「やり直しなんていらねえ!」と追放されたけど、セーブ&ロードなしで大丈夫?~崩壊してももう遅い。俺を拾ってくれた美少女パーティと宿屋にいく~

風白春音

文字の大きさ
46 / 108

46話 貴族から直々に頼まれました

しおりを挟む
 一日休息を終えた俺達は冒険者ギルドへと赴く。

 すると受付嬢から声を掛けられた。


 「ホワイトアリス様ですね。少しお話が」 
 「うん?」
 「どうぞこちらに」


 そう言って裏にあるソファに座らされる。

 もう次の目的地移動か?

 早すぎないか?

 まさかAランクに昇格はあり得ないだろうし。

 一体何の要件だ?


 「ホワイトアリス様にデイル国に住まわれる貴族リンリン卿から直々の依頼が来ております」
 「貴族から直々の依頼!?」
 「はい。ですのでリンリン卿の所へとお向かいください。地図はお渡しいたしますので」
 「了解した」
 「ではご健闘を祈っています」


 まさか貴族からとはな。

 Bランクに依頼するなんて珍しいな。


 「貴族から直々の依頼って凄いんじゃないの?」
 「ああ凄いよ。Bランクでは滅多に来ない。それだけこのリンリン卿からホワイトアリスが評価されているわけだ」
 「何か嬉しいわね!!」
 「そうだな」


 俺達は喜びは後に、取り敢えずは地図に描かれたリンリン卿の場所まで向かう。

 整備された道を歩いて行く。

 山頂付近にある町なだけあって街並みも綺麗だ。

 紅葉が宙を舞って地面に落ちる。


 「ここがリンリン卿の住居か」
 「綺麗ね!!」


 瀟洒な中規模な家だ。

 紅葉が家にくっついている。

 俺はドアをノックする。


 「ごめんください」
 「はいはーい」
 

 軽いノリの声がドアの奥から聞こえる。

 どうやら声から察するに馴染みやすい貴族なようだ。


 「貴方達がホワイトアリスね。さあさあ上がって」
 「お邪魔します」


 俺達はリンリン卿の自宅の中にお邪魔する。

 あまり貴族らしくない家だな。

 貴族の家には何度かお邪魔したことがあるが、皆自己顕示欲が強いのか自画像や豪華な絵画や時計などを家に置いていた。

 正直貴族はあまり好きではない。

 嫌なイメージが圧倒的だからだ。


 「さあさあ座って」
 「あ、はい」
 「そんな畏まらなくてもいいのよ」
 「お気遣い感謝します」


 リンリン卿は大人びた女性だ。

 俺達より一回り以上は多く人生を歩んで生きた女性だ。

 黒い長髪に細長い切れ目の美人な女性だ。

 貴族の割に質素な布の服を着ている。


 「それで依頼とは?」
 「貴方達にある貴族を暗殺してほしいの」


 俺達はその言葉に驚きを隠せずつい驚きを顔にまで出してしまった。

 貴族を暗殺だと!?

 何を言っている!?


 「それはこちらとしましてもリスクが高く」
 「ええ知ってるわ。だからホワイトアリスに頼んだの。貴族を殺した経験おありでしょう!!」
 

 リンリン卿は急に穏やかな表情から冷たい表情に変わる。

 声色も大きく変化した。

 まるで熱帯の火山地帯から氷河地帯に移動した気分だ。


 「確かに貴族は殺した経験がおありですが」
 「他にも王族に屈辱をかかせたらしいわね。私の依頼者に適任だと思うの」
 「よくご存じですね」
 「まあ腐っても貴族だからね。情報網はそれなりに持ってるのよ」
 

