多面性を持つ最強暗殺者はただ日常を望む

やみくも

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Chapter Ⅰ:Time limit

No12.Rogue approaching

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 第一選考である前菜作りが終わり、いよいよ審査が始まる。ここに関しては自信作だ。

 「それでは審査を開始します!しばらくお待ち下さい。その間に選手の皆さんは休憩を挟んでください。」

 感想とかは無さそうだ。まだ第一選考というのもあると思うが。それはそれとして、ここまで本格的とは正直考えていなかったため、疲労が蓄積される。今、大規模テロが起こったらどうしようか。 







 俺は観客席で歪の活躍に期待して来ていた。彼女らと一緒に。

 「凄いわね。初心者が一週間であれを作り上げるなんて。しかも短時間で。凛は何をしたの?」

 「何もやってないよ。ただ応援と少しアドバイスしただけ。」

 あの歪が他人を家に上げたと聞いた時は腰が抜けそうになった。チャラそうなイメージがある俺だが、流石に暗殺機構の歯車だけあって警戒は常に解けない。
 どこから狙われてるか分からないから。そうこう待っているうちに、選考結果は出たようだ。

 「審査結果が出ました!かなり僅差でしたがどれも高評価でしたよ。それでは……」







 次の選考に進める人が発表された。俺も東堂も余裕の突破だ。

 「やるな初心者じゃ無かったのか?」

 「そっちこそ。芸術センスだけで無く、味も高評とは…。店開けるぞ。」

 「お前に勝ったら考えなくは無いな。」

 そんな会話を交わし、次のテーマが発表された。分かりきってはいたが、テーマは主菜だ。
 牛荷九丸を味方に着けることが勝利の鍵となりそうだ。それなら候補はある。

 「今回の選考で残れるのは二人!では、開始!」

 俺はたまたま知っていた牛荷九丸の好物である、しょうが焼きを調理し始めた。
 牛なのに豚肉というツッコミは無しだ。







 一方地区の境界線では、警察官とショゴスの乱闘が勃発していた。

 「ぐはは。政府は団結力がねぇな。バリケードも破壊した事だ。サイレンスが来る前にさっさと目的地に向かうぞ。」

 イカつい男に続き、大量のショゴス団員が銃を乱射しながら進軍していた。東堂財閥のホールに…。







 「司令!テロ集団が警察官を返り討ちにして違法な進軍を開始しました!推定される地点は……東堂財閥ホールです!」

 東堂財閥は政府と関わりのある大きな会社だ。幸い本日は催し物を行なっていないため、それほど急ぐ理由は無い。立て籠もって拠点とするのが目的だろう。

 「Pairsを動員する。ホールから本社に流れ込むのを防がせろ。」

 「了解!」

 私はショゴスを迎え討つための計画を練るために、ハッカーとのコミュニケーションを始めた。
 






 「最終選考に勝ち進むのは……東堂さんと聖薇さん!」

 無事に二人とも決勝までは勝ち残れた。しょうが焼きの判断はかなり良かった。審査員肉食ばっかりだ。

 「それでは最終選考のテーマは……ん?」

 その時、外で銃声が聞こえた。テロか?しかし、大きな騒動になりそうな現場なのに、連絡が一切入っていない。
 だが、銃声は確実にこちらに迫ってきている。







 ホール内は騒然としている。俺は怪しまれないように思考を巡らせながらも慣れていないフリをしている。
 下に居る歪も、連絡が入った様子は無いようだ。







 遂にテロ集団が銃を乱射しながらホール内に入って来た。人々を逃げ惑い、一瞬でこれまで目にしてきた光景と同じそれと化した。
 交戦したいのは山々だが、正体がバレるのは不味いため、逃げる人々に混じった。
 こいつらは恐らくショゴスだ。隙を見計らって必ず応戦してやる。

 「ぐはは!愉快愉快!こんな規模していながら警備員一人すらいないなんてな!無力な人間を眺めるのはとても心地が良いわい!」







 「司令!ホールから慌てふためく一般人が流れ出しています!奴らはホールに侵入しました!」

 「な!何故だ?!いや、考えるのは後だ。今すぐ Mythologyの連絡が繋がる奴と Orderを動員しろ!」


 「りょ、了解!」

 私はすぐに状況を確認し、規制線を張るように近辺に住む協力者に連絡を掛けた。
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