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貴族学園を卒業すると、オメガの中にはそのまま結婚するものも居て、家督を継がない予定の子息は王宮に勤めるものもある。
宰相子息のアーノルドも王宮で事務官として勤めており、時にはクリス殿下とリンと、三人で昼食やお茶を共にすることがある。
アーノルドとも幼馴染であり、彼は優秀だが口が悪い。目上のものにも臆せず意見をいうから、もう少し敬語と駆け引きを会得すれば次期宰相間違いなしと言われている。
「リン。また徹夜したらしいな」
「アーノルド。マリーさんから聞いたの?」
「誰でも良いだろう。それより徹夜は体に良くない。ちゃんと帰れよ?それと真っ黒装束で塔の個室に籠っているのは、王宮の職員が怖がる。変人扱いされるぞ」
「まあまあ。でもリン。本当に体に良くない。きちんと帰って休んで。疲れて帰れないなら、送って行くし、私の部屋に休みにおいで」
「コラ、殿下。聞き捨てならないですよ。未婚のアルファとオメガでそれはダメでしょう。婚約してからにしてください」
「ああ。それはそうだが。私は同意無く手を出したりはしないよ」
「殿下の理性は信頼しているが、人目があるからですよ。早く婚約してしまえば良いのに」
リンは、クリス殿下が婚約するとは知らなかった。そうなると今後はあまりこうして話したりお茶をすることも無くなってしまうのか。卒業してやっとまたお話することが増えて嬉しく思っていたのにと、悲しい気持ちになった。
「婚約?クリス殿下、どなたかと婚約されるのですか?」
「はぁ…」
アーノルドがなぜか頭をかかえている。リンは不思議そうにめをぱちくりと瞬かせた。
「ふふふ。気長にね。まだだよ?外堀は埋めていってるんだけど、伝わらないんだ。私には魅力が無いのだろうか?」
「殿下はとてもお優しくて思慮深くて素晴らしい治世をなさると思います。お話もお上手で楽しいですし、とても格好良くて素敵です」
「ありがとう。嬉しいよ」
「はあ。天然記念物…」
「?何?アーノルド何か言った?」
「いや」
(クリス殿下が結婚されてしまったら、もう色々お話出来ないのかも。悩んでいてもこのままの僕で良いよなんて、他の誰も言ってくれないだろう。自分で乗り越えないといけない。僕は殿下のご結婚をちゃんと祝えるのかな。悲しくなりそうだ)
リンは、自分がクリスの妃になり得る事も、クリスを好きな事も自覚していなかった。アーノルドは、友人として二人の進展を強く応援していた。早く婚約が成されれば良いのに。
陛下や宰相である父も、リンの父である伯爵も、皆クリス殿下の気持ちをわかって二人の婚約を了承しているのだ。あとはリンの自覚だけだった。
そんな折、王国の辺境に黒い瘴気と魔物が出現した。まだ魔物が少ないうちに、討伐しなければならない。
騎士団のうち、魔術に長けたもの、魔力の多いもの、そして、力の強いものを中心に討伐隊が結成された。アーノルド、クリス殿下も参戦し、魔術師からも、数人が派遣されることになった。
「所長さん。僕は行けないんですか?」
「はい。リンさんはダメです。攻撃魔術と防御魔術の強い二人を派遣します」
「うぅ。僕も国の役にたちたいのに」
「それなら魔道具で何か役に立つものは?」
「あ!有ります。防御シールドが波みたいに増幅しながら広がる装置。実践で使ったことは無いんですが、持っていって貰って良いですか?あと、以前に作った馬車や馬を早める魔道具は量産されているので、集めておきます」
「そうですね。うちの魔術師に持たせてみましょう」
すぐに出発することになっている。王宮で簡単な壮行会という名の陛下からの激励の挨拶だけが為された。
リンも会場に行って、同僚の魔術師達に道具を渡して説明し、アーノルドとクリス殿下にも話しかけた。
「殿下、お気をつけて」
「ありがとう。私は攻撃魔術が得意で剣も鍛えている。大丈夫だよ」
「アーノルドも気を付けて」
「ありがとうな、殿下を守るからリンは待ってて」
「帰らないで王宮にいるね」
「それなら私の部屋に居て欲しい。塔のリンの部屋には休める所が無いだろう?私がいない時間なら良いよね?アーノルド」
「そうですね。殿下の私室であれば設備も安全性も保たれます」
