思想で溢れたメモリー

やみくも

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9章ー総力決戦編ー

233.護りたい心

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 敵の軍勢が闊歩する最下層では、レイズにより招集された人々が負傷者を護って戦っていた。

グラッシェ「異術:スラッシュウェーブ」

 片腕のガントレットから衝撃波を放ってクローン兵を薙ぎ払った。しかし押し流れてくるクローン兵ですぐに部屋が埋め尽くされた。
 
グラッシェ「どれだけいるんだ!」

 槍を持ったクローン兵が襲い掛かってくるとグラッシェは軽くいなし、強力な技を放つためにチャージを始めた。
 するとクローン兵が魔力弾でガントレットを直接狙い撃った。グラッシェはバリアを張って対処するが、そこら中から集中砲火に遭い割られかけていた。

グラッシェ「ただでさえ故障してるのに…このペースじゃ間に合いそうにない。中途半端でも一度振り払うべきか…?」

 そうして不充分なチャージ攻撃を放とうとガントレットを構えたところに、レイズがクローン兵を蹴散らしながら飛んできた。



レイズ「君も軽傷ではないだろうけど戦ってもらうよ。すまないね。」

グラッシェ「レイズ様が共に戦ってくれるとなれば、俺もじっとしている訳にはいかないですよ。」

レイズ「頼もしい。流石は僕の見込んだ人だ。…上で戦う彼らの吉報が届くまで、ここを抑え続けるよ。準備はいい?」

グラッシェ「勿論です。」

ルゥリム「私もです。」

レイズ「分かった。…君達の死角は全て僕が引き受ける。だから目の前の敵だけに集中して。グラッシェ、ルゥリム…君達も死なせないからね。」

 より一層真剣な目になったレイズは飛行体勢となり、拳を握りしめた。
 それに続くようにグラッシェはガントレットを構え、ルゥリムは手に風を纏った。

ルゥリム「いきます…聖術:風唄」

 集中砲火を始めるクローン兵をルゥリムが風を吹かせて阻み、グラッシェが衝撃波で気絶させた。
 するとその背後から斧を構えたクローン兵が飛び掛かってきたが、レイズが光の速度で腹部に拳を打ち込んだ。

レイズ「懲りない敵達だ。できれば力を見せたくはない。全員僕の方に向かってくれれば、容易に対処できるのに。……僕の仲間をいじめるなよ。」

 レイズが空気を殴ると、直線上に飛ぶ衝撃波が目の前の隊列を吹っ飛ばした。

グラッシェ「流石はレイズ様…これは俺達もレイズ様の手を煩わせる訳にはいかなくなったなぁルゥリム。」

ルゥリム「それはそうだけど、グラッシェは身体も気遣ってよ…」

グラッシェ「ああ。さっきバロンに怒られたしな。それでも戦意は抑えられないがな!」

 そう言ってグラッシェはエネルギー弾を敵の塊に向けて撃ち込んだ。







 操り人形のようにされたエミューズ姉ちゃんの身体を相手に、私は涙を堪えて互角の戦いを繰り広げていた。
 でも私が大技でお姉ちゃんを仕留めるのを躊躇ってしまうせいで、時間ばかりが経っていた。外部からエネルギーを注がれてるお姉ちゃんと違って、私は段々と息が上がっていく。

ラーシャル「はぁ…はぁ…やっぱり強い…純粋に殴り合っても決着が着くはずがない…でも……お姉ちゃんがぐちゃぐちゃになるところは……見たくないっ…!」

 例え中身が無くたって、もう既にこの世にいないはずの人間だったって、彼女は本当のお姉ちゃんだ。傷つけられるはずがない。
 だけど助けることはできない。これは洗脳でも憑依でもなく、死体の操りなのだから。
 使命と保身が絡み合った複雑な気持ちで、私は胸を締め付けられた。
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