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7章―B ー消墨編ー
167.茨の耐久
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応えるまでもない。俺は槍を前に突き出し、身体に魔力を漲らせた。
喰墨「交渉決裂か…。なら、この大地を陥没させるしかないな!」
刹那、喰墨は邪力を活性化させて、鋭い爪痕のような斬撃波を飛ばしてきた。かなり早いその斬撃波を俺は躱すが、軌道上の少し離れた場所にあった石碑が、秒で崩れた。
何十年もの間、魔力で補強されていた石に傷を負わせたのだ。ちょっとやそっとの攻撃じゃ傷一つ着かない。
確信した。こいつは大陸の一つや二つ本当に破壊できる実力者だ。
喰墨「あれを回避するか。……そう来なくてはな!」
考える間もなく、奴は次の斬撃波を飛ばしてきた。しかも、数も増量している。
サニイ「……槍術:炎傘」
槍に炎を纏い、俺へと放たれる斬撃波を全て相殺した。
続けて槍を奴に向け、追撃の構えを取った。
サニイ「槍術:光轟殲」
炎の残像が一斉に喰墨を襲う。だが、奴は何やら余裕の笑みを浮かべた。
サニイ「……?…ッ!」
しかし、気付いた時にはもう遅かった。喰墨は手から邪力の墨を壁のように展開し、俺の放った斬撃波のエネルギーを相殺・吸収した。
すると、奴のエネルギーが一気に上昇した。その力を全て爪に込め、構えてきた。
喰墨「カモのような攻撃をありがとう!俺の前での連撃は蜜でしかない!……礼の品だ。邪術:三斬塗」
強大な力を惜しまずに斬撃波として変換して、放ってきた。
俺でも防げるか分からない。回避は容易いが、アストロック遺跡群は疎か、辺り一面が渓谷となってしまうだろう。
サニイ「……ック!信じるしかない!
槍術:日粛清」
奴のデタラメな攻撃に対応するために、俺もデタラメに魔力を込め、思念波も混ぜ、槍一本で斬撃波を薙ぎ払った。
力比べでは無事勝利した。しかし、俺の魔力のほとんどが持ってかれて地に槍と膝を着いた。
一方、奴は吸収したエネルギーを返しただけなので、一切疲弊していない。
喰墨「呆れた。雑魚では決して無かったのに総合的に見れば弱い。……理解しかねるな。」
サニイ「はぁ……何の事を言っているか…さっぱりだ……」
喰墨「とぼけるな!……自分の攻撃が吸収されたと分かっているなら、自分の力がどれほどのものか理解しているはず。それを潰れる覚悟で防ぐ訳は?躱す事位容易だろう。」
こいつの撃退は最重要事項。しかし、アスト大陸を沈めてまでする事ではない。
何せ、ここは古くからの歴史と文明の跡が残る大地。それと同時に、俺達ウォーム・クラスが防衛する庭だ。
天秤に掛けた時、どちらの方が重いか。俺だったらアスト大陸を優先する。
サニイ「そうだな。ただ、このアスト大陸は俺達の庭。退却さえ促せばそれでいい。追跡して海上で焼き尽くせば問題ない。」
喰墨「ここで決着を着ける気はないというのか。……力の差が開かない状態で、自らハンデを背負う。気に食わない姿勢だ!」
刹那、奴は俺の背後に回り込み、爪に邪力を纏って直接切りつけようとしてきた。
喰墨「邪術:三斬塗」
サニイ「槍術:炎傘」
鈍りながらも話している間に自然回復した身体を動かし、斬撃を防いだ。
しかし、奴も位置を変えてすぐさま別方向から斬撃を試みてきた。疲弊した身体でそのペースに順応する事は叶わず、被弾した。
サニイ「……ふぅ。詰めが……甘いぞ…?」
鋭い斬撃を7発ほど受けたが、まだ立ってはいられる。しかし、反撃するほどエネルギーに余裕がないため、延命に過ぎない。
喰墨「逃げないなら、さっさと死んだ方が楽になれるのにな。どのみち逃がす気はないが。」
俺がここまで粘る理由は単純。あいつらを信用しているからだ。本当に駆け付けるのかという疑念があるなら、もっと堅実に、確実に戦闘をしている。
ある種試練でもあるのだ。しかし、今目の前にいるのは敵意剥き出しの大罪人。ヤラセでも何でもない本当の敵なのだ。
サニイ「はは、こっちも早々にくたばってやる気はないよ。」
これだけバンバンお互い技を放っていれば、アスト大陸の何処にいても気が付く。
後は、彼らの精神の問題だ。エサラには何があっても前哨基地❂から離れないようにと伝えてある。
彼女はこの意図を汲み取って、彼らに促してくれる事だろう。でもまさか、本当に襲撃してくるとは予期してなかったが。
邪力が空を覆った。東西南北全方位から、戦闘音が聞こえてくる。
嘶「……判断を誤った。」
何故、俺は敵が待ってくれると思っていたのだろうか。偶然か必然かは定かではないが、急襲というものは何の前触れもなく起こるものだというのに。
