《異世界》物語~称号が強すぎてヤバい~

たまプラ

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10.服は必要!鎧も必要!

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それから俺とラティはお婆さんに連れられ、体を洗いすっきりとした気分になる。
ラティには年相応の可愛らしい装飾の服。俺には黒を基調とした落ち着いた服を用意していただいた。それ以外にも日々の生活で必要のある下着など色々と用意して貰った。代金は驚くほど安く、値段を聞き直してしまったほどだった。
お婆さんは「こんな婆が作ったものなんかそんなに高く値段をつけたらどれも買ってくれないよ」と言っていた。
俺は申し訳なくなって、値段よりも高い金額を払った。
お婆さんは受け取れないと言っていたが、感謝の意味も含めてと言って渡しておいた。
「ありがとうございました、またお世話になるかもしれません」
と告げると
「そうかい、必要ならいつでも来ておくれ」
と笑顔で見送ってくれた。



次に必要なもかぁ、そこまで重装備じゃなくていいから鎧も必要だよなぁ。そんなに高いやつじゃなくていいか…。まず見ないことには始まらないな。
「ラティ、おんぶしてもいいか?」
「うん…」
ラティに合わせていると少し遅くなりそうなのでおんぶしていくことにしよう。
「よし、いくぞ!」
ラティをおんぶして足早に防具屋へと向かった。
ラティは少し恥ずかしそうだったが、そこには触れないでおこう。


「まじかよ…」
防具屋に着いたはいいが…
閉店の2文字。そりゃないぜ、なんて思ってても仕方がないので別の目的をこなす為に踵を返す。すると、ギィィという重々しいドアの開く音と同時に「待ってよお兄さん」と声が聞こえた。その場に立ち止まり、後ろに振り返る。
ドアを開けこちらを見ている赤髪でショートカット、目は大きく、ミニスカートと制服のようなものを着た見るからに可愛らしい女の子が立っていた。
つーか可愛すぎかよ、やばくないか?この子まじでかわいいな!!でもラティには敵わないけどな!
「お兄さん防具買いに来たんでしょ?」
その子はこちらに歩み寄りながら笑顔で聞いて来た。
「あぁ、そうだったんだが閉店らしいから帰ろうと思ってね」
とおんぶしていたラティを降ろしながら無駄に爽やかな笑顔で返す。
ラティは相変わらず俺の後ろにくっついている。
あぁ、ラティ可愛すぎるよ!
とまぁラティの可愛さはやばいんだがそれを顔に出すと色々まずいので抑えておこう。
「うん、本当は閉店だったんだけど、店の前で落ち込んでたのが丁度見えたから声かけようと思って、あ!自己紹介まだだったね、私はこの防具屋の店主のフローラ!よろしくね!」
そういってフローラは握手を求め、手を差し出して来た。
「俺はユラで俺の後ろにいるのが妹のラティ、よろしく」
差し出された手を握りお互いに握手をする。
いやー女の子の手って柔らかいですなぁ、うん。
と若干変態気味だが仕方ないから触れないでくれよ?
握手をした手を離し、後ろに隠れてるラティを前にやり挨拶をするように言う。
「ラティです…」
顔が赤くなって、すごく照れているのは一目瞭然。
まじ天使!やべぇよ!
「よろしくね!ラティちゃん!」
フローラはラティの目線にしゃがんで頭を撫でながら笑顔を向ける。
ラティは照れつつも隠れようとしないあたり、さすがは女の子同士といったところかと思い、ガイアさんが少し可哀想に思えた。
「そうだ!防具買いに来たんだよね?中に入って!」
そういってフローラは俺とラティを中へと入れた。

中は防具が沢山並べてあった。
ものすごい数で、軽装な防具からめちゃくちゃゴツゴツの防具までその種類は様々。
「どんな防具を探してるの?大体のものはここに揃っていると思うけど」
「そうだな…今着てる服の上から着けれて、且つ動きの邪魔にならないような軽いやつがいいな」
と大まかな要望を伝える。ただ、軽すぎると防御面に不安が出てしまうから、その点も考慮しなくてはならなくて、重すぎると動けなくなるからやはり防具選びは大変だと改めて思う。これがゲームならそんなこと考えずにガッチガチに固めるんだけどなぁ。
「んー、軽い防具ねぇ、軽いとなると皮製なるけど」
と言いながら差し出した防具は肩と胸を守る事の出来るタイプで軽さはとても軽い。
「軽いな、でも防御面どうなんだ?」
「そうね、軽くするとどうしても弱くなっちゃうのは仕方ないと思うけどないよりはましだと思うわ」
ないよりはましね…てことはなくても変わらないじゃん?
「あ、そうだ!一つあったよ!」
そう言うと奥の方へと走っていった。
なんだ?その後ろ姿を黙って見ていた。
ラティは椅子に座りながら壁に寄りかかって寝てしまっている。ラティの横に静かに座り頭を撫でる。
「今日の朝まで牢屋に入れられて大変だったのにこんなに連れ回したらそりゃ疲れるよな…ごめんなラティ…」
「ん…ゆら…」
突然名前を呼ばれ驚く。
起こしちゃったかな?顔をのぞいてみる。
なんだ…寝言か、起こしてなくてよかった
椅子から立ち上がったと同時にフローラが
「あったよ!これ!」
と言って布に包まれた物を持ってきた。
「なんだ、これ?」
布のに包まれてるからよくわからんな、なんだこれは
「これね昔おじいちゃんが作った物なんだけど」
といいながら布を取り、中に包まれていたものを広げる。
中には防具が包まれていた。
「軽くて性能も良い優れものよ!」
そう言いながら誇ったような顔をする。
「へぇ、フローラのおじいさんはすごいんだな」
と普通に関心して、顎に手をやりながら見つめていた。
「そうなの、おじいちゃんはこの帝都一の甲冑師だったのよ」
なるほど、だからこんなにすごいものを作れたのか。
「これ、あげるわ」
自分の耳を疑った。
今くれるって言ったよな?なんでなんだ?え?怖いんだが?
「金はいいのか?」
頭の中では非常に混乱しているのに口から出た言葉は意外にも冷静なものだった。
「うん!ただしラティちゃんを連れてまた来てよね?それが条件よ」
見た目も可愛いのに器もでかいのか。
だが、実際金はあまりある方じゃないから大助かりだ。
「ありがとう、それじゃまたラティと来るから」
ラティを起こして、そう言い残し店を出る事にした。
外に出て歩いていると大声でばいばーいとフローラが手を振っていたのでラティに手を振らせておいた。





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