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レティシア 婚約者候補辞退決定
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王弟は、ハワードに調べた結果を伝える。
「マリー嬢の祖父母だが、隣国に商会と家を購入している。最近隠れ家のような家も隣国で購入したそうだ。男爵家が公爵に養女の話をされたその日のうちに、祖父母が男爵家へ転移陣を使ってこっそりと行った事が分かっている。おそらく、マリー嬢の逃亡についての相談だろう。
学校からの報告によると、マリー嬢はこの2年、出席が必要な授業以外は全て休暇の講習で賄ったそうだ。教師達も授業の終わりを変えて、マリー嬢が毎日逃げるだけの時間を稼いだり、休み時間中は何人か生徒がさり気なく王太子達の居場所を話題にして、側にいるマリー嬢に伝えて逃げるのを助けてあげている。
養女話が出ても今までと変わらずマリー嬢は逃げ続けているわけだ。いつ他国へ逃げるかは分からないが、いつ逃げてもおかしくないだろう。」
「なるほど、男爵家は国外へ出て行く道を選んだのか。その方が余計なしがらみもなくなり、商売の利益も独占出来て好きに暮らせるしな。」
「そうだな、海のある領の方に男爵家は行くようだ。いくつか他国で家を購入しているが、ダン男爵子息の盗賊の配下が潜伏して商会を作っている。
そろそろ辞退出来ないと面倒な事になってきてるぞ。」
ムッとして王弟を睨むハワード。
「お前の兄が認めないんだよ。あれだけ魔道具の映像を送っているのになんでだろう。」
「さあな、そろそろ認めるんじゃないかな。この後も映像を見せに行くんだろう。」
「そうだ、辞退出来れば良いけれど。そういえば男爵家が消えたらあの方はどうするんだ、足を失うようなものだろう。」
「ああ、今あの方はそれどころじゃない。他国への嫁入り話が出ているんだ。少し元気が良すぎたのかもな。王達が進めているようだぞ。
まあ、話だけで実際行くかは分からんが。単に釘を刺しているのかもしれん。やりすぎるなと。」
「そうか、どっちだろうな。あの方がこの国を出ても出なくても国内の情勢は変わらないが。
変わると言えばドレーブ家だな。あそこは優秀な息子達が、マリー嬢の事を利用しようと逃げるのを待っている感じだな。」
「どちらにしても、後半年もせずに男爵家は逃げそうだぞ。マリー嬢が学校を卒業されてから逃げるのかどうかだな。」
「そうか、分かった。レティシアも辞退出来たら卒業してしまうつもりだよ。研究も卒業後発表するそうだ。」
「そうか、結婚するまで俺の所で働くか。優秀なレティシア嬢なら大歓迎だ。」
「っふん。考えておくよ。」
途端にブスッとしたハワード。それを見て王弟はまさか婚約しそうな相手がいるのかと気付く。余計な事をしてハワードを怒らせたくないので何も調べずに、友人として彼が話してくれるのを待つ事にする。レティシア嬢が婚約したら、きっと愚痴を言いに来るだろう。
「俺も城に戻るからな、一緒に行くか。」
「そうだな、準備は整ってるし行くか。今日こそは認めてほしいな。」
2人は一緒に城へ向かっていった。
王弟と別れると、ハワードは今日も国王夫妻に面会を求める。
ここ何年も何度もこの話をしに来ているので、近衛兵が同情のまなざしだ。王族に仕える近衛兵にさえ王太子の婚約者候補である事が同情されている。
取次があり、国王夫妻への面会が許された。今日こそは辞退が決定するといいなと思いながら部屋へ入出するハワード。
互いに挨拶をすますと、魔道具の映像を見せる。ハワードが言葉を発する前に王がため息をつくと、バレット公爵家に謝罪した。
「バレット公爵家には、王太子の失礼な言動で迷惑をかけ続けてしまった。申し訳なかった。公爵家の言い分を全て認めて婚約者候補の辞退を許可する。」
その瞬間ハワードは心の中で、ついにやったと叫んでいた。表面には出さず、ただ黙って頭を下げてお礼を言った。
「王太子は王位継承権から外して廃嫡とし、一代限りの男爵家の地位を渡して、子爵家の領主の娘に婿入りさせるつもりだ。権力が持てない様に監視されながら過ごしていくとこになる。
子育ては難しいな。3人同じ気持ちで育ててきたつもりだったが。1人1人全く違う人間に育った。似ている所が全然ないというのも面白いな。」
