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2章
3
しおりを挟むベルとともにテラスのテーブルについた。
ニコにお茶セットをもってきてもらう。
その間もベルは下を向いて黙っている。
「どうぞ」
私は紅茶を入れたカップとソーサーをベルの前に置く。
ここにきてからニコにいれ方を教えてもらって
今ではすっかり上手に入れられるようになった。
以前は紅茶なんかティーパックのものしか使ってなかったし、
そもそも紅茶をあまり飲んでなかった。
麦茶はまとめて作って学校に持っていったりしてたけども。
「で、具合はよくなったんですか?」
「・・・・・」
やっぱりだんまりですか。
「お花可愛かったでしょ?ベル姫に似合うとおもって・・・・」
「なんで私をせめないの?」
私の言葉に重ねるように訴えてきた。顔をあげたベルは瞳いっぱいに涙を溜めていた。
「なんでって、その前に私があなたにいやなことしちゃったんでしょ?」
「・・・・・・・。」
「どうして嫌いなのか考えてみたけどわからないの。理由を教えてくれる?」
「・・・・・・・。」
ダンマリか・・・。
必死に涙を我慢してるけど今にも溢れそう。
「もしかしてロンが関係する?」
「・・・・・・・。」
ベルはまた下を向いた。その拍子に涙がポロポロとこぼれ落ちた。
「ボソボソボソ・・・・。」
「え?」
「兄様をとった・・・・。」
やっぱりか。そうだよな。大好きなお兄ちゃん取られたって思ったんだよなぁ。
「ハリーもとった。」
ハリーはただ遊んでるだけだよ?つか鍛えてるんだよ?
「自分だけ動物達と話してるし・・・・。」
それは自分でも不思議だけどさ。
「私とは話してもくれないし・・・・。」
もしかして、かまってほしかった?自分だけ相手にされなかったことを怒ってるの?
か、かわいい~!!私、今までツンデレとかあんまり興味なかったけど
美少女にやられるとこんなにたまらんものなの?
うわ~。たまらん。
思わず、ベルのところにいって抱きしめてしまった。
「な、なにするのよ!!私はあなたが嫌いっていってるのよ!!」
真っ赤になって抵抗している。ううう、かわいい・・・。
たまらんわぁ。いいわぁ、美少女・・・・。ツンデレ・・・・。
「うんうん、わかった。わかった。」
もっとぎゅーっと抱きしめて頬ずりしちゃったわ。
「何もわかってないじゃない!!」
「う~。かわいいなぁ、もう。」
耳まで真っ赤になっている。
抱きしめながらベルに話した。
「とったとかじゃなくってさ、お姉さんが出来たって思ってくれるとうれしいなぁ。」
「姉様?」
「そう、男の人とたちには話せないこととか沢山話せるようになりたいな。あなたと。」
「たくさん?」
「そう、いーっぱい。ね。私も妹ほしかったんだ。」
いつも家に帰るとひとりぼっちだった私には憧れだった。
「ヒナタ、兄弟いなかったの?」
「うん、兄弟どころか、両親も死んじゃったの。だから、ずっと一人ぼっちで暮らしてたんだ。」
こっちに来て今まで誰にも話してなかったひなたの家族の話。
「一人ぼっち・・・・。」
「うん、友達はいたけど家では誰もいなかった。
だから、ここに来てたくさん家族が出来たみたいで
すごく嬉かったんだ。」
私の話にじっとおとなしくなっているベルの髪を優しくなでた。
「ベルにはなかなかあえなかったからね。ごめんね。私からちゃんと会いに行けばよかったね。」
頭をなでられ急に下を向いたベル。
「どうかした?」
と顔を覗き込むとベルは泣いていた。
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
何度も謝りはじめ戸惑った。
「私だけのけものにされたみたいでさみしかったの。
だからこっち見てほしくってたくさん嫌がらせしちゃったの。
私、すごくいやな子なの。」
「確かに悪いことたくさんしちゃったね。
でも、悪いことしながらも心が痛かったでしょ?」
大きくうなずく。
「それにもう二度とこんなことしたくないでしょう?」
大きくうなずく。
「じゃあ大丈夫よ。うん、あなたはいい子だわ。
ちゃんと自分が悪いことも反省できるしごめんなさいもできる。
これってなかなかできないことなんだよ?」
そうやってベルの頭をよしよしとなでた。ベルは大声で謝りながら泣いた。
ふと気がつくと動物達がまわりに来ていた。
犯人はベルだとわかってた。だから心配してきたのだ。
「もう泣かないで。ほら、あんまり無くと彼らが心配しちゃうよ。」
「? あ・・・・。」
いつの間にか、動物達に囲まれていたのに気づき驚いている。
そして見る見るのうちに喜びの顔と変わっていく。
「みんなね、ベルを心配してたんだよ。」
「ほんとう?」
「うん、ね、みんな。」
そうみんなに話かけるとみんなうなずく。
「すごい、ヒナタ、ほんとにみんなとお話できるんだ。いいなぁ。」
「大丈夫よ、あなたもすぐにみんなとお友達になれるよ。」
そういってたら小動物たちが足元に来てくれた。
「だっこしてもいい?」
上目遣いにお願いする姿は鼻血が出そうなぐらいに可愛かった。
「どうぞ、やさしくね」
「うわぁ。あたたかい・・・。」
みんなに触れられてベルは心から笑っている。こどもはやっぱり笑わないとね。
王族とか堅苦しいことばかりじゃかわいそうだ。
ふと、ロンのことを思い出した。
彼は大丈夫だろうか?
まだ、若いのに王様になってしまった彼にとって安らぎはあるのだろうか?
私とさほど年も変わらない彼の顔がなぜか頭をよぎった。
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