塔の中の小鳥

アオ

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私に出来ること。
私がここの土地を利用し何が一番早く成果が出るのか、
地形や植物、気候、人口をふまえ考えた。

まず、この土地の地図を広げてわかりうる情報を書き足していった。
人々の集落、畑の状態、生活状況。
それから土の状態を四季ごとにわけてみた。
ここの土地バーパスは国の北側にある。北側の国境近くを3つの伯爵家が守っていた。
あと2つの伯爵家とは、はっきり言って親族のような関係だった。
お互いの家に行くには馬車で2週間ほどかかる距離だったけど
年に一度は顔をあわせ1週間ほど家族ぐるみで一緒に過ごしていた。
まだ、裕福だった頃に向こうが自然災害で穀物が育たなかった頃助けたり、
今回父が助けを一番に求めたのもこの2つの伯爵家だった。
一つの伯爵家はオリオン家。レオと同じ歳の女の子がいるオリオン家は海に面しており
他国との貿易が盛んな領土だった。海に面してる為、海の幸が豊富で活気が満ち溢れている。
もう一つがサージュリー家。私より4歳年上のショーンが後継になるべく勉強中で色んな土地をまわり、
私はここ数年彼をみかけていなかった。忘れた頃に手紙で元気そうな内容と
その土地で見つけた図書を送ってくれて私はそれがとても楽しみだった。
幼い頃から私が好きそうな物を見つけてくる彼は兄のようにしたっており、
引きこもりの私も彼が遊びにきた時は一緒に楽しく過ごした。
父が亡くなった時は海を渡っており、きっと知らせは数ヶ月後に知ることになるだろう。
知ってたら一番に力になってくれただろうな。
でもこればかりは人に頼ってばかりはいられない。
おじ様は私にはとても優しいけど、
伯爵家としてとても誇り高く厳しい方だった。北の要として
軍の束ねており私から見ると一つの国家と思える程だった。
うちは同じ伯爵家といえど軍すらないというか、警備するものがいないものね。
父があまりにもゆるい性格なせいか、民もゆるい感じで
ここ数十年は争い事もほとんどない。
同じぐらいの土地を所有してるのに
びっくりするぐらい民度が違っていた。
でも私はこのゆるさが好きだ。
今回、今まで引きこもりだった私が急に後を継ぎ農民にあれこれやってもらったけど
誰もが協力的だった。だから私ももっと成果が出せるように頑張りたかった。

図書館に黒板を運び入れその上に私は巨大な地図を貼り付けていた。
一番自分が冷静になれてわからないことがあればすぐに調べられるようにし、
我ながらいい考えだと思った。
立った状態で書き込んだりしてる上にメモ付けて
ピンで貼り付けていた。
所狭しと書き込んでしまった為少々見づらい。
一応、疑問点は赤で書き、するべきことを優先順位をつけ番号をふっていた。
一番に書いていた川問題は先日解決した為、二本線を上からひいた。

一つ解決。
うーん、後はなぁ、今からでも確認したいんんだけど私一人ではちょっと厳しい所。
引きこもりだった私でも行けるかな。
どうしようかと、手を顎に当てて考え込んでいたら後ろのドアからノックが聞こえた。
いつものようにジョンが探しに来たのだろう。
「どうぞ~、ねえ、ジョン。私これから白金の森に行こうと思ってるんだけど一緒に行ってくれない?」
「白金の森?そこには何があるんだ。というより、これは....」

ジョンよりずっと低い声に驚いた。
びっくりして振り向くとそこには軍服を着た殿下とオリバー様がびっくりした顔で
地図を眺めていた。
私の方がびっくりですよ。心臓に悪いったら。
朝食を食べ終わって少し用事があると言って下がったから
てっきり領土を見に行ったのかと思ってたわ。
しばらく帰ってこないと思ってたから髪も軽く編み込みで一つにまとめてただけだし、
服も直ぐに外に出れるように動きやすい軽装だった。
恥かしくて思わず下を向いてしまった。両手でスカートを握りしめてしまった。

カツカツとブーツが音を立てて私の横に来た。
綺麗に磨かれてるけど使い込んである靴だった。
皮の色が深い味わいがあって大事にされてるのがよくわかった。
「これは誰が書いた物なんだ?」
頭の上から声がした。怒ってる様子はない。私はひたすら殿下のブーツの爪先を見つめていた。

「わ、私です」
「なぜ地図に?」
確かに地図をこうやって使う人はいないだろうな。軍ではテーブルに広げて
話あうことはあってもゴチャゴチャかくと地形が見づらくなるので線を引いて
距離を測る事はあっても文字は入れない。
「領民の生活状況をふまえ土地の状況など情報を整頓するために書き込んでしまいました」
怖くて顔を上げれないけど殿下が動いていないという事はまだ地図を見ているのだろう。
「しかし、君はあの膨大の資料をかいたのだろう?」
「あ、あれは人に見てもらうためのものであってこれは私のためだけのものです。
整頓しておかないと直ぐにあれこれ考えちゃって優先順位がわからなくなってしまうのです」
頭の中に近い物をジッと見られてるのがたまらなくなり声がさっきよりも小さくなる。
オリバー様は私の後ろに立ち
「なるほどねー」
と呟いてた。
「じゃあ、短期間に一人でこの地図に書き込んであの資料を作って君は一体いつ休んでいたんだ?」
「いつ、でしょうか?」
ハハッと、笑ってごまかすように顔を上げた。視線はぶつかることなく、
陛下はまだ地図を眺めていた。
正直、そもそもがあまりちゃんと休みを取る方ではない。
毎朝のように図書館で居眠りしてたし。
私の疑問形の返しに大きくため息をついた殿下は眉間にしわが。
あ、やっぱり呆れますよね。はは。
「あ、でも今日はたくさん寝ました。久しぶりにベッドで寝たのでぐっすりです。大丈夫です!」
私が話すとどんどん眉間のしわが増えてるような気がするけどこれは気がついちゃダメなやつだ。
その顔でこっちを見られ泣きそうになってきた。
「で、先程の白金の森というのはどこだ?」
「ええと、それはここです。この城からほんの数キロ先なんです」
地図で、この城から森に向かって指を指した。
殿下は私が指したところを見て
「わかった。私が一緒に行こう」
と提案してきた。
「へ?」
びっくりして声が漏れた。なぜ?
「私も行って状況を把握したい。そのために来た。なにか必要な物はあるか?」
ああ、そうか。そうでしたわ。
すっかり忘れてました。殿下がここに来た目的を色んなことがありすぎてすっかり頭の隅っこにいってしまった。
一瞬、考え込みあることを頼んだ。

「それならばもう一人ぜひ一緒に行っていただきたい方がいます」

あの方がいればきっとなんとかなるかも!

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