「わかりました。クリス殿下の私室にお邪魔させて頂くことにします」
リンは、出立を見送るとクリスの私室を訪れた。クリスとアーノルドが王宮職員に伝えてくれていたので、リンのための軽食や飲み物、着替えも届けられた。
皆の心配と自分が役に立てないことのもどかしさから食事はあまり進まなかった。でも体を壊したら余計な心配をかけるからとなんとか少しは食事して、水分も取った。
リンはふらふらとクリスの寝台に向かっていた。とても優しい暖かい香りがする。落ち着く芳香に誘われ寝台に横たわると、枕の一つを胸に抱いた。不安で涙が出そうだった。
夜になり、浴室も借りて着替えると、リンはクリスの寝台で休むことにした。何時間待てば帰るのか、見当がつかない。眠って体力を温存していないとしっかり出迎えられないし、何かあっても動けない。幸い発情期はまだで籠る必要もない。なんとかクリスの残り香を嗅いで気持ちを落ち着かせて眠りに落ちた。
翌朝、リンは起床して着替えると持ってきて貰った軽食を取った。何か情報がないか、始業時間が来たら魔術師塔に行って所長に尋ねてみるかと考えていた時。
「リン様、失礼いたします」
ドアをトントンと勢い良く叩いてクリス付きの侍従が入ってきた。
「どうされましたか?」
「伝令が先に参りまして、もうじき殿下がお戻りになられますが、大変な事態のようでございます」
「大変?何かお怪我でも?」
「はい。瘴気と魔物は退治されたのだそうですが、魔物が消滅間際に放った黒魔術が殿下に当たってしまわれたそうです」
「えっ!?どんな魔術でしょうか?殿下は御無事なのですか?御容態は?」
「それが。到着して医師団と魔術所長の診断を待たなければ何ともわからないようです」
「そんな…」
「アーノルド様が後程リン様にご説明されるまでこちらで御待ちくださいませ」
(どうしよう。殿下に何があってどうなったのか。心配で仕方ない。殿下がいなくなってしまったら。僕も生きてなんていけない。僕は殿下が好き。大好き。どうしよう。こんな時になってわかった。それに自分のことなんか。今は殿下のご無事を祈るしかない。神様お願いします。僕はどうなっても殿下をお助けください。代われるなら僕がその魔術を引き受けます。どうか…)
宰相子息のアーノルドも王宮で事務官として勤めており、時にはクリス殿下とリンと、三人で昼食やお茶を共にすることがある。
アーノルドとも幼馴染であり、彼は優秀だが口が悪い。目上のものにも臆せず意見をいうから、もう少し敬語と駆け引きを会得すれば次期宰相間違いなしと言われている。
「リン。また徹夜したらしいな」
「アーノルド。マリーさんから聞いたの?」
「誰でも良いだろう。それより徹夜は体に良くない。ちゃんと帰れよ?それと真っ黒装束で塔の個室に籠っているのは、王宮の職員が怖がる。変人扱いされるぞ」
「まあまあ。でもリン。本当に体に良くない。きちんと帰って休んで。疲れて帰れないなら、送って行くし、私の部屋に休みにおいで」
「コラ、殿下。聞き捨てならないですよ。未婚のアルファとオメガでそれはダメでしょう。婚約してからにしてください」
「ああ。それはそうだが。私は同意無く手を出したりはしないよ」
「殿下の理性は信頼しているが、人目があるからですよ。早く婚約してしまえば良いのに」
リンは、クリス殿下が婚約するとは知らなかった。そうなると今後はあまりこうして話したりお茶をすることも無くなってしまうのか。卒業してやっとまたお話することが増えて嬉しく思っていたのにと、悲しい気持ちになった。
「婚約?クリス殿下、どなたかと婚約されるのですか?」
「はぁ…」
アーノルドがなぜか頭をかかえている。リンは不思議そうにめをぱちくりと瞬かせた。
「ふふふ。気長にね。まだだよ?外堀は埋めていってるんだけど、伝わらないんだ。私には魅力が無いのだろうか?」
「殿下はとてもお優しくて思慮深くて素晴らしい治世をなさると思います。お話もお上手で楽しいですし、とても格好良くて素敵です」
「ありがとう。嬉しいよ」
「はあ。天然記念物…」
「?何?アーノルド何か言った?」
「いや」
(クリス殿下が結婚されてしまったら、もう色々お話出来ないのかも。悩んでいてもこのままの僕で良いよなんて、他の誰も言ってくれないだろう。自分で乗り越えないといけない。僕は殿下のご結婚をちゃんと祝えるのかな。悲しくなりそうだ)
