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Chapter Ⅰ:Time limit
No13.Red Moon
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俺は周囲の人と一緒にその場から離れていた。護身用の拳銃一本しか持参していないため応戦が困難だし、なにより彼女らに悟られてはおしまいだからだ。
「歪……後で合流する。」
「抵抗者が全く出ないなぁ。暗殺者が潜伏してんじゃないのか?まぁ好都合だがな。」
俺は足を止めずにひたすら周囲の人に紛れた。奴らは一般人だろうと逃げ遅れた人を躊躇なく撃っている。こんな状況なのに応戦出来なくて悔しいが、俺が選んだ道を壊す訳にはいかない。
「誰でも良い…。時間を少し作ってくれ…。」
「撃て撃て撃て!」
「あぁぁぁぁぁ!」
背後では断末魔が鳴り響く。この地獄の光景を関東から出た事の無い人が見たら、トラウマとなりかねないだろう。
「紫藤さん!なんでこの場所でテロが!」
走って逃げる最中、真依がそう声を掛けてきた。
「警備体制が甘かったのかもな。本社なら流石に警備体制も良いしそこに逃げ込むぞ。俺が先導する。」
まずは彼女らを安全圏に入れる事が先決だ。きっとこれだけ騒ぎになっていれば警察も動くだろうし、サイレンスも必ず来るだろう。足止めは彼らに任せた方が良さそうだ。
それに、歪の封じられた心を解放出来る可能性のある凛は絶対死なせてはいけないし、真依も波瑠ももっと腕を磨き良いバンドになってほしい。
大丈夫だ。俺はこれまでも何人もの未来を守ってきた。今回だって…。
「なんか手慣れた先導だな。怪しさ満点じゃないか。」
すると、目の前にサブマシンガンを持った長身の男性が現れた。俺は今対抗手段が無い。正確には使えない。
「ま、誰だっていいけど。目撃者極力全員殺せと言われてんのでね。」
彼は引き金に手を掛けて銃口を突きつけた。
「ヒッ……!」
「待て。撃つなら俺にしろ。こいつらに手を出したら……分かるな?」
一般市民ましてや関わりのある同級生が死ぬ光景は目にしたくない。暗殺者としてのプライドだろうか俺は男に正面から接近した。
「ば、馬鹿っ!何して…」
「逃げろ!……俺は生き残る。」
俺がそう気迫を出して言うと、真依は冷静を保たせ、凛と波瑠の手を引いて先を急いだ。
「人柱になるなんて良い度胸じゃないか。だが、平和ボケした一般人に何ができる。じゃあさよなら。」
男は発砲したが、俺は回避した。弾速はかなり速い。恐らく海外製のスペックの良い弾だ。
「へぇ躱すか。裏社会?まさかサイレンス?」
「どうだか。」
俺は護身用の拳銃を取り出し、周囲に人がいなくなった事を確認して発砲した。
しかし、男は服の中に防弾する鉄板を仕込んでいたようだ。
「でも残念。どうやら品質が悪すぎるようだね。護身用?暗殺者が本職で使う武器じゃないでしょ。」
持ち武器は流石に持参していないため、護身用で何とかするしかないが、何とかならなそうだ。
「じゃあ今度こそ。消えろ……」
男は言い終えると引き金を引こうとしたが、重厚だが静かな音が鳴り、男は出血して倒れた。
「…狙撃されたか。あの音は……。」
「待たせたね。せんりん!司令からの指示でひずみんとせんりんの武器を持ってきたよ!」
「あざす。彩良。」
俺は Orderの狙撃手「石川 彩良」から俺の業務用武器を受け取り、私服の上から防弾衣服を着た。
「Orderとの共闘は久々だな。連中のボスは歪に任せて外の援護をしにいくぞ。歪の元には“あいつ”が真っ先に罵り半分で行くだろ?」
「了解!」
弾を詰めた俺は、彩良と共にドーム外にはびこるテロリストの討伐に向かった。
俺は足を徐々に遅くしながら避難し遅れた人を装い、交戦するための準備をしていた。