困ったような顔で何も言わないハワード。
「王太子の事はもういいのです、レティシア嬢は中等部を卒業なさるのかしら。」
「ええ、そのつもりです。辞退後に卒業試験を受け卒業します。」
それを聞いた王妃の目つきが変わる。なんというかギラギラとしている。
ハワードは何だか嫌な予感がして王を見るが王は微妙な顔で上を見ている。自分は口を出さないという意思表示だろう。
「卒業したら暫くは家で過ごされるのかしら。」
「レティシアなら、暫くは我が家で過ごす予定です。家族でのんびりと避暑に行っても良いですね。今までずっとすさまじい予定をこなしてきましたから、ゆっくり休ませてやりたいです。」
「そうなの、それは素晴らしいわ。避暑地なら良い所をたくさん知っているから、私に相談してね。バレット公爵。」
なんか、王妃の気迫が凄いと考えていたハワードは気がつく。そうかルーサーとくっつけたいのか。レティシアの事態が決定された今、他家から婚約の申し込みが来るだろうな。
まあ、レティシアはルーサーに恋しているから、王妃の希望は叶うだろうけど。
「ええ、その時はよろしくお願いします。」
社交辞令のように微笑みながら、何も気づかぬふりをして退出した。
王妃は考えていた。今の含み笑いはなんだろう。
自分の意図には気付いているだろうから、ハワードは何か企んでいるのか。
「ねえ、あなた。バレット公爵の最後の含み笑いはどういう意味なの。」
「すまない、上を見ていてバレット公爵の事は見ていなかった。」
その習慣バキっと音がする。王妃の扇子が曲がってしまったのだ。
「そうなの、王弟に探りを入れておいてね。レティシア嬢やバレット公爵夫妻がルーサーの事をどう思っているのかを。今すぐにお願いね、あなた。」
王妃の顔が真顔だった。それを見た王は、城に来ている王弟にすぐに会いに行った。
「急がないと、レティシア嬢が辞退決定が公表されたら、彼女に婚約者の申し込みが来てしまうわ。すぐにルーサーを呼んで頂戴。時間が無いわ、作戦会議よ。」
メイドがすぐに、ルーサーを呼びに行く。城に急いでやってきたルーサーはレティシアの婚約候補者辞退が決定したことを知る。
「ルーサー。ここが正念場よ。レティシア嬢とはどうかしら。報告を聞く限りはいい雰囲気だと聞いているわ。
レティシア嬢の婚約候補者辞退と卒業が発表されたら、婚約者申し込みが殺到する。
バレット公爵は、暫くゆっくりするなんて言っているけれど、あれは信用のならない顔だったわ。」
「姉上、私は彼女に求婚しようと思います。」
王妃、感激して涙をぬぐう。あの、女性に興味のなかったルーサーが求婚する。
ああ、レティシア嬢ありがとう。どうかルーサーを貰ってやって頂戴。彼女も嫌がってなさそうだと報告されているし、もう辞退の発表後すぐにでもバレット家に申し込みに行かなければ。
「良く決心したわ、ルーサー。辞退の発表と同時にバレット家に申し込みに行くわよ。
準備を急ぎなさい。必要なものは何でも言うのよ。全て揃えて見せるから。
大丈夫。絶対に幸せにするんだという覚悟を伝えるのよ。頑張ってね。
私はあなたの姉として、一緒にバレット家に付き添いますからね。」
「ありがとうございます。姉上。すぐ支度にとりかかります。」
そういうと、メイドを連れてルーサーは急いで帰っていった。
一方ハワードは自宅へ向かっていた。長かった、婚約候補者となってからこの何年間、ずっと辞退を申込んできたがついにこの時が来た。
家に着くと、メリーナとレティシア、使用人達全員がハワードを出迎える。
ハワードが全員を見つめた後に、メリーナとレティシアを見つめながら話だす。
「皆、長らく待たせたがついにこの日が来た。
先程国王夫妻から レティシアの婚約候補者辞退が認められた。」
「おめでとうございます。」「あなた、本当にお疲れ様でした。」「さすがお父様ですわ。大変でしょうがお父様なら大丈夫だと信じておりました。」
ハワードに労いの言葉と、バレット家に使用人達から祝福の言葉が贈られた。
メリーナとレティシアは、ハワードに駆け寄って抱きしめ合う。使用人達は皆、公爵家の悲願が叶い喜びの気持ちで溢れていた。感動して涙を流すものや抱きしめ合っている者達もいた。
抱きしめ合っている者達は皆に恋愛関係がばれて、しっかりと執事長とメイド長がチェックしている。彼らが婚姻か破局した時の為に、人事異動を考えているのだろう。
