20 / 125
呪いのスキル
20.師匠、稽古を
しおりを挟む二つ目の課題は、さっき調べた現在の身体能力で、全力が出せるように無駄を無くす訓練だ。
自分で思い切り動いてみて見えた無駄な所を、その都度天眼さんで修正するしかないので、それなりに時間が掛かる。
天眼さんのEP不足が解消されてからも、日常的に無駄のない動きを心掛けてきたので、見る人が見れば急激に俺が隙のない動きをし始めた様に見える筈だ。
なので、今出来る事は全力で動いてみる事だけだ。
森でもないと全力で動いた所を他人に見られてしまうからな。
そうなったら確実にダンジョンでlvを上げた事がバレてしまう。
だから今、森にいる間に出来るだけ体を動かしておきたい。今日一日は体を動かす事に専念しよう。
でも、ただ体を動かすのも詰まらないので、ドロップアイテムの中にある武器を使って、同時に武器の扱いも練習してみようかな。
まずは短剣から。今が5時過ぎだから昼まで短剣を使って練習をする。
聞いた話では、剣は9つの斬り方が基本となるらしい。
米の文字の軌道をなぞる様な9つの斬り方をマスターすれば、ある程度剣が使える様になったと言えるだろう。
最初は突き。正面斬りの上下。右袈裟斬りから左逆袈裟斬り。左袈裟斬りから右逆袈裟斬り。そして左右の横胴斬りの計9つの斬り方を順番に練習していく。
一つの斬り型を40分。
スマホでタイマーを設定しておき、突きの練習から始める。
lvの上がっているお陰か疲れもせず、休憩無しのぶっ通しで稽古を続ける。
普通なら途中で飽きてしまうが、天眼さんのお陰で自分の駄目な所が分かってしまうので、突きを行うごとに自分の駄目な所が気になり、永遠に続けてしまいそうになる。
見える事はいい事だが見え過ぎるのも考えものだった。
アラームが鳴り我に帰ると、次の斬り型に進む。
ーーー
稽古を続け、9つ全部の練習が終わった時には、もう6時間が経っていた。
稽古に熱中し過ぎて、時間感覚が狂ってしまったみたいだ。
もう昼になるので、ご飯を食べる為に休憩をしよう。
コンビニで買ったカップ麺を作って食べる。
食べ終わったら、また稽古を再開するしよう。
短剣を一旦やめて、次は長剣で短剣の時と同じ様に9つの斬り方を40分ずつ練習していく。
また突きから始めていき、時間を忘れる程に集中して無駄を削ぎ落としていく。
ーーー
また6時間ぶっ通しで剣の稽古を続けられた。
当たり前だが、今はまだ最初の素人丸出しの時よりはマシになったという程度にしか扱えていない。
それでも天眼さんのお陰で確実に前へと進んでいる事は分かっていた。
指導者が居なくても、天眼さんさえあれば、予想通り剣も扱えるようになる。
まだ17時半ぐらいだが、次の槍も稽古したいので、少し早いが夕食のカップ麺 と作ってから食べる。
食後のコーヒーを飲み終わり、槍の稽古を始めようと思ったが、俺は槍の使い方なんて知らなかった。剣と同じで良いのかな?
今日の処は分からないので、剣の時と同じ方法で稽古を始める。
持ち方は槍にあった持ち方で、突きの練習時間を延ばして、突き中心の稽古をしていく。
使ってみると槍は突きだけでも大きく分けても3つある事が分かった。
柄の部分が長いので、色々な持ち方で突きを行う事が出来る。
短く持ってリーチを犠牲にしたスピード重視の突き。
片手を添え、もう1つの手で突きを出すバランスの取れた安定した突き。
槍を片手で持って放つ、リーチを活かした突き。
この3つを突きをそれぞれ時間を取り練習していく。
ーーー
辺りが暗くなる頃にふと思い付く。
短剣や槍は、投げる練習もしておいた方が良いかもしれない。
モンスターの経験値は倒した時に近くに居ないと経験値がその討伐者に入らないと思われる。
でも、例え経験値が入らなくとも、遠距離から倒せた方が良い時もあるし、先制攻撃や相手の機動力を削ぐ手段として、かなり役立つと思うので、稽古に武器の投擲練習も取り入れたい。
時間を確認すると21時になっていたので、槍の訓練を終わり、投擲の稽古を始める。
辺りは既に真っ暗だが、俺には天眼さんがあるので、半径15mは光が無くても、認識することが出来るので問題ない。
的になる木から15mの位置で投擲するか。
的から外れるかもしれないので、的の木の側にLEDランタンを置いて投擲稽古を始める。
槍の方は結構簡単に的に当たるのだが、短剣の方がまだどんな投げ方をすれば良いのかすら分かっていない。
この投擲稽古も回数を熟して、天眼さんで覚えていくしかない。
継続する事は力になるので、暇な時はどんどん稽古を続けていきたいと思う。
ーーー
もう0時を過ぎた頃には、槍でなら正面15m以内の狙った所に当てる事が出来るようになった。
短剣の方はやっと真っ直ぐ飛んで的に刺さる様になったので、あとは時間の問題だった。
成功した投げ方は天眼さんで記憶しているので、またその通りに投げればいいだけだからな。
そうやって完璧なフォームに近付けていく。
明日はダンジョン探索があるからな、今日はこのぐらいにして寝るか。
寝る前にお湯で濡らしたタオルで体を拭き、ドライシャンプーで頭を洗ってから、テントに入り眠りについた。
23
あなたにおすすめの小説
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-
すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン]
何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?…
たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。
※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける
縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は……
ゆっくりしていってね!!!
※ 現在書き直し慣行中!!!
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。
山椒
ファンタジー
そのコンビニにいた人たち全員が異世界転移された。
異世界転移する前に神に世界を救うために呼んだと言われ特典のようなものを決めるように言われた。
その中の一人であるフリーターの優斗は異世界に行くのは納得しても世界を救う気などなくまったりと過ごすつもりだった。
攻撃、防御、速度、魔法、特殊の五項目に割り振るためのポイントは一億ポイントあったが、特殊に八割割り振り、魔法に二割割り振ったことでチートな箱庭をゲットする。
そのチートな箱庭は優斗が思った通りにできるチートな箱庭だった。
前の世界でやっている番組が見れるテレビが出せたり、両親に電話できるスマホを出せたりなど異世界にいることを嘲笑っているようであった。
そんなチートな箱庭でまったりと過ごしていれば迷い込んでくる女性たちがいた。
偽物の聖女が現れたせいで追放された本物の聖女やら国を乗っ取られて追放されたサキュバスの王女など。
チートな箱庭で作った現代技術たちを前に、女性たちは現代技術にどっぷりとはまっていく。
親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました
空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが日常に溶け込んだ世界――。
平凡な会社員の風間は、身に覚えのない情報流出の責任を押しつけられ、会社をクビにされてしまう。さらに、親友だと思っていた男に婚約者を奪われ、婚約も破棄。すべてが嫌になった風間は自暴自棄のまま山へ向かい、そこで人々に見捨てられた“放置ダンジョン”を見つける。
どこか自分と重なるものを感じた風間は、そのダンジョンに住み着くことを決意。ところが奥には、愛らしいモンスターたちがひっそり暮らしていた――。思いがけず彼らに懐かれた風間は、さまざまなモンスターと共にダンジョンでのスローライフを満喫していくことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる