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9章ー総力決戦編ー
214.戦士バーグスの底力
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エサラ達の反撃が始まった頃、隣室では初心を思い出して本気になったバーグスと、スチームの鎧を持つ大男パングスの死闘が繰り広げられていた。
ルゥリム「……私の身体じゃついていけそうにない…。もしも当たったらきっと……考えてる場合じゃない。私は私にできることを!」
パングス「おらおら!避けてばかりじゃ主導権は握れねぇぞ!もっとアグレッシブに来い!」
パングスは超高熱の拳で連続で叩きつけてくるが、俺は動きを見極めてバックし、隙を伺った。
バーグス「俺はお前みたいに耐久が売りって訳じゃないからな。力比べは自信家だけがやる事だ。まぁそれよりもだ……当たらないパンチを攻撃とは言えないよな?」
パングス「言ってくれるにゃあガキが。急に威勢が良くなるじゃねぇか。」
バーグス「若きの憤りってところかな?負の感情押し殺して、無理にでも笑ってなきゃやっていけない。」
その言葉を聞くと、パングスは思った通りと嘲笑うように言った。
パングス「ガハハハハ!ちゃんと根に持ってるじゃあないか。手前は所詮戦いは生き延びる為の手段、抵抗としか捉えていない。それまでの動きはそうだった。だが今はどうだ?戦闘狂っちゅう訳でもないだろう。手前はたった今、理解したはずだ。争いの動機というものを!」
バーグス「ああ?そんなの心の奥底に押し込めていただけ。捨て身の復讐にこだわるよりも、助かった命を大切にしたまでだ。…サニイ様に出会って、俺が十人十色の生き様を知るまではの話だが…な!」
パングスのパンチを掻い潜って果敢に懐に入り込み、俺は怒りなどの感情を乗せて蹴り上げた。
自信はあったのだが、奴は少しよろめいただけですぐに床を踏み締めて、体勢を崩さずに直立した。
パングス「お返しだ。魔拳:スチームパンチ」
バーグス「背中は見せられないな。脚術:大戒転」
流石に逃げ場が無かったため、パングスの拳を蹴りで受け止めようとした。
バーグス「ぐっ……」
パングス「手前のパワーは見かけ以上に侮れない。褒めてやらぁ。だが俺には通用しない!」
バーグス「…ぐはっ!」
そのまま力で押し負けて、俺は床へと叩きつけられた。
するとパングスは俺を踏みつけにして、全身から蒸気を放出させた。
パングス「この量ならさっきから地味に鬱陶しいあの天使でも手こずるだろう。なぁ手前さん。一つ提案がある。」
バーグス「言われる前から……ノーに決まってるだろうが…!」
パングス「まぁ聞けや。…ここだけの話、マインダーさんには生命を蘇らせる力がある。もし手前が望むのなら、我々の仲間にしてやらないこともないが。」
バーグス「黙れ。情報はこっちにも回ってんだ。クローンだの傀儡だの、蘇らせてるのは兵器としてだろうが!平穏に暮らせたはずだった俺達が全てを壊された場所。そんなところに身勝手に投じられるなんて、尊厳破壊にも程がある!」
パングス「仮にも戦士である手前がそれを言うのか?」
バーグス「生き延びる為には手段は選べない。戦士としての誇りは確かにあるが、戦士になったこと自体は一度も誇りに思ったことがない。むしろ、できることなら終止符を打ちたかった。」
正直、生き延びたいとは側だけで、早く何もかもを終わらせたかった。あの日々が帰ってくることは二度とないし、俺程度の実力じゃ未来は大して変えられないと分かっていたから。
長い孤独の放浪期の最中、サニイ・アマテスという男に出会ってようやく人生に朝陽が昇った。彼は闇夜を切り裂き、人々に希望の日差しを照らしあてた。
辛く苦しい2年間など忘れ、俺は彼のように誰かの希望になりたいと思えた。例えそれで自分が満たされなくとも、戦士である理由ができる気がしたから。
バーグス「…けれども、決して死に場所を探してる訳じゃない。生き延びて、多くの人々の晴れやかな人生を守って、その上でもしも戦死した時に、悔いはない、出来ることは全てやったと思えるような生き方にしたい。……だから、やりきるよ。ここで本当に終わってしまっても、悔いが残らない戦いにしたいから。俺はお前に喰らいつく…パングス!」
魂に誓ってそう宣言して、俺はパングスの足を押し退けて立ち上がった。
パングス「ぬおっ!持ち上げやがるか…リミッターが外れたようだな。凄い気迫だ。」