「この後は忙しいぞ。明日にはレティシアは学校の卒業認定試験を受けて合格したらその発表と共に婚約候補者辞退の発表もする。
レティシアは、男爵家の事を教えてくれたお礼にカトリーナ嬢にこの事を伝えてあげなさい。どこよりも早く友人には伝えないとな、ミーナ嬢に伝えるかは任せるよ。
皆、時間が無くて大変だと思うが準備を頼む。」
「辞退の発表のお祝いには、素晴らしい衣装でいかないとね。皆、よろしくね。」
「はい、かしこまりました。」
幸せな空気に包まれているバレット公爵家。
レティシアは早速、カトリーナに知らせる手紙を書く。バレット家の執事に届けさせて手紙は持ち帰らせた。
「お兄様達、レティシア様の婚約候補者辞退が決定されたと、今レティシア様が知らせてくださいました。
ついに、レティシア様がやりましたわよ。私達ものんびりしてられませんわ。マリー嬢の事を理由にして、私の辞退申請もしてしまおうと思います。」
「やはりバレット家に先を越されたか。さすが、ハワード様だな。
アークお前も一緒に行って、カトリーナに口添えをしてやってくれ。」
「そうだね、早速行こう。カトリーナ。男爵家も逃げるみたいだし、カトリーナの辞退も申請した方が良いだろう。父にはレティシア様の事は伏せて説得するよ。」
アークとカトリーナは父ドレーブ公爵に会うと、マリーを養女にする前にカトリーナの婚約候補者辞退を申請するように説得する。
レティシアでさえ、まだ認められていないのにマリー嬢を養女にしてからカトリーナの辞退申請では遅い。カトリーナの辞退が認められないとマリー嬢の申請が出来ないのだから急いだほうが良い。
バレット家が認められていなんだから、こちらも出したところで認められないだろう。
愚図愚図してると、カトリーナの辞退が出来なくなるぞと、最後は脅すように言いドレーブ公爵はカトリーナの辞退申請を行う事にした。
公爵は権力欲の強い息子達がやっと自分の正さを理解できたとしか思わなかった。
こうして、ドレーブ家も婚約候補者辞退の申請を提出した。
おめでとうございます。レティシア様、ついにやりましたわね。次は私ですわよ。
カトリーナはレティシアに祝福を自分に渇を入れていた。
レティシアは映像で見た乙女ゲームのラスト、他国への人質になる事を無事回避した。
次は自分の幸せに向かって進むだけだ。
「マリー嬢の祖父母だが、隣国に商会と家を購入している。最近隠れ家のような家も隣国で購入したそうだ。男爵家が公爵に養女の話をされたその日のうちに、祖父母が男爵家へ転移陣を使ってこっそりと行った事が分かっている。おそらく、マリー嬢の逃亡についての相談だろう。
学校からの報告によると、マリー嬢はこの2年、出席が必要な授業以外は全て休暇の講習で賄ったそうだ。教師達も授業の終わりを変えて、マリー嬢が毎日逃げるだけの時間を稼いだり、休み時間中は何人か生徒がさり気なく王太子達の居場所を話題にして、側にいるマリー嬢に伝えて逃げるのを助けてあげている。
養女話が出ても今までと変わらずマリー嬢は逃げ続けているわけだ。いつ他国へ逃げるかは分からないが、いつ逃げてもおかしくないだろう。」
「なるほど、男爵家は国外へ出て行く道を選んだのか。その方が余計なしがらみもなくなり、商売の利益も独占出来て好きに暮らせるしな。」
「そうだな、海のある領の方に男爵家は行くようだ。いくつか他国で家を購入しているが、ダン男爵子息の盗賊の配下が潜伏して商会を作っている。
そろそろ辞退出来ないと面倒な事になってきてるぞ。」
ムッとして王弟を睨むハワード。
「お前の兄が認めないんだよ。あれだけ魔道具の映像を送っているのになんでだろう。」
「さあな、そろそろ認めるんじゃないかな。この後も映像を見せに行くんだろう。」
「そうだ、辞退出来れば良いけれど。そういえば男爵家が消えたらあの方はどうするんだ、足を失うようなものだろう。」
「ああ、今あの方はそれどころじゃない。他国への嫁入り話が出ているんだ。少し元気が良すぎたのかもな。王達が進めているようだぞ。
まあ、話だけで実際行くかは分からんが。単に釘を刺しているのかもしれん。やりすぎるなと。」
「そうか、どっちだろうな。あの方がこの国を出ても出なくても国内の情勢は変わらないが。
変わると言えばドレーブ家だな。あそこは優秀な息子達が、マリー嬢の事を利用しようと逃げるのを待っている感じだな。」