リンは、自分がクリスの妃になり得る事も、クリスを好きな事も自覚していなかった。アーノルドは、友人として二人の進展を強く応援していた。早く婚約が成されれば良いのに。
陛下や宰相である父も、リンの父である伯爵も、皆クリス殿下の気持ちをわかって二人の婚約を了承しているのだ。あとはリンの自覚だけだった。
そんな折、王国の辺境に黒い瘴気と魔物が出現した。まだ魔物が少ないうちに、討伐しなければならない。
騎士団のうち、魔術に長けたもの、魔力の多いもの、そして、力の強いものを中心に討伐隊が結成された。アーノルド、クリス殿下も参戦し、魔術師からも、数人が派遣されることになった。
「所長さん。僕は行けないんですか?」
「はい。リンさんはダメです。攻撃魔術と防御魔術の強い二人を派遣します」
「うぅ。僕も国の役にたちたいのに」
「それなら魔道具で何か役に立つものは?」
「あ!有ります。防御シールドが波みたいに増幅しながら広がる装置。実践で使ったことは無いんですが、持っていって貰って良いですか?あと、以前に作った馬車や馬を早める魔道具は量産されているので、集めておきます」
「そうですね。うちの魔術師に持たせてみましょう」
すぐに出発することになっている。王宮で簡単な壮行会という名の陛下からの激励の挨拶だけが為された。
リンも会場に行って、同僚の魔術師達に道具を渡して説明し、アーノルドとクリス殿下にも話しかけた。
「殿下、お気をつけて」
「ありがとう。私は攻撃魔術が得意で剣も鍛えている。大丈夫だよ」
「アーノルドも気を付けて」
「ありがとうな、殿下を守るからリンは待ってて」
「帰らないで王宮にいるね」
「それなら私の部屋に居て欲しい。塔のリンの部屋には休める所が無いだろう?私がいない時間なら良いよね?アーノルド」
「そうですね。殿下の私室であれば設備も安全性も保たれます」
「わかりました。クリス殿下の私室にお邪魔させて頂くことにします」
リンは、出立を見送るとクリスの私室を訪れた。クリスとアーノルドが王宮職員に伝えてくれていたので、リンのための軽食や飲み物、着替えも届けられた。
皆の心配と自分が役に立てないことのもどかしさから食事はあまり進まなかった。でも体を壊したら余計な心配をかけるからとなんとか少しは食事して、水分も取った。
リンはふらふらとクリスの寝台に向かっていた。とても優しい暖かい香りがする。落ち着く芳香に誘われ寝台に横たわると、枕の一つを胸に抱いた。不安で涙が出そうだった。
夜になり、浴室も借りて着替えると、リンはクリスの寝台で休むことにした。何時間待てば帰るのか、見当がつかない。眠って体力を温存していないとしっかり出迎えられないし、何かあっても動けない。幸い発情期はまだで籠る必要もない。なんとかクリスの残り香を嗅いで気持ちを落ち着かせて眠りに落ちた。
翌朝、リンは起床して着替えると持ってきて貰った軽食を取った。何か情報がないか、始業時間が来たら魔術師塔に行って所長に尋ねてみるかと考えていた時。
「リン様、失礼いたします」
ドアをトントンと勢い良く叩いてクリス付きの侍従が入ってきた。
「どうされましたか?」
「伝令が先に参りまして、もうじき殿下がお戻りになられますが、大変な事態のようでございます」
「大変?何かお怪我でも?」
「はい。瘴気と魔物は退治されたのだそうですが、魔物が消滅間際に放った黒魔術が殿下に当たってしまわれたそうです」
「えっ!?どんな魔術でしょうか?殿下は御無事なのですか?御容態は?」
「それが。到着して医師団と魔術所長の診断を待たなければ何ともわからないようです」
「そんな…」
「アーノルド様が後程リン様にご説明されるまでこちらで御待ちくださいませ」
(どうしよう。殿下に何があってどうなったのか。心配で仕方ない。殿下がいなくなってしまったら。僕も生きてなんていけない。僕は殿下が好き。大好き。どうしよう。こんな時になってわかった。それに自分のことなんか。今は殿下のご無事を祈るしかない。神様お願いします。僕はどうなっても殿下をお助けください。代われるなら僕がその魔術を引き受けます。どうか…)
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