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ChapterⅧ:FinalZone
No136.Mathematical space warfare
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しばらくすると、歪は元いた場所から離れ始めた。
「いい判断だ。」
ただ、こちらも油断する隙は無く、既に顔面から血が流れている蝋燭が、他所見する間に急接近してきた。
奴のショットガンが放たれる。だが、俺は奴が引き金を引くより先に銃口を蹴り上げ、空撃ちさせた。
「……!」
そして俺が奴を強く蹴ると、ショットガンを手放し、壁に叩きつけられた。
「どうした?Asmodeusもこんなものか?」
そう言いながら俺は奴の元に歩み、銃口を突き付けた。
「まさかな。……この程度、覆せて当然だろう。」
「ッチ!」
刹那、グレネードが左後ろから飛んでくるのを確認し、俺は最小限で受ける体勢を反射で取った。
爆ぜたが、多少火傷する程度だ。しかし、傷口があろうものなら、身体の柔軟性に支障をきたすレベルの威力ではある。
「目を離す事が命取りだという事は、暗殺者として十分に理解しているはずだ。」
そう奴の声が聞こえ、俺はさっきと全く逆の状況にされた。
奴はショットガンを手に取り、こちらにへと歩み寄る。
「無限ループに片足突っ込む気か?つまらないな、それじゃあ俺は……」
奴が銃口を向けようとした瞬間、俺は壁を蹴って隣の壁に乗り移り、そこを支点に空中でトリップしながらスコープを覗き、奴の背後を取った。
「“殺せない。”」
俺の身体は重力と慣性に従い、制御できない体勢で、徐々に照準が奴の頭部にへと合っていく。
明らかに対応が追い付いておらず、引き金を引けばこちらが確実に勝つ状況の中、奴は不敵な笑みを浮かべた。
「はっ!」
奴が片手に持っていたグレネードを地面に落とすと、それは強く跳ね上がり、体勢的に絶対防げない爆発が、俺を襲った。
……まだ何とか生きている。だが、視界が一瞬で鮮明で無くなる、足音が徐々に大きくなるが、引き金に指が掛けられるより先に、俺は立ち上がってその場を移る。
「タフな野郎だ。だが……」
そして、グレネードが投げられ、壁や天井をバウンドして、捌ききるには工夫が必要な軌道で飛んできた。四発。
「技術には勝てまい。」
「それはこの……」
俺は床に対して発砲した。反射した時にグレネードとの交点でかち合うように偏差撃ちをして、全弾処理した。
「様々な物質を跳ね返す装置の事か?よく見ると部屋全体が半透明な何かで覆われているようだが。」
すると、蝋燭はショットガンを天井に放った。しかし、俺はからくりを理解した上で避ける体勢を事前に作っていたため、視界で捉えられない速さで着弾する奴の散弾を、反射的に回避できた。
「彼岸を瞬殺したという話も、納得がいく強さだ。黒薔薇。」
「……和解はありえない。ただ、降伏だけは受け入れよう。もう分かっているだろ、結果は。」
そう言って、俺は銃口を突き付けて奴に降伏を促した。
どのみち全てが終わったら警察には差し出す気だ。その時は、俺も自首する事になるが。
すると、奴は口を開いた。
「私はこの仕事にプライドを持っている。……暗殺失敗で経歴に傷だけを付け、この業界を去る訳にはいかんな。」
「……お前にどんなバックストーリーがあるかは微塵も興味がないが、そこまで言うなら付き合ってやる。……華やかに玉砕しろ。」
刹那、奴はショットガンを天井に放つが、俺はさも当然のように回避し、奴との距離を詰め直す。
だが、奴も棒立ちなどするはずがなく、その場を動き、こちらを追ってくる。
奴はしっかり俺の速度についてきやがる。暗殺者として、フィジカル方面は完成され尽くしている。
直接相手を狙わない。壁や天井に攻撃を反射させながら縦横無尽に部屋を動き回る銃撃戦がしばらく続いた。
「形勢を偏らせようか。……私はまだチャンスを睨んでいる。」
すると、奴はグレネード七発をそれぞれ別方向に投げ、天井にショットガンを放った。
「やれやれ。……高度な動作を要求してくるじゃないか。それでさえも、悪足掻きに留めてやるが。」
俺は奴を完全に無視して前方の壁へと走った。そして壁を蹴ってスムーズに振り向き、リボルバーを放った。
七発のグレネードが一直線上に並ぶ箇所。そこで全て爆散した。
「……ック!」
振り向き着地からスムーズに助走を着け、対角線側に移動しながら威嚇発砲をして、反射する弾で奴の動きに制限を掛けてやった。
壁に到着するタイミングで壁を強くけり、上空で照準を合わせながら、引き金を引く心を構えた。
「さらば、蝋燭。」
発砲音と共に、奴の頭部は見事に撃ち抜かれた。
俺はリボルバーを降ろし、奴の腰に提げられていた装置の電源を切る。すると、物質を跳ね返す半透明のシールドが消えた。
「こんな物、秘密裏に作って本来何に使う気だったんだか……。競争社会で自身の力を見せつけるためか?」
すると、奴が落とした鍵を発見したので、それを拾った。
「あの部屋の鍵か。確か二重構造になっていたはず。……薊か。」