「どちらにしても、後半年もせずに男爵家は逃げそうだぞ。マリー嬢が学校を卒業されてから逃げるのかどうかだな。」
「そうか、分かった。レティシアも辞退出来たら卒業してしまうつもりだよ。研究も卒業後発表するそうだ。」
「そうか、結婚するまで俺の所で働くか。優秀なレティシア嬢なら大歓迎だ。」
「っふん。考えておくよ。」
途端にブスッとしたハワード。それを見て王弟はまさか婚約しそうな相手がいるのかと気付く。余計な事をしてハワードを怒らせたくないので何も調べずに、友人として彼が話してくれるのを待つ事にする。レティシア嬢が婚約したら、きっと愚痴を言いに来るだろう。
「俺も城に戻るからな、一緒に行くか。」
「そうだな、準備は整ってるし行くか。今日こそは認めてほしいな。」
2人は一緒に城へ向かっていった。
王弟と別れると、ハワードは今日も国王夫妻に面会を求める。
ここ何年も何度もこの話をしに来ているので、近衛兵が同情のまなざしだ。王族に仕える近衛兵にさえ王太子の婚約者候補である事が同情されている。
取次があり、国王夫妻への面会が許された。今日こそは辞退が決定するといいなと思いながら部屋へ入出するハワード。
互いに挨拶をすますと、魔道具の映像を見せる。ハワードが言葉を発する前に王がため息をつくと、バレット公爵家に謝罪した。
「バレット公爵家には、王太子の失礼な言動で迷惑をかけ続けてしまった。申し訳なかった。公爵家の言い分を全て認めて婚約者候補の辞退を許可する。」
その瞬間ハワードは心の中で、ついにやったと叫んでいた。表面には出さず、ただ黙って頭を下げてお礼を言った。
「王太子は王位継承権から外して廃嫡とし、一代限りの男爵家の地位を渡して、子爵家の領主の娘に婿入りさせるつもりだ。権力が持てない様に監視されながら過ごしていくとこになる。
子育ては難しいな。3人同じ気持ちで育ててきたつもりだったが。1人1人全く違う人間に育った。似ている所が全然ないというのも面白いな。」
困ったような顔で何も言わないハワード。
「王太子の事はもういいのです、レティシア嬢は中等部を卒業なさるのかしら。」
「ええ、そのつもりです。辞退後に卒業試験を受け卒業します。」
それを聞いた王妃の目つきが変わる。なんというかギラギラとしている。
ハワードは何だか嫌な予感がして王を見るが王は微妙な顔で上を見ている。自分は口を出さないという意思表示だろう。
「卒業したら暫くは家で過ごされるのかしら。」
「レティシアなら、暫くは我が家で過ごす予定です。家族でのんびりと避暑に行っても良いですね。今までずっとすさまじい予定をこなしてきましたから、ゆっくり休ませてやりたいです。」
「そうなの、それは素晴らしいわ。避暑地なら良い所をたくさん知っているから、私に相談してね。バレット公爵。」
なんか、王妃の気迫が凄いと考えていたハワードは気がつく。そうかルーサーとくっつけたいのか。レティシアの事態が決定された今、他家から婚約の申し込みが来るだろうな。
まあ、レティシアはルーサーに恋しているから、王妃の希望は叶うだろうけど。
「ええ、その時はよろしくお願いします。」
社交辞令のように微笑みながら、何も気づかぬふりをして退出した。
王妃は考えていた。今の含み笑いはなんだろう。
自分の意図には気付いているだろうから、ハワードは何か企んでいるのか。
「ねえ、あなた。バレット公爵の最後の含み笑いはどういう意味なの。」
「すまない、上を見ていてバレット公爵の事は見ていなかった。」
その習慣バキっと音がする。王妃の扇子が曲がってしまったのだ。
「そうなの、王弟に探りを入れておいてね。レティシア嬢やバレット公爵夫妻がルーサーの事をどう思っているのかを。今すぐにお願いね、あなた。」
王妃の顔が真顔だった。それを見た王は、城に来ている王弟にすぐに会いに行った。
「急がないと、レティシア嬢が辞退決定が公表されたら、彼女に婚約者の申し込みが来てしまうわ。すぐにルーサーを呼んで頂戴。時間が無いわ、作戦会議よ。」
メイドがすぐに、ルーサーを呼びに行く。城に急いでやってきたルーサーはレティシアの婚約候補者辞退が決定したことを知る。
「ルーサー。ここが正念場よ。レティシア嬢とはどうかしら。報告を聞く限りはいい雰囲気だと聞いているわ。
レティシア嬢の婚約候補者辞退と卒業が発表されたら、婚約者申し込みが殺到する。
