ロボット製作するよ

高橋

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浜松勝

20話 俺の仕事

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朝起きると、携帯にメールが入っていた。花園からだ。お礼のメールと、ベランダにシーツを洗って干しておいたと言う内容のものだ。学校の支度を済ませると、出発した。学校では他の科の生徒たちが寝袋に包まっていた。第一実験室を覗くと砲が完成している。情報科の本部となっている部屋へと向かうと、すでに花園がいた。笑顔でこっちへ向かってくる。
「あっ浜松君。昨日はありがとうございました。今日情報科で会議があるそうですよ」
「内容は分かるのか…?」
「島田さんは今日操作方法を決定すると言っていましたわ」
操作方法か…。今回は予算に余裕があるとはいえ、あまり凝りすぎたものは時間の関係上作れない。そんなことを考えていると、朱里がファイルをワゴンに載せてやってきた。スクリーンとプロジェクターが準備され、会議が始まる。
「各科からの要望等はこのファイルに全て書かれているわ。必要に応じて見て下さい。では操作方法を決めましょう」
会議では、様々な意見が飛び交う。パソコンで操作する案。ゲームコントローラーを使う案。レバーなどをパソコンに繋げて操作する案。AIを使用する案などだ。AIはさすがに無理なので却下されていた。現在キーボード案とレバー案の2極化になっている。そこへ島田が審判を下す。
「操作はキーボード。精密性が要求される砲操作はコントローラーを使う、これでいいんじゃないかしら?」
「「なるほど」」
あちこちから「それがいい」などという声が上がる。
「じゃあ、それぞれ役割を分担して、仕事を速く終わらせましょう」
その一言で、持ち場が決定される。
艦操作係・砲操作係・レーダー処理システム係・機関室係・排熱・排気システム係だ。俺は、朱里・花園とともに、レーダー処理システム係となった。この係りに配属となって良かったのは、もうほとんど完成している点だ。あとはレーダーに繋げればいい。
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