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触手と
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俺こと成海くんの右目は、『この世ならざるもの』を視ることができるのだ。
……と言うと、まず間違いなく「こいつヤりすぎで遂に頭おかしくなったのか」と同情混じりの目で見られるので公言はしていないのだが、事実である。
一応、兄ちゃんには言っているものの、彼もあまり信じてはいないようだった。だけど俺にしては珍しく真面目に主張するもんだから、「そういうものなんだろう」でひとまず飲み込んでくれた辺り、本当に兄ちゃんは人間ができている。他の奴ではこうはいかない。
閑話休題。とにかく俺の右目は『この世ならざるもの』が視える。という話をなんで急にしたかというと、
「……っ、ゔぐぅ、ゲホッ!! ぉえ゛、っ、」
今まさに、『この世ならざるもの』に犯されているからだ。
「はぁっ……ま、タンマ! マジ、マジで死ぬ、からぁ……」
限界ギリギリまで喉を行き来していた触手がずるり、と一気に抜けていった。ぜぇぜぇと必死で酸素を取り込む俺の顔の横で、丁度喉を塞ぐサイズの触手が楽しげにぬたぬたと蠢いている。
触手の体液と混ざり合ったせいか、緩いゼリー状になった唾液がぼたっと床に落ちた。口元を拭おうにも両腕が柔らかくしかししっかりと触手に絡めとられていて、うまく動けない。
「お、お前らな、マジで、加減しろよ……人間、か、簡単に死ぬからな……!」
ギッ、と睨みつけようとしてどこが本体なのか一瞬迷う。うねうねとした触手の塊、としか言いようがないこいつに果たして本体とかあるんだろうか。ひとまず俺の太腿にベタベタと粘液を擦りつけてる、この中で一番太い触手を睨んでおいた。
俺の視線を感じ取ったのか、太い触手はぬと、と糸を引きながら頭? を擡げて俺の目線と同じ位置まで来たのを見て、思わず喉が鳴る。
一応、悪意あるものは近付けないよう、お守りとして魔除けの指輪を付けっぱなしにしていて、そのおかげで今まで危険なモノからは身を護れていたのだ。まぁ、悪意のないモノからはよく絡まれてアレコレされてきてはいるがそれは置いといて。
だ、大丈夫、大丈夫……コイツも俺を殺すような悪意の持ち主ではない、ないんだ、信じろ。何事も信心からだ。恐れを気取られないようじっと見つめていると、太い触手の先端がぬちゅ、と俺の口に押し当てられた。
流石にこの太さをさっきと同じ勢いで突っ込まれたら本気で死ぬかもしれない。どくどくと心臓がすごい勢いで走り出す。
触手はぐにぐにと何度か俺の口を擦ると、再び糸を引きながら離れ、先程と同じような位置でまたゆらゆらと揺れ始めた。
「……え?」
そのまま動きのない触手から視線を逸らさず、粘着く唇を舐めると、その粘液の甘さに驚いて思わず声が漏れた。
喉の奥がイガイガするキツイ甘さではなく、口の中に含んで意識して初めて気付くような、うっすらとした優しい、でも一度味わったら何度でも舐めたくなるような柔らかい花の香りと甘み。こくり、と嚥下すれば、お腹がぽかぽか温かくなった気がする。
「な、なにこれ……」
戸惑っていると、いつの間にか太い触手がこちらを向いていて、その先端の穴からぷしゅ……ぷちゅちゅ……と音を立てて粘液が、『蜜』が、とろりと溢れ出して来た。ついさっき、味わってしまった花の香り。
「あ……♡」
