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第5章 鳥籠の少女
25、明智秀頼の進路
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次の日、違うクラスの理沙と別れて、絵美とタケルと並んで教室に向かっていた。
2人で会話をさせておき、俺が適当に相づちを打っていると1人の生徒から声を掛けられた。
「あっ、おはようございます!明智さん!」
「おはよう宮村さん」
永遠ちゃんからの挨拶だった。
最近、永遠ちゃんから挨拶をしてくれることも多く惚れそうになる。
てか、タケルと付き合うヒロインって知らないなら告白してたぐらい良い子なのだ。
タケル、絵美と挨拶を返す永遠ちゃんを見ながら1つ思ったことがある。
ーー推せる!
前世であるメタフィクションの世界にて永遠ちゃんドラマCDのピロートークをニヤニヤしながら聴いていたくらい好き。
好きだけど……。
…………ピロートークでイチャイチャしていたのが目の前の男相手なんだよなぁ……。
複雑とかいう言葉では済まされない。
色々な永遠ちゃんのピロートークボイスを思い出す。
『タケルさん、好き』
『あなたの肌の体温、心音が心地良い……。抱き付くのがクセになっちゃいそうです』
『タケルさんと一緒にいると安心します』
『タケルさんの寝顔可愛いです』
『おはようございます、タケルさん。素敵な朝ですよ』
『黙ってキスしてました』
『世界で1番あなたが素敵な男性です』
『明智さんみたいなゴミクズなんかと、比べようがないくらいタケルさんが世界で1番好き』
『タケルさんって表情がたくさん変わって可愛いねっ!』
『お、お、お……大きかったです』
やべ……、タケルの裸想像して死にたくなってきた……。
てか俺、永遠ちゃんから直々にゴミクズ扱いされてる。
「…………」
「どうした秀頼?俺をじーっと見て?」
「なんでもねーよ」
こんな扱いある……?
それくらい明智秀頼みたいなクズゲスに生まれてきた後悔を直視させられる。
「ふふふっ、明智さんって表情がたくさん変わって可愛いですよね」
「うんうん。普段は格好付けてるけど中身可愛い人なんですよ」
永遠ちゃんは、絵美と話ながら教室の中へきえていく。
……俺を置いていく辺り、すでに嫌われてるのかもしれない。
「大丈夫だ、秀頼!俺が待ってるぜ!」
「お、おう」
「にしても、1時間目からいきなり小テストは萎えるよなー。俺、ノー勉だよ」
「出たな勉強してる奴の勉強してないアピール」
「へへっ、バレたか」
教室に入り、男2人で小テスト対策の勉強を始めるのであった。
永遠ちゃんは、仲良く絵美とノートに向かい合っていた。
2人は、仲が良好ですごく安心できると横目に見ながらそんな感想が洩れたのである。
ーーーーー
「そういえば、秀頼は進路とか将来の夢とか決まってるのか?」
タケルと小テストの範囲を勉強していると将来に繋がる進路の話題になる。
ぶっちゃけ高校卒業以降の人生が続くかすらわからない俺に対して『何を聞いているんだ!』と叱りたくなる気持ちをぐっと堪える。
「将来の夢はまだ無いけど、進路はギフトについて学ぼうかと思ってる」
「ギフトかー、なるほどなー。となるとギフトアカデミー狙いか」
「まあなー」
俺やタケルなどのギフト所持者は必ずギフトについて学ぶ学校へ入学する決まりがこの世界に存在する。
つまり、『俺が原作が舞台の学校に進学しなければ問題解決じゃね?』とはならない。
しかも、中学でいつになるかわからないが、『ギフト適性検査』を受けることになる。
つまるところ、現在ギフト持ちが無自覚なタケルもギフトを学ぶ必要が必ず出てくる。
そのギフト持ちが必ず入学することになる学校こそ、『悲しみの連鎖を断ち切り』シリーズの舞台『第5ギフトアカデミー』になる。
…………急に世界観変わりすぎじゃね?
