼べば分かるから、それぞれで変えたりせずに同じように呼べば良いわ。」
「かしこまりました。
子竜さん、そして子竜さん、私は奥様のお世話を任されておりまして、私の名前はユミアと申します。
これからよろしくお願いいたします。」
〈〈ピューピァ!〉〉
半年程は面倒くさいけれど、名前を付けただけで成長が著しく阻害されてしまうなんて悲しすぎるわよね。
早くに名前を付けられたことで、臓器に異常を来して成竜となる前に死んでいく場合もあるし、ずっと名前を付けられた時の...孵ったばかりの幼竜の大きさのままという個体もいたらしいわ。
*
彼等には申し訳ないけれど、竜舎が建つまでの辛抱ですわ。
シリウスの大きさでは邸の中には入れませんから、私の部屋の近くにある庭園に残して、子竜達を抱いて邸の中に入りましょうか。
慌てつつも出迎えてくださった使用人の方々が青ざめておられるけれど、大丈夫かしら?
なんて、一応心配してみたのだけれど、ウフフ、シリウスがグルグルと威嚇しているのね...使用人の中にも嫌な人がいるみたいだわ。
子竜達もギュルギュルと威嚇しているみたいだし、本当に竜って難しいのよね。
昨日は使用しなかった私の部屋に入り、用意していただいた侍女とメイドが揃うのを待ちますわ。
これから子竜達との顔合わせをすると伝えてはもらったのだけれど、やはり皆様緊張されているわね。
私の膝に座らせた子竜達に困惑もしているけれど、窓から覗くシリウスに気圧されているのでしょう。
さて、シリウスはもう顔合わせを終えているけれど、子竜達はどうかしらね?
「オホホホホ...無理ですわ。
笑う声すら起こせませんわね。
ハァー、10人もおりましたのに、ユミア1人しか残らないとは思いませんでしたわ。」
「す...すみません?」
「あぁ、貴女や彼女達が一方的に悪い訳ではないのよ?
竜達が拒否したというだけですもの。
あぁ、安心して欲しいわ。
この部屋に入らなければ、この邸での勤務は可能ですのよ?」
シリウスは彼女達を威嚇しなかったけれど、子竜達はギュルギュルと威嚇したのよね...体が小さいからか、なんだか可愛らしいわ。
残ったのは、ユミアという名の緑色の瞳で朱いお下げ髪の可愛らしいメイドが1人だけ。
しばらくは補充も出来ないでしょうし、この子には負担をかけてしまいますわね。
「えっと...その小さい竜さんは......?」
「昨日保護した、親を失った子竜達よ。
ユミアはこの子達にもシリウスにも拒否されていないから、私付きのメイドとして勤めていただくことになるわね。
子竜達に関しては、気に入られているようですからユミアが触れることも可能でしょう。
そうね...1度触れてみてくださるかしら?」
「え?!
い、良いのでしょうか?」
「えぇ、アゴ下が喜びますわ。」
「子竜さんは猫ちゃんと同じ所がお好きなんですね。」
子竜達を見たときには物凄く緊張していたけれど、仄かに微笑むことが出来る程度には解れたかしら?
子竜達のまだ柔らかいアゴ下を撫でていると癒されるのよね。
成竜となるとどこも硬くなってしまうから、今だけ感じられる柔らかさなのよ!
「子竜さん達のお名前をお聞きしても?」
「子竜達の名前はまだ付けられないのよ。」
「え、そうなんですか?」
「えぇ、生後半年までは呼び名であっても付けてはいけないの。
詳しくはまだ解明されていないのだけれど、産まれて直ぐに名を付けてしまうと成長が著しく阻害されてしまうそうなの。
それで、成竜となっても体が小さいままであったり、翼が未発達なままで飛べなくなってしまったりするのよ。
だから、竜騎士団では子竜さんや子竜ちゃん、そのままで子竜と呼んでいたわね。」
「では、2頭いる場合はどうするんですか?」
「あぁ、2頭いても変わらないわよ?
ちゃんとその子を見て呼べば分かるから、それぞれで変えたりせずに同じように呼べば良いわ。」
「かしこまりました。
子竜さん、そして子竜さん、私は奥様のお世話を任されておりまして、私の名前はユミアと申します。
これからよろしくお願いいたします。」
〈〈ピューピァ!〉〉
半年程は面倒くさいけれど、名前を付けただけで成長が著しく阻害されてしまうなんて悲しすぎるわよね。
早くに名前を付けられたことで、臓器に異常を来して成竜となる前に死んでいく場合もあるし、ずっと名前を付けられた時の...孵ったばかりの幼竜の大きさのままという個体もいたらしいわ。
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