そのまま零したらもったいない! 咄嗟に舌を伸ばして受け止めると、さっきよりももっと華やかな花の香りが鼻を通り抜けていく。
「お、いし……♡」
俺がすべて飲み干したのを見て太い触手はうんうんと頷くような仕草をしてから、今度は俺が咥えやすいようにとでも考えているのか、ゆっくりと先端を近づけてくる。
「んぁ……♡♡」
舌先から迎えるように大きく口を開いて、触手の先端にしゃぶりつく。ゆっくりとしたペースで与えられる蜜をちゅうちゅう啜っていると、どんどん下腹部が熱くなってもう無視できないくらいに疼いているのに気がついてしまった。
「これぇ……媚薬かぁ……♡」
いつの間にか両腕の拘束は外れていて、でも今更抗いようがない。完全に力が入らなくてラグにくたりと崩折れても、俺の口元から離れないよう、太い触手は器用に着いてきて粘液を送り込んでくる。
これ、悪意ないっていいきるには、びみょーじゃあないかなぁ。
触手の塊が少し解れて、しゅるしゅると音を立てながら細いのが周囲を取り囲む。
今のぽわぽわした頭では、太い触手の先端にしゃぶりついたままそれをぼんやりと眺めているくらいしかできることがない。
両脇から抱えるように細い触手が俺の身体を起こし、腰も支えるように巻きつかれ、ぐいっと宙に浮く。
「ぁー……♡ぁひ、や、やめッ、ァハッ♡」
身体中まとわり付く触手よりも細い触手が服の裾から滑り込んで、脇腹をのたのた這うのがくすぐったくて更に力が抜ける。ゆっくりとしたペースで這い寄る先は、俺の乳首だ。
「ひンッ♡♡あ゛ー♡らめ、それ、ッ♡」
ぢゅぽっぢゅぽっと固くなった乳首が触手に吸い上げられているのがわかる。触手の内側はまるで猫の舌のようにザラついてて、絶妙に痛気持ちいい。
今までにない乳首への刺激に夢中になっている間に、触手たちは器用に俺のジーンズを下ろし、俺のモノを引っ張り出していた。さっきまで咥えていた太い触手が背後に周り、穴の周囲を擦っている感覚がある。
……いや太さもアレだが触手だからこのままだとすげぇ長さのモノがぶち込まれる気配がないか? 流石の成海くんも死ぬが??
「やめろって、や、ぁあ゛ンッ♡」
制止しようとした声が一瞬で蕩ける。
服の下の動きだからわかりにくいが、これめちゃくちゃ乳首、引っ張られてる……♡
「ゃ゛だぁ♡おれの、乳首♡とれちゃうぅ♡♡」
ぢゅるぅ……ぢゅるぅ……と一定のペースで引っ張りつつ吸われ、腰がガクガクと震えてくる。
「ぉ゛?♡♡ぁ、まって♡ま゛っ♡♡おれのマンコ♡かきまぜなぃでぇ♡♡♡」
未だねとねとと穴の周囲を捏ねてる太い触手とは違う奴が、快感で緩んだ入り口からあっさりと入り込んでずりずりと内壁を擦りながら往復していた。なんか、四、五本入ってる気がするんだけど、何にも痛くない……というかすっごい気持ちいい……? 時折聞こえるぬちっぬちゃっという粘着質な音で、もしかしたらさっき俺がお腹いっぱい飲んだ蜜をまとって中に入り込んでたりするんじゃないか、という閃きが恐怖と同時に降りてくる。
「や゛だぁ♡きもちぃ♡けちゅまんこごちゅごちゅ♡きもちぃ♡♡……ぁぐっ!? ほぉぉ゛お゛ンッッ♡♡♡」
奥まで入った複数の触手がタイミングを合わせて一気に抜けていって、俺はあっさりとメスイキをキメた。粘度の高い蜜が後を追うように垂れてきて、くぱくぱと開閉する口に絡まってぷちゅ……と小さな音を立てている。
ヤバい……今回の触手ヤッバいぃ……♡今まで絡んできた奴らと違う、つーか、今までの奴らから、なんか、俺の好きなとこ学習してない……?