愛用の二丁拳銃は今手元に無いが、靴に刃物を仕込んであるため、蹴りで対抗はできる。
「おっ逃げ遅れた人みーっけ!」
テロリスト達が続々と俺に寄り付き、包囲された状態で発砲してきた。
四方八方から飛び交う弾丸を回避しながらテロリストに近づき、回し蹴りをお見舞いした。
「けっ…なんだ!こいつ靴に何か仕込んでるぞ!」
テロリストの仲間が同様してる隙に、冷静な連中の弾丸をお得意の身軽な動きで躱しながら接近し、蹴りを入れた。
「今の俺は無防備だ。一発入れれば死ぬぞ。逆に接近さえすればお前達もな。」
仲間がやられて焦るテロリストに挑発を入れ、やけくそになった弾丸を容易に躱し、テロリストを殲滅した。
「ぎゃあああ!」
しかし、派手に暴れすぎたか、主犯格と思わしき人物がこちらに近づいてきた。
「なんだ?この死体の山は。……紅い瞳…。ぐは、ぐはは、ぐはははは!」
突如、男は腹から笑い出した。
「見つけたぞ白薔薇。先日は爆弾魔が世話になったな。吾輩がショゴスの総隊長だ。ここで貴様の息の音止めてやるわい!」
そう言うと男はガトリングガンをどっしりと構えた。
普段だったらこんな奴足元にも及ばないが、こいつに接近するのは苦労するだろう。それに、こいつは筋肉量が凄く、こんな繊細な刃じゃ通らないだろう。
「はんっ。まともな武器を持参していないをだな。たまたま居合わせたといった様子か。無力な最強暗殺者討ち取ったり!」
「無理だ。」
男はガトリングガンを撃ち始めたが、弾は上の空に飛んでいる。男はどうやら痺れてリコイル制御が出来ない様子だ。
「……俺達よりよっぽど暗殺者してんのはお前だよ。絆。」
「最強暗殺者がこんな雑魚相手に何地に膝つけてんの?サイレンスの看板を濁す行為はやめろ。ほら、お前の本領見せたれよ。」
そう言って「励領 絆」は俺の二丁拳銃を渡してきた。
「サンキューな。」
「ライバルだし当然だ。あんたの神話は俺が乗っ取る。それまでに途切れさせんな。」
そうこう会話しているうちに、ショゴスの隊長が起き上がった。
「おのれ紅月め!貴様らまとめて潰してやるぅぅ!」
絆はナイフを取り出し、交戦体制に入った。
俺も良く手に馴染む二丁拳銃を構え、受け応えた。
「歪……後で合流する。」
「抵抗者が全く出ないなぁ。暗殺者が潜伏してんじゃないのか?まぁ好都合だがな。」
俺は足を止めずにひたすら周囲の人に紛れた。奴らは一般人だろうと逃げ遅れた人を躊躇なく撃っている。こんな状況なのに応戦出来なくて悔しいが、俺が選んだ道を壊す訳にはいかない。
「誰でも良い…。時間を少し作ってくれ…。」
「撃て撃て撃て!」
「あぁぁぁぁぁ!」
背後では断末魔が鳴り響く。この地獄の光景を関東から出た事の無い人が見たら、トラウマとなりかねないだろう。
「紫藤さん!なんでこの場所でテロが!」
走って逃げる最中、真依がそう声を掛けてきた。
「警備体制が甘かったのかもな。本社なら流石に警備体制も良いしそこに逃げ込むぞ。俺が先導する。」
まずは彼女らを安全圏に入れる事が先決だ。きっとこれだけ騒ぎになっていれば警察も動くだろうし、サイレンスも必ず来るだろう。足止めは彼らに任せた方が良さそうだ。
それに、歪の封じられた心を解放出来る可能性のある凛は絶対死なせてはいけないし、真依も波瑠ももっと腕を磨き良いバンドになってほしい。
大丈夫だ。俺はこれまでも何人もの未来を守ってきた。今回だって…。
「なんか手慣れた先導だな。怪しさ満点じゃないか。」
すると、目の前にサブマシンガンを持った長身の男性が現れた。俺は今対抗手段が無い。正確には使えない。
「ま、誰だっていいけど。目撃者極力全員殺せと言われてんのでね。」
彼は引き金に手を掛けて銃口を突きつけた。
「ヒッ……!」
「待て。撃つなら俺にしろ。こいつらに手を出したら……分かるな?」
一般市民ましてや関わりのある同級生が死ぬ光景は目にしたくない。暗殺者としてのプライドだろうか俺は男に正面から接近した。
