怠惰の魔王

sasina

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30.イデアから降ってきます

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 自己紹介が終わると次は校舎の案内がしてもらった。

「今日学校に来ていない子達を案内出来るように覚えてね」

 校内をゆっくりと見て回った後は、ちゃんとした授業が始まった。

 授業ははっきり言って詰まらなかったので聞き流しながら一年で習う範囲の教科書を流し見してみたが習う様な事は見当たらなかった。

 まあ、元々知っている事を教えてもらってもしょうがないからな。

 これからはどうやって暇な授業時間を潰すかを考えよう。

 寝る事が出来るなら寝ていたいが俺の席は教室の一番前の席。流石に寝ていたら見つかるだろう。

 今度座ったまま寝る練習でもしようかな。それさえ習得出来るなら授業中にバレずに寝る事も出来るかもしれない。

 これは怠惰の魔王として新しく魔法を開発してみるべきかもしれないな。



ーーー



 そんな事を考えながら授業を受けて給食の時間になった。今日は初日だからか弁当だけど。

「鈴君、一緒に食べましょう」

「ん」

 アリサに誘われたので机をくっつけて弁当を広げる。

 弁当箱を開けると中身はオムライスの様でケチャップで文字が書いてあった。

(友達100人なんて幻想だけど、せめて1人でもいいから登下校で一緒になれる友達を作ったら?流石にお母さんも鈴に友達が1人も居なかったら心配するだろうから頑張った方が良いよ!姉より)

 とケチャップで書いてあるんだが何から突っ込んでいいのやら?

 まず漢字書き過ぎ!今から平仮名を習っていく様な段階の子供に当てたメッセージじゃないだろう。

 次にこのぐらい直接言えよ。人に見られたらどうするんだ。実際に今アリサにめっちゃ見られているしついでに引かれているし。まあ漢字が読めない様だから意味までは分からないみたいだけど。

 あと心配し過ぎだ。友達なんて居なくても人間生きていけるんだよ。10年間友達が居なかった俺が言うんだから本当だ。

 最後にこの長文を書く為かボールペンの字みたいに線が細くてオムライスなのに全然ケチャップが足りないよ。

 そんな訳でスプーンでメッセージを潰した後に弁当を食べ始めるが味が薄く感じた。

 それから、クラスメイトの中にはアリサに話しかけたそうにしている者達も居るみたいだったが、俺がわざわざ仲介してやるのも面倒なので放っておく。

 話しかけたかったら自分で頑張れ少女よ。

「鈴君は漢字が読めるんですか?」

「まあ」

「凄いですね」

「ありがと」
 
「鈴君は苦手な食べ物はありますか?」

「昆虫」

 イデアではデカイ虫の魔物を食べる地域もあるんだが、いくら美味しいと言われてもちょっと俺には無理だった。

「昆虫って食べられるんですか?」

「食べられるのもいる」

「美味しいんですか?」

「普通に美味しいらしい。見た目はそのままだけど」

「アリサも食べられません」

「ん」

 そりゃ~そうだ。イデアよりも地球の昆虫食の方が難易度高いだろうからな。

「鈴君の好きな食べ物は何ですか?」

 考えた事無いけど今一番好きな食べ物は。

「カレー」

 イデアから帰ってきた最初に食べたからが凄く美味しく感じたからな。

「カレーならアリサもお母さんと作った事があります。」

「そうなんだ」

 小学1年生で料理が出来るのか、一緒に作ったならどのくらい出来るかは分からないが料理は出来た方が良いよな。学校でも料理の勉強があるみたいだし。

「アリサの好きな食べ物は苺です」

「美味しいよね」

 苺もこの10年間食べてないな。

 今度苺を買って食べてみようかな?

 そんな一方的な質問と言う名の会話をアリサとしながら弁当を食べた。



ーーー



 その後は昼食が終わり休み時間になったので、俺は休み時間が終わるまでずっと寝ていた。

 休み時間が終わり授業が始まりそうになるとアリサに起こされ授業を受ける。

 相変わらず詰まらない以前の問題だが授業中は何とか覚醒状態を保ち、放課後まで耐えた。

 帰りは何故か集団下校しないといけないとかで俺だけ全く会話の無い中、集団下校と言うものを体験した。
 アリサは家の方向が違ったので下校は別々だった。



ーーー



「ただいま」

 家に帰ってきたが柚乃母さんは仕事で琴音姉さんはまだ高校ようなので家には誰も居ない。

 誰も居ない家で俺はゆっくりと寝る事にしようと思ったが、昨日陽地達が見ていたアニメが中途半端で気になるので12話から見る事にする。



ーーー



 アニメが2期に突入してから3話目を見ている時に空から魔力を感じて咄嗟に上を見上げる

 この魔力はグラド兄さんか。

 魔力はイデアから真っ直ぐに俺の所に向かっている。

 これは早くしないと家が破壊されるな。

転移テレポート

 家の屋根に【転移】する。

 後10秒

 イデアから魔力を肉眼で捉える事が出来た。大きさと形はボーリング玉って所か。

 音速の3倍の速度で落ちてくる物を反動無しでキャッチするのは普通無理じゃない?

収納ストレージ

 と言うか、俺が取り損ねた時の事も考えて欲しいよ。
 まあ今は1人だったからタイミングはバッチリだったけどね。

 多分、レヴィア姉さんの【千里眼】で俺が起きている事と一人でいる事を確認してから投げたんだと思うけど。

 レヴィア姉さんとグラド兄さんの協働で地球に送ってきたって事はトリシアからの贈り物かな。


 

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