きっと

ルビー

文字の大きさ
2 / 25
第1章

1

しおりを挟む
  神社前、20時。そこには、ハルと、千秋と、もう一人待っていました。
「もう、遅い。待ちくたびれた。こっち、こっち。」
待ちくたびれた様子で、こっちといいながら、走ってくる千秋の浴衣姿は、17才と思えないくらい大人ぽいものでした。
「ごめんね。急いだんだけど、浴衣だからなかなか。あの人だれ。」
「えっ、覚えてない。1年の時、確かハル君と同じクラスだったと思うよ。引っ越しして・・・。昨日から、こっちに帰って来たから誘ったんだって、ハル仲良かったのに知らないの。」
鳥居の前で、ハルと、何やら話してる。
そのひとは、ハルと、同じく長身で色白で、透き通る清潔感に、あすなの心は惹きつけられました。
(ハルも、千秋も、知り合いなんだ。いったい誰なんだろう。1年の時、確かにハルと喧嘩して、口も聞かない時期があったから、その時の友達なんだ。)
「やっぱり、絵になるね、あの二人。どう見てもモデルか何かだよね。」
「うん。ハル、お待たせ。」
「やっぱ、女は、浴衣じゃなきゃ。あすな、すごく似合ってる。」
「ありがとう。」
「あすなも、知ってると思うけど、カイ。」
「初めまして、あすなちゃん。千秋ちゃん。昨日、こっちに帰って来たから、ハルに、連絡入れたら、祭りがあるからって誘われて、あすなちゃん、千秋ちゃんが、すごく大人っぽくなってるから、すごく照れるわ。僕は、二人とも、知っていたけど、たぶん、二人とも、僕のことは、知らないと思うから、だって1年の夏休みで転校したから。」
「そうだったんだ。」
「私は、知ってた。あの時から、私は・・・。あの時、A先輩にからまれていたのを、ハルと、カイに、助けてもらったんだよ。1年の時。」
千秋が、下を向いてつぶやいた。
「あれ、千秋ちゃんだったんだ。ハル覚えてるかぁ。」
「なんとなく。そんな事があったような・・・。」
「そのとき、すごく感謝した。ありがとう。」
「照れるなぁ。でも、かなり昔のことだから。そろそろまわろ。」
神社の境内に次々と、地車が入ってきてその賑わいは、4人にとって格別な、夏祭りになりました。

「ハル君、ジュース飲みたい。」
「お前らも、何か飲むか?」
「私は、いい。」
「おれも。」
千秋が、ハルを連れて行く。
「ちょっと、待っててね。」
あすなと、カイは、2人きりになった。
「何かする?」
「俺、金魚すくい。もし、俺が勝ったら、願い事聞いてね。」
「私が、聞ける範囲の事だったらいいよ。」
「俺得意だったんだ。これ。」
「私もたぶん、勝っちゃうかも。私も普通に上手いよ。私が、勝っても、願い事聞いてよね。」
「うん。」
2人は、もくもくと金魚すくいに熱中する。
「あっ。うそ。」
あすなのあみは、すぐに、紙が破れてしまう。
「あー、負けちゃった。」
「カイくん、もう、こっちで暮らすの?」
「卒業までは、こっちと思うけど。」
「仲良くしてね。よろしく。」
「俺のことは、カイって呼んでくれたらいいから。」
「カイ。21時になるとね、花火が上がるの知ってる?。私と、ハルの二人のとっておきの場所があるから、そこで花火見ない?」
「うん。何か興味ある。それって何処?」
それは、神社の近くの湖である。
「この近く。ハルと、子供の頃花火の日は、こっそりそこでみるの。水面に映る花火が、夢みたいに綺麗だから、私とハルの秘密の場所で終わると、蛍が花火の火花みたいで、すごく綺麗だからカイにみせたいの。」
「うん。あっ。金魚50匹かぁ。俺の勝ち。」
「何、お願いするの。」
「俺の、お願い叶えてもらうから。後でお願いするから。」
千秋と、ハルが、ヨーヨーを沢山持って帰って来た。
千秋が笑って、
「何ぃ、カイ君顔赤い。」
「カイでいいよ。」
「何か、金魚すくいでめっちゃ金魚もらったわ。」
「うわ。」
「千秋ちゃんか、あすなちゃんに、あげるよ。」
「あすな、確か家に金魚飼ってなかったっけ?」
「飼ってるけど、いいの?」
「うん。」
「千秋も、すごいね。ヨーヨー。」
「全部ハルが、取ったんじゃない?」確か、子供の頃上手と言うか、せこいと言うか、ハリガネのとこ持っていっぱいとってたよね。」
「あの技は、俺様だけのわざなんだよ。」
「笑えるでしょ。」
「そろそろクライマックスかも、行くかぁ。」
「うん。」
「行くって何処に。」
「いいとこにだよ。」
「私まだ、心の準備が。」
「何の準備やねん。千秋。」
「えっ。もう。」
「私の幼い頃から、花火の日は湖でハルとみてるの。」
「千秋は、エロいから。」
「もう。」
「千秋顔真っ赤。」
「行くぞ。」
4人湖に向かい誰も通らない小道を抜けると、湖についた。
「うわぁ、綺麗。何ここ。」
「あっ、花火。」
一面に広がる蛍と、花火が、夏の終わりの夜空に広がるのでした。
「毎年、見てるのに飽きないね。」
「うん。」
「ハル君ちょっと。」
千秋がハルを呼ぶ。
「ん。どうしたん。」
あすなとカイから離れた。