「ぁ……ぁへ……♡きもちー♡もっと♡もっとぉ♡♡」
頭の片隅は恐怖で冷えているのに、快楽が強すぎてちゃんと考えられない。何言ってるのかよくわからないけどただただ自分が気持ちよくなるためだけの言葉がロクに脳みそを通らずぼとぼとと零れ落ちていく。
「にゃんでぇ? にゃ、でぇ、けちゅまん♡からっぽなのぉ? ゃらぁあ、」
再び太い触手が俺の口元に近寄ってきて、俺は躊躇いなくその先端にキスをする。どろどろ注ぎ込まれる蜜を飲んで脳みそがとろとろ蕩けていく。
霞んだ視界の中でてらてらと滑る触手だけが俺の心をときめかせ、からっぽの胎内がきゅん、と疼くのだ。
「ぁやく、ぶっとぃのいれぇ゛♡しょくしゅちんぽ♡おくまぇずんずん♡じゅぽじゅぽしてぇ♡♡」
どうにか動く片腕で、ぐにぃと尻たぶを引っ張って口を大きく開かせる。未だ胎内にたっぷりと残った蜜が、ぶびゅと下品な音を立てて滴り落ちた。
そんな俺の姿に満足したのか、蜜を与え続けてくれていた一番太い触手が焦らすような速度で動き、ようやく穴に触手の先端が触れる。そのままゆっくりゆっくり穴が押し広げられ、ぶぢゅん、と先端が胎内に侵入した。
「きた♡やっときた、ぁあ♡あはぁ♡♡」
普通なら、太いところが通り抜ければそのあとはずろろろ、と一気に奥まで押し込んでくれるのに、触手はしっかりと自身の速度をコントロールして、変わらないゆっくりとしたペースで少しずつ俺の胎内に入り込んでくる。
「にゃ、でぇ? もっろぉ゛ッ! たりにゃぃい゛♡♡はゃ、くぅお゛ぐぅ゛♡ごちゅごちゅしれぇ♡♡♡」
焦れったさにぼろぼろ涙を零しつつ懇願しても、一向に動きは変わらない。自分から迎えに行こうにも、身体はしっかりと他の触手によって動きを抑えられていてそれもままならない。
どうにもならない昂ぶりを、少しずつ侵入する触手をきゅうきゅう締め付けることでどうにかいなしていると、ようやく奥にこちゅ♡と柔らかくぶつかった。
「はぁ♡はぁあ゛♡あ゛ー♡♡」
ゆっくりゆっくりとしたスピードにいつの間にか慣らされていたのか、奥に辿り着いたまま動かない触手を締め付けるだけで俺は軽くイっていた。
ゆっくり、なのも♡きもちいぃ……♡
そんなことをぼんやり思っていたら、急に胎内の触手が激しく動き始めて翻弄される。
「あ、がぁ♡イ゛っ゛だ♡♡イ゛っでる゛がぁ゛♡ひぎぃ♡♡」
どぢゅっどぢゅっどぢゅっ! 胎内で更に太く固くなった触手が内壁をぞりぞりとこすり上げながら行き止まりを殴りつけてくるせいで、腹がぼこぼこと波打っているのが目で見てわかって更に興奮してしまう。
「あ゛♡あ゛♡あ゛ぁ゛♡♡ぁはッ♡ぁははァッ♡♡ぉに゛ゃかぁ゛♡やぶぇぅ゛♡♡しにゅぅ゛♡♡♡」
イきすぎて力が入らない。笑っていると遂に結腸をぶち抜かれて俺は声もなく何も出せずただビクビクと身体を痙攣させながらまたイった。
触手が膨れ上がって、熱くてねっとりとした液体を胎内にどんどん注ぎ込まれて、お腹がどんどん重たくなっていく。
し ぬ か も 。
うっすら思って、でもこの最高の気持ちよさの前にはもう何もかもどーでもよかった。へらっと笑うと力の入らない口元からぼたぼたとよだれが垂れ落ちた。
めのまえがちかちかひかってきれいだ、ゆびわがひびわれてるからこうかんしにいかなきゃ、あとは、なんだっけ?
