怠惰の魔王

sasina

文字の大きさ
16 / 33

16.買い物に行きます

しおりを挟む

4/8

 俺にとっては何事も無く、翌朝を迎えた。

 が、特にする事も無かったので、朝御飯を食べた後、何かが起こるまでは部屋で寝ていようか。

 唯、何も無い日常って良いよね。

 昨日は誕生日も含めて色々あり過ぎた。

 今日は何かが起こっても精々昨日出た程度の魔物とかだったら楽なのにね。

 人同士の関わり合いは家族を除き基本面倒だがらやりたくない。

 と言う事で、おやすみなさい。



ーーー



「鈴起きて」

 おはようございます。

 琴音姉さんに揺すられて起きたのは、現在12時43分です。

 まだ、今日は終わってない。

「何?」

「買い物行くから付いてきて」

「母さんは?」

「仕事」

「歩き?」

「当たり前」

「負んぶして」

「分かったから行くわよ」

 車が出ないという事なので、靴を履いてから琴音姉さんに負んぶされてスーパーに行く。

 と思ったが、家から出て暫くすると降ろされた。

 琴音姉さんは俺を置いてそのまま歩いていく。

 ふむ、今の状況は騙されたって事になるのか?

 いや、騙されてはいないか。負んぶしてとは言ったがいつまでとは明言していなかったな。

 琴音姉さんは、今更帰るには遠いと思ってしまう様な距離で降ろしたので、俺が付いてくると思っているかもしれないが俺は10年前とは違うのだよ。

 という訳で付いていきます。

 そう、今の俺は10年前よりも面倒くさがりだが、その分大人でもある。

 まだ、イデアと繋がって1日しか経っていないのに、自分より年下の姉(15歳)を一人で出歩かせるのも心配だからな。

 と言うか、今にも落ちてきそうな世界が上にあると言うのに出掛けるって凄いな。柚乃母さんも仕事に行っているしな。日本の社畜って奴はこんな時でも仕事に行かないといけないのかな?

「鈴、遅れるわよ」

「遅れるって何に?」

「タイムセールによ、遅れないで」

「分かった」

 急かしてくるので琴音姉さんに追いついて並んで歩く。

 ウチは別にお金に困っている訳でもないのに琴音姉さんがタイムセールにこだわるのは、琴音姉さんが趣味にお金を注ぎ込んでいるので、他の事で出来るだけ節約しようと思っているみたいだ。

 別に趣味の為に、時間以外を犠牲にしている訳じゃない。唯タイムセール方が安く買えるとか、お一人様一つの物を二人で行って二つ買うみたいなちょっとした節約ってだけだ。

 って事は、お一人様一つの何かを買う為に俺を連れ出されたのか。

 まあ、7歳児を荷物持ちに連れて行く奴はいないよな。



ーーー



 スーパーに着いたが臨時休業でした。

 まあ、何と無く予想は付いていたけどね。このスーパーに着くまでも殆どの店が閉まっていたから、多分そうだろうな、と思っていたら案の定店は閉まっていたよ。

「帰ろうか」

「うん」

 タイムセールは広告チラシでも見たから来たんだろうが、まあ、こんな状況でも店や仕事を当たり前の様にやっている方が凄いのであって、休んでいるのが普通だろうな。

 そんな訳で家に帰ります。

 やはり、車を動かせる時に来た方が色々な場所を回れて良いと思うよ。こんな時だからこそね。

 さあ、さっさと帰って家でゆっくりとしようじゃないか。なんなら10年振りのゲームでもして遊ぶのなんてもの良いかもね。

 俺もそろそろ自分のスマホが欲しい年頃ですよ、柚乃母さん。



ーーー



「ん」

 家に帰る途中にある公園に通りがかった時、俺は空を見上げる。

「琴音姉さん先帰って」

「わかった」

 上手くいったな、ラリアが使う【色欲の言霊】を真似てやってみたが上手くいった。

 俺が使ったのは、舌に魔法陣を作ることによって言葉に魔力では無く魔法を乗せる事で、魔力抵抗の低い者にしか効かない軽い認識操作を使った。

 俺がここに残ると言っても、琴音姉さんは不思議にも思わずに一人で家に帰ると言う選択をしたので、今頃公園を出て家に向かっている頃だろう。

 この認識操作の凄いところは、ちょっとした事なら掛けられた事にも気付かない魔法で、魔法をかけた痕跡すら残らない結構高等な魔法だ。

 まあ、その代わり、自分以外の誰かに指摘されたり、強い衝撃があったりすれば簡単に解けてしまう、あまりに相手の意思に反した認識操作でも簡単に抵抗されてしまう、魔法と言うよりは暗示に近いかもしれない。

 ラリアの場合はもっと凶悪な能力だけどね。

 俺がここに残ったのは、空からと言うよりイデアから何かが来るのを感じ取ったからだ。

 数は複数だが、降りて来るのは日本の別々の場所みたいだな。そしてその一つがこのまま行けば、この公園に降りてくる。

 魔力の大きさから言って、ランク9が2つ、ランク8が4つ、ランク7が5つ、そしてランク6以下がざっと30と言ったところか。

 同じ集団みたいなので、一人確認出来れば良いだろう。それにこの公園に降りてくる一人はランク9の英雄級の魔力の持ち主だから、ちょうど良い。

 魔物だったら、面倒だが全部始末しに行かないとな。
 もしかしたら冒険者の連合かもしれない、新大陸の調査的な事で英雄級を二人も国外に出せる国は無いだろうしな。
 その場合は狼藉を働いた奴から首だけイデアに送り返すのも良いかもしれない。全員倒すのも面倒だしね。

 まだ、時間が掛かりそうなのでブランコに揺られながら魔力の主を待つ。

 轟音が鳴り、地面が揺れるのを感じて目が覚めた。

「ん、揺れが心地良くてつい寝てしまったか」

 目が覚めたので轟音がした方を見ると、そこにはコスプレ少女が立っていた。




 

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~

Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。 それでも、組織の理不尽には勝てなかった。 ——そして、使い潰されて死んだ。 目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。 強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、 因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。 武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。 だが、邪魔する上司も腐った組織もない。 今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。 石炭と化学による国力強化。 情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。 準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。 これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、 「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、 滅びの未来を書き換えようとする建国譚。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

好感度0になるまで終われません。

チョコパイ
恋愛
土屋千鶴子(享年98歳) 子供や孫、ひ孫に囲まれての大往生。 愛され続けて4度目の転生。 そろそろ……愛されるのに疲れたのですが… 登場人物の好感度0にならない限り終わらない溺愛の日々。 5度目の転生先は娘が遊んでいた乙女ゲームの世界。 いつもと違う展開に今度こそ永久の眠りにつける。 そう信じ、好きなことを、好きなようにやりたい放題… 自覚なし愛され公女と執着一途皇太子のすれ違いラブロマンス。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

神様の失敗作ガチャを引かされた俺(元SE)、ハズレ女神たちと寂れた異世界を「再創生(リ・ジェネシス)」する

月下花音
ファンタジー
過労死した社畜SE・天野創が転生したのは、創造神に見捨てられた「廃棄世界」。 そこで待っていたのは、ポンコツすぎて「失敗作」の烙印を押された三人の女神たちだった。 「麦が生えない? ……ああ、これ土壌パラメータの設定ミスですね」 「家が建たない? ……設計図(仕様書)がないからですよ」 創は持ち前の論理的思考と管理者権限を駆使し、彼女たちの「バグ(欠点)」を「仕様(個性)」へと書き換えていく。 これは、捨てられた世界と女神たちを、最強の楽園へと「再創生」する物語。

処理中です...