「ば、馬鹿っ!何して…」
「逃げろ!……俺は生き残る。」
俺がそう気迫を出して言うと、真依は冷静を保たせ、凛と波瑠の手を引いて先を急いだ。
「人柱になるなんて良い度胸じゃないか。だが、平和ボケした一般人に何ができる。じゃあさよなら。」
男は発砲したが、俺は回避した。弾速はかなり速い。恐らく海外製のスペックの良い弾だ。
「へぇ躱すか。裏社会?まさかサイレンス?」
「どうだか。」
俺は護身用の拳銃を取り出し、周囲に人がいなくなった事を確認して発砲した。
しかし、男は服の中に防弾する鉄板を仕込んでいたようだ。
「でも残念。どうやら品質が悪すぎるようだね。護身用?暗殺者が本職で使う武器じゃないでしょ。」
持ち武器は流石に持参していないため、護身用で何とかするしかないが、何とかならなそうだ。
「じゃあ今度こそ。消えろ……」
男は言い終えると引き金を引こうとしたが、重厚だが静かな音が鳴り、男は出血して倒れた。
「…狙撃されたか。あの音は……。」
「待たせたね。せんりん!司令からの指示でひずみんとせんりんの武器を持ってきたよ!」
「あざす。彩良。」
俺は Orderの狙撃手「石川 彩良」から俺の業務用武器を受け取り、私服の上から防弾衣服を着た。
「Orderとの共闘は久々だな。連中のボスは歪に任せて外の援護をしにいくぞ。歪の元には“あいつ”が真っ先に罵り半分で行くだろ?」
「了解!」
弾を詰めた俺は、彩良と共にドーム外にはびこるテロリストの討伐に向かった。
俺は足を徐々に遅くしながら避難し遅れた人を装い、交戦するための準備をしていた。
愛用の二丁拳銃は今手元に無いが、靴に刃物を仕込んであるため、蹴りで対抗はできる。
「おっ逃げ遅れた人みーっけ!」
テロリスト達が続々と俺に寄り付き、包囲された状態で発砲してきた。
四方八方から飛び交う弾丸を回避しながらテロリストに近づき、回し蹴りをお見舞いした。
「けっ…なんだ!こいつ靴に何か仕込んでるぞ!」
テロリストの仲間が同様してる隙に、冷静な連中の弾丸をお得意の身軽な動きで躱しながら接近し、蹴りを入れた。
「今の俺は無防備だ。一発入れれば死ぬぞ。逆に接近さえすればお前達もな。」
仲間がやられて焦るテロリストに挑発を入れ、やけくそになった弾丸を容易に躱し、テロリストを殲滅した。
「ぎゃあああ!」
しかし、派手に暴れすぎたか、主犯格と思わしき人物がこちらに近づいてきた。
「なんだ?この死体の山は。……紅い瞳…。ぐは、ぐはは、ぐはははは!」
突如、男は腹から笑い出した。
「見つけたぞ白薔薇。先日は爆弾魔が世話になったな。吾輩がショゴスの総隊長だ。ここで貴様の息の音止めてやるわい!」
そう言うと男はガトリングガンをどっしりと構えた。
普段だったらこんな奴足元にも及ばないが、こいつに接近するのは苦労するだろう。それに、こいつは筋肉量が凄く、こんな繊細な刃じゃ通らないだろう。
「はんっ。まともな武器を持参していないをだな。たまたま居合わせたといった様子か。無力な最強暗殺者討ち取ったり!」
「無理だ。」
男はガトリングガンを撃ち始めたが、弾は上の空に飛んでいる。男はどうやら痺れてリコイル制御が出来ない様子だ。
「……俺達よりよっぽど暗殺者してんのはお前だよ。絆。」
「最強暗殺者がこんな雑魚相手に何地に膝つけてんの?サイレンスの看板を濁す行為はやめろ。ほら、お前の本領見せたれよ。」
そう言って「励領 絆」は俺の二丁拳銃を渡してきた。
「サンキューな。」
「ライバルだし当然だ。あんたの神話は俺が乗っ取る。それまでに途切れさせんな。」
そうこう会話しているうちに、ショゴスの隊長が起き上がった。
「おのれ紅月め!貴様らまとめて潰してやるぅぅ!」
絆はナイフを取り出し、交戦体制に入った。
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