遠くで玄関の鍵が回る音がした気がする。
*****
「成海、起きろ」
「……ぁー……?」
瞬きをしただけのはずなのに、いつの間にか兄ちゃんが俺の顔を覗き込んでいた。
「に……ちゃ……?」
「ひとり遊びで盛り上がるのはいいけど、それで風邪引くのは流石にバカすぎるからやめてくれよ?」
兄ちゃんは完全に呆れた表情を浮かべながらも、俺が身体を起こすのを手伝ってくれた。
「ていうか、お前こんな大量にローション使って……風呂場でやれよ。今日どこで寝るつもりなんだ」
「……ほんとだね……」
さっきまで触手にぶち犯されてました。
とは流石に言えなくて押し黙る。ていうか、危ねぇ……途中の記憶が若干怪しいけど、これ兄ちゃん帰ってきてなかったらほんとにヤり殺されてたのでは……? 頭の片隅で感じていた恐怖が今更湧き上がってきて震える。
「あーほら、寒いなら取り敢えずシャワー浴びてこい! こっちはちょっと片付けといてやるから!」
「はぁい……」
甲斐甲斐しい兄ちゃんに甘えて、俺はスウェットを引っ掴んで風呂場に入った。
ざばざばと頭からお湯を被って身体を暖めてから、アナルに指を突っ込む。大きく穴を開いて軽く力むだけで白濁した液体がぶじゅぶぢゅと零れてきた。
「ん、くぁ♡くっそ触手め……めちゃくちゃ、ッ♡出しやがって、ぇゔ♡」
排泄するだけでもびりびりとした気持ちよさで甘イキしてしまう。一通り出してからシャワーでお湯を入れては出しを繰り返し、お湯が透明になったことを確認してべちゃりと床に座り込んだ。
「つか、れた……」
髪も綺麗に洗ってさっぱりとして風呂から上がると、兄ちゃんがリビングでコーヒーを啜っていた。
「ざっと片付けたから、後は自分でやれよ」
「ん……ごめん兄ちゃん」
「別にいいよ。可愛いなるの顔見れたからそれで帳消し」
この人は本当に俺に甘いなぁ。
兄ちゃんの隣に座って、差し出された湯気の立つココアを啜る。
ふぁー……生き返る。
改めて右中指に嵌められた指輪を見ると、少しだけ黒ずんでひびが入っていた。
こりゃダメだな……やっぱ明日交換しないと近々死にそう。
「……あのさ、兄ちゃん」
「ん?」
「今日一緒に寝てくれない?」
「は? それは寝かすなってこと? 俺明日も朝早いんだけど……」
すりすりと耳朶を揉まれて思わずとろんとしてしまうけど、違う違うと慌てて首を振る。
「いやいや真面目に! 一緒のベッドでくっついて寝たいだけ!」
「それはいいけど、なんで急に」
ちらりと指輪を見る。
経験上、あいつらは俺以外の生きた人間が側にいると現れない。
魔除けの効力が薄まってる(ように思える)今、たぶん兄ちゃんの側にいたほうが安全だ。たぶん。
「人肌恋しい、から?」
「……寝る気なくねぇかそれ」
「ちーがーうー! 今日はもうお腹いっぱい楽しんだから大丈夫ですぅー!」
いやもう文字通り「お腹いっぱい」なので今日はほんとにもういい。いや別に兄ちゃんがヤりたいなら全然いいんだけど明日早いならそれを邪魔する気は毛頭ないので。
憮然とした表情の兄ちゃんを風呂に押し込んでから、俺はスマホでじいちゃんにメッセージを送る。すぐに『準備しておく』という簡素な返事が来たのを確認して、詰めていた息を吐き出した。
後はじいちゃんとこに行くまでの道中か……塩でも持ってくか。効果あるのかは知らないけど。適当にカバンに食卓塩を放り込んで、明日の準備は終わった。
兄ちゃんのベッドに潜り込んで、匂いを胸いっぱいに吸い込みながらぼんやりと今日の出来事を思い返す。
……いやまぁ、触手、気持ちは良かったな、うん。マジで死ぬとこだったから二度とごめんだけど、もうちょい友好的なやつならまたヤってもいいかな……。
結局その後、「午前休にした」と笑う兄ちゃんにでろでろに蕩かされてじいちゃんとこに行くのが昼過ぎになってしまったのは、また別の話だ。
……と言うと、まず間違いなく「こいつヤりすぎで遂に頭おかしくなったのか」と同情混じりの目で見られるので公言はしていないのだが、事実である。
一応、兄ちゃんには言っているものの、彼もあまり信じてはいないようだった。だけど俺にしては珍しく真面目に主張するもんだから、「そういうものなんだろう」でひとまず飲み込んでくれた辺り、本当に兄ちゃんは人間ができている。他の奴ではこうはいかない。
閑話休題。とにかく俺の右目は『この世ならざるもの』が視える。という話をなんで急にしたかというと、
「……っ、ゔぐぅ、ゲホッ!! ぉえ゛、っ、」
今まさに、『この世ならざるもの』に犯されているからだ。
「はぁっ……ま、タンマ! マジ、マジで死ぬ、からぁ……」
限界ギリギリまで喉を行き来していた触手がずるり、と一気に抜けていった。ぜぇぜぇと必死で酸素を取り込む俺の顔の横で、丁度喉を塞ぐサイズの触手が楽しげにぬたぬたと蠢いている。
触手の体液と混ざり合ったせいか、緩いゼリー状になった唾液がぼたっと床に落ちた。口元を拭おうにも両腕が柔らかくしかししっかりと触手に絡めとられていて、うまく動けない。
「お、お前らな、マジで、加減しろよ……人間、か、簡単に死ぬからな……!」
ギッ、と睨みつけようとしてどこが本体なのか一瞬迷う。うねうねとした触手の塊、としか言いようがないこいつに果たして本体とかあるんだろうか。ひとまず俺の太腿にベタベタと粘液を擦りつけてる、この中で一番太い触手を睨んでおいた。
俺の視線を感じ取ったのか、太い触手はぬと、と糸を引きながら頭? を擡げて俺の目線と同じ位置まで来たのを見て、思わず喉が鳴る。
一応、悪意あるものは近付けないよう、お守りとして魔除けの指輪を付けっぱなしにしていて、そのおかげで今まで危険なモノからは身を護れていたのだ。まぁ、悪意のないモノからはよく絡まれてアレコレされてきてはいるがそれは置いといて。
だ、大丈夫、大丈夫……コイツも俺を殺すような悪意の持ち主ではない、ないんだ、信じろ。何事も信心からだ。恐れを気取られないようじっと見つめていると、太い触手の先端がぬちゅ、と俺の口に押し当てられた。
流石にこの太さをさっきと同じ勢いで突っ込まれたら本気で死ぬかもしれない。どくどくと心臓がすごい勢いで走り出す。
触手はぐにぐにと何度か俺の口を擦ると、再び糸を引きながら離れ、先程と同じような位置でまたゆらゆらと揺れ始めた。
「……え?」
そのまま動きのない触手から視線を逸らさず、粘着く唇を舐めると、その粘液の甘さに驚いて思わず声が漏れた。
喉の奥がイガイガするキツイ甘さではなく、口の中に含んで意識して初めて気付くような、うっすらとした優しい、でも一度味わったら何度でも舐めたくなるような柔らかい花の香りと甘み。こくり、と嚥下すれば、お腹がぽかぽか温かくなった気がする。
「な、なにこれ……」
戸惑っていると、いつの間にか太い触手がこちらを向いていて、その先端の穴からぷしゅ……ぷちゅちゅ……と音を立てて粘液が、『蜜』が、とろりと溢れ出して来た。ついさっき、味わってしまった花の香り。
「あ……♡」
