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未定
97.検証は人を頼りましょう
しおりを挟むダンジョンを出て、家に帰ってきた。
現在時刻は19時40分。
春に帰りが遅くなると伝えておく様に言っておいたので大丈夫だろう。
「ただいま」
「お帰り」
玄関から家に入ると、春がすぐそこの階段でスマホをいじりながら待ち構えていた。
「で、そこで何しているんだ?」
「ん? 帰ってくるのを待っていたんだよ。今日は美月さんの家で遊んで来ただけでモンスターを倒せなかったけど、明日はダンジョンに連れて行ってくれるんだよね!」
春はスマホをいじるのをやめて、目を輝かせながら聞いてきた。
そう言えば、そんな事も言っていたな。
今日は山田弟と言う奴を見た所為か、春ならダンジョンについて教えてもいいかな? と不意に思ってしまったんだ。
まあ、どの道一人で勝手に動かれるよりはマシか。
「明日の放課後、美月達と一緒に連れて行くつもりだ」
「そっか~明日が楽しみだな~」
嬉しそうにしているが、春はグロ耐性とかあるのだろうか?
まあ、これでも俺の実妹な訳だから、耐性が無くてもそのうち慣れるか。
どの道、これからの世界ではモンスターを倒していかなければならないんだ。こう言う事は早く慣れた方が良いと思い込んでおこう。
「でも、ダンジョンの事を知っていたのに、私に何も言ってくれないなんて酷いよっ」
それはしょうがない。あの時はウルフダンジョンを見つける前だったからな。
スライムダンジョンの方は誰にも教える気が無いが、他のサブダンジョンについては自分だけで管理するのは面倒だと考えていたから、今は丁度良かったんだ。
まあ、春の方にはダンジョンに入る事になったら俺に連絡してくれと伝えていたから、文句を言いたくなるのも分かるがな。
ここは適当に誤魔化すか。
「酷くない。全てはお前の為にやった事なんだっ!ってセリフがあるよな」
「そんな事、私は頼んでないっ!って返しだよね?」
「まあ、そんな感じだ」
それだけ言って俺は春の横を通り階段を上がる。
「えっ? そんな感じってさっきの話は?」
「まあ、良いじゃないか。明日になればダンジョンに行く事が出来るんだから」
「そうだけど、ちょっと待ってっ」
春の言葉を無視して自室に入る。
1人残された春を空間把握で見ると、雑に誤魔化された事に怒りつつも、明日の事を考えたのか、春は追いかけて来る事もなく自分の部屋に戻った。
ここで揉めるより、明日確実にダンジョンに連れて行ってもらえる道を選んだな。
まあ、正直これ以上色々聞かれて困っていただろうから、その判断は有り難かった。
少しくらいlv上げに付き合ってやっても良さそうだな。
俺は血を浴びて気持ち悪かった身体が風呂で洗い流し、ついでに血だらけの服も揉み洗いをした後で洗濯に出した。
勿論、高校の制服と鞄もな。
風呂から上がると、20時になっていたので晩御飯は1人で食べた。
その間、両親が近くに居たので、春と出会っても明日のダンジョンについて話す事はなかった。
ーーー
自室に戻ってきた。
今日する事は、あと稽古をした後に寝るだけだ。
その前に凛に聞きたい事があったが、凛の番号を知らないので連絡が取れない。
番号を渡すだけでなく、凛の番号も聞いておけば良かったな。明日にでも聞いておく。
話したい事も明日で良いか。
マジックポーチから槍を取り出すと、日付が変わるまで稽古を続けた。
稽古を終えると、再び風呂に入り汗を流して、部屋に戻って寝た。
ーーー
翌日。
おはよう。
今日は放課後に春達をダンジョンに連れていく日だ。
今更だが面倒になってきた。なんで俺が他人の世話をやかないといけないんだろうか?
元々は自分専用のダンジョンを手に入れて、自由に楽しむと考えていたんだけどな。
世の中そんなに上手くは出来ていない。ダンジョン外にもモンスターが出てくると分かってからは、娯楽目的ではダンジョンに入れていない気がする。
と、言葉には出さないが愚痴を言ってみた。
起こってしまったものはしょうがない。さっさと片付けて、本来の俺がしたかったダンジョン探索と言うものをしよう。
と言う事で、今日も張り切って頑張ろう。
ずはネットニュースを確認からかな?
ーーー
確認しました。と言っても大した事は載っていなかった。
これまでダンジョンに無断で入り行方不明になっていると言われていた人達は、もしかしたらダンジョン外モンスターに襲われていたのかもしれないとか。街中ではモンスターの被害が出ていないとか。
未発見ダンジョンも続々と発見されているので、ダンジョン外にモンスターが出てこなくなるのも時間の問題だという感じの記事ばかりだ。
昨日報道された筈のニュースなのに1日で解決に向かっているのは早すぎないか?
国が情報操作しているのか、それともそれだけ国のダンジョン部隊が強くなっているという事なのかもしれない。
俺達学生と違ってあっちは仕事だからな。時間もあって、lv20台の自衛隊員だけで部隊が作れるくらいになっていてもおかしくはない。
俺達もそんなに時間があれば良いのにな。そうすれば春休みの時みたいにダンジョン前で泊まり込みをする事も出来ただろうに。
次はダンジョン関連の情報をネット掲示板で調べてみるか。
ーーー
調べた結果。
今回はEPについての情報が上がっていた。
EPと言う名称自体は出てこなかったが、ゲームで言う所のMPみたいな物があり、スキルや魔法を使う際にはそれが必要だという話だった。
折角こんな情報が上がっているので、俺もスクロールの危険性について情報を上げておく。
あとはこの掲示板を高校の昼休み時間の時にでも慶達に見せれば、ダンジョン内でのスクロールの使用をやめさせる事が出来るだろう。
ついでに、モンスターの解体方法も掲示板に上げておいた。
これでモンスターは唯ドロップアイテムを出すだけ物ではなく、素材としても使い道がある事が日本中に広まっていくだろうな。
まあ、もう既に知っていて情報を独占しようとしていた奴がいたら、余計な事をしたと思われるかもしれないが。
俺の知った事では無いな。
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