ちなみにタケルみたいにギフト所持者でありながら無自覚という人も少なくないし、中学時にギフト適性がありギフトアカデミーに強制入学しても『結局自分のギフト能力がわからんかった』という人も珍しくない。
例として、そろばんを幼い頃から学んでいて、暗算が得意だったが、実は『3桁までの計算を瞬時に導きだす』ギフト能力が開花していたなどの場合、ギフトは発見されにくい。
現にタケルは、そもそもギフト能力者が周りにいないので『ギフトを打ち消す』という発想が出てこないのも仕方ないところである。
俺のギフト能力をタケルに明かしていないので、俺がギフト所持者なのも知らないわけだしね(絵美と津軽とマスターしかギフト所持者なのを知らないし、絵美には嘘を教えている状態)。
タケルにギフト能力を教えるか教えないか毎回悩み、宙ぶらりんになりまだ教えてないのが現状である。
「将来ギフト系の会社狙ってるのか?」
「いや、別に。ただギフトを配る迷惑な神様を俺の手で殺してやろうと思ってな」
「い、いきなり凄いこと言うな……」
神様より人間に与える人外の力・ギフト。
俺やタケルにギフト能力を無造作にばら蒔く神様。
『悲しみの連鎖を断ち切り』における、元凶であり黒幕のラスボス。
「タケルは?何か決まってるのか?」
「まだふんわりなんだけどよ」
タケルが赤くなり、照れくさそうに俺の目から視線を外した。
「俺、この先ずっと秀頼と同じ学校行って、同じ仕事をやっていけたらなって思ってよ。へ、変かなそういうの……?」
「へー、中々面白いこと言うじゃないか」
そう言うとタケルの顔がぱぁと明るくなり、俺の両手を握ってきた。
「!?、だよなっ!面白いよな!俺たち親友じゃん!これまでもこれからもずっと一緒に俺と人生を歩んで欲しい!」
「お、おう。まさかお前がそこまで友情に熱いやつとは思わなかった」
「お互い、一緒に幸せになろうなっ!」
「まあ、やったるかー」
俺もお互いにバカやれる存在は貴重だ。
そういう点ではタケルは男性で、どんな素の顔も晒せるしな。
…………しかし、なぜ個別ルートでタケルがヒロインに告白するセリフのパロディみたいな言葉を俺にかけたのだろう?
そこまで、本気で一緒にこれからの人生を遊びたいという現れだろうか?
原作では、大体のルートで秀頼に裏切られ続けるタケル。
どれだけ秀頼がクズでゲスな男と知りながら、秀頼を憎んでも、それでも『一生親友だ』とヒロインに言い切り墓参りにすら来る奴だ。
それこそ、理沙ルートなどで自分の手で秀頼を殺害してもその想いは変わらない男。
それくらい、こいつの親友への想いは報われない。
だから、俺が少しでもその想いを受け入れてやりたいと思った。
「へへっ、言質取ったからな。俺たちは一生一緒だぜ秀頼っ!」
たまに中性的なタケルの顔が、女に見えるから不思議だ。
†
この回、情報詰めすぎてタイトル悩みました。
永遠のピロートークのセリフ集と、絵美と永遠の会話シーンで似ているものがありますが意図的な演出です。
そしてタケル、お前……。
ギフトアカデミーのネーミングは遊戯王GXが元ネタ。
GXみたいな学園物語にしたいという思いから。
2人で会話をさせておき、俺が適当に相づちを打っていると1人の生徒から声を掛けられた。
「あっ、おはようございます!明智さん!」
「おはよう宮村さん」
永遠ちゃんからの挨拶だった。
最近、永遠ちゃんから挨拶をしてくれることも多く惚れそうになる。
てか、タケルと付き合うヒロインって知らないなら告白してたぐらい良い子なのだ。
タケル、絵美と挨拶を返す永遠ちゃんを見ながら1つ思ったことがある。
ーー推せる!
前世であるメタフィクションの世界にて永遠ちゃんドラマCDのピロートークをニヤニヤしながら聴いていたくらい好き。
好きだけど……。
…………ピロートークでイチャイチャしていたのが目の前の男相手なんだよなぁ……。
複雑とかいう言葉では済まされない。
色々な永遠ちゃんのピロートークボイスを思い出す。
『タケルさん、好き』
『あなたの肌の体温、心音が心地良い……。抱き付くのがクセになっちゃいそうです』
『タケルさんと一緒にいると安心します』
『タケルさんの寝顔可愛いです』
『おはようございます、タケルさん。素敵な朝ですよ』
『黙ってキスしてました』
『世界で1番あなたが素敵な男性です』
『明智さんみたいなゴミクズなんかと、比べようがないくらいタケルさんが世界で1番好き』
『タケルさんって表情がたくさん変わって可愛いねっ!』
『お、お、お……大きかったです』
やべ……、タケルの裸想像して死にたくなってきた……。
てか俺、永遠ちゃんから直々にゴミクズ扱いされてる。
「…………」
「どうした秀頼?俺をじーっと見て?」
「なんでもねーよ」
こんな扱いある……?