そのまま零したらもったいない! 咄嗟に舌を伸ばして受け止めると、さっきよりももっと華やかな花の香りが鼻を通り抜けていく。
「お、いし……♡」
俺がすべて飲み干したのを見て太い触手はうんうんと頷くような仕草をしてから、今度は俺が咥えやすいようにとでも考えているのか、ゆっくりと先端を近づけてくる。
「んぁ……♡♡」
舌先から迎えるように大きく口を開いて、触手の先端にしゃぶりつく。ゆっくりとしたペースで与えられる蜜をちゅうちゅう啜っていると、どんどん下腹部が熱くなってもう無視できないくらいに疼いているのに気がついてしまった。
「これぇ……媚薬かぁ……♡」
いつの間にか両腕の拘束は外れていて、でも今更抗いようがない。完全に力が入らなくてラグにくたりと崩折れても、俺の口元から離れないよう、太い触手は器用に着いてきて粘液を送り込んでくる。
これ、悪意ないっていいきるには、びみょーじゃあないかなぁ。
触手の塊が少し解れて、しゅるしゅると音を立てながら細いのが周囲を取り囲む。
今のぽわぽわした頭では、太い触手の先端にしゃぶりついたままそれをぼんやりと眺めているくらいしかできることがない。
両脇から抱えるように細い触手が俺の身体を起こし、腰も支えるように巻きつかれ、ぐいっと宙に浮く。
「ぁー……♡ぁひ、や、やめッ、ァハッ♡」
身体中まとわり付く触手よりも細い触手が服の裾から滑り込んで、脇腹をのたのた這うのがくすぐったくて更に力が抜ける。ゆっくりとしたペースで這い寄る先は、俺の乳首だ。
「ひンッ♡♡あ゛ー♡らめ、それ、ッ♡」
ぢゅぽっぢゅぽっと固くなった乳首が触手に吸い上げられているのがわかる。触手の内側はまるで猫の舌のようにザラついてて、絶妙に痛気持ちいい。
今までにない乳首への刺激に夢中になっている間に、触手たちは器用に俺のジーンズを下ろし、俺のモノを引っ張り出していた。さっきまで咥えていた太い触手が背後に周り、穴の周囲を擦っている感覚がある。
……いや太さもアレだが触手だからこのままだとすげぇ長さのモノがぶち込まれる気配がないか? 流石の成海くんも死ぬが??
「やめろって、や、ぁあ゛ンッ♡」
制止しようとした声が一瞬で蕩ける。
服の下の動きだからわかりにくいが、これめちゃくちゃ乳首、引っ張られてる……♡
「ゃ゛だぁ♡おれの、乳首♡とれちゃうぅ♡♡」
ぢゅるぅ……ぢゅるぅ……と一定のペースで引っ張りつつ吸われ、腰がガクガクと震えてくる。
「ぉ゛?♡♡ぁ、まって♡ま゛っ♡♡おれのマンコ♡かきまぜなぃでぇ♡♡♡」
未だねとねとと穴の周囲を捏ねてる太い触手とは違う奴が、快感で緩んだ入り口からあっさりと入り込んでずりずりと内壁を擦りながら往復していた。なんか、四、五本入ってる気がするんだけど、何にも痛くない……というかすっごい気持ちいい……? 時折聞こえるぬちっぬちゃっという粘着質な音で、もしかしたらさっき俺がお腹いっぱい飲んだ蜜をまとって中に入り込んでたりするんじゃないか、という閃きが恐怖と同時に降りてくる。
「や゛だぁ♡きもちぃ♡けちゅまんこごちゅごちゅ♡きもちぃ♡♡……ぁぐっ!? ほぉぉ゛お゛ンッッ♡♡♡」
奥まで入った複数の触手がタイミングを合わせて一気に抜けていって、俺はあっさりとメスイキをキメた。粘度の高い蜜が後を追うように垂れてきて、くぱくぱと開閉する口に絡まってぷちゅ……と小さな音を立てている。
ヤバい……今回の触手ヤッバいぃ……♡今まで絡んできた奴らと違う、つーか、今までの奴らから、なんか、俺の好きなとこ学習してない……?
