普通の女子高生が異世界に行っても魔法は使えませんがたくましく生きます。

アオ

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2章

8

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 暗い暗い地下室で再び明かりがともる。
 祭壇の前にはこの世界のものではないものが置いてある。
 青い光とともに円陣の中から人が現れた。
 その人物はまとっていた黒いローブをため息をつきながらとる。
 そしていつもの衣装に着替えると何事もなかったのように王宮の中にとけこんだ。


 「う~ん、ないなぁ」
 いつものようにしまったはずだけど。カバンやら机の中を探しても見つからなかった。
 最近、使ってないからいいんだけどさ。
 ここでは必要ないものだけどあれがないと・・・・なぁ。

 「どうしたの?」
 ベッドの下を覗いていたらニコが来た。
 「う~ん、探し物をネ。」
 ここにもないか。外かなぁ。探しに行くか。
 「どんなもの?一緒に探そうか?」
 「大丈夫。ニコは仕事してて。私ちょっと外に探してくる」
 そう言って廊下に出た。
 最近お気に入りの噴水のところに来てみた。
 ここにもない・・・・。か。そりゃそうだよな。持ち歩いてないもん。

 実は数日前から携帯がなくなった。
 こっちにきて携帯なんか意味がないものだけどなくなってしまうと途端に不安になってしまった。
 なぜか、電池が切れないからディスプレィは見ることができた。
 携帯の中にはたくさんの友達との写真。くだらない毎日がたくさんつまっている。
 そのときは当たり前だったけど、今じゃあ隣にいない友達。
 夜、さみしくなるといつも眺めていた。
 最近は、こっちの世界にもなれて見る回数が少なくなってきてた。
 奈美を思い出さなくなった罰が当たったのかな。
 奈美の怒った顔を思い出す。普段、冷徹だから怒ると般若みたいにこわいのよね。
 奈美、あいたいなぁ。もう、私のこと忘れたかな。
 向こうの世界のことを思い出すととたんに不安でたまらなくなる。
 自分は帰れるのだろうか。この先、どうなるのだろうか。
 何となく毎日が過ぎていってしまってるのに何もしていない私はどうすればいいのだろうか。
 空を見上げると青空が広がっている。見た目は、自分がいた世界と変らないのに・・・・・・。
 「ヒナタ?」
 後ろから急に抱きつかれた。
 どうして、この人は私が不安になると出てくるのだろう。
 「消えていなくなるかと思った。」
 そう彼は耳元でつぶやいた。
 彼の腕のぬくもりは心の芯から温まる、不思議な熱をもっているようだ。
 私の中の不安が嘘のように消えていく。
 トクトクトクトクトク・・・・・・。
 彼の心臓の音が心地よく、心が安らいでいく。
 ずっとこうしていたいな。
 そう思い始めた矢先、
 「ヒナタって意外と胸あるんだな。」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 抱きしめられていた両腕をしっかりと握り自分の身を一瞬でかがめて・・・。

 ロンは綺麗に宙を舞いました。綺麗に技が決まって気分が良いよ。
 でも悔しいことに綺麗に着地してた。
 まったく、このスケベ男が。運動神経は抜群にいいらしい。
 「いったぁ。オレをこんなに投げ飛ばせるのってヒナタしかいないぞ。普通、加減するから」
 「痴漢相手に手加減はしません」
 ロンはひどいなぁとぼやきながらも笑っていた。
 あれ、もしかしてわざと投げられた?私を元気づけるため?
 「ロン、ありがと。大丈夫だよ?」
 一瞬、びっくりしたけど微妙な表情に。
 「こんな時は鋭いのに、なんで肝心のときは鈍いのかなぁ」
 そんなことをぶつぶつ言っている。
 失礼な。こっちに来てみんな私のこと鈍い鈍いって言うけどさ。
 向こうじゃ、いつでも気が利くほうだと言われてるのよ。
 ちゃんと一人暮らししてたし、
 むしろ学級委員とか、生徒会とかやって人のお世話してたぐらいだから。
 「でも、恋愛のほうは鈍いって言われなかった?」
 うう、痛いところを。そうだよ、女子高生だというのに彼氏の一人二人もいなかったわよ。
 友達がどんどん彼氏できてるのにできないって叫んでたら女子力は低いわ、鈍いわ、駆け引きできないわで
 できるはずがないって笑われてた。
 おっさんって言われてたもんなぁ。。。おっさんじゃあ彼氏できるの無理だよなぁ。
 いつの間にか私のすぐ目の前に立っていたロンは私の顔を覗き込んだ。
 「こんなにいつもいつも近くにいるのに何も感じない?」
 深い深い青い瞳に見つめられると動けなくなってしまう。
 まるで魔法にかかったみたいに動けない。
 動けない私の頬を優しく撫でるロン。
 「オレが触っても何とも思わない?」
 思わないわけないでしょ!めっちゃドキドキしてますよ!!
 優しく触られることがない私には免疫がないよ!
 頭のてっぺんがパッカリ割れて心臓が飛び出てもおかしくないくらいよ!
 ロンは意地悪な顔でなく、甘い顔してまだ私の頬を撫でる。
 指先がまた私の顎を上げた。怖くって目を瞑った私にクスリと笑って二度目のキスをした。

 


 
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