それくらい明智秀頼みたいなクズゲスに生まれてきた後悔を直視させられる。
「ふふふっ、明智さんって表情がたくさん変わって可愛いですよね」
「うんうん。普段は格好付けてるけど中身可愛い人なんですよ」
永遠ちゃんは、絵美と話ながら教室の中へきえていく。
……俺を置いていく辺り、すでに嫌われてるのかもしれない。
「大丈夫だ、秀頼!俺が待ってるぜ!」
「お、おう」
「にしても、1時間目からいきなり小テストは萎えるよなー。俺、ノー勉だよ」
「出たな勉強してる奴の勉強してないアピール」
「へへっ、バレたか」
教室に入り、男2人で小テスト対策の勉強を始めるのであった。
永遠ちゃんは、仲良く絵美とノートに向かい合っていた。
2人は、仲が良好ですごく安心できると横目に見ながらそんな感想が洩れたのである。
ーーーーー
「そういえば、秀頼は進路とか将来の夢とか決まってるのか?」
タケルと小テストの範囲を勉強していると将来に繋がる進路の話題になる。
ぶっちゃけ高校卒業以降の人生が続くかすらわからない俺に対して『何を聞いているんだ!』と叱りたくなる気持ちをぐっと堪える。
「将来の夢はまだ無いけど、進路はギフトについて学ぼうかと思ってる」
「ギフトかー、なるほどなー。となるとギフトアカデミー狙いか」
「まあなー」
俺やタケルなどのギフト所持者は必ずギフトについて学ぶ学校へ入学する決まりがこの世界に存在する。
つまり、『俺が原作が舞台の学校に進学しなければ問題解決じゃね?』とはならない。
しかも、中学でいつになるかわからないが、『ギフト適性検査』を受けることになる。
つまるところ、現在ギフト持ちが無自覚なタケルもギフトを学ぶ必要が必ず出てくる。
そのギフト持ちが必ず入学することになる学校こそ、『悲しみの連鎖を断ち切り』シリーズの舞台『第5ギフトアカデミー』になる。
…………急に世界観変わりすぎじゃね?
ちなみにタケルみたいにギフト所持者でありながら無自覚という人も少なくないし、中学時にギフト適性がありギフトアカデミーに強制入学しても『結局自分のギフト能力がわからんかった』という人も珍しくない。
例として、そろばんを幼い頃から学んでいて、暗算が得意だったが、実は『3桁までの計算を瞬時に導きだす』ギフト能力が開花していたなどの場合、ギフトは発見されにくい。
現にタケルは、そもそもギフト能力者が周りにいないので『ギフトを打ち消す』という発想が出てこないのも仕方ないところである。
俺のギフト能力をタケルに明かしていないので、俺がギフト所持者なのも知らないわけだしね(絵美と津軽とマスターしかギフト所持者なのを知らないし、絵美には嘘を教えている状態)。
タケルにギフト能力を教えるか教えないか毎回悩み、宙ぶらりんになりまだ教えてないのが現状である。
「将来ギフト系の会社狙ってるのか?」
「いや、別に。ただギフトを配る迷惑な神様を俺の手で殺してやろうと思ってな」
「い、いきなり凄いこと言うな……」
神様より人間に与える人外の力・ギフト。
俺やタケルにギフト能力を無造作にばら蒔く神様。
『悲しみの連鎖を断ち切り』における、元凶であり黒幕のラスボス。
「タケルは?何か決まってるのか?」
「まだふんわりなんだけどよ」
タケルが赤くなり、照れくさそうに俺の目から視線を外した。
「俺、この先ずっと秀頼と同じ学校行って、同じ仕事をやっていけたらなって思ってよ。へ、変かなそういうの……?」
「へー、中々面白いこと言うじゃないか」
そう言うとタケルの顔がぱぁと明るくなり、俺の両手を握ってきた。
「!?、だよなっ!面白いよな!俺たち親友じゃん!これまでもこれからもずっと一緒に俺と人生を歩んで欲しい!」
「お、おう。まさかお前がそこまで友情に熱いやつとは思わなかった」
「お互い、一緒に幸せになろうなっ!」
「まあ、やったるかー」
俺もお互いにバカやれる存在は貴重だ。
そういう点ではタケルは男性で、どんな素の顔も晒せるしな。
…………しかし、なぜ個別ルートでタケルがヒロインに告白するセリフのパロディみたいな言葉を俺にかけたのだろう?
そこまで、本気で一緒にこれからの人生を遊びたいという現れだろうか?
原作では、大体のルートで秀頼に裏切られ続けるタケル。
どれだけ秀頼がクズでゲスな男と知りながら、秀頼を憎んでも、それでも『一生親友だ』とヒロインに言い切り墓参りにすら来る奴だ。
それこそ、理沙ルートなどで自分の手で秀頼を殺害してもその想いは変わらない男。
それくらい、こいつの親友への想いは報われない。
だから、俺が少しでもその想いを受け入れてやりたいと思った。
「へへっ、言質取ったからな。俺たちは一生一緒だぜ秀頼っ!」
たまに中性的なタケルの顔が、女に見えるから不思議だ。
†
この回、情報詰めすぎてタイトル悩みました。
永遠のピロートークのセリフ集と、絵美と永遠の会話シーンで似ているものがありますが意図的な演出です。
そしてタケル、お前……。
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