5 / 15
第一章
第四節:弱い犬ほどよく吠えるのです
しおりを挟む
魔法実技の授業も終盤に差しかかった頃。
次の模擬戦に呼ばれたのは、同じ一年生のエミリア・グランフォードと、学園で有名な令嬢──アンジェリカ・ローゼンだった。
エミリアは、入学時の案内で名前だけは見かけた記憶がある。
淡い藤色の髪に、大きな瞳。儚げで、おとなしい。……その印象どおり、模擬戦の立ち姿も少し心許ない。
彼女の出自は男爵家。
“貴族”とはいえ、血筋としては一代の叙爵──つまり本人の父親が近年になって功績で爵位を得た、新興家門だ。
一方のアンジェリカ・ローゼンは、由緒ある伯爵家の長女であり、学院内では女王気取りの中心人物。
社交界では舞踏会の花ともてはやされていたそうで、本人もそれをよく自覚している節がある。
案の定、試合は始まる前から勝負が見えていた。
「……まるで、子ウサギですね」
そんな侮蔑の声とともに放たれたのは、水の矢を複数束ねた《水のレイピア》。
エミリアは《幻》の系統魔法でかわそうとしたが、その制御は拙く──半ば転ぶようにして場外に逃れるしかなかった。
勝敗は一瞬でつき、見物していた生徒たちから失笑が漏れた。
エミリアは唇を噛み、何も言えずに立ち尽くしていた。
わたしはただ、それを見ていた。
他人の敗北や失態を笑う趣味はないけれど、かといって、あの場で何か言葉をかける理由もなかった。
*****
その日の実技授業を終えて寮へ戻ると、リティシアは早々に足を止めた。
貴族寮の廊下──自室の前で、女の甲高い声が壁を打っていた。
「ねえ、恥ずかしくないの? 自分の身の程って、わかってる?」
声の主は、アンジェリカ・ローゼン。
伯爵令嬢として学園内の“上位階級”を自負する彼女は、毎度のように口撃の矛先を弱い者へと向ける。
その今日の標的は──エミリア・グランフォード。
一代限りの男爵家。幻系魔法という希少だが地味な属性。
そして、さきほど模擬戦で華麗に敗北したばかりの生徒だった。
「あなたの魔力量、笑っちゃうくらい貧弱だったわ。あんなものでどうやってこの学院に入ったの? 賄賂? それとも身を売った?」
「……っ、ちが……」
小さな声で反論しようとしたエミリアを、アンジェリカは鼻で笑って封じる。
「一代貴族なんて平民も同然。幻なんて使えても意味がないし、そもそも“家”も“力”もないあなたに価値なんてある?」
──それは、まるで見えない杭を打ち続けるような執拗な言葉の暴力だった。
だがリティシアにとっては、そもそも騒音だった。
「……どいてくださらない?」
無感情な声音でそう告げると、アンジェリカがようやくリティシアの存在に気づいた。
「はあ? 何の用よ。話の途中なんだけど」
「いえ。ただ、ここ──わたくしの部屋の前なんです。
名門伯爵家の演説会を開くには、あまりに狭い舞台でしょう?」
ピタリと空気が止まる。
「……あなた、クロード家の?」
「ええ。よくご存じで。光栄です、“あの”落ちこぼれですもの」
わずかに口元を歪め、皮肉をこめて微笑む。
「“ことなかれ”を座右に置く主義ですの。お騒がせな演目は苦手でして」
アンジェリカの顔が歪んだ。
その場にいた誰もが、彼女が拳を握りしめたのを見た。
「ふざけないで。魔力量ゼロの無能が、何を偉そうに──」
「まぁまぁ。落ちこぼれは落ちこぼれなりに、階段の端を静かに歩いていこうと思っておりますの。
……ですが、わたくしですら辿り着けた階段の“最下段”すら、あなたは踏み外しておられるようで?」
「……っ!」
「“強さ”という言葉を、他人を潰すための道具にしか使えない方が、
名門だの貴族だのと仰るのは……ちょっと“品性”に欠けますね」
アンジェリカの手が、ぴくりと震える。
それは魔力を込めかけた動作にも似ていたが、結局は握り込まれたまま振り上げられることはなかった。
その瞬間だった。
アンジェリカの手が、ぴくりと震える。……と同時に、
バチィンッッ!!!