「なぁ、あすな、さっきの願い事してもいいか。」
「うん。」
「俺の、彼女になってください。」
「・・・。」
カイは、あすなにそっとキスをして、笑った。
「君が、生まれてくるずっとずっと前から、僕と一緒になる運命なんだよ。たとえ、何千人、何万人いても、僕は、あなたを探し出してみせる。絶対に・・・。」
この時、私は何も分かってなかった。
「あすなを大切にする。」
あすなは、無意識に顔を縦にうなずいた。
「俺のあすなや、俺だけのあすなや。」
あすなは、笑った。
(まぁ、いいかぁ。)
すると、カイの胸元にコインペンダントが光った。
(えっ、運命かも。)
と、あすなは動けないほどの衝撃を受けました。すると、向こうの方から、千秋が、走って来ました。
「ハルが、いない。」
「一緒にいたやろ。」
「ちょっと待っててって言われたから待ってたのに帰って来ないの。」
カイの、携帯が鳴った。

「すまん。足が泥濘にはまって、動けへん。」
すると、カイは、
「そこにいとけ。今から行く。」
あすなは、カイの男らしくハルにないものを持っている気がして、どんどん好きになるのでした。
湖の中に、ハルトはいました。
「何でお前そんなとこおるねん。」
「足挫いて、動けない。早く引っ張ってくれ。」
「俺が助けに行くから、もし、俺もハルみたいになったら、人呼ぶんや。わかったな。」
2人が見守る中、カイは、湖に入って泳ぎ出した。
「びっくりしたか。これが俺様の呼び出し方や。2人イチャイチャしてるからなっ。」
「お前。このヤロー。俺をだましたな。」
どう見ても、2人は、湖で遊んでいる。
「私たち、子供の頃花火を見た後よく泳いだなぁ。」
あすなが思い出に浸っていると、
千秋が、
「私、ハル君が好き。」
「えっ。うん。さっき、カイと付き合ってほしいって言われた。私、カイと付き合う事にしたから。」
「私、がんばるから。」
千秋の目が本気さで固まってしまいそうになるのでした。
「うん。」
2人が、湖から上がってくると、
「気持ちいいやろ。」
「はぁ、騙された。」
「俺と、あすなが子供の頃から、花火の後は、泳ぐんや。」
「・・・。」
なんか、2人の間の月日は、他の人にはきっと理解できない何かありそうな気がしてきました。
「お前のせいで服がびしょびしょになってしまったなぁ。」
「あすな帰るぞ。」
最後の仕掛け花火が終わり、湖は、ホタルの光でいっぱいになりまるで神秘の世界にいる気がするのでした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

乙女ゲームの正しい進め方

みおな
恋愛
 乙女ゲームの世界に転生しました。 目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。  私はこの乙女ゲームが大好きでした。 心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。  だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。  彼らには幸せになってもらいたいですから。

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

サトシ先生は美しき十代の乙女に手を出さない

白神ブナ
恋愛
高校一年一学期から三年三学期まで続く長編です。気になるサブタイトルを見つけて途中からでもお楽しみいただけます。 女子校あるあると、先生あるある、受験あるあるを描く学園恋愛ドラマ。 佐藤サトシは30歳の独身高校教師。 一度は公立高校の教師だったが心が折れて転職し、私立白金女子学園にやって来た。 一年A組の受け持つことになったサトシ先生。 その中の一人、桜井美柑はガチでサトシ先生に恋してしまった。 サトシ先生は、桜井美柑という生徒の存在を意識してしまいつつ、あくまで職務に忠実であろうと必死に適度な距離を保とうとするが……

盗み聞き

凛子
恋愛
あ、そういうこと。

処理中です...