86 / 125
未定
86.lv制じゃなかったの?
しおりを挟む第五開放を使った小池さんは耳や尻尾だけではなく、靴を脱いだ足先から膝までと手先から腕の肘までが毛皮で覆われ、手と足の平には人間に合わせた様な肉球まで付いていた。
よく見ると、瞳の瞳孔も猫の様に縦に細長くなっている。
隠れてはいるが、猫なら鋭い爪もありそうだ。
「では、時間が無いので急ぎます」
第五開放には時間制限があるのか。
これまでの流れだと、lv50相当の身体能力を発揮する筈だ。
まあ、それでもlvアップの恩恵を使うつもりでいる俺には余裕で対処出来るレベルだと思う。
小池さんは時間が無いと言っていた割に中々向かって来ないな。
と思っていたら溜めを作っていた様で、次の瞬間には小池さんが消えて、砕けた地面だけが残った。
緩急で消えた様に見えたが、神眼にははっきりと小池さんの姿が捉えられている。
右側から接近してきた小池さんは、明らかにlv50なんてモノでは無いスピードで飛び蹴りを放ってきた。
流石にlv0の相手が俺に迫る動きをするとは思っていなかったので面食らった。
まだ避ける体勢が出来ていなかった俺は、腕をクロスして飛び蹴りを受け止めた。
小池さんは俺に受け止められたと分かると、直ぐにそこからは速度を生かした手数の多い連撃に切り替えて攻撃を続ける。
最初は面食らったが、攻撃の威力までは劇的に上がっている訳ではなかったので、比較的簡単に受け止める事が出来た。
速度の方は驚異的な速さだったが、まだ俺の方が上だろう。
神眼の空間把握で見ていれば、全て問題無く避ける事が出来た。
推定速度は約lv60くらいだ。力が約lv40。耐久は不明だが多分もっと低いだろう。
この王獣化(猫)は速度特化型の獣化なんだと思う。
能力はあるlv帯までそれぞれの獣化に合った身体能力を引き出すスキルなんだろうな。
皆がlvを上げて平均的なステータスの所を、わざとバランスを崩して特化型のステータスに作り替える事が出来る。
だから、lv40以上になってこのスキルを使うと、速度特化で速さが上がるが、逆に耐久力が下がり打たれ弱くなる。
この猫獣化は、リスキーな使い難いタイプ獣化なようだ。
まあ、低lvの時なら十分に無双が出来る強スキルだから、使い難くなったら使わなければ良いだけの話だ。
俺のユニークスキルはパッシブな上にオンオフすら出来ないクソスキルだけどな。
小池さんの攻撃速度にも慣れてきたな。
ふはは、ふはははは、ふははははははは!
小池さんの動きに慣れて、唯避けるだけでは詰まらないから、揶揄おうと小池さんが攻撃する度に空間把握でギリギリで避けて小池さんの背後に回り込んで残像だごっこをして遊んでいた。
「ぐふぅ!」
そして、3回目ぐらいでタイミングを合わされ、回し蹴りを横っ腹に受ける。
最初の時と同じ様に地面を転がる。自業自得だった。
今度は10回転はしていたと思うけど。
さて、お遊びはこのぐらいにしよう。時間制限がある様だから、それまで空間把握無しでも小池さんの猛攻に対処出来る様になろう。
耐久力がどのくらいか分からない今、下手に攻撃するのは危険なので反撃はしない。
レッドウルフの時も最初は手加減に失敗して、半殺しにしてしまったからな。
気を付けないと。
ーーー
それから、空間把握を使わずに小池さんの攻撃を避ける練習が始まった。
数回、殴られたり蹴り飛ばされたりとされたが、段々とlvアップの恩恵にも慣れていき避け続ける事が出来てきた。
そして、小池さんが第五開放を使ってから5分が経過すると、小池さんの獣化が解けていった。
小池さんは体力の限界が来たのか眠る様に気絶するので、倒れる前に身体を支えて横に寝かせる。
「時間制限は体力の事か」
もしかしてこれは起きるまで、待ってやらないといけない展開か?
1時間だけ待つ事にしよう。
それで起きなかったら叩き起こして、それでも起きなかったら家に持って帰ってから美月に連絡するなりすれば良いか。
家なら母さんが居るので車も出してもらえるからな。
さて、この暇な時間に簡単な考察をして時間を潰そうか。
この王獣化の体力の問題は、lvを上げていけば解決するのか?
これは実際にlvを上げていかないと分からない。
体力=使用時間という事は、使用時間を制御すれば毎回気絶なんて事態にはならない筈だが、今回は相手が格上だったからしょうがないか。
まあ、ギリギリまで使えば、どの道気絶しなくても残りの体力が少なく、満足に戦う事は出来ないと思うけどな。
それよりも問題なのは、力の調節が出来ていない事だ。
周りの地面や木々も巻き込んでこの周辺がボロボロになってしまっている。
これが単純に練度が足りないからかもしれない。一回の練習時間が5分程度では、力に振り回されるのも仕方ない。
そう考えると、小池さんはいきなり身体能力が上がった割にはちゃんとした戦いが出来ていたな。
これも佐久間の門下生だから出来る事なのかもな。
それにしても、俺も小池さんの事を舐めていた。王獣化(猫)と言うスキルの事も含めてな。
小池さんが自信満々だった事にも納得がいった。
慶にも勝てると言った時には、流石に自惚れが過ぎると思ったが、ここまでのスキルならそう思ってもおかしくはなかった。
それに、何が小池さんは俺を殺す心配をしていないから、スキルも大した事がないだ。
全然大した事あった。第五開放なんてかなり面食らった。全然殺せたよな。
小池さんが俺を殺す心配をしていなかったのは、スキルの能力が段階式だったからだ。
相手によって調節が出来るスキルだからこそ、殺す心配をしていなかっただけの事だ。
12
あなたにおすすめの小説
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-
すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン]
何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?…
たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。
※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける
縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は……
ゆっくりしていってね!!!
※ 現在書き直し慣行中!!!
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
俺の家に異世界ファンタジーガチャが来た結果→現実世界で最強に ~極大に増えていくスキルの数が膨大になったので現実世界で無双します~
仮実谷 望
ファンタジー
ガチャを廻したいからそんな理由で謎の異世界ガチャを買った主人公はガチャを廻して自分を鍛えて、最強に至る。現実世界で最強になった主人公は難事件やトラブルを解決する。敵の襲来から世界を守るたった一人の最強が誕生した。そしてガチャの真の仕組みに気付く主人公はさらに仲間と共に最強へと至る物語。ダンジョンに挑戦して仲間たちと共に最強へと至る道。
ガチャを廻しまくり次第に世界最強の人物になっていた。
ガチャ好きすぎて書いてしまった。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました
空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが日常に溶け込んだ世界――。
平凡な会社員の風間は、身に覚えのない情報流出の責任を押しつけられ、会社をクビにされてしまう。さらに、親友だと思っていた男に婚約者を奪われ、婚約も破棄。すべてが嫌になった風間は自暴自棄のまま山へ向かい、そこで人々に見捨てられた“放置ダンジョン”を見つける。
どこか自分と重なるものを感じた風間は、そのダンジョンに住み着くことを決意。ところが奥には、愛らしいモンスターたちがひっそり暮らしていた――。思いがけず彼らに懐かれた風間は、さまざまなモンスターと共にダンジョンでのスローライフを満喫していくことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる