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本編
7(王妹殿下視点)
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「ごめんなさい...陛下、悪くないの。
私が、お願いしたの。」
「アリー?貴女が謝る必要なんてないのよ...。」
「ヴェア様が、このまま誰とも結婚しないと、私、陛下の娘になるんでしょ?
王城に行くと、色々と面倒だろうから、嫌なの。
だって、陛下、また、構い倒してくるでしょ?
それが、一番面倒だもん...だから、ワガママ言ったの。」
「アリー...。」
ドレスの打ち合わせを終えて夕食の時間に、ドレスの打ち合わせの時から表情の優れないアリーが、唐突に謝罪をしてきましたの。
兄のことは諸々諦めてますから、アリーが謝る必要なんてどこにもありませんわよ?
ドレスの打ち合わせの際に、兄について少し愚痴を言ってしまったから気にしているのかしら?と、宥めようとしましたら、アリーが兄を面倒だと評しましたのよ?
んふふ...これはこれで愉快ですわ。
兄の愛するが故の行動を、アリーには一番面倒だと言われてますわよー。
「それに、ヴェア様も、王城に戻りたくないでしょ?
魑魅魍魎の跋扈するような所、近付かない方が賢明だもの。
それに、もしもヴェア様が結婚して、ヴェア様の娘になれたのなら、私はヴェア様の側にずっといられるもの。
それなら、私はずっと幸せよ。」
「アリー!!」
「きっと、ヴェア様の子供も可愛いもん。
その子が女の子なら、今度は3人でお揃いのドレスを作れるでしょ?
それで、3人でお茶会したりお散歩するの。
あ、お散歩は、ヴェア様の旦那様も一緒じゃないと、駄目なんだった...。
2人でのお散歩も楽しいけど、4人でのお散歩、きっと楽しいよ?」
あぁ、そうね...きっと、幸せだわ。
可愛い娘達と3人でお揃いのドレスを着るなんて、盛大に悶えること確実ですわね。
「アリーが私の側にいることを幸せだと感じてくれているのなら、構わないわ。
ただ、陛下にどうお願いしたのかを聞いても良い?」
「うん。
陛下からは、私に護衛騎士を付けるから、選んでほしいって言われたの。
それで、騎士の人達が多すぎて、よく分からなかったし、ロバルトの方が、親しんでいるからって思って、ロバルトを選んだら、騎士の人達が落ち込んでいたの。
そしたら、陛下は、
『護衛騎士を選ぶのは後でも良いよ!』
って、
『騎士の身上書ってのを置いていくから、身体の調子が良くて時間があるときにで良いから、見てね!』
って言ったの。
それで、後はヴェア様とのこととかを話してたの。
そしたら、陛下が、
『うーん、色々とあったし、ヴェアが結婚したくない気持ちは分かるんだけど、アリーを養子にするには結婚してくれないとねぇ。
候補は厳選してあるんだよ?』
って言ったから、私のことを、王城に連れてくって言えば...ヴェア様、結婚するって言うかも?って...陛下に言いました。」
アリーったら、兄よりも私のことを良く理解してるわ...。
ですけれど、これは、アリーにとっても賭けでしたのよね?
ですから、私が結婚すると兄と約束したと聞いたときに、ホッと一息吐いてから少しだけ表情が柔らかくなったのよね?
「...そう言うことだったのね?
そうね、これは仕方ないわ。
だって、アリーは私と一緒にいたいからそうしたら?って陛下に提案したんでしょう?」
「うん。
人質を取るような、卑怯なことを、提案したの。」
「アリーが人質にしたのは、自分自身で、私がもしも
『結婚は嫌だから、陛下の娘にしてください。』
って、言う可能性もあった訳でしょう?
アリーが傷付く可能性もあったの。
それでも貴女は陛下へと提案したのよね?
それはね?卑怯なことではないわ。
だって、アリーは私を脅したりはしていないもの。
ただ、陛下の娘になる可能性があるという、紛れもない事実を陛下に伝えさせただけなのよ?だから、謝らなくても大丈夫なのよ。」
私を騙したと感じているらしいアリーを抱き締めると、スリッと私の胸にすり寄ってきてくれましたのよ!
これは、きっと無意識ね...。
私の顔を窺うように見上げてくるアリーが、とても可愛いわ!
こんなにも可愛いアリーを、面倒な立ち位置にいるお兄様になんて渡してなるものですか!
