「やり直しなんていらねえ!」と追放されたけど、セーブ&ロードなしで大丈夫?~崩壊してももう遅い。俺を拾ってくれた美少女パーティと宿屋にいく~

風白春音

文字の大きさ
62 / 108

62話 ホワイトアリス標的にされる

しおりを挟む
 ファイシード国冒険者ギルド支部に良からぬ企みを行おうとしているパーティーが存在した。

 そのパーティーの名前を【アイアンブリザード】。

 彼らはAランクパーティーだ。

 メンバー構成はこうである。


 アタッカー:ディーン、グラージュ
 
 バッファー:ボーボル

 ヒーラー:ガンドーン


 男四人組のパーティーでバランスが取れたパーティーである。

 彼らは今、ある貴族から命令を受けて良からぬ企てを実行しようとしている。


 「おい、本当にやるのかよ?」
 

 そう言ったのはグラージュ。

 青髪の青年だ。

 かなり自分勝手な性格をしている。

 銀の鎧を装備している。

 腰には銀の剣を帯同させて。


 「ああ貴族からの命令だぞ。それも公爵からだ。やらない筈がないだろうが!!」
 

 偉そうに語るこの男はパーティーリーダーディーン。

 金髪の派手な髪に金色の瞳。

 こちらも自己中心的な性格だ。

 銀の鎧をわざわざお金をかけて金色に塗装している。

 腰にも金の剣を帯同させている。


 「しかし冒険者殺しなんてやばいのでは?」
 

 そう不安そうな言葉を漏らすのはバッファーのボーボル。

 緑色の髪に緑色の瞳。

 凄く慎重派な性格である。

 その反面独占欲は強い。


 「がははっ!! 大丈夫だろう、俺達アイアンブリザードならな!!」


 ごつい巨体のこの大男の名前はガンドーン。

 誰もが一目見るたびアタッカーだと勘違いするであろう。

 しかし彼はヒーラーだ。

 黒色の髪に黒色の瞳の大男だ。

 貴族の地位を欲しがっている。


 「じゃあ早速冒険者殺すぞ!!」
 「大丈夫なのですか? 冒険者を殺して?」
 「冒険者同士の殺し合いは許可されてるんだよ。貴族達が定めたルールに従って何が悪い!!」
 「ま、まあそうですが」
 「お前だって欲しいだろ。貴族の地位が、美女が!!」
 「それはそうですが!!」
 「だったら冒険者どんどん殺すんだよ!! 公爵の命令だぞ!!」
 「わ、分かりました!!」


 ディーンは頬杖をつきながらボーボルに強く言う。

 ディーンはかなり自己中心的な性格で自分中心でないと満足できない。

 その為行く行くは貴族の地位を手に入れて好きなだけ自分勝手な振る舞いを行おうと思っている。


 「じゃあ先ずはその辺の雑魚狩るぞ!!」
 「オッケー!!」
 「分かりました!!」
 「がははっ。回復は俺に任せろ!!」
 「じゃあ狩るか!!」


 【アイアンブリザード】は動き出す。

 そしてラーク達がその事実を知るのは数日後となった。


    ♦

 俺達は現在冒険者ギルドに居た。

 そして違和感を覚えた。


 「なあ何か冒険者の数少なくなってねえか?」
 「確かに? どうしたのかしら?」
 「聞いてみるか」


 俺達はファイシード国冒険者ギルド支部の受付嬢に事情を聞く。

 するとすんなりと答えてくれた。


 「まだ犯人は不明ですがここ数日冒険者狩りが多発しています。同一犯かは不明ですが」
 「冒険者狩り!?」
 「はい。何でも冒険者が数日前から多数殺されているのです。もう既に数百名は殺されております」
 「数百名!? 一体何の目的で?」
 「さあそこまでは? 現在調査中ですので」
 「そうか。教えてくれてありがとう」
 「ホワイトアリス様もお気を付けください。狙われる可能性がありますので」
 「ああ分かってる。お気遣い感謝する」


 俺達は冒険者ギルドに設置された椅子に座る。

 そして話し合う。


 「暫く警戒して動いた方が良さそうだな」
 「デビルメイデンの線はないの?」
 「あいつらにそんな実力があるとは思わない!!」
 

 確かに卑怯な手は使うだろうが、冒険者殺しを行えるほどの実力があるとは到底思えない。

 恐らく違うだろう。

 だとしたら誰が冒険者殺しをしている?


 「貴族の線はどうじゃ? 貴族は冒険者が貴族の地位を与えられることに不快感を覚えるものも少なくないと聞くのじゃ。貴族が増えると困るからのう!!」
 「貴族か。あり得るな。だが直接手は汚さないだろうな。だとしたら誰かに依頼したか?」
 「その線もあり得るのじゃ!!」


 確かにヴィクトリカの言う通り貴族は冒険者を見下している傾向が高い。

 リンリン卿のように良い貴族なんて少ないのだ。

 それに冒険者が貴族の地位を与えられる事で貴族が増える。

 すると今いる貴族の地位から弾き出される者が出る。

 この世界では貴族のパイは限られている。

 全員が貴族という訳にはいかないのだ。

 まあただ単純にその依頼したであろう貴族が冒険者嫌いなだけかもしれないが。


 「まあ取り敢えず警戒しながらクエストをクリアしよう!!」
 「うむそうじゃな!!」


 俺達は常に警戒態勢を取ることにした。

 冒険者狩りなら【ホワイトアリス】が狙われても可笑しくはない。

 むしろBランクだと知れば嬉々として襲ってくるはずだ。

 相手はAランクかSランクの冒険者に違いない。

 CランクやBランク冒険者レベルでは実力的に冒険者狩りなんて行えないだろう。


 取り敢えずセーブしておこう。


 「セーブ」


 =========================

 スロット1 ファイシード国冒険者ギルド

 スロット2 ファイシード国宿屋

 スロット3 ファイシード国宿屋

 スロット4 空き

 =========================


 俺はスロット1に上書きセーブをした。

 そして俺達が冒険者狩りの事実を知ってから十日が経過した。

 そして遂に事態は大事となる。

 俺達【ホワイトアリス】は【アイアンブリザード】に狙われる事となる。


    ♦

 「大体殺せたな!!」
 「そうだな。簡単に騙されて殺されてやがる!!」
 「真正面から殺すのだけじゃつまらねえし、確実性が無い。あらゆる手で殺す、それが俺達アイアンブリザードだ!!」
 「しかしかなり大事になったな。動きづらくなったんじゃねえか!!」
 「まあな。だが俺達だという証拠なんてねえ!! 余裕だ。それにバックにはルーデイン公爵がついている。幾らでも揉み消せるさ!!」
 「次はどうする。ターゲットは?」
 「そうだな。ホワイトアリスなんてどうだ?」
 「ホワイトアリス?」
 「ああ冒険者ギルドに登録されているデータをルーデイン公爵から見せてもらったんだ。その時美少女集団のパーティーがあったそれがホワイトアリスだ!!」 
 「美少女か。いいね、女遊びは最高だ!!」
 「だろ。殺しだけじゃつまらねえ。男としても充実しないとな!!」
 「ははっ違いない!!」
 「じゃあ次の標的はホワイトアリスで決まりだ!!」
 「ああ!!」


 ディーンとグラージュの会話を聞いていたボーボルとガンドーンもニヤリと笑い力強く頷いた。

 【アイアンブリザード】の次のターゲットは【ホワイトアリス】に決まった。

 だがこの選択は彼らを後悔させる。

 それどころかそのバックにいるルーデイン公爵まで。

 彼らはまだ知らない。
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした

阿里
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

処理中です...