喰墨「交渉決裂か…。なら、この大地を陥没させるしかないな!」
刹那、喰墨は邪力を活性化させて、鋭い爪痕のような斬撃波を飛ばしてきた。かなり早いその斬撃波を俺は躱すが、軌道上の少し離れた場所にあった石碑が、秒で崩れた。
何十年もの間、魔力で補強されていた石に傷を負わせたのだ。ちょっとやそっとの攻撃じゃ傷一つ着かない。
確信した。こいつは大陸の一つや二つ本当に破壊できる実力者だ。
喰墨「あれを回避するか。……そう来なくてはな!」
考える間もなく、奴は次の斬撃波を飛ばしてきた。しかも、数も増量している。
サニイ「……槍術:炎傘」
槍に炎を纏い、俺へと放たれる斬撃波を全て相殺した。
続けて槍を奴に向け、追撃の構えを取った。
サニイ「槍術:光轟殲」
炎の残像が一斉に喰墨を襲う。だが、奴は何やら余裕の笑みを浮かべた。
サニイ「……?…ッ!」
しかし、気付いた時にはもう遅かった。喰墨は手から邪力の墨を壁のように展開し、俺の放った斬撃波のエネルギーを相殺・吸収した。
すると、奴のエネルギーが一気に上昇した。その力を全て爪に込め、構えてきた。
喰墨「カモのような攻撃をありがとう!俺の前での連撃は蜜でしかない!……礼の品だ。邪術:三斬塗」
強大な力を惜しまずに斬撃波として変換して、放ってきた。
俺でも防げるか分からない。回避は容易いが、アストロック遺跡群は疎か、辺り一面が渓谷となってしまうだろう。
サニイ「……ック!信じるしかない!
槍術:日粛清」
奴のデタラメな攻撃に対応するために、俺もデタラメに魔力を込め、思念波も混ぜ、槍一本で斬撃波を薙ぎ払った。
力比べでは無事勝利した。しかし、俺の魔力のほとんどが持ってかれて地に槍と膝を着いた。
一方、奴は吸収したエネルギーを返しただけなので、一切疲弊していない。
喰墨「呆れた。雑魚では決して無かったのに総合的に見れば弱い。……理解しかねるな。」
サニイ「はぁ……何の事を言っているか…さっぱりだ……」
喰墨「とぼけるな!……自分の攻撃が吸収されたと分かっているなら、自分の力がどれほどのものか理解しているはず。それを潰れる覚悟で防ぐ訳は?躱す事位容易だろう。」
こいつの撃退は最重要事項。しかし、アスト大陸を沈めてまでする事ではない。
何せ、ここは古くからの歴史と文明の跡が残る大地。それと同時に、俺達ウォーム・クラスが防衛する庭だ。
天秤に掛けた時、どちらの方が重いか。俺だったらアスト大陸を優先する。
サニイ「そうだな。ただ、このアスト大陸は俺達の庭。退却さえ促せばそれでいい。追跡して海上で焼き尽くせば問題ない。」
喰墨「ここで決着を着ける気はないというのか。……力の差が開かない状態で、自らハンデを背負う。気に食わない姿勢だ!」
刹那、奴は俺の背後に回り込み、爪に邪力を纏って直接切りつけようとしてきた。
喰墨「邪術:三斬塗」
サニイ「槍術:炎傘」
鈍りながらも話している間に自然回復した身体を動かし、斬撃を防いだ。
しかし、奴も位置を変えてすぐさま別方向から斬撃を試みてきた。疲弊した身体でそのペースに順応する事は叶わず、被弾した。
サニイ「……ふぅ。詰めが……甘いぞ…?」
鋭い斬撃を7発ほど受けたが、まだ立ってはいられる。しかし、反撃するほどエネルギーに余裕がないため、延命に過ぎない。
喰墨「逃げないなら、さっさと死んだ方が楽になれるのにな。どのみち逃がす気はないが。」
俺がここまで粘る理由は単純。あいつらを信用しているからだ。本当に駆け付けるのかという疑念があるなら、もっと堅実に、確実に戦闘をしている。
ある種試練でもあるのだ。しかし、今目の前にいるのは敵意剥き出しの大罪人。ヤラセでも何でもない本当の敵なのだ。
サニイ「はは、こっちも早々にくたばってやる気はないよ。」
これだけバンバンお互い技を放っていれば、アスト大陸の何処にいても気が付く。
後は、彼らの精神の問題だ。エサラには何があっても前哨基地❂から離れないようにと伝えてある。
彼女はこの意図を汲み取って、彼らに促してくれる事だろう。でもまさか、本当に襲撃してくるとは予期してなかったが。
邪力が空を覆った。東西南北全方位から、戦闘音が聞こえてくる。
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何故、俺は敵が待ってくれると思っていたのだろうか。偶然か必然かは定かではないが、急襲というものは何の前触れもなく起こるものだというのに。
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