怠惰の魔王

sasina

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26.寝落ちします

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side トイレと言う名の睡眠から戻ってきた鈴

 まさか、トイレで寝てしまうとは。

 俺はどれだけあの気まずい空間に戻りたくなかったんだ。

 きっと体が拒否反応を起こして強制睡眠状態になったんだ。決して、唯眠たかったから寝た訳では無い、多分。

 トイレからリビングに戻ると、陽地と琴音姉さんは2人でソファに座りながらテレビアニメを見ている様子だった。

 多分、琴音姉さんの部屋にあるブルーレイディスクのどれかだろう。

 俺にとっては10年振りに見たアニメだから、もう殆ど覚えてないよ。

 陽地に見せているって事は、ここ2年で出たアニメだと思うけどタイトルすら思い出せない。

 途中からだが、俺も久し振りのアニメだし見る事にするか。

 俺は1人掛けのソファに座ってアニメを一緒に見る。



ーーー



4/9

 おはようございます。

 アニメ第11話辺りで睡魔に襲われて、そのままソファで寝ていた怠惰の魔王こと鈴です。

 琴音姉さん達がアニメ1クールを一気見をしようとしていたので、丁度ラストの話が始まりそうな時に寝てしまったよ。

 まあ、見ているうちにどんなアニメだったか思い出したので別に見なくても内容は分かるけどね。

 そんな訳で今起きた訳なんだけど、俺の目の前では今もまだそのアニメの3クール目を見ている陽地と琴音姉さんがいた。

 時間的にあれからずっと起きて見ているって事になるが、この人達は寝る気がないのか?

 今はアニメを見ているので話し掛けづらいから、先に朝御飯を食べようかな。

 台所に行き冷蔵庫から食パンを取り出してトースターで焼く。

 焼けたパンにバターと桃ジャムを塗りながら食べた。

 旨い、桃ジャムなんてイデアでは見かけた事がないからな。

 次はインスタントのポタージュスープをポットのお湯で作り飲む。

 安っぽい味だがこれはこれで美味しい。そして懐かしい。

 まあ、そんな事言ったら昨日食べたカレーライスが一番美味しく感じたけどね。

 イデアでもカレーっぽい料理はあったけど、何と言うかインドカレーみたいな感じで日本で日常的に食べていたヨーロッパから伝わったカレーとは違った。美味しいんだけどね。

 カレーの話はこのぐらいにして、スープを飲み干す頃なると、やっとアニメが終わった。

「母さんは?」

 琴音姉さんに聞くと、琴音姉さんはブルーレイディスクを入れ替えながら答える。

「もう、仕事に行ったよ。だから今日も買い物には行かない」

 ああ、車が無いからか。

 俺も行く気は無かったが、流石の琴音姉さんも昨日の件でスーパーに買い物に行く気にはならなくなかったか。

 まあ別に、家に食材が無い訳じゃないんだから、買い物に行かなくても大丈夫なんだけどね。

「陽地はいつ帰る?」

「あ、そうだった聖奈はいつウチを出るの?」

「えっと、いつでも良いんですがお金を貸していただけると嬉しいんですが」

 そう言えば、そんな事も言っていたな。と言うかお金を持っていないからわざわざ7歳児に頼み込んで家に泊めてもらったんだった。

 泊まったって言うか、アニメをずっと見ていた所為で寝てないみたいだけどね。

「忘れてた、お母さんが仕事に出る前に渡してきた封筒があったから、多分これだね」

 琴音姉さんは今思い出した様にアニメディスクケースに挟んである封筒を取り出し中身を確認すると。

「3万円か。これで交通費足りる?」

「足りると言うか余ると思う、2年前と変わっていなかったらだけど」

 2年前と今では、どのくらい交通費に差があるのか分からないって事か。

「たった2年でそこまで世の中変わらないよ聖奈」

「そうだよね、なら余裕で帰る事が出来ると思う」

「何なら今日も泊まっていっても良いんだけど」

 琴音姉さんがそう提案するが、陽地は首を振った。

「一旦家に帰る事にする。家に泊めてくれてありがとうね。琴音」

「お礼なら鈴にしたら、最初に家に泊めるって言ったのは鈴なんでしょ?」

「そうだった。鈴君もありがとう」

 陽地が俺を見てそう感謝の言葉を言った。

「ん」

 俺は頷いてから、リビングから出て自室に行く。

「眠い」

 ソファで寝た所為か、まだ寝足りないので自分のベッドで二度寝をする事にする。

 陽地の見送りも済んだしベッドに入って寝る。

 おやすみなさい
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