綱手の受難

オーリグ

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またしても電流がビンッと走った。
「はっ」という息の漏れる音がした。

綱手自身もまったく予期していなかったが、強い息が思わず口から出た。

声ではなく吐息なのだが、それにしてはだいぶ強い息使いだ。

(なぜだ!くすぐりにはすぐに対応し無表情を作り直すことは出来る。だがこの刺激はなんだ!ポーカーフェイスを作れない!反応してしまう!)

綱手はふっと我に帰った。

今の息の音を聞かれなかっただろうか?とふと思ったが、期待も虚しく、やはり男は聞き逃さなかった。

「あれ、なんだよ、感じてるのかよ!今声出したよな?!」

男は確認するように言った。

綱手は「まずい...」と内心思った。
急いで言葉を探しても頭が回らなかったが、とにかく言い返した。

「うるさい!出してない!」

「出したじゃねえかよ、なあ出したよな?」

男がニヤニヤしながら言う。

「出してねえんだよ、この野郎!」

綱手は認めない!認めることなど出来ない

「いやいや!いま、「はあ」っていったじゃねえかよ、姉さんよ」

「黙れ!誰が声なんか出すかこのアホどもが!」

綱手は再度、怒鳴ったが、初めのころのような今にも拘束具を壊して殴りかかるやもしれぬような威圧感や迫力が少しずつ無くなって来ていることに自分でも気付いた。

綱手の焦りは聡明。一粒の汗が頬を伝う。

「さて、どこまで我慢できるんだろうな頑張れるもんなら頑張ってみな火影様よ」

男が綱手をからかう

綱手は漏れた吐息を聞かれたことに焦ったが。

「ふぅぅ」

なにかを決意したかのように綱手は大きく深呼吸する。そして固く口を閉じて唇を噛み締めた。

だが、両サイドの男達は一層強く、両乳首を攻めた。

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