【完結】はじめてできた友だちは、好きな人でした

月音真琴

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02.お昼の戦い

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 いつもお昼のお弁当は使用人が作ってくれるのだが、辞めてしまった以上、それまでは自分でどうにかしないといけない。
 学校には、購買部がある。そこで昼食を買おうと思い、購買部の前まで来て、皇祐は途方に暮れた。

「……これって、買えるのか?」

 昼休みの鐘が鳴ったと同時に、みんな即座に購買部へ急ぐ。中には、授業が終わる前に、教師の目を盗んで抜け出す人もいた。

 そんな人たちを不思議に思っていたが、いざ自分が当事者になればわかる。ゆっくりとした足取りで購買部に向かったのが間違いだった。既に人だかりができていて、ものを選ぶのも厳しいように思えた。

 だが、躊躇している余裕はない。昼休みの時間は限られているのだ。早くお昼を買って、次の授業が始まる前に食べてしまわないといけない。

 皇祐は、その人だかりの中に足を進めてみることにした。
 何とか中には入ることはできたが、今度は人に押されて、身動きが取れなくなった。前に進むことも、後に戻ることもできない。

 高校生男子の平均身長よりもだいぶ低い皇祐は、体型も細身で小柄だった。だから、すぐに人混みに飲まれてしまうのだ。

 たくさんの人がぶつかり合い、押し潰されそうになっていた皇祐が、人と人の隙間を見つけて、どうにか手を伸ばした。何でもいいから、指に触れたものを掴んでみる。
 袋に入ったパンらしきものが、二袋も手にできた。それを大事そうに胸に抱き、店員にお金を払って、地獄のような場所からようやく脱出する。

 ほっと息をついた皇祐の姿は、制服だけじゃなく髪も乱れていて、ひどいありさまだ。学生らしく短い髪型ではあったが、前髪だけは少し長めで、こだわりを持っていた。
 父親には、短髪でいることを言いつけられているから、見つからないようにするのが大変だった。

「明日は、学校来る前に買ってこよう……」

 そう心に決めて中庭に向かおうとしたら、大声を上げて騒いでいるのが聞こえてきた。何ごとかと思って声のする方に視線を移せば、男が購買部の店員と何やら揉めているようだった。
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