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学園までの僕です。
時は流れて...初授業です。2
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花壇の前で膝に手を付いて身を屈め、興味深げにしげしげと眺めているユーシン先生はなんだか可愛いです。薬草の栽培中に僕が感じた祝福の効果を説明すると、キラキラした目をぱちくりぱちくりと瞬かせながら真剣に聞いていて、まるで好奇心旺盛な少年です。
王宮の薬師様方への報告は考えてはいましたが、王宮の薬師様方にとって...一番大事なのは、王族方の使われる薬を確実に保持することです。稀少な薬草の採取は危険を伴うので、冒険者ギルドの冒険者達に結構な高額でお願いしています。その為、最低限しか確保出来ていないらしいです。その薬草を王宮内で栽培することが出来れば、高価な薬を少しでも安く備蓄出来ますが...目的は王宮内での備蓄だから民達には届かないんだろうなぁ。まぁ、その問題は薬師ギルドにお願いしようかな。
「あの...僕、薬師ギルドにも報告しようと考えているのですが、どうしたら良いと思いますか??」
「そうですね...王宮の薬師様方にお伝えする前に、ギルドに報告をした方が良いかもしれません。このことが王宮内でのみ活用されても、君は嬉しくないのでしょう??私としても、これは王国内全域で広く活用されるべき情報だと思います。」
「はい、広く共有したいです。
ですが、ギルドへの報告ってどのようにしたら良いのでしょうか。」
「まずは、祝福についての報告書を公爵様から出して頂きましょう。発見した方々全員で書くのが望ましいのですが......ノアール君やジュリアス君については、発見したのではなく協力しただけとした方が良いでしょう。妖精や精霊の祝福を受けているから関わっただけだとする方が、目立たず安全です。妖精だけでなく精霊の祝福をも受けている者を、害そうとする人はそうはいませんから。ガルムさん率いる庭師さん方とメイドのルミリスさん、執事のオレイアスさんに書いていただきましょう。」
2人で考えた方が良い案が浮かぶかな?と相談してみたら、ユーシン先生は難しい顔をしながらも直ぐに案を出してくれます。僕やジュリアスが巻き込まれないようにしてくれているのが嬉しいです。...ルミリスさんやガルム爺を筆頭にしてしまうことになるけど、祝福が関係するかもって考えたのは2人なんだし、嫌がるだろうけどお願いしよう。オレイアスさんに頼めば、問題なく2人に書かせてくれるだろうし...。
「分かりました。まずは、オレイアスさんに頼んでみます。ガルム爺もルミリスさんも...報告書とかは書きたがらないと思うので、オレイアスさんに頼んでもらった方が早いですから。」
「はい。報告書については、ノアール君にお願いします。公爵様には私の方から説明しておきますので、報告書が出来上がったら連絡をいただけますか?ギルドに報告するのと同時で王宮の薬師様方にお伝えしたいので。」
「はい。父様もこのことは知ってますから、報告書が書ければ直ぐにギルドへ提出出来ると思います。」
「...なんだか、ワクワクしてきましたねー!」
「そうですね...薬師様方の反応が気になって、ドキドキします。」
ユーシン先生が腰を折って囁くので、僕も囁き返します。2人で笑い合っていると、オレイアスさんが近づいて来ているのに気付きました。...はい。初授業、忘れてました。ごめんなさい...。
*
王宮の薬師様方への報告は考えてはいましたが、王宮の薬師様方にとって...一番大事なのは、王族方の使われる薬を確実に保持することです。稀少な薬草の採取は危険を伴うので、冒険者ギルドの冒険者達に結構な高額でお願いしています。その為、最低限しか確保出来ていないらしいです。その薬草を王宮内で栽培することが出来れば、高価な薬を少しでも安く備蓄出来ますが...目的は王宮内での備蓄だから民達には届かないんだろうなぁ。まぁ、その問題は薬師ギルドにお願いしようかな。
「あの...僕、薬師ギルドにも報告しようと考えているのですが、どうしたら良いと思いますか??」
「そうですね...王宮の薬師様方にお伝えする前に、ギルドに報告をした方が良いかもしれません。このことが王宮内でのみ活用されても、君は嬉しくないのでしょう??私としても、これは王国内全域で広く活用されるべき情報だと思います。」
「はい、広く共有したいです。
ですが、ギルドへの報告ってどのようにしたら良いのでしょうか。」
「まずは、祝福についての報告書を公爵様から出して頂きましょう。発見した方々全員で書くのが望ましいのですが......ノアール君やジュリアス君については、発見したのではなく協力しただけとした方が良いでしょう。妖精や精霊の祝福を受けているから関わっただけだとする方が、目立たず安全です。妖精だけでなく精霊の祝福をも受けている者を、害そうとする人はそうはいませんから。ガルムさん率いる庭師さん方とメイドのルミリスさん、執事のオレイアスさんに書いていただきましょう。」
2人で考えた方が良い案が浮かぶかな?と相談してみたら、ユーシン先生は難しい顔をしながらも直ぐに案を出してくれます。僕やジュリアスが巻き込まれないようにしてくれているのが嬉しいです。...ルミリスさんやガルム爺を筆頭にしてしまうことになるけど、祝福が関係するかもって考えたのは2人なんだし、嫌がるだろうけどお願いしよう。オレイアスさんに頼めば、問題なく2人に書かせてくれるだろうし...。
「分かりました。まずは、オレイアスさんに頼んでみます。ガルム爺もルミリスさんも...報告書とかは書きたがらないと思うので、オレイアスさんに頼んでもらった方が早いですから。」
「はい。報告書については、ノアール君にお願いします。公爵様には私の方から説明しておきますので、報告書が出来上がったら連絡をいただけますか?ギルドに報告するのと同時で王宮の薬師様方にお伝えしたいので。」
「はい。父様もこのことは知ってますから、報告書が書ければ直ぐにギルドへ提出出来ると思います。」
「...なんだか、ワクワクしてきましたねー!」
「そうですね...薬師様方の反応が気になって、ドキドキします。」
ユーシン先生が腰を折って囁くので、僕も囁き返します。2人で笑い合っていると、オレイアスさんが近づいて来ているのに気付きました。...はい。初授業、忘れてました。ごめんなさい...。
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