雷でも落ちたかのような音とともに、彼女の頭上で空気が弾けた。
見えない衝撃が脳天からつま先まで突き抜け、髪がぶわっと広がる。
「ッッえええっ!?」
次の瞬間、全身をビリビリと走る衝撃に耐えきれず、背中から豪快に吹っ飛んだ。
「え?」と周囲が呟く間もなく、スカートの裾がひるがえり、廊下を滑りながら5メートル後退。
その先にいた取り巻き2名を巻き込み、見事に三人まとめて床に転がる。
「ちょ、ちょっと今のなにっ!? 魔法!? 爆発!?」
「アンジェリカ様、今の音、なんか空から落ちてきたようなっ……!」
「し、知らないわよっ、でも痛っ、イタイイタイッ!」
取り巻きがジタバタしながら立ち上がろうとするも、アンジェリカの髪が逆立ったまま硬直していて、完全に幽霊でも見たかのようなビックリ顔である。
一方そのころ——
リティシアはきょとんとした顔で、小さく首をかしげた。
「まあ……床が濡れていたのでしょうか。足元にはご注意を」
さりげなく視線を外しながら、“あくまで偶然”という体を貫くその姿に、エミリアはぽかんと口を開けたまま立ち尽くす。
「………………え?」
「……くだらない。無能同士、仲良くすればいいわ」
口元を歪めて吐き捨て、踵を返して去っていく。
リティシアは、わざわざ後ろを振り返ることすらしなかった。
そして、エミリアはまだその場に立ち尽くしていた。
目を伏せたまま、ふるえる声でつぶやく。
「……ありがとうございます。助けてくださって」
「助けたわけではありません。わたしは部屋に入りたかっただけです」
そう言って、リティシアは扉を開け──一瞬だけ、視線が止まった。
部屋の中、片側のベッドにはすでに荷物が置かれていた。
「……あら。もしかして、あなたがルームメイト?」
「えっ……あ、はいっ。わたし、エミリア・グランフォードです……」
「リティシア・クロードです。……お静かに願いますね」
形式的に交わされた挨拶の裏で、少女の心にほんの一滴、ぬくもりが灯る。
それが“信頼”という名の火種になるには、まだ少し時間がかかるけれど──
___________________
★あとがき
アンジェリカさんはちゃんと痛い目を見ましたが、
いずれ“言葉”の力で別の方向に救われる予定です。
今はただ……かっこよく吹っ飛んでおいてもらいましょう。
次回、リティシアの「ことなかれ精神」がまたひとつ揺らぎます。
次の模擬戦に呼ばれたのは、同じ一年生のエミリア・グランフォードと、学園で有名な令嬢──アンジェリカ・ローゼンだった。
エミリアは、入学時の案内で名前だけは見かけた記憶がある。
淡い藤色の髪に、大きな瞳。儚げで、おとなしい。……その印象どおり、模擬戦の立ち姿も少し心許ない。
彼女の出自は男爵家。
“貴族”とはいえ、血筋としては一代の叙爵──つまり本人の父親が近年になって功績で爵位を得た、新興家門だ。
一方のアンジェリカ・ローゼンは、由緒ある伯爵家の長女であり、学院内では女王気取りの中心人物。
社交界では舞踏会の花ともてはやされていたそうで、本人もそれをよく自覚している節がある。