ひとまず、こちらの勝負は決着が着いた。彼らはどうだろうか?いや、心配は不要だな。
復讐に燃える才能が、負けるはずがない。信じて待つのみだ。
「いい判断だ。」
ただ、こちらも油断する隙は無く、既に顔面から血が流れている蝋燭が、他所見する間に急接近してきた。
奴のショットガンが放たれる。だが、俺は奴が引き金を引くより先に銃口を蹴り上げ、空撃ちさせた。
「……!」
そして俺が奴を強く蹴ると、ショットガンを手放し、壁に叩きつけられた。
「どうした?Asmodeusもこんなものか?」
そう言いながら俺は奴の元に歩み、銃口を突き付けた。
「まさかな。……この程度、覆せて当然だろう。」
「ッチ!」
刹那、グレネードが左後ろから飛んでくるのを確認し、俺は最小限で受ける体勢を反射で取った。
爆ぜたが、多少火傷する程度だ。しかし、傷口があろうものなら、身体の柔軟性に支障をきたすレベルの威力ではある。
「目を離す事が命取りだという事は、暗殺者として十分に理解しているはずだ。」
そう奴の声が聞こえ、俺はさっきと全く逆の状況にされた。
奴はショットガンを手に取り、こちらにへと歩み寄る。
「無限ループに片足突っ込む気か?つまらないな、それじゃあ俺は……」
奴が銃口を向けようとした瞬間、俺は壁を蹴って隣の壁に乗り移り、そこを支点に空中でトリップしながらスコープを覗き、奴の背後を取った。
「“殺せない。”」
俺の身体は重力と慣性に従い、制御できない体勢で、徐々に照準が奴の頭部にへと合っていく。
明らかに対応が追い付いておらず、引き金を引けばこちらが確実に勝つ状況の中、奴は不敵な笑みを浮かべた。
「はっ!」
奴が片手に持っていたグレネードを地面に落とすと、それは強く跳ね上がり、体勢的に絶対防げない爆発が、俺を襲った。
……まだ何とか生きている。だが、視界が一瞬で鮮明で無くなる、足音が徐々に大きくなるが、引き金に指が掛けられるより先に、俺は立ち上がってその場を移る。
「タフな野郎だ。だが……」
そして、グレネードが投げられ、壁や天井をバウンドして、捌ききるには工夫が必要な軌道で飛んできた。四発。
「技術には勝てまい。」
「それはこの……」
俺は床に対して発砲した。反射した時にグレネードとの交点でかち合うように偏差撃ちをして、全弾処理した。
「様々な物質を跳ね返す装置の事か?よく見ると部屋全体が半透明な何かで覆われているようだが。」
すると、蝋燭はショットガンを天井に放った。しかし、俺はからくりを理解した上で避ける体勢を事前に作っていたため、視界で捉えられない速さで着弾する奴の散弾を、反射的に回避できた。
「彼岸を瞬殺したという話も、納得がいく強さだ。黒薔薇。」
「……和解はありえない。ただ、降伏だけは受け入れよう。もう分かっているだろ、結果は。」
そう言って、俺は銃口を突き付けて奴に降伏を促した。
どのみち全てが終わったら警察には差し出す気だ。その時は、俺も自首する事になるが。
すると、奴は口を開いた。
「私はこの仕事にプライドを持っている。……暗殺失敗で経歴に傷だけを付け、この業界を去る訳にはいかんな。」
「……お前にどんなバックストーリーがあるかは微塵も興味がないが、そこまで言うなら付き合ってやる。……華やかに玉砕しろ。」
刹那、奴はショットガンを天井に放つが、俺はさも当然のように回避し、奴との距離を詰め直す。
だが、奴も棒立ちなどするはずがなく、その場を動き、こちらを追ってくる。
奴はしっかり俺の速度についてきやがる。暗殺者として、フィジカル方面は完成され尽くしている。
直接相手を狙わない。壁や天井に攻撃を反射させながら縦横無尽に部屋を動き回る銃撃戦がしばらく続いた。
「形勢を偏らせようか。……私はまだチャンスを睨んでいる。」
すると、奴はグレネード七発をそれぞれ別方向に投げ、天井にショットガンを放った。
「やれやれ。……高度な動作を要求してくるじゃないか。それでさえも、悪足掻きに留めてやるが。」
俺は奴を完全に無視して前方の壁へと走った。そして壁を蹴ってスムーズに振り向き、リボルバーを放った。
七発のグレネードが一直線上に並ぶ箇所。そこで全て爆散した。
「……ック!」
振り向き着地からスムーズに助走を着け、対角線側に移動しながら威嚇発砲をして、反射する弾で奴の動きに制限を掛けてやった。
壁に到着するタイミングで壁を強くけり、上空で照準を合わせながら、引き金を引く心を構えた。
「さらば、蝋燭。」
発砲音と共に、奴の頭部は見事に撃ち抜かれた。
俺はリボルバーを降ろし、奴の腰に提げられていた装置の電源を切る。すると、物質を跳ね返す半透明のシールドが消えた。
「こんな物、秘密裏に作って本来何に使う気だったんだか……。競争社会で自身の力を見せつけるためか?」
すると、奴が落とした鍵を発見したので、それを拾った。
「あの部屋の鍵か。確か二重構造になっていたはず。……薊か。」
ひとまず、こちらの勝負は決着が着いた。彼らはどうだろうか?いや、心配は不要だな。
復讐に燃える才能が、負けるはずがない。信じて待つのみだ。
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