思い付き短編集

神谷 絵馬

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私、王女なんですけど?4

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「あー、すみませんねぇ?
コイツ、剣は凄いんですけど、融通利かないし馬鹿なんですわ...。」

えー、隊長さん軽すぎるわ!
ちゃんと敬語使いましょう?ね?
一応、ミリーも貴族のご令嬢で王女の侍女なんですけど?
てか、馬鹿だとか言ったら駄目でしょ?
事実かもしれないけど、可哀想よ。

「あら、そうなの。
それなら、騎士として最前線に行っていただきましょう。
このように馬鹿な方は、王城には必要ありませんわ。
貴方、早々に荷物をお纏めになられてくださいませね?
では、私共は通らせていただきますわ。
今回の件に関しましての沙汰は、先王様とも話し合った後に追ってお出ししますわ。」

ミリーが、ニッコリとしながら軽やかに馬車へと戻ってきました。
少しはスッキリしたのかしら?

「なっ?!」

驚くの遅いわー。
え、王族の馬車を止めるのが不敬だってことを知らないのかしらね?
隊長さんも馬鹿だったみたいね?

「お嬢様、もしかしたら、残りの関所全てで止められるかもしれませんわ。」

嫌なこと言わないでほしいわー。
関所全てで止められるとか、面倒臭いわよ。
あと4ヶ所もあるのよ?

「止まれ!!」

嫌な予感程良く当たるわね...。

「こ、こちらの馬車は、エスリル王女様の馬車でっす。
もも..紋章を確認してください。」

あらら、馭者さん...。
騎士に怯えながらも...吃りながらもミリーに代わって受け答えをしてくれて、ありがとう。
助かるわー。

「中を改める!!」

いやいや、改める必要ないわよー。
王女の馬車ですよー。

「ハァー、行って参りますわ。」

ゴメンね?お願いします。

「えぇ、行ってらっしゃい。」

振り向く一瞬、般若が見えた...。

「こちらは、エスリル王女様の馬車ですわ。
貴方、この紋章を見ても分かりませんの?
それとも、止めるようにと誰かしらに指示されておりますの?
王族の馬車を止めるなど不敬ですわよ?
分かったのならばお退きなさいまし!...では、通りますわ。」

なんか、声が低くなってきてるよーな?
ミリー?もう少し我慢してね?
まだ出したら駄目よ?

「は、はい。」

侍女であるミリーに、高圧的だった筈の騎士が気圧されてる...。

「止まれ!!」

またか...。

「こちらは、エスリル王女様の馬車です!
紋章を確認してください!
はい!!確認出来ましたよね?
では、王族の馬車ですので、通りますよー!!」

馭者さん、ナイスですわ!!
大声で捲し立てて切り抜けましたの。
あと2ヵ所!

「今日の馭者は、なかなかに機転が利きますわね。
暇そうに何故か小石を磨いておりましたので、選んでみたのですが...正解でしたわ。」

本当に!ミリーが説明のために毎回乗り降りすると相応に時間がかかるので、助かります。
突然の呼び出しにも関わらず、少しでも遅れると、ネチネチネチネチ嫌味言われるんだよね。
あぁ、出来ることならば叩きのめしたい...。

「そうね...出来れば専属になってくれないかしら?」

お祖父様にお願いしてみようかしら?
多分、叶えてくれるでしょうけど。

「そうですわね...頼んでみましょう。」

ミリーも乗り気!珍しい...。
いつもなら、角から隅まで調べあげないと納得しないのに。

「あら?ここは止められなかったわね。
良かったわ。」

あと1ヶ所!

「止まれ!!何者だ!!」

王に呼ばれた王女ですけど?何か??
何者だ!!なんて、誰何する前に紋章を見ろ!紋章を!!
なんのために付けてんだよ!!
紋章はただの飾りか!!

「エスリル王女様の馬車です!!
紋章を確認してください!!
では!通りまーす!!!」

声の大きさが上がったなぁ...。

「ならぬ!!改めさせてもらう!!
扉を開けよ!!」

えぇー!!?開けられるか!!

「女性王族の馬車ですよ?
開けられる訳ないです!!」

お、御者さんが抵抗している。頑張れ!!

「何度も言わせるな!!開けよ!!」

ちょっと!ドアを力付くで開けようとしないでよ!!
壊れるでしょ??!
この馬車、かなり高いのよ?!

「ハァー、本当に馬鹿ばっかりですわね...。
そんなに死にたいのかしら?」

今にも殺しそうな目をしてるけど、殺したら駄目よ?

「殺したら駄目よ?
どうしてもと言うのなら...そうね、半分までね?」

半分生きてれば大丈夫よね?
うん、大丈夫だと思うわ。

「...不本意ですが、我慢いたしますわ。

貴方達の目は、きちんと開いておりますかしら?
こちらは、エスリル王女様の馬車ですわ。
中を改めたいのなら、王命の指示書を見せなさい。
そんなものは無いのでしょう?
ならば、通らせていただきますわ。
あぁ、私、貴方達の顔も名前も把握しておりますわ。
どうぞ、ご安心くださいませ。」

それは安心出来ないと思うわ。
まぁ、私のことを侮ってそうだから...本人達的には危機感とか無いのかもしれないけどね?





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