案の定、試合は始まる前から勝負が見えていた。
「……まるで、子ウサギですね」
そんな侮蔑の声とともに放たれたのは、水の矢を複数束ねた《水のレイピア》。
エミリアは《幻》の系統魔法でかわそうとしたが、その制御は拙く──半ば転ぶようにして場外に逃れるしかなかった。
勝敗は一瞬でつき、見物していた生徒たちから失笑が漏れた。
エミリアは唇を噛み、何も言えずに立ち尽くしていた。
わたしはただ、それを見ていた。
他人の敗北や失態を笑う趣味はないけれど、かといって、あの場で何か言葉をかける理由もなかった。
*****
その日の実技授業を終えて寮へ戻ると、リティシアは早々に足を止めた。
貴族寮の廊下──自室の前で、女の甲高い声が壁を打っていた。
「ねえ、恥ずかしくないの? 自分の身の程って、わかってる?」
声の主は、アンジェリカ・ローゼン。
伯爵令嬢として学園内の“上位階級”を自負する彼女は、毎度のように口撃の矛先を弱い者へと向ける。
その今日の標的は──エミリア・グランフォード。
一代限りの男爵家。幻系魔法という希少だが地味な属性。
そして、さきほど模擬戦で華麗に敗北したばかりの生徒だった。
「あなたの魔力量、笑っちゃうくらい貧弱だったわ。あんなものでどうやってこの学院に入ったの? 賄賂? それとも身を売った?」
「……っ、ちが……」
小さな声で反論しようとしたエミリアを、アンジェリカは鼻で笑って封じる。
「一代貴族なんて平民も同然。幻なんて使えても意味がないし、そもそも“家”も“力”もないあなたに価値なんてある?」
──それは、まるで見えない杭を打ち続けるような執拗な言葉の暴力だった。
だがリティシアにとっては、そもそも騒音だった。
「……どいてくださらない?」
無感情な声音でそう告げると、アンジェリカがようやくリティシアの存在に気づいた。
「はあ? 何の用よ。話の途中なんだけど」
「いえ。ただ、ここ──わたくしの部屋の前なんです。
名門伯爵家の演説会を開くには、あまりに狭い舞台でしょう?」
ピタリと空気が止まる。
「……あなた、クロード家の?」
「ええ。よくご存じで。光栄です、“あの”落ちこぼれですもの」
わずかに口元を歪め、皮肉をこめて微笑む。
「“ことなかれ”を座右に置く主義ですの。お騒がせな演目は苦手でして」
アンジェリカの顔が歪んだ。
その場にいた誰もが、彼女が拳を握りしめたのを見た。
「ふざけないで。魔力量ゼロの無能が、何を偉そうに──」
「まぁまぁ。落ちこぼれは落ちこぼれなりに、階段の端を静かに歩いていこうと思っておりますの。
……ですが、わたくしですら辿り着けた階段の“最下段”すら、あなたは踏み外しておられるようで?」
「……っ!」
「“強さ”という言葉を、他人を潰すための道具にしか使えない方が、
名門だの貴族だのと仰るのは……ちょっと“品性”に欠けますね」
アンジェリカの手が、ぴくりと震える。
それは魔力を込めかけた動作にも似ていたが、結局は握り込まれたまま振り上げられることはなかった。
その瞬間だった。
アンジェリカの手が、ぴくりと震える。……と同時に、
バチィンッッ!!!