「ぁ……ぁへ……♡きもちー♡もっと♡もっとぉ♡♡」
頭の片隅は恐怖で冷えているのに、快楽が強すぎてちゃんと考えられない。何言ってるのかよくわからないけどただただ自分が気持ちよくなるためだけの言葉がロクに脳みそを通らずぼとぼとと零れ落ちていく。
「にゃんでぇ? にゃ、でぇ、けちゅまん♡からっぽなのぉ? ゃらぁあ、」
再び太い触手が俺の口元に近寄ってきて、俺は躊躇いなくその先端にキスをする。どろどろ注ぎ込まれる蜜を飲んで脳みそがとろとろ蕩けていく。
霞んだ視界の中でてらてらと滑る触手だけが俺の心をときめかせ、からっぽの胎内がきゅん、と疼くのだ。
「ぁやく、ぶっとぃのいれぇ゛♡しょくしゅちんぽ♡おくまぇずんずん♡じゅぽじゅぽしてぇ♡♡」
どうにか動く片腕で、ぐにぃと尻たぶを引っ張って口を大きく開かせる。未だ胎内にたっぷりと残った蜜が、ぶびゅと下品な音を立てて滴り落ちた。
そんな俺の姿に満足したのか、蜜を与え続けてくれていた一番太い触手が焦らすような速度で動き、ようやく穴に触手の先端が触れる。そのままゆっくりゆっくり穴が押し広げられ、ぶぢゅん、と先端が胎内に侵入した。
「きた♡やっときた、ぁあ♡あはぁ♡♡」
普通なら、太いところが通り抜ければそのあとはずろろろ、と一気に奥まで押し込んでくれるのに、触手はしっかりと自身の速度をコントロールして、変わらないゆっくりとしたペースで少しずつ俺の胎内に入り込んでくる。
「にゃ、でぇ? もっろぉ゛ッ! たりにゃぃい゛♡♡はゃ、くぅお゛ぐぅ゛♡ごちゅごちゅしれぇ♡♡♡」
焦れったさにぼろぼろ涙を零しつつ懇願しても、一向に動きは変わらない。自分から迎えに行こうにも、身体はしっかりと他の触手によって動きを抑えられていてそれもままならない。
どうにもならない昂ぶりを、少しずつ侵入する触手をきゅうきゅう締め付けることでどうにかいなしていると、ようやく奥にこちゅ♡と柔らかくぶつかった。
「はぁ♡はぁあ゛♡あ゛ー♡♡」
ゆっくりゆっくりとしたスピードにいつの間にか慣らされていたのか、奥に辿り着いたまま動かない触手を締め付けるだけで俺は軽くイっていた。
ゆっくり、なのも♡きもちいぃ……♡
そんなことをぼんやり思っていたら、急に胎内の触手が激しく動き始めて翻弄される。
「あ、がぁ♡イ゛っ゛だ♡♡イ゛っでる゛がぁ゛♡ひぎぃ♡♡」
どぢゅっどぢゅっどぢゅっ! 胎内で更に太く固くなった触手が内壁をぞりぞりとこすり上げながら行き止まりを殴りつけてくるせいで、腹がぼこぼこと波打っているのが目で見てわかって更に興奮してしまう。
「あ゛♡あ゛♡あ゛ぁ゛♡♡ぁはッ♡ぁははァッ♡♡ぉに゛ゃかぁ゛♡やぶぇぅ゛♡♡しにゅぅ゛♡♡♡」
イきすぎて力が入らない。笑っていると遂に結腸をぶち抜かれて俺は声もなく何も出せずただビクビクと身体を痙攣させながらまたイった。
触手が膨れ上がって、熱くてねっとりとした液体を胎内にどんどん注ぎ込まれて、お腹がどんどん重たくなっていく。
し ぬ か も 。
うっすら思って、でもこの最高の気持ちよさの前にはもう何もかもどーでもよかった。へらっと笑うと力の入らない口元からぼたぼたとよだれが垂れ落ちた。
めのまえがちかちかひかってきれいだ、ゆびわがひびわれてるからこうかんしにいかなきゃ、あとは、なんだっけ?