バーグス「俺の底力…今なら発揮できそうな気がする。」
地を蹴ってパングスの頭上へと勢いよく跳び上がり、重力すらも利用して足にエネルギーを集中させた。
パングス「ガハハ…!いいぞ。手前の底力とやら…見せてみろや!」
そう言ってパングスは腕をクロスさせて、正面から受け止めようとした。
バーグス「余程自信があるのか知らないが、こっちも半端な信念背負ってる訳じゃない。……ここまで退かないなら味わえよ!」
足に込めた大地エネルギーを馴染ませて、空中で体勢を整えた。
バーグス「脚術・奥義:地峯崩れ」
渾身の踵落としは奴の防御を上回り、圧縮させた力諸共パングスを地面へと叩きつけた。
パングス「グファッ!!」
その衝撃はフロア全体を大きく揺らし、ヒビが蓄積されてきた壁や天井が今にも崩れそうになっていた。
バーグス「…放っとけば瓦礫の下敷きになるか…。ルゥリム、崩れる前に退くぞ。」
ルゥリム「……バーグスさん後ろ!」
バーグス「……っ!」
ルゥリムに言われて後ろを振り向くと、想像したくなかった状況が目に入った。
バーグス「嘘だろ……あれを受けても正気で立てるのかよ…」
パングス「ぜはぁ……流石に死ぬかと思ったぞ。上半身の鎧を跡形もなく砕きやがって!」
バーグス「くっ…」
あの鎧の硬度が凄まじいことは分かっていた。それを破壊できただけでも良しとするか、未だに倒れない奴に絶望するかは考えようによる。
だが、鎧に包まれていたのも異様に発達した筋肉だったことには、驚かざるを得なかった。
パングス「気掛かりそうな顔をしているな。手前が称した俺の耐久力、その半分は鋼鉄の鎧が担っていた。あの鎧は並大抵の攻撃じゃ凹みすりゃあしない。その点は褒めてやらぁ。」
バーグス「逆に言えば、渾身の一撃でも半分しかダメージを与えられなかったという事か。……あれだけ好条件が揃っても尚か…化け物め。」
切り札を使っても、奴は二分の一元気だ。しかも奴はまだ奥の手を見せていない。あまり手数で戦うタイプでは無さそうだが、あの巨体を活かした攻撃はありそうだ。
底力の俺と底を見せないパングス。劣勢なのは誰が見ても明白だ。
そう絶望で身体が重くなっていると、パングスは腕を上げて、ヒビだらけの壁を殴った。
パングス「ギガントαが弱ったか。バシュノンを護衛しなぁいかんな。」
壁が崩壊して、隣の部屋に繋がった。そしてパングスはその部屋にドスドスと音を立てて向かった。
ルゥリム「……私の身体じゃついていけそうにない…。もしも当たったらきっと……考えてる場合じゃない。私は私にできることを!」
パングス「おらおら!避けてばかりじゃ主導権は握れねぇぞ!もっとアグレッシブに来い!」
パングスは超高熱の拳で連続で叩きつけてくるが、俺は動きを見極めてバックし、隙を伺った。
バーグス「俺はお前みたいに耐久が売りって訳じゃないからな。力比べは自信家だけがやる事だ。まぁそれよりもだ……当たらないパンチを攻撃とは言えないよな?」
パングス「言ってくれるにゃあガキが。急に威勢が良くなるじゃねぇか。」
バーグス「若きの憤りってところかな?負の感情押し殺して、無理にでも笑ってなきゃやっていけない。」
その言葉を聞くと、パングスは思った通りと嘲笑うように言った。
パングス「ガハハハハ!ちゃんと根に持ってるじゃあないか。手前は所詮戦いは生き延びる為の手段、抵抗としか捉えていない。それまでの動きはそうだった。だが今はどうだ?戦闘狂っちゅう訳でもないだろう。手前はたった今、理解したはずだ。争いの動機というものを!」
バーグス「ああ?そんなの心の奥底に押し込めていただけ。捨て身の復讐にこだわるよりも、助かった命を大切にしたまでだ。…サニイ様に出会って、俺が十人十色の生き様を知るまではの話だが…な!」
パングスのパンチを掻い潜って果敢に懐に入り込み、俺は怒りなどの感情を乗せて蹴り上げた。
自信はあったのだが、奴は少しよろめいただけですぐに床を踏み締めて、体勢を崩さずに直立した。
パングス「お返しだ。魔拳:スチームパンチ」
バーグス「背中は見せられないな。脚術:大戒転」
流石に逃げ場が無かったため、パングスの拳を蹴りで受け止めようとした。
バーグス「ぐっ……」
パングス「手前のパワーは見かけ以上に侮れない。褒めてやらぁ。だが俺には通用しない!」
バーグス「…ぐはっ!」
そのまま力で押し負けて、俺は床へと叩きつけられた。
するとパングスは俺を踏みつけにして、全身から蒸気を放出させた。
