思い付き短編集

神谷 絵馬

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最近更新。

伝言ゲームか!?!2

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「こちらが姫様でございます。」

あ、どうもー。
なんだか、無駄にキラキラした人達だね。
陛下とか呼ばれた人に抱っこされて、猊下って呼ばれた人に頬をふにゅふにゅと優しく突っつかれて、かなり歓迎してるっぽい雰囲気。

「名はなんと付けられたのだ?」

黒髪のオールバックに切れ長の翠の瞳という、一見すると冷たい容貌の陛下は、威厳のある声なのに...かなりデレデレの顔をしてる。

あー、眠くなってきたんだけど...どうしよ?

「お生まれになられてから一刻程待ったのですが...伯爵様は、名付けをなさいませんでした。
ただ一言、連れて行くが良い!と仰られました。」

「馬鹿め...。
名付けをしないなど、この子を放棄するというのか?」

「兄上、盟約は無事に成されました。
まずは、姫の名付けを致しませんと...あぁ、約束通り僕が預かりますからね?」

陛下から私を何度も受け取ろうとしてるけど無視されてる猊下は、多分腰まであるんだろう長さの黒髪を3つ編みにして左肩から前に垂らしているという...私の理想のお母さんの髪型!に、陛下そっくりの切れ長の翠の瞳なんだけど絶妙に垂れてて色気がある感じ......分かってくれるよね?
色気をそこはかとなーく淡く淡く振り撒くタイプの美女顔。
伏せ目とかしたら1発でKOされちゃう...って感じなの。

猊下がお父さんになるのかな?

「分かっておる。
名付け...名付け...うむ、妃にも相談しよう。」

「陛下!猊下!姫はどこですの?姫はもう着きましたの?
あらあら、なんと可愛らしいこと...名はなんと申すのかしら?」

「王妃、良いところに!
伯爵は名付けを怠ったようなのでな?これから名付けをせねばならぬのだ。
姫の名を共に考えてくれぬか?」

「あらあら、伯爵様ったら馬鹿ねぇ?」

陛下からあっさりと私を強奪した王妃様は、私の鼻をツンツンとしたり、おでこにチュッと口付けたりと楽しんでらっしゃるみたい。
サラッサラのストレートな銀髪を複雑に編み込んで、赤ちゃんの手の平よりももう少し小さめの赤い薔薇を、毛先の方へ色が薄くなるように無数に差してあるのがとっても綺麗。
零れ落ちそうな程に大きな薄い紫の瞳は、私が口をムニュムニュと動かしたり、重たい目蓋をゆっくりと瞬かせたりする度に、嬉しそうにキラキラと輝くの。

「姫?貴女の名前は私達がちゃんと考えておくから、眠っていても良いのよ?
また後でね?おやすみなさい。」

うーん、一応名付けを見てたかったんだけど、なんだかかなり目蓋が重い。
これは、背中トントンの心地よさに抗わずに寝ようかな?
寝る子は育つって言うし、皆さん優しそうだし...寝る!

あ、寿限無みたいに覚えにくいような長ったらしいのとか、綴りが難しいとかで書くのが面倒なのとか、そういう変なのを付けないでね?
画数が多すぎたりすると、試験のときとか名前書くだけで面倒なんだよねー。

「ぉ。」

「ンフフ!とびきり可愛い名前にしましょ?」

可愛いとかは、柄に合わないんだけどなー?





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