 さてどうするか。

 貴族暗殺はリスクが高すぎる。

 暗殺された貴族のご家族などが報復を他の冒険者に依頼する可能性も高い。

 殺すなら身を隠して行う必要があるな。

 先ずは理由を聞くか。


 「先ずは何ていう貴族ですか? 場所は?」
 「リーシテン卿を殺してほしいの。場所はフィーフィーマウンテンから東に数十キロ先の国に住んでいる貴族よ」
 「では何故殺したいのですか?」
 「それは私の妹を殺したからよ。私の元婚約者だったの。でねリーシテン卿は女癖、酒癖が悪くて私の妹を無理やり犯したのよ」
 「それで自殺した或いは抵抗して殺された」
 「ご想像にお任せするわ。兎に角お願いしたいの。まさか断らないわよね!!」


 冷たい笑顔で俺達に笑いかける。

 ああ精神状態がまともじゃない。

 全く面倒な依頼を寄越したものだ。


 「少し仲間と相談しても宜しいですか?」
 「構わないわ」


 俺達は席を一旦外して相談する。


 「どうする? リスクは高い」
 「でも断れる雰囲気じゃ?」
 「そうじゃそうじゃ。怖かったぞあの冷たい笑顔は」
 「やるしかないんじゃないの」
 「私は依頼を引き受けても良いかと。冒険者として割り切れます」
 「私もいいよ。殺された妹さんが可哀そうだし」
 「分かった依頼を引き受けよう」


 俺達は依頼を引き受けることにした。

 その前にセーブをしておこう。


 「セーブ」


 =========================

 スロット1 リンリン卿の家

 スロット2 デイルの宿

 スロット3 空き

 =========================


 俺はスロット1に上書きセーブをした。

 スロット3は空けておこう。何故かそんな予感がした。


 「分かりました。引き受けます。その代わりそれに見合う報酬を頂きます」
 「ええ金貨三十枚とこの剣を差し上げるわ。そこの赤いフードを被った少女の剣は見たところ鉄の剣。これはダイヤモンドの剣。全然価値が違うわ」
 「前払いですか?」
 「取り敢えずはね。殺害を私が確認でき次第追加で報酬を渡すわ」
 「分かりました。証明はどうすれば?」
 「私も付き合うわ」
 「分かりました。監視も兼ねてですか」
 「まあ一応ね。疑ってはないけど」
 「分かりました。では準備が出来次第リーシテン卿の下へと向かいましょう」
 「ええ感謝するわ」


 どうやら相当リーシテン卿に恨みを持っているな。

 まあ話を聞いた限りでは相当の屑に思えるが。

 自分の妹を犯されて殺されたんだ当然か。

 何故か関係ない俺もリーシテン卿に凄く苛立ちを覚えた。

 まあリーシテン卿に地獄を見せてやるか。


 俺達はその後、旅支度の準備を済ませて馬車でリーシテン卿がいるダンデル国へと向かった。

 俺達【ホワイトアリス】の初めての貴族からの依頼は想像を絶する者だった。

 さあリーシテン卿を殺そう。
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした

阿里
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります

しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。 納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。 ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。 そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。 竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

辺境追放された「植物魔導師」の領地開拓 ~枯れ果てた死の大地は、俺の魔力で聖域(楽園)へと変貌する~

リーフレット
ファンタジー
​「植物魔法? ああ、農作業にしか使えないあの地味な魔法か」 ​帝国騎士団の専属魔導師だったアルトは、無能な二世皇太子レオンによって、一方的に追放を言い渡された。 アルトがどれほど魔導植物を駆使し、帝国の食糧難を裏から支えていたかを知らぬまま、彼は「戦闘に役立たない役立たず」という烙印を押されたのだ。 ​帝国を出て行き着いた先は、魔物が跋扈し、草一本生えないと言われる最果ての荒野。 死を待つだけの地。しかし、アルトは絶望するどころか、晴れやかな顔で笑っていた。 ​「やっと、気兼ねなく『植物』を愛でられる。……よし、ここを世界一の庭(楽園)にしよう」

追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?

タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。 白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。 しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。 王妃リディアの嫉妬。 王太子レオンの盲信。 そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。 「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」 そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。 彼女はただ一言だけ残した。 「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」 誰もそれを脅しとは受け取らなかった。 だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

処理中です...