パングス「この量ならさっきから地味に鬱陶しいあの天使でも手こずるだろう。なぁ手前さん。一つ提案がある。」
バーグス「言われる前から……ノーに決まってるだろうが…!」
パングス「まぁ聞けや。…ここだけの話、マインダーさんには生命を蘇らせる力がある。もし手前が望むのなら、我々の仲間にしてやらないこともないが。」
バーグス「黙れ。情報はこっちにも回ってんだ。クローンだの傀儡だの、蘇らせてるのは兵器としてだろうが!平穏に暮らせたはずだった俺達が全てを壊された場所。そんなところに身勝手に投じられるなんて、尊厳破壊にも程がある!」
パングス「仮にも戦士である手前がそれを言うのか?」
バーグス「生き延びる為には手段は選べない。戦士としての誇りは確かにあるが、戦士になったこと自体は一度も誇りに思ったことがない。むしろ、できることなら終止符を打ちたかった。」
正直、生き延びたいとは側だけで、早く何もかもを終わらせたかった。あの日々が帰ってくることは二度とないし、俺程度の実力じゃ未来は大して変えられないと分かっていたから。
長い孤独の放浪期の最中、サニイ・アマテスという男に出会ってようやく人生に朝陽が昇った。彼は闇夜を切り裂き、人々に希望の日差しを照らしあてた。
辛く苦しい2年間など忘れ、俺は彼のように誰かの希望になりたいと思えた。例えそれで自分が満たされなくとも、戦士である理由ができる気がしたから。
バーグス「…けれども、決して死に場所を探してる訳じゃない。生き延びて、多くの人々の晴れやかな人生を守って、その上でもしも戦死した時に、悔いはない、出来ることは全てやったと思えるような生き方にしたい。……だから、やりきるよ。ここで本当に終わってしまっても、悔いが残らない戦いにしたいから。俺はお前に喰らいつく…パングス!」
魂に誓ってそう宣言して、俺はパングスの足を押し退けて立ち上がった。
パングス「ぬおっ!持ち上げやがるか…リミッターが外れたようだな。凄い気迫だ。」
バーグス「俺の底力…今なら発揮できそうな気がする。」
地を蹴ってパングスの頭上へと勢いよく跳び上がり、重力すらも利用して足にエネルギーを集中させた。
パングス「ガハハ…!いいぞ。手前の底力とやら…見せてみろや!」
そう言ってパングスは腕をクロスさせて、正面から受け止めようとした。
バーグス「余程自信があるのか知らないが、こっちも半端な信念背負ってる訳じゃない。……ここまで退かないなら味わえよ!」
足に込めた大地エネルギーを馴染ませて、空中で体勢を整えた。
バーグス「脚術・奥義:地峯崩れ」
渾身の踵落としは奴の防御を上回り、圧縮させた力諸共パングスを地面へと叩きつけた。
パングス「グファッ!!」
その衝撃はフロア全体を大きく揺らし、ヒビが蓄積されてきた壁や天井が今にも崩れそうになっていた。
バーグス「…放っとけば瓦礫の下敷きになるか…。ルゥリム、崩れる前に退くぞ。」
ルゥリム「……バーグスさん後ろ!」
バーグス「……っ!」
ルゥリムに言われて後ろを振り向くと、想像したくなかった状況が目に入った。
バーグス「嘘だろ……あれを受けても正気で立てるのかよ…」
パングス「ぜはぁ……流石に死ぬかと思ったぞ。上半身の鎧を跡形もなく砕きやがって!」
バーグス「くっ…」
あの鎧の硬度が凄まじいことは分かっていた。それを破壊できただけでも良しとするか、未だに倒れない奴に絶望するかは考えようによる。
だが、鎧に包まれていたのも異様に発達した筋肉だったことには、驚かざるを得なかった。
パングス「気掛かりそうな顔をしているな。手前が称した俺の耐久力、その半分は鋼鉄の鎧が担っていた。あの鎧は並大抵の攻撃じゃ凹みすりゃあしない。その点は褒めてやらぁ。」
バーグス「逆に言えば、渾身の一撃でも半分しかダメージを与えられなかったという事か。……あれだけ好条件が揃っても尚か…化け物め。」
切り札を使っても、奴は二分の一元気だ。しかも奴はまだ奥の手を見せていない。あまり手数で戦うタイプでは無さそうだが、あの巨体を活かした攻撃はありそうだ。
底力の俺と底を見せないパングス。劣勢なのは誰が見ても明白だ。
そう絶望で身体が重くなっていると、パングスは腕を上げて、ヒビだらけの壁を殴った。
パングス「ギガントαが弱ったか。バシュノンを護衛しなぁいかんな。」
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