遠くで玄関の鍵が回る音がした気がする。
*****
「成海、起きろ」
「……ぁー……?」
瞬きをしただけのはずなのに、いつの間にか兄ちゃんが俺の顔を覗き込んでいた。
「に……ちゃ……?」
「ひとり遊びで盛り上がるのはいいけど、それで風邪引くのは流石にバカすぎるからやめてくれよ?」
兄ちゃんは完全に呆れた表情を浮かべながらも、俺が身体を起こすのを手伝ってくれた。
「ていうか、お前こんな大量にローション使って……風呂場でやれよ。今日どこで寝るつもりなんだ」
「……ほんとだね……」
さっきまで触手にぶち犯されてました。
とは流石に言えなくて押し黙る。ていうか、危ねぇ……途中の記憶が若干怪しいけど、これ兄ちゃん帰ってきてなかったらほんとにヤり殺されてたのでは……? 頭の片隅で感じていた恐怖が今更湧き上がってきて震える。
「あーほら、寒いなら取り敢えずシャワー浴びてこい! こっちはちょっと片付けといてやるから!」
「はぁい……」
甲斐甲斐しい兄ちゃんに甘えて、俺はスウェットを引っ掴んで風呂場に入った。
ざばざばと頭からお湯を被って身体を暖めてから、アナルに指を突っ込む。大きく穴を開いて軽く力むだけで白濁した液体がぶじゅぶぢゅと零れてきた。
「ん、くぁ♡くっそ触手め……めちゃくちゃ、ッ♡出しやがって、ぇゔ♡」
排泄するだけでもびりびりとした気持ちよさで甘イキしてしまう。一通り出してからシャワーでお湯を入れては出しを繰り返し、お湯が透明になったことを確認してべちゃりと床に座り込んだ。
「つか、れた……」
髪も綺麗に洗ってさっぱりとして風呂から上がると、兄ちゃんがリビングでコーヒーを啜っていた。
「ざっと片付けたから、後は自分でやれよ」
「ん……ごめん兄ちゃん」
「別にいいよ。可愛いなるの顔見れたからそれで帳消し」
この人は本当に俺に甘いなぁ。
兄ちゃんの隣に座って、差し出された湯気の立つココアを啜る。
ふぁー……生き返る。
改めて右中指に嵌められた指輪を見ると、少しだけ黒ずんでひびが入っていた。
こりゃダメだな……やっぱ明日交換しないと近々死にそう。
「……あのさ、兄ちゃん」
「ん?」
「今日一緒に寝てくれない?」
「は? それは寝かすなってこと? 俺明日も朝早いんだけど……」
すりすりと耳朶を揉まれて思わずとろんとしてしまうけど、違う違うと慌てて首を振る。
「いやいや真面目に! 一緒のベッドでくっついて寝たいだけ!」
「それはいいけど、なんで急に」
ちらりと指輪を見る。
経験上、あいつらは俺以外の生きた人間が側にいると現れない。
魔除けの効力が薄まってる(ように思える)今、たぶん兄ちゃんの側にいたほうが安全だ。たぶん。
「人肌恋しい、から?」
「……寝る気なくねぇかそれ」
「ちーがーうー! 今日はもうお腹いっぱい楽しんだから大丈夫ですぅー!」
いやもう文字通り「お腹いっぱい」なので今日はほんとにもういい。いや別に兄ちゃんがヤりたいなら全然いいんだけど明日早いならそれを邪魔する気は毛頭ないので。
憮然とした表情の兄ちゃんを風呂に押し込んでから、俺はスマホでじいちゃんにメッセージを送る。すぐに『準備しておく』という簡素な返事が来たのを確認して、詰めていた息を吐き出した。
後はじいちゃんとこに行くまでの道中か……塩でも持ってくか。効果あるのかは知らないけど。適当にカバンに食卓塩を放り込んで、明日の準備は終わった。
兄ちゃんのベッドに潜り込んで、匂いを胸いっぱいに吸い込みながらぼんやりと今日の出来事を思い返す。
……いやまぁ、触手、気持ちは良かったな、うん。マジで死ぬとこだったから二度とごめんだけど、もうちょい友好的なやつならまたヤってもいいかな……。
結局その後、「午前休にした」と笑う兄ちゃんにでろでろに蕩かされてじいちゃんとこに行くのが昼過ぎになってしまったのは、また別の話だ。
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主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談?本気?二人の結末は?
美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
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