バレット公爵は、暫くゆっくりするなんて言っているけれど、あれは信用のならない顔だったわ。」
「姉上、私は彼女に求婚しようと思います。」
王妃、感激して涙をぬぐう。あの、女性に興味のなかったルーサーが求婚する。
ああ、レティシア嬢ありがとう。どうかルーサーを貰ってやって頂戴。彼女も嫌がってなさそうだと報告されているし、もう辞退の発表後すぐにでもバレット家に申し込みに行かなければ。
「良く決心したわ、ルーサー。辞退の発表と同時にバレット家に申し込みに行くわよ。
準備を急ぎなさい。必要なものは何でも言うのよ。全て揃えて見せるから。
大丈夫。絶対に幸せにするんだという覚悟を伝えるのよ。頑張ってね。
私はあなたの姉として、一緒にバレット家に付き添いますからね。」
「ありがとうございます。姉上。すぐ支度にとりかかります。」
そういうと、メイドを連れてルーサーは急いで帰っていった。
一方ハワードは自宅へ向かっていた。長かった、婚約候補者となってからこの何年間、ずっと辞退を申込んできたがついにこの時が来た。
家に着くと、メリーナとレティシア、使用人達全員がハワードを出迎える。
ハワードが全員を見つめた後に、メリーナとレティシアを見つめながら話だす。
「皆、長らく待たせたがついにこの日が来た。
先程国王夫妻から レティシアの婚約候補者辞退が認められた。」
「おめでとうございます。」「あなた、本当にお疲れ様でした。」「さすがお父様ですわ。大変でしょうがお父様なら大丈夫だと信じておりました。」
ハワードに労いの言葉と、バレット家に使用人達から祝福の言葉が贈られた。
メリーナとレティシアは、ハワードに駆け寄って抱きしめ合う。使用人達は皆、公爵家の悲願が叶い喜びの気持ちで溢れていた。感動して涙を流すものや抱きしめ合っている者達もいた。
抱きしめ合っている者達は皆に恋愛関係がばれて、しっかりと執事長とメイド長がチェックしている。彼らが婚姻か破局した時の為に、人事異動を考えているのだろう。
「この後は忙しいぞ。明日にはレティシアは学校の卒業認定試験を受けて合格したらその発表と共に婚約候補者辞退の発表もする。
レティシアは、男爵家の事を教えてくれたお礼にカトリーナ嬢にこの事を伝えてあげなさい。どこよりも早く友人には伝えないとな、ミーナ嬢に伝えるかは任せるよ。
皆、時間が無くて大変だと思うが準備を頼む。」
「辞退の発表のお祝いには、素晴らしい衣装でいかないとね。皆、よろしくね。」
「はい、かしこまりました。」
幸せな空気に包まれているバレット公爵家。
レティシアは早速、カトリーナに知らせる手紙を書く。バレット家の執事に届けさせて手紙は持ち帰らせた。
「お兄様達、レティシア様の婚約候補者辞退が決定されたと、今レティシア様が知らせてくださいました。
ついに、レティシア様がやりましたわよ。私達ものんびりしてられませんわ。マリー嬢の事を理由にして、私の辞退申請もしてしまおうと思います。」
「やはりバレット家に先を越されたか。さすが、ハワード様だな。
アークお前も一緒に行って、カトリーナに口添えをしてやってくれ。」
「そうだね、早速行こう。カトリーナ。男爵家も逃げるみたいだし、カトリーナの辞退も申請した方が良いだろう。父にはレティシア様の事は伏せて説得するよ。」
アークとカトリーナは父ドレーブ公爵に会うと、マリーを養女にする前にカトリーナの婚約候補者辞退を申請するように説得する。
レティシアでさえ、まだ認められていないのにマリー嬢を養女にしてからカトリーナの辞退申請では遅い。カトリーナの辞退が認められないとマリー嬢の申請が出来ないのだから急いだほうが良い。
バレット家が認められていなんだから、こちらも出したところで認められないだろう。
愚図愚図してると、カトリーナの辞退が出来なくなるぞと、最後は脅すように言いドレーブ公爵はカトリーナの辞退申請を行う事にした。
公爵は権力欲の強い息子達がやっと自分の正さを理解できたとしか思わなかった。
こうして、ドレーブ家も婚約候補者辞退の申請を提出した。
おめでとうございます。レティシア様、ついにやりましたわね。次は私ですわよ。
カトリーナはレティシアに祝福を自分に渇を入れていた。
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