*
私が、お願いしたの。」
「アリー?貴女が謝る必要なんてないのよ...。」
「ヴェア様が、このまま誰とも結婚しないと、私、陛下の娘になるんでしょ?
王城に行くと、色々と面倒だろうから、嫌なの。
だって、陛下、また、構い倒してくるでしょ?
それが、一番面倒だもん...だから、ワガママ言ったの。」
「アリー...。」
ドレスの打ち合わせを終えて夕食の時間に、ドレスの打ち合わせの時から表情の優れないアリーが、唐突に謝罪をしてきましたの。
兄のことは諸々諦めてますから、アリーが謝る必要なんてどこにもありませんわよ?
ドレスの打ち合わせの際に、兄について少し愚痴を言ってしまったから気にしているのかしら?と、宥めようとしましたら、アリーが兄を面倒だと評しましたのよ?
んふふ...これはこれで愉快ですわ。
兄の愛するが故の行動を、アリーには一番面倒だと言われてますわよー。
「それに、ヴェア様も、王城に戻りたくないでしょ?
魑魅魍魎の跋扈するような所、近付かない方が賢明だもの。
それに、もしもヴェア様が結婚して、ヴェア様の娘になれたのなら、私はヴェア様の側にずっといられるもの。
それなら、私はずっと幸せよ。」
「アリー!!」
「きっと、ヴェア様の子供も可愛いもん。
その子が女の子なら、今度は3人でお揃いのドレスを作れるでしょ?
それで、3人でお茶会したりお散歩するの。
あ、お散歩は、ヴェア様の旦那様も一緒じゃないと、駄目なんだった...。
2人でのお散歩も楽しいけど、4人でのお散歩、きっと楽しいよ?」
あぁ、そうね...きっと、幸せだわ。
可愛い娘達と3人でお揃いのドレスを着るなんて、盛大に悶えること確実ですわね。
「アリーが私の側にいることを幸せだと感じてくれているのなら、構わないわ。
ただ、陛下にどうお願いしたのかを聞いても良い?」
「うん。
陛下からは、私に護衛騎士を付けるから、選んでほしいって言われたの。
それで、騎士の人達が多すぎて、よく分からなかったし、ロバルトの方が、親しんでいるからって思って、ロバルトを選んだら、騎士の人達が落ち込んでいたの。
そしたら、陛下は、
『護衛騎士を選ぶのは後でも良いよ!』
って、
『騎士の身上書ってのを置いていくから、身体の調子が良くて時間があるときにで良いから、見てね!』
って言ったの。
それで、後はヴェア様とのこととかを話してたの。
そしたら、陛下が、
『うーん、色々とあったし、ヴェアが結婚したくない気持ちは分かるんだけど、アリーを養子にするには結婚してくれないとねぇ。
候補は厳選してあるんだよ?』
って言ったから、私のことを、王城に連れてくって言えば...ヴェア様、結婚するって言うかも?って...陛下に言いました。」
アリーったら、兄よりも私のことを良く理解してるわ...。
ですけれど、これは、アリーにとっても賭けでしたのよね?
ですから、私が結婚すると兄と約束したと聞いたときに、ホッと一息吐いてから少しだけ表情が柔らかくなったのよね?
「...そう言うことだったのね?
そうね、これは仕方ないわ。
だって、アリーは私と一緒にいたいからそうしたら?って陛下に提案したんでしょう?」
「うん。
人質を取るような、卑怯なことを、提案したの。」
「アリーが人質にしたのは、自分自身で、私がもしも
『結婚は嫌だから、陛下の娘にしてください。』
って、言う可能性もあった訳でしょう?
アリーが傷付く可能性もあったの。
それでも貴女は陛下へと提案したのよね?
それはね?卑怯なことではないわ。
だって、アリーは私を脅したりはしていないもの。
ただ、陛下の娘になる可能性があるという、紛れもない事実を陛下に伝えさせただけなのよ?だから、謝らなくても大丈夫なのよ。」
私を騙したと感じているらしいアリーを抱き締めると、スリッと私の胸にすり寄ってきてくれましたのよ!
これは、きっと無意識ね...。
私の顔を窺うように見上げてくるアリーが、とても可愛いわ!
こんなにも可愛いアリーを、面倒な立ち位置にいるお兄様になんて渡してなるものですか!
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