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38話 冒険者登録8
しおりを挟む「はい、ですが、四ノ宮さんは講義を受けなくていいので、今日受けるべき物はもう終わりです」
「え!?俺って講義を受けなくていいんですか?試験監督の冒険者からは講義を受けると聞いたのですが」
突然のことで驚いてしまい、少し声が大きくなってしまった。
「そうですね、普通の方なら講義を受けていただかないといけない規則になります」
「ではなぜ?」
「それは、四ノ宮さんが冒険者図書館の常連さんだからです」
「はい?」
理由を聞いても全く意味が分からなかった俺は、変な顔をしてしまったのだろう、それを見て坂口さんはまた微笑む。
「ふふ、四ノ宮さんは冒険者図書館をよく利用してくれますよね?」
「どうでしょう?よく利用しているの基準がわからないので、なんとも言えませんが、1ヶ月に数回ですが、利用はしますね」
「それでもよく利用していると言えますよ。四ノ宮さんは冒険者図書館を初めて利用する際、図書館入館許可証というものに、色々と記入しましたよね?」
俺は、初めて冒険者図書館を利用した時を思い出す。
(そういえば、何か渡された紙に、名前とか住所を書いた気がするな)
「図書館入館許可証かどうかは分かりませんが、確かに、紙に記入した覚えがありますね」
「その入館許可証を作ると共に、冒険者ギルドのデータベースに翔さんの名前が登録されました。そして、その後何回利用したのか、どんな本を読んだのかなど、多くのことが四ノ宮さんのデータベースには載っています。そのデータを拝見させて頂いたところ、翔さんは、講習を受けなくても問題はないと判断されましたので、講習を受けなくていいんですよ」
そこまで説明されて、なぜ俺が講習を受けなくていいのかがわかった。
(それにしても、何回来たかはなんとなく分かるとしても、何を読んだのかまで全てを把握されているとは驚きだな。一体どんなシステムだ?)
そんなことを思ったが、何か特別なシステムかもしれないため、あえて聞かないでおいた。
「では、このまま俺は帰ってもいいってことですか?」
「はい、お帰りいただいても構いませんし、装備を整えていただくでもいいですし、ダンジョンに潜っていただいても構いません。先ほどお渡しした、冒険者の証明となるプレートを、ダンジョン前にいる方にお見せすれば、問題なく入る事が出来ますから」
「そうですね、では色々と見てまわりたいと思います。今日はありがとうございました」
「いえ、四ノ宮さんのお手伝いができてよかったです。これからのご武運を祈っています」
そういって坂口さんは、ニコッと笑った。
「ありがとうございます」
お世話になった坂口さんの元から離れた俺は、まず武具屋を見ることにした。
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