雷でも落ちたかのような音とともに、彼女の頭上で空気が弾けた。
見えない衝撃が脳天からつま先まで突き抜け、髪がぶわっと広がる。
「ッッえええっ!?」
次の瞬間、全身をビリビリと走る衝撃に耐えきれず、背中から豪快に吹っ飛んだ。
「え?」と周囲が呟く間もなく、スカートの裾がひるがえり、廊下を滑りながら5メートル後退。
その先にいた取り巻き2名を巻き込み、見事に三人まとめて床に転がる。
「ちょ、ちょっと今のなにっ!? 魔法!? 爆発!?」
「アンジェリカ様、今の音、なんか空から落ちてきたようなっ……!」
「し、知らないわよっ、でも痛っ、イタイイタイッ!」
取り巻きがジタバタしながら立ち上がろうとするも、アンジェリカの髪が逆立ったまま硬直していて、完全に幽霊でも見たかのようなビックリ顔である。
一方そのころ——
リティシアはきょとんとした顔で、小さく首をかしげた。
「まあ……床が濡れていたのでしょうか。足元にはご注意を」
さりげなく視線を外しながら、“あくまで偶然”という体を貫くその姿に、エミリアはぽかんと口を開けたまま立ち尽くす。
「………………え?」
「……くだらない。無能同士、仲良くすればいいわ」
口元を歪めて吐き捨て、踵を返して去っていく。
リティシアは、わざわざ後ろを振り返ることすらしなかった。
そして、エミリアはまだその場に立ち尽くしていた。
目を伏せたまま、ふるえる声でつぶやく。
「……ありがとうございます。助けてくださって」
「助けたわけではありません。わたしは部屋に入りたかっただけです」
そう言って、リティシアは扉を開け──一瞬だけ、視線が止まった。
部屋の中、片側のベッドにはすでに荷物が置かれていた。
「……あら。もしかして、あなたがルームメイト?」
「えっ……あ、はいっ。わたし、エミリア・グランフォードです……」
「リティシア・クロードです。……お静かに願いますね」
形式的に交わされた挨拶の裏で、少女の心にほんの一滴、ぬくもりが灯る。
それが“信頼”という名の火種になるには、まだ少し時間がかかるけれど──
___________________
★あとがき
アンジェリカさんはちゃんと痛い目を見ましたが、
いずれ“言葉”の力で別の方向に救われる予定です。
今はただ……かっこよく吹っ飛んでおいてもらいましょう。
次回、リティシアの「ことなかれ精神」がまたひとつ揺らぎます。
2
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
【完結】男装して会いに行ったら婚約破棄されていたので、近衛として地味に復讐したいと思います。
銀杏鹿
恋愛
次期皇后のアイリスは、婚約者である王に会うついでに驚かせようと、男に変装し近衛として近づく。
しかし、王が自分以外の者と結婚しようとしていると知り、怒りに震えた彼女は、男装を解かないまま、復讐しようと考える。
しかし、男装が完璧過ぎたのか、王の意中の相手やら、王弟殿下やら、その従者に目をつけられてしまい……
悪役令嬢は手加減無しに復讐する
田舎の沼
恋愛
公爵令嬢イザベラ・フォックストーンは、王太子アレクサンドルの婚約者として完璧な人生を送っていたはずだった。しかし、華やかな誕生日パーティーで突然の婚約破棄を宣告される。
理由は、聖女の力を持つ男爵令嬢エマ・リンドンへの愛。イザベラは「嫉妬深く陰険な悪役令嬢」として糾弾され、名誉を失う。
婚約破棄をされたことで彼女の心の中で何かが弾けた。彼女の心に燃え上がるのは、容赦のない復讐の炎。フォックストーン家の膨大なネットワークと経済力を武器に、裏切り者たちを次々と追い詰めていく。アレクサンドルとエマの秘密を暴き、貴族社会を揺るがす陰謀を巡らせ、手加減なしの報復を繰り広げる。
「婚約破棄された転生令嬢ですが、王城のメイド五百人に慕われるメイド長になりました。なお元婚約者は私のメイドに土下座中です」
まさき
恋愛
社畜OLとして過労死した私は、異世界の令嬢・アリア・ヴェルナーに転生した。
目が覚めたら、婚約破棄されていた。
理由は「地味で面白みがない」から。
泣く暇もなかった。翌朝、王城のメイド採用面接に向かった。
最初は鼻で笑われた。雑用係からのスタートだった。
でも——前世で叩き込まれた仕事術と、一人ひとりの話を聞く姿勢で、少しずつメイドたちが集まってきた。
厨房が変わった。リネンが変わった。王城全体が変わっていった。
そして就任スピーチで宣言した。
「500人全員の名前を、覚えます」
冷酷と噂される王太子は、静かに見ていた。
悪役令嬢は妨害を仕掛けてきた。
元婚約者は——後悔し始めていた。
婚約破棄された令嬢が、500人に慕われるメイド長になるまでの物語。
なお元婚約者は、私のメイドたちの前で土下座中です。
聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~
白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。
王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。
彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。
#表紙絵は、もふ様に描いていただきました。
#エブリスタにて連載しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる